DISCLAIMER: The characters and situations of the television program "The X-Files"are the creations and property of Chris Carter, Fox Broadcasting,and Ten-Thirteen Productions. No copyright infringement is intended. ★前書き このFicは「ファイアー・プロミス」というユニットによって書かれたものです。 ジャンルはコメ・モルスカ『激』おとなFic。 しかもかなり『おふざけ』なテイストでStoryは進められています。 ですので本編とは決定的にかけ離れており、Mulderはただのスケベ、Scullyは いつにも増して小難しい不可解なキャラに出来あがっております。 そして、2人はすでに恋人同士という設定です。 本編とは違うMulderとScullyを見たくない人、アダルトは読みたくない人、 18才未満である人、おふざけには興味がない人、長編はキライな忍耐強くない人。 これらの1つでも当てはまる方は運良くも、このFicを読んでいただくには 『不適当』なお方です。 ですので、即刻このウィンドウを閉じて何も見なかった事にしてください。 この警告を無視されFicを読んでしまい気分を激しく害されたとしても、 それはあなたの自己責任に他なりません。 やつ当たりなどなさらぬ様、常識をわきまえてください。 尚、上記のどれにも当てはまらなかった方々は、このFicを楽しんで頂ければ幸いです。 前書き担当、ファイアーでした。        〜この作品は、大好きな「関西人万歳!」さんに捧げます。〜 ┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏             『Love Hotel of Investigation』(前編)                 (Rating:NC-17)                                Written by                 ファイアー・プロミス              ┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ それはそろそろ真夜中にかかろうかという時だった。 『空車』の表示を『回送』に変えて走らせていたのにも関わらず、通り沿いで 1組の男女が俺に向かって一生懸命手を振っているのを見付けた。 俺はどうしようか一瞬悩んだが他の車がまったくミラーに映ってなかったという こともあって、結局止めることにした。 先日、田舎町から出てきたばかりのタクシー運転手としては、一人でも多くの客を 乗せてとにかくこの街に慣れないと・・・と殊勝にも思っていたからだ。   ハザードを出してすっと男女に近付き、ドアを開ける。 すると2人はなんだか意味不明の言葉を漏らしつつ、中へと乗り込んできた。 「どちらまで?」 そう言ってバックミラーを見た途端! 俺の背筋は一瞬にして凍った・・・外人だ!!! 「Would you take us to the Hotel Marriott.please.」 「はぁぁぁぁぁ???」 自慢じゃないが、私、桜井。 タクシー運転歴30年のベテランとは言え、外人を乗せたのはこれが初めてだ! その言葉は宇宙からのメッセージに近いものがあり、皆目検討がつかない・・・. そこで唯一知っている英語を・・・こんなときにはまさにぴったりな英語を口にした。 「あ、あい きゃんと すぴーく いんぐりっしゅ!!!」 すると長身の男の方が隣の小柄な女の方を見た。 小柄な女は軽く男を睨み付けてから俺に向かってゆっくりと言った。 「Hotel Marriotto.」 や、やっぱり、英語だ〜〜〜! 俺は体中から汗が吹き出すのを感じた。 ああっ、止まるんじゃなかった! 陽の光の元ならこいつらが外人だってことは一目瞭然だったのに・・・ 分かったら絶対に止めなかったのに! でも、道理で『回送』表示の車に手を振っていたわけだ・・・ なんて妙に冷静な部分では納得しながらも、今はどうやってこいつらを降ろすかって事を 真剣に考えていた。 「あ、あい きゃんと・・・」 俺が同じ台詞を繰り返そうとした時に外人の女がそれを手で遮った。 そしてにっこりと微笑んで、またしてもゆっくりと言う。 「Hotel Marriotto.」 その微笑があまりに美しかったので一瞬“ぼうっ”っとなりかけた俺だったが、次に 『ホテル』の単語に気付いた。 「ほてる・・・?」 すると美しい外人の女はニッコリと微笑んでもう一度言った。 「Hotel Marriotto.」 「ほてる・・・マリオネット???」 「Yes!Sirree!!!」 なんだかよくわからないが、正解らしい。 外人男の表情は一変して「喜色満面」といった感じになった。 なあんだ!と俺は安堵した。 さっき乗せた若いカップルと同じ行き先じゃないか! そのうえあそこには・・・おっと、いけない、勤務中だ。 プライベートな事は置いておこう。 しかし・・・あのいろいろな種類の部屋が取り揃えてあると評判の高いホテルは 外人の間にも浸透しているのだろうか? そっかー、ある意味観光名所かもな?そう思いつつ俺は答えた。 「おーけー!ホテルマリオネットね!!!」 「Yes!Yes!!!」   なあんだ! 俺の英語の力も捨てたもんじゃないな♪と思いつつ、俺はそのホテルへと車を 走らせた。 しかし、この2人はあんなホテルまで知っているとは・・・意外と日本通?なんて 思いながら、私はラブホテル「マリオネット」へと車を走らせたのだった・・・ ._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._. 「ふう〜なんとか無事にHotelに着きそうだな、Scully。」   どうしてあなたって、何時でも何処でもどんな時でも自分のスタイルを貫こうとするのかしら? ここはあなたのアパートじゃないのよ。 もっと言えばX-File課のOfficeでもなくって、ワシントンDCでもなくって、 アメリカ合衆国でもないのよ。 ”旅の恥は掻き捨てろ”とは言うけど、お願いだから異国の地、日本でアメリカ人の 品位を落とすような行動は取らないでって何度も言ったのに、やっぱりあなたは聞いて くれないのよね。 いつもは「Please」を後に付けるだけで敬語に鳴ると思ってるあなたが、珍しく 「Would you〜」なんて普段は滅多に使わないような頼み方したって、所詮英語 なんだから通じるわけないじゃない。 「ここが中国だったら僕の類稀な語学力でタクシーぐらい簡単に乗れたのにな。 ここは日本だから披露できなくて残念だよ。」 はあ・・・お願いだから少し黙っててくれるかしら? 大体私、最初っから乗り気じゃなかったのよ。 この海外出張。 だって絶対ロクな事ならないもの、あなたと遠出な出張すると。 しかも海外なんて、もうそれだけで何か起こってくれって言ってるようなものだもの。 FBI斬っての心理分析官なんて肩書きで、犯罪学会でエラそうな事述べてた時だって 私はハラハラして気が気じゃなかったわ。 