************************************** **********  この作品はMulderとScullyのLoveStoryです。  作者の趣味により甘々LoveStoryに仕上がっております。その為、実際の二人とは かけ離れている部分  も多々ございますので、嫌だとお思いの方はこのまま読まずに閉じて下さい。  あくまでもこの作品は、作者の趣味です。よって苦情Mailなどに関しては一切無視 させて頂きます。  また、読んで頂いた方で感想を送ってやろう!という方は最後に記述してますMail アドにお願い致し  ます。では、お楽しみ下さい! ************************************** ********** =Angel's mischief〜天使のいたずら〜= 「はぁ・・・」 Scullyはパートナーの席に座り、退屈そうにため息をついた。 「Scully?どうした?」 真向かいに座り何かを延々と話していたパートナーが尋ねた。 「・・・いえ・・・何でもないわ。ふぅぅー」 そう言うとパートナーを無視して部屋の奥へと足を進め、おもむろに棚の整理をはじ めた。 そして誰に聞かせるわけでもなく一言・・・ 「あなたのいない世界へ行きたいわ・・・Mul・・・」 そう言って振り向くと、そこにいるはずの彼の姿はなく周りの状況も違っていた。 ====================================== ========== 「Scully捜査官、お疲れさま〜!」「Dana!お疲れ〜!!」「お疲れ!」 「へっ???」 Scullyに周りのみんなが声を掛け挨拶する。 しかし、どうしても彼女には状況が掴めず、まるで白昼夢を見ているかの様に思え た。 (Mulder?私・・・一体・・・) 「Dana!」 聞き慣れない声がして不意に肩を叩かれた。 ハッとして後ろを振り返ると、見慣れない男性が笑っている。 (だっ誰だコイツ???)怪訝そうな顔で眺めていると・・・ 「Dana、支度は出来ている?」 「ええ・・・Jim」 (Jim?何で私???)Scullyはボーっとしながら彼に返事をした。 そして、フッと気が付くとコートを羽織りブリーフケースを持っている。 まさに白昼夢の如く、彼に促されるまま駐車場まで歩き車の助手席に座った。 何故だかそのシートは彼女の身体に馴染んでいる様に思える。 (私どうしたの?何故彼の名前を・・・彼は誰?彼はJim・・・) などとつまらないことを考えながら、夢ではないのかと右の頬をつねった。 ギュー!「痛い!」 その瞬間紛れもなく夢ではないことが証明された。 「Dana?どうした?」 彼はScullyの様子が可愛かったのか笑いながら尋ねる。 「あっ!いえ何でもないわ・・・」 「そう?ならいいけど」 Scullyは変だと思いながらもある事を思った。 (そうよ!私の願いが叶ったんだわ〜〜!!うふふふ。きっとそうよ!) (彼のいない世界なんだわ!!でもX-FILES課は?まぁいいわそんなこと・・・) 科学者としては色々腑に落ちない部分はあるが、何よりも今は「Mulderのいない世 界」 を堪能したかった。 「それより、今から何処へ行くの?」 「何処って、君のママの家だろ?」 「あっ、あぁそうよねー!そうだった!そうだった!」 「・・・Are you ok?・・・」 「Fine!・・・Fine!」 Scullyは自分の口元がゆるんでいることに気が付いた。 (ママの家・・・と言うことは・・・彼は私の恋人???) などと考えながら、運転席の彼の顔をジッと見た。 JimはかなりのGood Lookingである。均整の取れた体型、綺麗な指先。 顔だけでなくスタイルも抜群だ。自分の恋人にするなら言うことなしである。 (うぅーん、私って凄い!こんな世界があるなんて・・・正にX-FILESだわ!) ====================================== ========== "ピンボーン""ガチャッ" 「Hi、Jim!Hi、Dana!Come in!」 「Hi、Mam!」 JimとScullyは母の頬にそれぞれ口づけした。 (やっばり、Jimは私の恋人なんだわー。いや、もしかすると・・・それ以上かも?) 「・・・で、この子はその男の子を殴ったのよぉー、本当に困ったわその時は・・・」 「・・・Mam・・・」 「Jim、この子気が強くて大変でしょ?」 「いや・・・それは・・・あっはははー」 「ちょっと〜その笑いはどういう意味〜?」 (でも・・・Mulderなら真顔で「そうです!」なんて言うんだろなぁー)と思ってハッ とした。 (ダメダメ!彼の事は考えない!) 「ほら、それよ!Dana いつまでもこうだと困るわよねー?Jim」 「いや・・・あはははー」 「お尻にしかれないようにね!Jim」 「・・・・」(Jimと私・・・やっぱり!)とScullyは考えていた。 