10万Hitおめでとう 第二段 ひよ様に愛を込めて送る嫌がらせプレゼント(返却不可) ***************************************** 本作の登場人物・設定等の著作権は、全てクリス・カーター、1013、 20世紀フォックス社に帰属します。 "Happy Universary" spoiler:Lazarus wrriten by Nicholas 君のことを分かったような気になっていた僕にとって、その言葉は衝撃的だった。 「彼とつきあってたの。」 君のこと優等生で、規律を守ることにはすごく厳しい人だと思ってたよ。まさかアカ デミーの教官とつきあってたなんて。しかもかなり年上だろ。 そんなことを考えながら自分をごまかしてる。そうさ、そんなことにショックを受け てるんじゃない。君にも過去があるんだっていう当たり前のことにきづかされて、そ れにショックをうけてるんだ。 僕たちが出会ったのは10代じゃない。お互いにそれなりの出来事を一通り経験して いてもまったくおかしくない年齢だ。 それなのに僕は君にも過去に男がいたってことが自分でも意外なくらいにショックだ った。 君がXF課に配属されてから、僕たちが寝るまではあっという間だったかもしれない。 そしてそれはあまりにも自然で、気付いたらそうなってたって感じだった。 後から考えてみれば、これだって立派な内規違反だな。回りが考えるほど”いいこ” じゃないんだな、本当は。 でもだからと言って、君が誰とでも寝るような人とは思わない。 僕たちのそれは、欲求を満たす行為でも、慰めあう行為でもない。自分でもよくわか らないけど、お互いの絆を確かめあうような、そんなものだろうか。 「ジャック」 僕のことなど眼中にないかのように呼び続ける君を見ていたら、君にとって彼は今で も大切な人であることを感じた。 僕にとってフィービーができれば思い出したくない苦い過去であるのとは違って。 だんだんと冷たくなっていく彼に僕は自分でも説明のできない感情を持った。 ジャックの所持品の中に見付けた腕時計。その裏を見たとき僕は自分の何気ない行動 を呪った。そこに刻まれた文字には、僕には入り込めない時間が横たわっていた。そ して君にとってその時間が普遍的なものとなったことに、己の半身をえぐりとられた ような痛みをおぼえた。 どうやら僕は君と強い絆を持つことを、君を自分の一部とすることと勘違いしている らしい。 何を馬鹿なことを。君は君で、僕は僕さ。 それぞれの過去を、今を、そして未来を持っているはずじゃないか。 じゃあ、この喪失感はいったいなんなんだ。 わからない。わかりたくもない。そしてわからない方がいい、きっと。僕の為にも君 の為にも。 今はただこの腕の中のぬくもりだけを感じていればいい。 そう、僕を満たしてくれる唯一のこのぬくもりを・・・ nicholas@fh.freeserve.ne.jp