普段、言葉足らずのあなたが、よくもまああれだけペラペラといい加減な事を他国で 言えるわね。 ある意味、その勇敢な態度にとっても感心するわ。 「なあ、Scully。日本の警察庁もマリオットHotelなんて超豪華なHotelに泊めて くれるなんて気前がいいよな。FBIも見習って欲しいもんだ、まったく。」 はあ・・・やだわ、私、日本に来て一体何回目かしらため息ついたの。 「ねえ、Scully。疲れてるのかい?日本で君は特別何もしてないのに。」 ええ、疲れてるわよ。 とっても疲れてるわよ。 私が特別何もしてないですって!? そうね、確かにあなたから見れば何もしてないでしょうね、私は。 学会でしゃべってるのはあなただけですもんね。 私は隣で座って、冷や汗かいてるだけだもの。 でもね、DCに居る時の何百倍も神経使ってるのよ、あなたの言動に!! 「Hotelに着いたら、何しよっか、Scully?とりあえず、最上階のレストランで シーフードでも食べる?どうせ経費で落ちるんだし。」 「いいんじゃない・・・」 「あっ、やっぱり君もあそこのシーフードを食べたかったんだな。なんせ生の シーフードはやっぱり日本が美味しいらしいから。君もこの際ダイエットなんて 無駄なこと止めて腹いっぱい食べたらいいよ。どうせ経費なんだし。」 ・・・ねえ、運転手さん。もっとスピード上げてくれるかしら? ._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._. 「ふう〜なんとか無事にHotelに着きそうだな、Scully。」 と言って僕は隣に座っているScullyの様子を伺ってみた。 (げっ。) 思わず口から飛び出そうになったそんな言葉を慌ててゴクンと飲み込んだ。 あきらかに怒ってる.... 腕を組んで窓の外を見て僕と視線を合わさないようにしてはいるものの・・・ 全身から「怒りのオーラ」が溢れている上に・・・窓ガラスに思いっきり 眉間にしわを寄せた顔が映ってるって分かってる?Scully。 そりゃあ、確かにタクシーに何台も乗車拒否されたさ。 日本語が出来ない僕も悪いけど、君だって横で立っているだけでなんにも言って くれなかったじゃないか。 おっと、でもこんな事を言ったらScullyの顔はますます怖くなるに違いない。 ここは僕がひとつ大人になって、思わずふっと笑わずにはいられないような ジョークで場を和やかにしてやるか? 「ここが中国だったら僕の類稀な語学力でタクシーぐらい簡単に乗れたのにな。 ここは日本だから披露できなくて残念だよ。」 するとScullyはやっと僕の方を見てくれた!・・・と思ったらわざとらしく大きく 「はぁ」とため息をついて見せて再び窓の外へと視線を向けてしまった。 な、なんなんだぁ? その呆れ返ったというような表情はっ! 僕がいったい何をしたって言うんだ? 誉められこそすれ、惚れ直されこそすれ・・・君がため息をつく理由なんてないはずだ。 今回のこの海外出張。 僕は楽しみでたまらなかった。 僕の得意分野の学会! 君はパートナーとして鼻を高くする事はあっても、眉尻の位置を高くするなんて事は ないはずだ。 そ・れ・に♪ 忘れちゃいけない、お楽しみ! 「なあ、Scully。日本の警察庁もマリオットHotelなんて超豪華なHotelに泊めて くれるなんて気前がいいよな。FBIも見習って欲しいもんだ、まったく。」 薄給な僕等にはなかなか縁のないこのHotel! いつもの安いモーテルとは違う雰囲気なら君だって・・・うひゃひゃ。 ・・・でも、あらら? やっぱりため息? ひょっとすると長旅の疲れか? お楽しみな日本の夜はこれからだっていうのに・・・心配になってきた。 「ねえ、Scully。疲れてるのかい?日本で君は特別何もしてないのに。」 ちょっと体を摺り寄せて、耳元で囁いてみる。 するとScullyはいつもなら人前では嫌そうに体を離そうとするくせに、今に限っては そんなそぶりは見せない。 (はは〜ん♪) 僕にはピンと閃いた。 淋しかったんだな?Scully。 僕があまりに学会に夢中で君の方を見ようともしなかったから。 ばかだなぁ。 君に僕の立派な姿を見せようとがんばった男心がわからないんだね? まあ、君は心理学を修めてないから仕方がないかもしれないけれど・・・ 僕に体を預けている様子だけで君の思いが手に取るようにわかる・・・愛だね! そこで僕はさらに体を摺り寄せて言った。 「Hotelに着いたら、何しよっか、Scully?とりあえず、最上階のレストランで シーフードでも食べる?どうせ経費で落ちるんだし。」 「いいんじゃない・・・」 ほらほら、Scullyの態度は軟化してきた♪ そんなに淋しかったんだね。 しかし、心なしかHotelの言葉に力が入ったのに気付いたかな? 「あっ、やっぱり君もあそこのシーフードを食べたかったんだな。なんせ生の シーフードはやっぱり日本が美味しいらしいから。君もこの際ダイエットなんて 無駄なこと止めて腹いっぱい食べたらいいよ。どうせ経費なんだし。」 “それに今晩は体力勝負だし!”その言葉も言いかけたがそれはすんでのところ で止めた。 Scullyはそういったあからさまな表現は好まない。 ああ、僕ってなんてScullyのことをよくわかっているんだろう? そう悦に入りながらゆっくりと彼女の肩に手を回してみた。 しかし、その途端手の甲をぎゅっと抓られる。 僕は慌てて手を引っ込めたが、思わず顔は緩んでしまった。 (照れ屋なところも可愛いよ♪) やっぱり口には出せなかったけど、今はいい。 とりあえず、今晩の事に思いを馳せつつ、はやくHotelにつかないかなぁ?と 願いつつ、僕は顔が自然と緩むのを一生懸命押さえていた。 運転手・・・興味深そうにじっとミラー越しの僕たちを見つめているのは 気のせいじゃないと思う。 ここではそんなに外国人が珍しいのだろうか? ._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._. (この2人は恋人同士なんだろうか・・・?)   俺はふとバックミラーに映る彼らを見つめた。 なにやら小難しそうな顔をしている女と1人くっちゃべってる男。 何を隠そう、自慢じゃないが俺はこの道30年のベテランタクシー運転手。 客が乗ってきたその時点で、すぐさまどんな生活をしてるのか大体判断出来る。 人生に疲れてる中間管理職だな、とか人生を謳歌してる独身貴族、 嫁に行き損なってる女。 はたまた付き合い始めたばかりのカップルや親子と見間違うかのような 援助交際カップル、不倫カップル。 客の生活をほんの少し垣間見る事が出来るんだ、俺ってば。 (しかし、この外人カップルはどうなんだろう・・・) 日本人じゃないからか、俺の観察眼が少し鈍ってる。 内に秘めたヒステリーってのが万国共通なら、女の方は絶対に虫の居所が良くないぞ。 こう言う時は男は黙ってた方がいいのさ。 ほら、みろ。ため息つかれてるじゃないか。 益々機嫌悪くなってるのが俺にでも分かるってのに、この男は何をくっちゃべって るんだ? (ラブホテルに行くぐらいなんだから、やっぱりカップルだよなあ・・・)   俺は前の制限速度を守り過ぎてる車に少しイライラしながら、後ろの二人を観察 しつづけた。 