Scullyの気の強さをネタに楽しい会話と食事が続いた。 Scullyは久しぶりに母の手料理を食べ、懐かしい気分になっていた。 「Mam、久しぶりでホントに美味しかったわ〜〜!」 Scullyはキッチンで皿を拭きながらリビングの母に叫んだ。 「久しぶりですって昨夜も食べたくせにねー?でも・・・珍しく誉めてくれてるわ! Jim」 「そうですね!でも、今日の彼女は少し・・・何というか変ですよ。」 母とJimはScullyに聞こえない様にヒソヒソと話した。 「何?二人とも!」 「えっ、何でもなーい!」 リビングの二人は笑いながら同時に叫んだ。 「では失礼します。ご馳走様でした」 「ご馳走様、Mam」 「気をつけてね。おやすみなさい」 ====================================== ========== 二人は車の中にいる。 「Dana、今夜は君の部屋だったね。」 「えっ!?私の部屋?」 「そうだよ、君の部屋」 「あっその・・・」 「何?昨夜はボクの部屋に泊まったから、今日は君の部屋だろ?」 「いや・・・その・・・今日はダメよ!ダメ・・・とっ友達が来るんだったわ!」 「友達〜?」 「そう、友達・・・」 Scullyは内心ヒヤヒヤしていた。(どうしたらいいの?だって、だって・・・) 「そうか、なら仕方ないなぁー 一人寂しく眠るよ・・・」 Jimは寂しそうに言った。 (はぁー良かった・・・)ホッとした瞬間車がアパートの前に到着した。 「じゃあ、おやすみなさい」 「おやすみ」 Jimの顔がScullyに近づいてきたが、彼女はサッと身をかわした。 「Dana・・・?」 「ごっごっ、ごめんなさい。じゃあ」 Jimは走り去るScullyを怪訝そうに見つめていた。 ====================================== ========== Scullyは部屋のドアを開け照明をつける。すると足下に何かが近づいてきた。 「Queequeg!!」(ここでは、この子は生きていたのねー) 跪きQueequegに頬を寄せた。 お風呂にゆっくり浸かり、部屋着に着替えると本来の自分を取り戻した気分になっ た。 「ふぅー Queequegおいで!」 ソファーに座りながら近くにある留守番電話に手を伸ばした。 "キュルキュルキュル・・・"テープを巻く音が消えて録音内容が流れる。 やはりテープの中にはMulderの声は無かった。改めて彼のいない事を痛感させられ た。 「・・・Queequeg、私どうなるのかなぁ?」 「このまま此処にいて、Jimと結・・・」 「今考えるのはやめよう!明日また何が起こるか分からないし・・・」 「とにかくMulderがいない世界はどういうものか、確認しなくちゃ」 「でも・・・彼がいないと私はどうなるのかしら?」 Scullyは嬉しいのか寂しいのか、訳の分からない感覚に陥っていた。 「Queequeg、今日は一緒に寝てちょうだい・・・」 ベッドに入ると右の手がフッと温かくなった。 (どうしたのかしら?でも、何だか・・・安心・・・)そう思いながら眠りについた。 ====================================== ========== Scullyはいつも通りスーツに着替え、アパートの玄関に出るとJimが待っていた。 「おはよう!Dana」 「・・・おはようJim」 Jimは「どうぞ、女王様」と言うように助手席のドアを開けた。 ====================================== ========== 局に入るといつもの様に階段から地下に降りようとしたが、自分が何処に行けば良い のか 分からなくなった。 「おいおい、何処に行くんだ!」 Jimに呼び止められてハッとした。(そうだ・・・どうしよう?) 「君の仕事場はボクの隣だろ?」 「えへへへ、ボォーとしちゃった!」 Scullyは笑ってごまかす事にした。 朝からバタバタと仕事に追われ、正午を迎えやっと一息つけた所だ。 「食事に行こう!」 「ごめんなさい、ちょっと用があって」 「そう?じゃ先に行くよ!」 「えぇ」 Scullyは地下に行ってX-FILE課がどうなっているのかその目で確認したかった。 思った通り、そこは倉庫兼コピー室の様だった。 (この世界には「小さい緑男」とか「肝臓好きの男」「ウズ虫」もいないのかしら) などとつまらぬ事を考えていた。 何となく退屈で仕方ない。あんなに嫌だったのに・・・やっぱり向こうの世界が。 それに何となくJimといることに、違和感を覚えていた。 自分を大切にしてくれて優しくしてくれる人・・・私の求めていた人? ====================================== ========== こうして今日もこの世界での1日が終わった。 今日は色々な情報を収穫する事ができた。 まず、X-FILE課がないこと、Skinnerは上司ではあるが、向こうの世界の様な関係で ないこと。 