************************************** *************  DISCLAIMER// The characters and situations of the television program  "The X-Files" are the creations and property of Chris Carter,  Fox Broadcasting, and Ten-Thirteen Productions.  No copyright infringement is intended.  おことわり//この作品はMulderとScullyのLoveStoryです。  今回は砂糖ぶちまけ激甘LoveStoryです。  最近、二人は既にデキているのではないのか?と感じる事があり、こんな激甘作品 が・・・  そんなハズはない!とお思いの方は、嫌悪感を感じる可能性がありますので、この まま読まずに閉じ  て下さい。(いえ、作者もそう思っているのですが・・・一瞬デキてるのか?と思っ ただけです(苦笑))  ちなみに、題名は「寝物語」ですが「おとぎ話」ではありませんので。  あくまでもこの作品は作者の趣味です。よって苦情Mailなどに関しては一切無視さ せて頂きます。  また、感想を送って下さるという方は、記述してますMailアドにお願い致します。 ************************************** ************* = 寝物語 = Written By AKUA Data:05/05/99 Spoiler:Non Spoiler Rating:PG e-Mail:akua@mail2.dddd.ne.jp ********************* Mulderは小さな泣き声に夢から引き戻された。 隣で眠る愛しい人。彼女が夢を見ながら泣いている。 決して人前で涙を見せることのない彼女が泣いている。 愛おしくて溜まらない。 彼は、彼女を起こす代わりに、包み込んでいた腕に力を込めた。 ====================================== ============= Scullyは抱きしめられた腕の力に漸く目を覚ました。 目覚めると緑色の瞳が彼女を愛おしそうに見つめていた。 「・・・私・・・夢を見て・・・」 「君を泣かせるのは誰?」 彼の瞳が少しだけ嫉妬するかの様に彼女を捉えて放さない。 「・・・」 「僕以外に君を泣かせる人がいるの?」 「残念ながら今夜はあなたじゃないわ・・・」 「・・・誰なのScully?」 「あなたじゃない」と言われ一瞬躊躇したが、直ぐに彼の瞳には好奇心の色が帯びて いた。 「聞いてどうするの?私を泣かせたいの?」 彼女は少し悪戯な笑顔を見せた。 「違うよ・・・僕はただ・・・」 「分かったわ。話すわ。」 「じゃあ、泣き出さないように僕がきつく抱きしめてあげるよ。」 そう言うと彼は、更に腕の力を強めた。 「あれは、私がまだ幼かった頃。私はとてもお転婆で・・・」 「お転婆?」 彼は声を出して笑った。 「どうしてそこで笑うの?」 「悪い悪い。続けて」 「あれは・・・」 *****************  あれは、私がまだ幼かった頃。ちょうど弟が3歳になった頃だった。  私はとてもお転婆で兄のBillと、いつも男の子の遊びばかりしていた。  姉のMelissaは、私と違ってそんな遊びにはあまり興味がなかった。  父は私とBillをよく釣りに連れていってくれた。  しかし、ある日、父がBillとMelissaを連れて海釣りに出掛ける事になった。  いつもならば、私とBillが行くはずなのに、その日に限ってMelissaが行くと言っ てきかなかった。  結局、父1人で3人の子供を連れて行くのは無理なので、私は母達と留守番をする ことになった。  ところが、突然の天候悪化。夜になっても父達は戻らなかった。  捜索隊を出そうにも酷い嵐で、そんな状況ではない。  嵐は3日間続き、父達は戻らないのではないかと誰もが思っていた。  父達を心配して集まった人々。  私は母の横に立ち、小さな弟の手を握りしめていた。  「Dana、あなたがしっかりするのよ?」  「Mamaを支えてあげてね。」  