あーあー、バカだなあ、あんた。そのため息のつき方は”黙ってくれ”のサインだよ。 彼女の機嫌をとりたいのか、なんだか知らないがそんな風に身体を摺り寄せても 逆効果だよ、あんた。 ああ、ほら言わんこっちゃない。 俺は手の皮を抓られた男を気の毒に思ったが、何故だかニヤついている男を見て そんな思いは吹き飛んだ。 と同時に前のトロイ車がわき道に逸れたので、俺は制限速度を少しオーバーさせた。 あれ?なんだか女の方が微笑んだような気がしたが、もしかして急いで欲しかったん だろうか? それならそうと言ってくれれば・・・って言われてもモチロン意味不明なんだが、 俺は妙にウレシくなってようやく到着したラブホテル街入り口を走りぬけた。 そして、数多くあるラブホテルの中でもそのずば抜けた照明センスで飾られた マリオネットHotelの前で車を止めた。 「1850円・・・いや、ああっとワン、エイト、ファイブ・・・ゼロ・・・」 戸惑ってる俺に女は微笑むと、千円札を2枚差し出した。 俺は受け取って釣りの150円を渡そうとすると、女はそれを止めた。 「Nice driving. Thank you so much.」 「ええっと・・・サン・・・キュー。」 また冷や汗を掻き始めた俺をさらに追い込むかのように男が話しかけてきた。 「Could you please give us a receipt?? 」 そんな男を女はまた人睨みすると、財布から何やら紙を出して俺に見せた。 それは、どこぞのローソンのレシートだった。 ああ、領収書が欲しいのか。 そう理解した俺は領収書に1850円と書きティッシュ2つと一緒に女に渡してやった。 ティッシュを見つめて女は不思議そうな顔をしたが、ニッコリと美しく微笑むと もう1度サンキューと言って男と車を降りていった。 「ふうぅぅ・・・。疲れたぜ、今日は・・・.。」 後部座席のドアを閉めた俺は思わずそう呟くと、ホテルの前で立ち尽くしてる二人を 少し見つめてから、その場を後にした。 ._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._. 「ここは・・・?」 僕は目の前にそびえたつ建物を見て呆然としてしまった。 人間、心底驚いた時には思わず口をパカッと開けるものなんだなと改めて実感する。 「ここって日本のラスベガスなのかな?」 「・・・さあ・・・どうかしら?」   Scullyは僕の横で、やっぱり同じ様に口をぱかっと開けてひたすら目の前の建物を じっと見ていた。 そりゃあ驚くだろう.... なんなんだ?この派手な建物は??? あの超豪華マリオットHotelも、日本では随分とデザインの傾向が違うんだな・・・と 思ったのが最初の素直な印象だった。 外観は、よく日本の昔の忍者映画で見たような・・・江戸城・・・だったかな? 日本独特の城の形をしている。 しかし・・・壁は資料ではこんなショッキングピンクではなかったぞ??? それは数えてみたら5階立てだったが、各階の壁にはいろいろなネオンサインが 瞬いている。 そして、そのネオンも・・・なんというか統一性のないデザインで、一階部分には 椰子の木と水着の男女がかたどってあるのはよいとしても・・・どうしてその 2階部分には象とかキリンのネオンが瞬いているんだ? 3階には天使・・・4階には風船がネオンで描かれている。 そして5階では種切れだったのか、なんとそこだけはピンクの壁ではなく虹をモチーフに してあるのか、壁をくるっと囲むように7色に色分けをされていた。 それを玄関そばの植え込みにあるであろう動くスポットライトであちこちに光があてられ たりしているんだからすでに僕の理解を超えている。 こんなデザイン・・・近所の子供でも絵にしないだろう。 そう思っていたときScullyがぎゅっと僕の腕を掴んだ。 「Mulder、あ、あれ・・・」 Scullyが指をさした先を見ると・・・突然、暗闇の中に宙吊りにされている人の形が 浮かび上がった。 (事件か??)   僕はそちらへとじっくりと目をこらしてみた。 その人影はどんどん大きくなってくる。 もうちょっとよく観察すると、それが宙吊りになっている原因は、どうも屋上に とりつけられたクレーンが回転しているらしいってことがわかった。 そして、近付くにつれてわかるその大きさ・・・1フロア分くらいの高さがある。 (・・・人形か?) まるで、その姿は首吊りをしているかのように手も脚もだらんとしている。 とうとうそれが正面にやってきて・・・下から見上げて確信した。 やはり、人形だった。 本来ならば手や足に糸がついていて、それが動くようなしかけがしてあったらしいが、 今が夜のせいなのが糸が切れたのか原因はわからないが、ただ回るだけの状態に なっているらしい.... うまく動けばそれなりに愛らしいのかもしれないが、そうでなくただ吊られて回転して いるだけの人形はやっぱり首吊りしている人にしか見えない・・・これを見て警察に 通報しない人はいないのか? それがまた、スポットライトによってときどき浮かび上がるんだからもはやホラー以外 の何者でもない・・・ 僕達はしばらく人形をあんぐりと口を開けたまま見ていたが、やがてそれが城の後ろに 隠れた時にやっと気を取り直すことができた。 「と、とにかく入ろうか・・・?」 「そ、そうね・・・」   Scullyはさっきまでの毒気はすっかりと抜かれたようだった。 素直に返事をしてくれる。 僕達は顔を見合わせて頷いてから、ゆっくりと玄関へと入っていった。 ._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._.        理解不能な事にはかなり理解できるあなたでも、さすがにこれには 驚いたようね。 実際、私もかなり驚いたわ。 建物を建てるのに大事なセンスや調和といった言葉がまるで存在しないかの ように、これ程まですごいデザインが果たしてDCに、いや合衆国にあったかしら? ホントにこんなデザインをした人の色彩感覚やセンスといったものを私は かなり疑うわ。 日本人の特徴は”控えめ”だって聞いてたけど・・・ それって昔の話なのかしら、もしかして? 「と、とにかく入ろうか・・・?」 「そ、そうね・・・・」   促してくれてありがとう。 あなたがそう言ってくれなかったら私はこの場から動けなかったかもしれないわ。 この際、あなたがこれみよがしに私の肩に回したその手の存在を今だけ忘れてあげる。 いつも言ってるでしょう、外ではこう言う事はしないでって!! 今だけだから。今だけよ!! そんな時、左肩にぶつかられた衝撃を感じて私はMulderから視線を外した。 「あっ、ゴメンナサ〜イ。でもそんなとこに突っ立ってたら邪魔よ。 も〜う、今日のヒデ君、超ヨカッタよ♪」 「お前もすっごくヨカッタよ。今度は熱帯雨林の部屋にしような。」 なんなの、あのカップルは? 何をそんなにイチャイチャと暑苦しいほど引っ付いてるのかしら? Mulder、あなたも調子に乗らないで!! どうして学習してくれないの、あなたって? 外では私にたとえ頬だろうとKissして来ないでって言ってるじゃない!! 