そして、Skinnerの秘書をしていたKimmが彼女の仲良しの同僚であること。 そして、そして・・・ScullyとJimの結婚が1週間後であること。 これにはさすがに頭を悩ませている。 「Queequegホントにどうしよう?」 「Jimはいい人なのだけど・・・何かが違うの・・・」 「Queequeg・・・何か応えて・・・」 ベットに入るとまた右手が温かくなった。 (誰かに守られているみたい・・・Queequegがいるからかしら?) ====================================== ========== あの日から同じ様な生活が続いた。淡々と続く日々、Scullyが求め続けていた日々。 式を3日後に控えたある日。 その日もJimは変わらず迎えにきている。 しかし、Scullyの中にはどうしてもJimに対して恋とか愛という感情が芽生えない。 ましてや結婚なんてなおさら。(このまま結婚なんて出来ない・・・ても、どうすれば ?) 夜もそのせいでろくに眠れない。(優しいJim、でも、彼ではないの・・・私に必要なの は・・・) 「あのね、Jim・・・わざわざ迎えに来なくても・・・」 「何でそんな事を言うんだい?このところ君は変だ!ボクを避けている!」 「あ、そうじゃないの・・・ただ」 「ただ何?式はもう何日もないんだよ!」 Jimは少しイラついていた。 (どうしよう・・・) 「分かっているわ・・・だけどね私・・・」 「とにかく、今さら何を言われても聞く気はないからね!!」 初めてJimがScullyに怒鳴った。その後の車内は重苦しい空気が流れた。 ====================================== ========== 車が局の前で止まりScullyは先に降りた。 昼まで二人の間には会話はなかった。 「食事に行くけど?」 「ええ・・・」 二人は廊下を並んで歩いた。 「あのさぁーそろそろ仲直りしないかい?怒鳴って・・・悪かった」 「・・・ごめんなさい・・・」 Scullyは泣きそうになった。(悪いのは私なのに・・・ゴメンね、Jim) 「いや、ボクの方こそ・・・」 その時Scullyには聞き慣れた足音が近づいてきた。彼女の中で懐かしい感覚が蘇る。 瞬間彼女の口から「Mul・・・」相手の男性には聞こえなかったのかそのまますれ違う形 となった。 「Dana・・・君が彼のFANだったなんて・・・」 Jimは少し拗ねた様に言った。 「いえ、違う・・・」 Scullyは上の空で返事をした。 「君も局内の女性一般と同じと言うことだな〜 Mulder捜査官かぁ・・・くそぉ〜」 「・・・彼は人気があるの?Spookyでしょ彼?」 「Spo!!おいおい何て事言うんだ!彼はFBIでもNO.1の捜査官だよ!悔しいけどボク も憧れて・・・」 Jimが何を話してもScullyの耳には届いていない。 Scullyはそっと後ろを振り返った。すれ違った彼もゆっくり振り返っている。 お互い暫く目が離せなかった。 すると彼の方から会釈され、Scullyも慌てて会釈を返した。 ====================================== ========== 定時になりJimに「帰ろう」と言われたが、なんとなく一緒に帰宅する気になれな かった。 「ゴメンなさい・・・その・・・Kimmと」 「そうかぁ、なら仕方ないな!じゃあ楽しんでおいで!」 「えぇ・・・」 (ゴメンなさい・・・Jim)何となくウソをついたことに後ろめたさを感じていた。 (ゴメンね、ホントにゴメンなさい・・・でも、やっぱりあなたじゃないの・・・) Scullyは一人、先程の廊下を歩いてみた。期待した結果は得られない。 (このままだと私・・・Jimと・・・どうすればいいの?教えてよ・・・Mulderあなたなら ・・・) 今までに感じた事がない程の寂しさがこみ上げてきた。 (・・・もし何か元に戻る方法があるなら・・・多分地下だわ!) Scullyは地下へ行くことにした。 ====================================== ========== (戻れなかったとしたら、コレが現実で前の世界が夢だった・・・そう思うしかない !) そんなことを考えながら地下に降りてみた。そして、ゆっくりそぉっと扉を開けた。 鍵は掛かっていない。その時彼女の首のクロスに何かが引っかかた。 「もう・・・イヤだわ!」 「誰かいるの!?」 奥から聞き慣れた声が聞こえた。 「(Mul・・・)あ、すみません。誰もいないのかと!」 Scullyは咄嗟に叫んだ。 「あぁ、君は・・・廊下でお会いしましたね!」 Mulderが変わらない優しい笑顔で応えた。 「ええ・・・」 (Mulder・・・変わらない。でも、まるで他人のよう。仕方ないのよね・・・この世界で は。) 「で、何がイヤなんだい?Agent???」 「Scullyです。実はクロスが切れてしまって。」 