「あなたはしっかりしてるから大丈夫よね?」  みんなが口々に私にそう言う。  今ならば、母を気遣って私にそう言ったのだと理解出来る。  しかし、その時の私には、  『幼い私に何を求めているの?』『私だって不安なのに』『父や兄たちに会いた い』  そんな思いでいっぱいだった。  私はみんなを見上げながら、どうすれば良いのか分からなくなっていた。  母の横に立つ小さな私。  この先どうなるのか分からない不安と、子供と認めて貰えなかった様な何とも言え ない気分で、突然私は声を あげて泣き出してしまった。 ***************** Mulderは彼女を見つめながら聞いていた。 静かに、ゆっくりと語り続ける彼女を穏やかな瞳で見つめていた。 「僕がいるのにそれでも君は哀しくなる?」 「・・・いいえ。あなたといて・・・幸せすぎるから・・・」 「ホントに幸せ?Scully」 「ええ・・・きっとね、きっと神様が幸せすぎる私に思い出させたの・・・」 「意地悪な神様だね?」 彼は眉を上げて見せた。 「で、お父さん達はどうやって助かったの?」 「うん。父はさすがに海の人だわ・・・」 *****************  突然の天候の変化を察知して、近くの小島に避難していた。  幸いな事にその小島には、嵐を凌ぐ為の小屋を見つけることが出来た。  一切の連絡が出来ない状況の中でも、父は冷静だったと聞いている。  BillやMelissaが不安がらない様に、常に彼等を抱きしめていたと・・・ ***************** 「君にとってお父さんは絶対なんだね。」 彼は少し悔しそうな顔をして言った。 「・・・Mulder?」 「少し悔しいな・・・僕がもし同じ状況になっても、そんなに冷静で居られるか・・・」 彼がそう言うと、Scullyのブルーの瞳が少しだけ影を落とした。 「・・・大丈夫よ・・・大切な・・・大切なあなたの子供が居れば・・・そうなれる・・・」 「Scully・・・」 Mulderの胸は張り裂けそうだった。自分の浅はかな発言で彼女の綺麗な瞳を曇らせて しまった。 自分といて幸せだと言ってくれた人を、また、悲しみの縁に引き戻してしまった。 少しの沈黙の後、彼が微笑んで言った。 「Dana・・・僕にとって君がそうだよ。」 「私が、私があなたの子供なの?」 Scullyの瞳が綺麗な朝の色に変わった。 「ああ、僕は知ってる。君が我が儘で、泣き虫で、甘えん坊で  それから、本当はどうしようもなく押さえが効かない性格の子供だってね。  多分、みんな気がついてなかったんだ。」 「よく言うわ。それは、あなたじゃないの?」 「いいや、違うね。僕の大切な子猫ちゃん!」 Mulderは高らかに笑い声をあげた。 「私が子猫ちゃんなの?やめてよ、Mulder。」 Scullyは照れくさそうに目線を逸らした。 「うん?子猫がダメなら・・・」 Mulderは暫く考え込んでから 「虎だな!」 「ちょっと・・・今度は虎なの?」 「そうだよ、虎。」 「もう!」 Scullyは少しだけ頬を膨らませた。 「でも、そのことを知っているのは僕だけ。君の本質を理解しているのは僕だけだ。  僕以外の人には決して見せてはダメだよ。」 Mulderは真っ直ぐな瞳で彼女を見つめた。 するとScullyが悪戯な笑みを浮かべて言った。 「・・・Mulder、1つ忘れているわ。私がどうしようもなく嫉妬深いって事をね・・・  もし、Dianaや他の女性と・・・なんて事になったら。あなたをかみ殺してやるから ・・・」 Mulderは一瞬ギョッとして続けた。 「君に嫉妬されてかみ殺されるの?なら、僕は本望だね。Dana・・・」 そう言うと彼は、彼女の白い首筋に跡が残るほど口付けた。 || THE END || ************************************** ************* 私の一言:  これってさぁ・・・モルスカが、もう既に出来上がってるってことだよね?(自分に 問いかける私)  でも、その貴重な出来上がるまでの所がないんだよね・・・(撃沈)  しかも、委員会的な所も書けないんだよね(笑)  モルちゃんよ〜、6th見て思ったけどさ、気を付けないとホントに噛み殺されるか らね・・・(笑)  最後まで読んで下さった皆さま、本当にありがとうございました。