一体、何回手を抓られれば気が済むのよ。 やだやだ、もう早く部屋に入って熱いシャワーを浴びて、ベッドに手足を伸ばして 寝転びたい。 もうそんな気持ちで一杯で私は自動ドアを潜り抜けた。 そしてまた驚かされるハメになるなんて、Mulder、あなたも考え付いたかしら? ド派手な外観とは打って変わって、今度は青白く輝くブラックライトが所狭しと 配置されている。 Mulder、あなたの白いシャツがとても眩しいわ。 ”静と動”これほどまでにその言葉の意味を主張するような対比は珍しいわ。 なんだか気分が悪くなってきたわ、私。 「Mulder、お願い。今すぐチェックインしてきてくれるかしら?」 「中国語だったら簡単なのになあ、そんな事。」   睨まれないうちに、早くやった方がいいわよ、Mulder。 「分かったよ、そんな怖い顔して睨むなよ。美人が台無しだぞ、Scully。」   あら、私もう睨んでた!?        ._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._. ウィーン・・・自動ドアの開く音がした。 またカップルが入ってきたみたい。 そう思いつつ顔を上げると・・・2人はなにやらもの珍しげに あたりの様子を伺っていた。 こういったホテルは、初めてなのかね? そう思いつつ、私は2人の様子を伺っていた。 やがて、男が女に何事かを言われてこちらへとやってくる。 しかし、その顔を見て私は硬直をしちまったね・・・外人だよ!!! 自慢じゃないが女学校を卒業して25年。 英語なんてものに触れた事がない・・・ 外人男は人懐っこそうな微笑を浮かべて寄ってきた。 英語を・・・しゃべるつもりかい? 背中に汗がツーっと伝うのが分かる。 一瞬パニクり書けたけど・・・ここは日本。 こういうときには先制するに限る! 「いらっしゃいませ!ご予約のお名前は??」 きっぱりと日本語。 すると男はびっくりした様子で笑顔もひっこんだ。 そして、おそるおそると言った様子で聞いてきた。 「Do you speak English?」 「ノー。私にはわからないよ。そっちこそ日本語はできないのかい?」 すると男はますます困った顔をして・・・そしてゆっくりと言った。 「We have reservations.」 「わかんない男だね!英語はわかんないって言ってるだろう?」 私が半ばイライラして答えると男は心底困った顔をして・・・悩んでいる様だった。 そして、“まあまあ”というようなジェスチャーをしつつ、後ろにいる女の様子を ちらちらと盗み見ていた。 男というのは万国共通で女にしっかりとしていない部分を見られたくないのか、それとも 助けをもとめているのか? でも、私としても英語なんてわからないのだから仕方がない。 第一、予約名簿を見たが外人の名前なんて載っていない。 このカップルはここが予約制だという事を知らずに入ってきたんだろうな、とは思った。 すると、女の方がふとこちらに顔を向けて・・・そして近寄ってくる。 男と何事か早い口調で英語で話しているようだ。 そして、男を後ろに押しやり私の前に立った。 「We'd like to check in.」 「だから、英語なんて・・・ん?チェックイン?」 なんだか聞きなれた単語が耳に入って思わず繰り返すと・・・女はうれしそうに 私に笑いかけ、同時に男に向かってあごを突き出した。 どうやら、通じた事を自慢している様に思える。 やはり、ここを利用したいらしい。 私はちょっとだけ考えた。 このホテルはラブホテルにしては珍しく予約制をとっている。 というのもこのあたりでは1番様々な部屋を取り揃えていて、人気が高い。 週末ともなるとフロントで待っている客が何人も出る始末だった。 そこで、強気なオーナーは完全予約制を決めたのだが、平日ともなると 予約なんてほとんど入らない。 時計を見れば、時間も時間で遅くなってきたし、ここは日本人の人情の見せどころだと 思い、利用させてあげることにした。 まあ、最大の原因は情けなさそうな男の顔を見ていたらつい・・・ってところ なんだけど。 ここで放り出したら女にまたまた怒られそうな雰囲気は目に見えていた。 強い女を恋人に持つと男も苦労だねぇ。 そして、私は壁にある部屋の写真を指差した。 「さあ、どの部屋がいいんだい?えっと・・・英語ではなんていうのかねぇ? 選ぶ・・・チョイスだっけ?」   するとすぐに意味は通じたらしく、またまた男と女が早口でなにやら話し合っていた。 どうも意見が別れているようだ。 そんな様子をしばらく見守っていると、やがて2人はぴたっと動きを止めた。 そして、こちらを振り返り写真を指差す....それぞれ別の。 「・・・あんたたち、なにしにきたんだい?」 あきれかえって私が言うと、二人はその言葉の意味がわからないなりにも、なにかが 間違っていると悟ったらしい。 私の顔をじっとみて次の言葉を待っているようだった。 ここのホテルに移ってからは日が浅い私だけど、フロント歴だけならそろそろ 10年経とうっていうベテランだ。 この2人がカップルかそうでないかぐらいはすぐに分かる。 まちがいなく恋人同士の癖になにを照れているんだか・・・ 私はおもむろに一本だけ指を立てて、突き出した。 「一つだけだよ。どっちかに決めるんだ。わかるかい?ひ・と・つだけ。」   すると、指一本というのは万国共通のようで、意味を理解したみたいだった。 二人でなにやらまたもめ出したが・・・やがて、おもむろに・・・じゃんけんを始めた。 勝負は女がチョキで男がグー。 男の勝ちだった。 男は心底嬉しそうにガッツポーズを見せ、女はますます不機嫌な顔になった。 海外の男は日本の男と違って女のいうとおりにしてやるっていうのはないのかね? そして、男は誇らしげな顔のまま、もう一度自分がさっき指を差したところを改めて 差し直した。 私は2人をフロントに呼んで鍵を渡してやった。 そして、肝心な料金表を指し示す。 「・・・で、休憩かい?泊まりかい?」 「What?」 男が不思議そうな顔で聞き返す。 そして、2人はいったん顔を見合わせてから、私が指し示していた料金表へと顔を近付け、 今度は女が言った。 「Rest?Stay??」 私は大きく頷いて見せた。 料金表にはそう書いてある。 それって英語だから当然意味は通じたんだろう? 「Stay!」 男が自信を持って答えた。 女の方はなんだか天を仰いでいたが、とりあえず私は大きく頷き、料金を請求した。 すると男は、一瞬不思議そうな顔をして私を見たが、財布を取り出してきちんと 払ってくれた。 「部屋はあの点滅している矢印に沿っていけばあるから・・・わかる?」 と私が表示灯を指差すとそれはすぐにわかったようだった。 まあ、キーにも部屋番号がついているし大丈夫だろう。 数字は英語も日本語もないからね。 すると外人カップル2人は「サンキュー」と言って、廊下の方へと消えて行った。 私はどっと疲れを覚えたが・・・まだ交代の時間までは遠い。 そこで、気分転換にコーヒーでも入れようと決めて席を立った。 ._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._. はあ・・・これでやっと旅の疲れを癒せるはずなの・・・ ん?? 