「あぁ、コレならすぐ直せるよ!」 この時Mulderは(綺麗な人だ・・・そして、何故か懐かしい)そう考えていた。 「ホントに?でも、お邪魔でしょ?」 「いや、全然!丁度資料を探していて、実は人手が必要だったんだ・・・  ボクがコレを直す変わりに、君は・・・資料探しを手伝ってくれる?」 Mulderは(この女性ともう少し一緒にいたい)と思っていた。 「えぇ、もちろん」 Scullyも笑顔で応えた。 そして、奥の棚から指示された資料を探している。 Mulderは直せると言った手前、クロスと格闘していた。 「ふぅー 出来たぞ!Scully!!」 「へっ?」 あまりの懐かしさに素っ頓狂な声を挙げた。 「あ、いや失礼・・・Scully捜査官」 そう言いながらMulderはScullyへと近づき、そっとクロスをつけてやった。 「あ、あ、ありがとうございます。Mulder・・・捜査官」 (Mulder・・・暫く会えなかっただけなのに・・・) 恥ずかしすぎて顔を合わす事が出来なかった。 「実は・・・少し留め金が歪んでしまって・・・申し訳ない!」 Mulderはひたすら謝っている。 (私の大切なクロスが、私達を近づけてくれたのね・・・)Scullyはそう思っていた。 「いいえ、そんなこと。ホントにあり・・・」 ありがとうと言おうとした瞬間、グラグラと地面が揺れだし棚が倒れてきた。 (あぶない!!)Scullyは硬く目をつぶった。 ====================================== ========== そっと目を開けると、Scullyの目には何かが薄ぼんやりと見えだした。 天井の模様だ。そして、誰かがしっかりと、しかし、優しく自分の右手を握っている 事に気がついた。 目線をやるとMulderが眠っている。 「Mulder・・・捜査官?私・・・?」 「Scully!!目が覚めたのかい!!良かった・・・」 Mulderの目にうっすらと涙が滲んでいた。 「私・・・」 「君が3日間、目を覚まさないから・・・」 「3日・・・と言うことは、今日は私の結婚・・・!」 Scullyは焦った。あれから3日経っているとすれば、今日はJimとの結婚の日にな る。 「Scully?誰が結婚するって?」 Mulderは(何言ってんだ?)という風に尋ねた。 「だって・・・地震があって?」 「地震?Scully・・・3日間も、一体どんな夢を見てたんだい?」 「だって・・・此処にはX-FILE課はなくて・・・私はJimと・・・」 「はぁ〜?何言ってんだよ!ボクの人生を掛けたX-FILE課を勝手に潰すなよ!」 Mulderは少し呆れているかの様に言った。 「と言うことは私・・・戻ったのね!良かった!Mulder!ホントに良かった!!」 Scullyは思わず彼に抱きついた。Mulderはあまりの事に目をパチクリしている。 「S、S、Scully???」 Scullyはおもむろに彼の頬をつねった。 「痛ぇ!!Scully何するんだよ?イテテテテェ!!」 Mulderは頬の赤くなった部分を押さえている。 「それに地震じゃなくて君のせいだろ?君が本を無理に引っ張るから・・・」 「ゴメンなさい、Mulder。痛かった?」 そう言ってそっと赤くなった部分に唇を寄せた。 「・・・Scu・・・lly・・・でも、Jimって誰だ?!」 Mulderは鼻の下を伸ばしているが、(Jim)の名前には敏感に反応している。 「うふふ。何でもない!それよりMulder?あなたがいて良かった・・・」 Scullyは耳元でそっと囁いた。 「Scully?ボクも君が目を覚まして良かった・・・」 Mulderは彼女にはぐらかされている事にも気づかず喜んだ。 (ホントに必要な人が誰か分かったわ・・・でも、あれは夢だったのかしら?) そう思いながらクロスのつなぎ目に触れた。それは、紛れもなく歪んでいるのがわか る。 (夢じゃない!!でも、どうして?) 「Dana 離れてみれば見えてくるものだよ!」 不意にJimにそっくりな声が聞こえた。 「Mulder?今何か聞こえた?」 (このことをコイツに言ったら・・・調子にのるわよねぇ多分・・・  「科学で説明のつかないことは存在する!」とか言って・・・) Scullyはそう思っていた。 「いや?何も・・・」 「・・・そう、ならいいわ!」 Scullyはクスッと笑っいMulderをギュッと抱きしめた。 =THE END= ====================================== ========== 私の一言:  いやぁ〜異次元のモルは、おっとこ前だわ(^^)  でも、結構家に帰ったらどっちのモルも代わり映えしなかったりして・・・(爆)  うん、きっとそうだわ。一人でカウチに寝そべってビデオ見てるんだよ(笑)  すみません。私これでもモルFanですので、悪しからず。   ご意見・ご感想は akua@mail2.dddd.ne.jp までお願い致します。