何、何こっち見てるのよ、Mulder?? 早くそのフロントの女の人から鍵を受け取って私に渡して頂戴。 もう、そんな顔したってダメなんだから。 どうしてフロントに行って1分も経たないうちに不安そうに私の方を見るのよ?   (ああ〜、もうっ!!) 私はすぐにでもフロアに座り込んでしまいたい程疲れに疲れ切った身体に ムチ打ってMulderに近づいた。 「もう、どうしてあなたってばチェックインの1つや2つスンナリと出来ないの!?」 「だって、Scully。ここは中国じゃないんだよ。」 「〜〜〜もう、いいわ。私がやる。あなた後ろで待ってて!!」   そうして私は残りのエネルギーのありったけを使ってMulderを私の前から移動させた。 「We'd like to check in.」   ほら、みなさい!! 通じるじゃない、ちゃんと!! そんなシュンとした顔したって今日の私には効果ないんだから。 えっ!? チョイスって言ったの? 何、ここから部屋を選ぶのかしら・・・変わったシステムね。 「Mulder、なんだか部屋を選んでくれって言ってるわ。」 「Scully、これ!!これにしようっ!! 」   えっ、何、その部屋?? まあ、人の好みだからいいけど・・・あなたはそれにしたらイイわよ。 「私はこのエジプト王朝じみた部屋がいいわ。」 「なんだよ、それ。朝起きたらミイラになってそうな部屋だな。」 「いいじゃない、別に。あなたはその宇宙船、私はこの王室。」 「えっ、部屋を別にするつもりなのか?」   何言ってるのよ、当たり前じゃない。 なんだか益々この部屋に泊まりたくなって来たわ。 あらっ、隣の病院チックなのも捨てがたいけど・・・ そう言って部屋に指をさしたまま、私はフロントの人に目線を合わせた。 えっ、ダメなの??その人差し指の意味って、もしかしたら1つっていう意味かしら? 思わず、あなたと目が合って視線を外してしまったわ、今。 「1つだってさ、Scully♪」   何をニヤケてるの?・・・もう、やっぱりロクな事にならないのよ、あなたと 一緒だと・・・ 「どうして1つなのかしら?」 「さあ、知らないよ。予約が混んでるんじゃないのか?」 「じゃあ、どうして部屋を選べるの?」 「さあ、そんな事知らないよ。で、どうする??僕としてはこのSpaceShipで君と 素敵な夜を過ごしてみたいんだけど。」   何が、素敵な夜よ。 元から素敵な夜なんて過ごせるような気分じゃないのよ。 その上そんな趣味の悪い部屋に寝てたら悪夢を見そうだわ。 「私はここがイイの。」 「OK分かった。じゃあ、こうしよう。実は僕は日本に来れると分かって日本語の本 とか買ったんだけど、そこに『ジャンケン』ていうのがあった。Scully、知ってる??」   そんな日本語の本買ったのなら、どうして携帯しとかないのよ!? 買っただけで使わないと全然役に立ってないじゃない!! 「・・・聞いた事はあるわ。グーとチョキとパーのやつでしょう?」 「さすがだね、Scully。君にはあまり説明がいらないんで助かるよ。どうだい、その ジャンケンで部屋を決めるっていうのは?」 「・・・いいわよ。」 ちなみにこの時の私のイイはどうでもイイのイイなのよ。 もう何でもイイから早く私を休ませて・・・!! 「OK、そうこなくっちゃ。じゃあ、ジャンケン・・・ポイっ!!」   ・・・ヤダ・・・ウソでしょう・・・??負けちゃったの、私?? 私は2本だけ突き出た指を見て呆然としてしまった。 「ねっ、ねえ・・・Mulder??この部屋はどう??病院みたいで案外落ちつける かもしれないわよ。もし、あなたが寝てる時にいきなり病気になってもこの部屋なら 治療してあげられるし・・・ねっ??」   気を取りなおして、私は残りわずかなエネルギーを絞りに絞ってあなたに微笑んだ つもりなのに・・・ 「いやだよ、治療しかできなさそうじゃないか。絶対これがいい。」 治療しかって『しか』って何なのよ、一体? 脱力した私に構うことなく、あなたはそうやって鍵を受けとって・・・ 少しは私の身にも・・・ 「・・・で、休憩かい?泊まりかい?」   えっ、何かしらこれ!? 「Rest?Stay??」 「Stay!!」   また、あなたは勝手にそうやって1人で何でも決めていって・・・ 「なっ、Stayだよな、当然Scully。」   ハッキリとStayとフロントに告げたあなたを横目に私は段々と意識が薄れて行くのを 感じるわ。 ああ....なんだか知らないけどどうしてお金払ってるの? まあ、いいわ。 どうせ経費だし。 やっと鍵をもらったのね、私達。やっと休めるのね。 あの表示灯に向かって行ったら部屋があるのね? もうこの際、どんな趣味の悪い下品な部屋でも構わない。 私を休ませて・・・ ._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._. ♪ジャーンジャンジャジャジャーンジャン!!!! それは部屋のドアを開けた瞬間だった。 突然響いてきた大音響にほっぺたを殴られた。 まったく予期せぬ事に思いっきり驚き、反射的にドアを閉めてしまう。 隣を見ると、それまでぐったりしていたScullyも驚きのせいかぱっちりと 目を見開いていた。 思わず二人で顔を見合わせた後、もう一度部屋のドアについているナンバーと 鍵のナンバーを照らし合わせた・・・合っているよなぁ? 間違いじゃなさそうだ。 「僕の記憶が確かなら・・・今のは“スターウォーズのテーマ”かな?」 「私の記憶の中でもそうなってるわ。」 一体なぜそんなものが流れているんだろう?BGMか・・・?BGM・・・ 「Scully!そうだよ!僕達の部屋はSpaceShipなんだ!日本のホテルって おもしろいなー♪」   あまりと言えばあまりに単純なその発想はシンプルで明快で笑えるじゃないか〜。 それになんだか、はりきりたくなってしまう曲だし・・・がんばるぞ〜〜〜〜! 「さ、Scully!入ろう!ここはやっぱり僕達の部屋だよ!」   そう言ってScullyを見ると・・・さっきまでのお目目ぱっちりの顔はどこへやら。 なんかすごく疲れた顔をしてる? 「どうした?Scully。なんだったら新婚のように抱いて入ろうか♪」   ほらほら、今の僕なら君と荷物くらい平気で抱き上げれるのさ! 「あ、あの・・・ちょっと待って?Mulder・・・」 「なんだよ?Scully???」   するとScullyは、極力にっこりと微笑んだ・・・というか微笑む努力をした みたいだ。 口元に変な皺が寄ってる。 ははーん、なにか頼みがあるときの顔だ。 さっきの『病室みたいな部屋』がいい、って言ってきたときも、こんな微笑だった。 そろそろ、お見通しってことに気付いてもいいと思うんだけど・・・ でも、それに気付かない君はやっぱりかわいいかなぁ?なんて、ついつい顔が 緩んじゃうんだよな〜。 「今からでも遅くはないわ。やっぱりさっきの部屋に変えてもらわない?こんな BGMじゃ・・・寝られそうにないじゃない?」 ビンゴ! そう来ると思ったよ。 君の気持ちは手にとるように♪ でも、悪いけどあんな部屋じゃ、いつもの解剖室にいる気分で、せっかくのホテルを 楽しめない! 君の言う事はなんでも聞いてあげたいけど、今回ばっかりは譲れないな。 こういったときにはScullyの性格上、抜群の説得の言葉は・・・ 「さっき公正な勝負で決めたのに・・・あれはなかった事にするのかい? Dana・Scully捜査官?」   そこでにひゃ〜っと笑って見せると・・・案の定、Scullyはぐっと言葉に つまってなにも言わなくなった。 ふふふん、君の普段は融通が利かないなと思わせる生真面目さもこんなとき には愛しいね! 「さあ、Scully!お部屋へどうぞ!」   そう言って僕はガチャっとドアを開けた。 ♪ジャーンジャンジャジャジャジャーンジャン!!!!   ああ、さっきはびっくりした曲も今となっては心地良い! まるで今晩の僕がScullyへと発進!って感じか? 部屋は全体的にちょっと暗め・・・というのも、照明が宇宙をモチーフにして あるだけあって、深い青色だからだ。 そして、壁の至る所に銀河や星が映し出されていて・・・ベッドはというと・・・ ああ!SpaceShip!!! 「ひゃっほー!!!」 僕はベッドへとダイブした! ああ、なんて広い・・なんて気持ち良い・・・ そして、仰向けになるとScullyがおもむろに近付いてくるのが見えた。 ・・・ふふふ、やっぱり君もその気だったんだね♪ そしておもむろに靴を脱いで、ベッドの方に・・・ああ、Scully。 積極的な君もいいなぁ。 さあ、この胸に飛び込んでおいで! 僕は目を瞑って両手を広げて待った・・・けれど待てども待てども来るべきはず の重みが来ない・・・と思ったら頭の方がぐっと沈んだ。 「S、Scully???」   目を開けると・・・Scullyはなにやら枕元の方へとにじり寄っていた。 そしてそこでごそごそして・・・ すると、突然、鳴り響いていた僕のテーマソングのSWのテーマがぴたりと止んだ。 「S、Scully???」 「ごめんなさい、Mulder。ちょっとうるさくって・・・」 「ええー?せっかくのSpaceShip気分だったのに・・・」   思わずぷくっと頬を膨らましてしまった。 なんだよー、Scullyってば・・・ 「Mulder?」 「なんだ・・・・っ・・・」 こ、この柔らかいのは唇? DCを出てから学会を終えてまる1日近く出会ってなかった・・・久々の感触だ〜〜〜! 「せっかくの夜だもの。あなたとゆっくりしたいのよ?」 でろでろ〜ん・・・なあんだ、Scully。 それならそうと早く言って・・・抱きしめちゃうぞ!こいつぅ♪ ・・・って、スカって今、僕の腕が抱きしめたのは・・・空気? 「先にシャワーを浴びてきてもいい?」 「もっちろん!」 Scullyはにっこりと微笑んで、そそくさとバスルームへと入っていった。 でも、その微笑がなんだかひきつっていたような気がしたのは気のせいかなぁ??? あれも演技? うーん・・・ “コツン” その時、僕の腕に何かが当たった。 あ、あれ?これはリモコン? テレビのだろうな。 退屈だからつけてみるか・・・ “ブチッ” 『あっはーーん!』 ・・・ ・・・・ ・・・・・に、日本のホテルってすばらしいっ!!!! ._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._. バタンと後ろ手にBathroomのドアを閉めた私は、ヘタヘタ〜とフロアに座りこんだ。 「はあ・・・・・・」   身体の底の底から出てきたため息がBathroomに反響する。 ・・・立つのよ、Dana。 そして熱いシャワーを思いっきり浴びるの。   (頑張れ、私!!) さあ、とりあえず電気を点けてっと・・・電気を・・・ どうして、どうして電気じゃなくってミラーボールなの!? 何なの、一体このBathroomは?? それにこの黄緑の蛍光灯、もしかしてこれってライトセーバーをイメージしてる とか言うんじゃないでしょうね? こんなんじゃ、ハッキリ物が見えないじゃない。 どうやって朝、お化粧したらいいのよ!! やり場のない怒りに私はバン!!と壁を叩いた。 途端にパッと銀色じみた電気が部屋を照らし、フロアに引かれた碁盤の目のように なったタイルがそれぞれチカチカと赤、緑、黄色と交互に光出した。 ミラーボールは益々激しく周り始める。   (落ちつくのよ、Dana。落ちついて・・・さあ、シャワーを浴びるの。) それこそ電光石火で私はスーツを脱ぎ捨てると、シャワーを勢い良く捻った。 出てくるお湯はどこかで見た事のあるけど思い出したくもないような黄緑の液体。 お湯はお湯なんだろうけど、ライトセーバーの光が当たって緑の液体を浴びている ような感じに私は不快感で一杯だった。 学習したわ、私。 こんなホテルに泊まるぐらいなら、殺風景なモーテルの方がまだ何十倍もマシだわ。 もうマッサージ器がついてないとイヤ!なんて文句は言わない事にするわ。 こんな場所でのシャワーでも、慣れれば気持ち良くなってくるものなのね。 今は暖かい湯が気持ちいいわ。   でも、もう充分だわ。少しは生き返ったみたい。 私はシャワーを止めて黄緑のバスタオルを身体に巻き付けるとバスタブから出た。   (さあ、どうやってMulderを別の場所に寝かそうかしら・・・?)   着替えをBathroomに持ってくるのを忘れてるわ、完全に。 こんな格好で部屋に戻ったら、もうMulderをどんなけツケあがらせる事になるか、 想像するだけでも恐ろしいわ。 「あら、これ何かしら??」   私は手にしたものを目の前に掲げて唖然としてしまった。 ひょっとして、これが日本のバスローブなのかしら? まさか、タチの悪い何かの冗談よね。 殆どシースルーな宇宙服、だかなんだか知らないけど、着るって言うよりは 写真を撮っておく価値はありそうね。 ・・・どうして外に出ようかしら、私?? それと・・・どうして脱いだ私のスーツが見当たらないのかしら? バスタオルと宇宙服・・・ 誰か私を助けて・・・        ._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._. 日本のテレビではこんなものが公然とやってるのか・・・ そっかー、なるほど・・・そういった形で・・・ え?体ってそんなふうに曲がるのか??? へ・・・へぇ・・・さすがヨガの国・・・ってあれは中国だっけ? そのときBathroomからビデオの声よりも、もっと魅力的に聞こえてしまう水音が 聞こえてきた・・・   しゃわ〜〜〜〜〜   お?Scully・・・浴び始めたね?ってことは今は・・・じゅるっ。 やっぱりテレビじゃ見てるだけだし・・・一緒に入ろうって言おうかな? ・・・ん?あの隅に置いてあるものはなんだ? 僕はベッドから立ち上がって、隅の籠の中に入っていた物体を取り出した。 それは思ったより長くて、持ち上げた時にぞろっと下に垂れ下がった。 (なんだ?これ・・・) 籠の中にはもうひとつ同じものが入っているみたいだ。 なんだか透けてる生地だな・・・あ、あれ? これってもしかすると!!! この形・・・宇宙服だ! うっわー、日本人の考える事はどこまでも徹底してるんだな〜。 まさかバスローブの代わりにこんなスケスケの宇宙服とは・・・ 気が合うぞ!ここのオーナー!!! これを是非Scullyに着て欲しいなぁ・・・でも、まともに「着て?」って言っても あの冷たーい視線で睨みつけられそうだし・・・ いや、でもあの目も好きなんだけど・・・って何言ってるんだ?僕。 でも・・・見たい・・・見たい・・・見たい!!! どうしたらこれをすんなり着てくれるんだろう? 着ざるを得ない状況にするには・・・あっ、そっか〜! ピーンと閃いた僕はそれを持ってゆっくりとそっとBathroomに近付いて音がしない様に ドアを開けた。 すると・・・なんだ? この黄緑の照明と・・・ミラーボール??? 奥まったところからシャワーの水音が聞こえてきた。 み、見たいけど・・・やはりここはDCでは絶対に見れない宇宙服Scullyを! そこでScullyのスーツとスペーススーツを入れ替えてこそっと部屋を出た。 ふふふ・・・成功成功♪ Scully、これは見物だぞ・・・     さて、準備は万端!これで心置きなく研究が出来る! 僕は再びリモコンを手に取りスイッチを入れた。 『・・・・あっ・・・・』   はあ、早くScully出てこないかな? 『・・・・あ・・・あ・・・』 なんで女って、こんなに時間がかかるんだろう? 中でなにをそんなにすることがあるんだ? 『・・・・だめっ・・・・』 ん?これは・・・?へぇ・・・こうするとイイのかなぁ・・・やったこと ないなぁ・・・ 『あ、そこは・・・・』   なるほど・・・そうなるわけか・・・ 「ちょっと・・・」 うん?なんかいきなり演技の声に感情がこもらなくなってきたような・・・ 「ちょっと・・・Mulder!!!」   ぎゅうっ! い、いてててて・・・ 耳を思いっきり引っ張られた! 引っ張られた先にはScullyのこわーい顔があった。 「や、やあ。Scully。さっぱりしたかい?」 「あなたってば、日本に来てまでもやることが変わらないのね?」   『ピキーン』なんて擬音が入るなら入れたいくらいの君の得意な冷たい視線・・・ 睨む時には全身から冷たいオーラが発せられているようだ・・・全身・・・全身・・・? 「S、Scully????」 「なによ。」 「そ、その格好って・・・一体???」   喜ぶべき事に、Scullyはあのシースルーな宇宙服を着てた・・・でも、なんで その上にバスタオルを巻いているんだ??? 「あら、これ??」   Scullyはにっこりとこれまた得意な含みのありそうな顔で笑った。 「どういうわけか、私のスーツが無くって・・・代わりに入っていたのだけど。」 なんだか『どういうわけか』の部分に力が入っている・・・どきどき、僕の行動は お見通しってことか? 「いやー、Scully、よく似合うよ♪でも、そのタオルが・・・」   そう言って、Scullyをぎゅっと抱きしめる。 突然の僕の行動に予期できなかったのかあっさりと僕に捕まった。 「愛を語るには鉄の鎧に見えるんだけどね・・・」   ほら、外しちゃえーーー! 「ち、ちょっと待って。Mulder!」 「うん?なにを今ごろ言ってるんだよ、Scully・・・ほらほら・・・」 「だ、だから待ちなさいって・・・」   い・・・痛って〜〜〜! Scullyはこういった時の関節技に通じていて、僕がタオルを取ろうとする手を ぎゅっと封じてしまった。 「見たい?Mulder?」 痛がって手を引っ込めた僕を今度はうってかわって色っぽく見つめながら Scullyは微笑んだ。 「み、見たいにきまってるじゃないかぁ・・・ね?Scully、いいだろ?」 「じゃあ・・・・」 お? Scullyの指が僕の唇へと色っぽく這ってくる・・・あ、これも願い事をする前 だってわかっていながらも・・・わかっているんだけどぉ・・・ 「ん?な・・・なんだい?Scully?」 つい、聞いてしまうんだよな・・・情けないっ。 「今すぐにシャワーを浴びてきて・・・?ね?」 「あ、浴びてきたら・・・?」 「一緒に宇宙船に乗りましょう?宇宙服で♪」 ぐ・・・ぐびっ! 「わ、わかった!!!わかったから・・待ってろよ?ね?Scully・・・」   するとScullyはこっくりと頷いた。 よ、よし! さっそく僕もシャワーを浴びに行くぞ! Scullyの気が変わらないうちに!! 速攻で!!!     ._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._. 私はMulderがBathroomへと消えたのを見届けて、耳をすました。   しゃわ〜〜〜〜 ちゃんと浴びてるわね。 さあ〜て今のうちにパジャマを・・・と。 あれ??何処に入れたのかしら? あれ、どうして、どうしてないの、私のシルクのパジャマが!? Mulderのカラスの行水を気にしながらも、私は半泣きになってトランクを それこそひっくり返さんばかりに探した。 ・・・無い・・・どこにも無い・・・ Mulder!?・・・違うわ、いくらMulderでも絶対にトランクの暗証番号までは 知らないもの。 どうして、無いのよお〜??   (Dana、良く考えるのよ。)   確かに私はトランクにパジャマを入れた。 それを持って私はMulderの家に行った。 空港にはあなたの家のほうが近い、フライトが早いから遅刻しない様前もって あなたの家に泊まれなんて言って無理やりあなたの家に泊まらされたのよね。 そこで、とりあえずパジャマを着て寝て・・・あなたに無理やり起こされて、 パジャマを脱いだわよね・・・それから・・・. 脱いだんじゃなくて脱がされたのよ・・・それで結局裸で寝る派目になって・・・ 朝は何故かあなたの役立たずなアラーム時計が鳴らなかって私達、慌てて起きたのよね。 それこそカラスの行水でシャワーを浴びて、朝食も食べずに飛び出したのよ・・・ 私、パジャマをトランクに入れたかしら・・・? パジャマは・・・ 「Mulderのベッドの上じゃないっ!!」 もう私ってなんてバカなの??? 思わず、自分が情けなくなって宇宙船のベッドにダイブした。 「はっ、落ちこんでる場合じゃないわ!!Mulderが戻ってくる前に、なんとか しないと....!!」   ガチャ.....ジジジ....ガガガッ....   何かしら、この音?私何かしたのかしら?? 私は気になって枕に沈ませた頭を思わず上げて辺りを見まわした。 「!!!」   どうして、こんな所にロボットが・・・さっきまでは居なかったのに? まるで、STARWARSに出てくるR2-D2みたいね。 STARWARS・・・スターウォーズ!!もしかして、このロボットって!! 私はベッドから飛び降りてそのロボットをマジマジと見つめた。 「やっぱり....」   懐かしいわね・・・日本であなたに会えるなんて思ってもみなかったわ。 思わず私はロボットを抱きしめた。 もう何年前かしら・・・確かジャックに連れられて行ったモーテルにこのロボットが 居たのよ。 その時も確か、これってSTARWARSに出てくるR2-D2みたいねって話してたのよね。 見た目おもちゃのロボットにしか見えないのに、とってもスゴイ事をしてくれて 科学者な私を喜ばせてくれたのよね。 ああ・・・科学者としての私の血が騒ぐわ・・・どうしよう、私とっても今日は 疲れてる。 ああ、でも知りたい・・・Mulderの詳細なデータが欲しい・・・。 私はもう1度ロボットを見つめた。 そして決心した。 確か最初に男か女かを設定して・・・ああ、これやっぱり基本は英語だわ。 これなら設定が簡単だわ。 ええっと『男』で・・・Mulder何才だったかしら?? 面倒だから『40』でいいわね、それと音声を『オン』にして、時間は・・・ 『20分』ぐらいでいいかしら? まあ、時間は自動的に替えてくれるから、万が一短くなっても長く・・・ これはナイかもしれないわね、ヨシ完了!! 「頼むわね!!」   そう言って私は白い丸い頭を撫でた。 さあ〜て、じゃあ私はもうこのバスタオルは必要ないわね。 私は巻いていた趣味の悪い色のバスタオルをフロアにパサっと落とした。 早く、いらっしゃい、Mulder....        ._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._. 気味の悪い黄緑色に見えるシャワーの湯も、今の僕の頭の中のような ミラーボールも、普段なら鬱陶しいとか消してやろうとか思うけど、 今の僕には全然気にならないもんね。 「♪シースルーの宇宙服のきみはぁぁぁ〜、ぼくのぉ〜〜〜こっねこちゃぁぁぁん〜〜〜」   あ、いかん。 つい歌ってしまった・・・Scullyに聞かれたらまた「へたくそ」とか言われてしまう。 でも、実は君よりはイケてると思っているんだけどね。   きゅっ!   シャワーの栓を閉める。 そして、バスタオルで体を拭いた後、いそいそと宇宙服を着込んだ。 その姿を大きな鏡で見たとき・・・Scullyがバスタオルを巻いたわけがわかったような 気がする。 男だとちょっと・・・透けてるってなんかまぬけだ・・・ まあいっか、バスタオルをこうやって腰に巻いて・・・おっといけない、歯磨き歯磨き。 あ、歯磨き粉は下から出さないとまたScullyに怒られるから。 ・・・しゃこしゃこしゃこ・・・ しかし、僕もよくScullyに教育されたもんだな〜、こんなに約束を守ってさ〜。 たまにはご褒美にもっとイイコトをしてくれても良いのに・・・ぶつぶつ。 はぁぁぁ、と手に息をふきかけてっと。 完璧! さて、Scully。 待ってろよ〜〜〜!     バタン・・・ドアを開けてSpaceshipへと行くと・・・なにかに蹴躓きそうになった。 「ん?」 ベッドの前になにやらロボットが置いてある。 STARWARSで見たR2-D2を思い出した・・・なんだ?これ?オブジェかな? そう思いつつ、その横を見ると、さっきまでScullyが使っていたバスタオルが落ちていた! (こ、これはっ!)   ロボットなんて構っていられない! 僕はとっととSpaceshipへと急いだ。 「Scully!お待たせっ!!!」   するとScullyは僕を見てにっこりと微笑んで、シーツを僕の為にめくってくれた! あっ・・・その宇宙服は・・・なんてっ、なんてえっちなんだ! 僕は思わず腰に巻き付けていたバスタオルを取り落としてしまった。 なにも着けていないのもいいけど、その微妙な透け具合がオトコゴコロをそそるぞっ! 鼻血が出そうだ・・・何気にトントンと首の後ろをたたきたくなる。 昨日の夜の君とはうって変わって・・・どうしたんだろう? 「いらっしゃい、Mulder・・・」   ち、ちょっとその微笑みは反則だ! い、いかん。 くらくらしてきた・・・なんて妖艶な微笑・・・やはり環境が変わると人をも 変えるのかな? まあ、とにかくScullyも久々にソノ気になってくれたみたいだ! しっつれいしまぁす! ごそごそ・・・柔らかい感触・・・甘い匂い・・・ 「S、Scully・・・似合うよ、その宇宙服・・・このまま一緒に宇宙へと旅立ちたいよ。」 「うふふふ・・・連れて行って、Mulder・・・」 きゃうん!きゃんきゃん!!! な、なんだか積極的だなぁ、今日の君は・・・よしよし、連れてってあげようじゃないか! まずは・・・よく似合ってはいるけど、この宇宙服はとりあえず脱がせてっと・・・ん? 君も脱がせてくれるのかい? 柔らかい指が僕の体をなぞるよう這ったかと思うと、気が付けばあっさりと脱がされてた・・・ 君ってやっぱりソツがないというか・・・器用なんだね〜。 さあて・・・どうしようかな? ふふふ、今日の僕は一味ちがうぞ! さっきビデオで見たやつは・・・えっと・・・こうだっけ? ん?あ、あれ?なんかこの体勢は苦しいかも? 「チガイマス」   え? なんか空耳かな? 声が聞こえてきたような気がしたけど・・・僕とScullyしかいないよな? いかんいかん、集中集中・・・ 確か、こうやって・・・ここで、こうなって・・・ 「ソコデ、ミギアシヲマエニ」   こうだっけ??? おおっ! ま、まずい・・・僕のほうがどうにかなりそうだ・・・・ あれは女性を喜ばせるのではなくて・・・男のほうが・・・? あ、Scully・・・ちょっと待った!!! そこで、そんなふうにしたら・・・だめだよ! 今はだめ・・やばいって・・・あ・・・   ・・・・・・・ ・・・・・・・   まいったなぁ、やっぱり君にはかなわないよ、Scully。 でも・・・ちょっと早すぎた、か・・・な? 「マダハヤイデス」   え? カーン♪   その妙な音を聞いた瞬間、隣にいたScullyが突然がばっと起き上がって、 ベッドを抜け出した。 「S、Scully???」 ジーガリガリガリ・・・・   Scullyは、今まで僕がすっかりと存在を忘れ果ててたロボットのそばにしゃがみ 込んでいて・・・ん? なにか紙みたいなものが出てきてる??? 一体・・・それはなんなんだ?Scully?????                         (to be continued) ┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ いかがでしたでしょうか? もしこんなモルスカは見たくなかったと、今現在激しく後悔されている 方がいらしたら、ごめんなさい。 このFicを書こうと思ったきっかけは、ひよさんちのチャットにおける 夜中の壊れた会話の中からでした。 「アメリカにラブホってあるのかなぁ?」というおばかな疑問から始まり はては、「もしモルスカが日本でラブホ体験をしたらどんなかな?」に行き付き その場にいらした「関西人万歳!」のお一人の方に「2人で合作してみたら?」 と薦められたのがきっかけです。 彼女たちの作品の大ファンだった私達は、そのモル像スカ像をお借りして 今回のような形に仕上げてみました。 こころよく承知してくださった「関西人万歳!」のお2人には、とても感謝して います。 この場を借りて、お礼を申し上げます。 この話は、当初そんなに長くない予定ではあったのですが、 打ち合わせ中に「あれもこれも」といろいろな案が出てしまい、結局 前・中・後編の3部作となりそうです。 ご覧の通り、「おとな」と言えども、ふざけた要素が多いのでドキドキ感とは 無縁かもしれませんが、なによりも楽しんでいただければ幸せです。 そして、もしよろしければ「中編」もお付合いくださいね。 後書き担当のプロミスでした。 このFicに関して、ご意見、ご感想をきかせていただけたらうれしいです。 すべては、こちらのBBSの方へおねがいします。