DISCLAIMER// The characters and situations of the television program "The X-Files" are the creations and property of Chris Carter, Fox Broadcasting, and Ten-Thirteen Productions. Also, the music in this story doesn't belong to me, either. No copyright infringement is intended. ----------------------------------------------------------------------------------------------------- −前書き− 皆様のクリスマスFic大量アップ!! という状況に触発されて、 私も書いてみました。もしかしたら、どなたかの作品と似てる、 なんて現象が起きるかもしれません...そんな時は、どうしよう!? 可愛いEmilyちゃんに免じて(!?)どうぞ許してやって下さい...(^^;) ----------------------------------------------------------------------------------------------------- Title: くりすますのちっちゃなぷれぜんと Category: Xmas Spoiler: None Date: 12/24/99 By Amanda ----------------------------------------------------------------------------------------------------- ここは天国にある小学校。 一年生のエミリーちゃんは、学校の先生から宿題をもらいました。 「今日は、おうちでクリスマスのお手紙を書いてきて下さい。 明日、みんなで学校の近くにある郵便ポストへ出しに行きますからね」 エミリーちゃんは考えました。 「だれにしようかな? うーんと...うーんと...」 なかなか思い浮かびません。 エミリーちゃんは、先生に尋ねました。 「せんせい、だれにかけばいいの?」 先生は、ニッコリと笑ってこう答えました。 「エミリーちゃんの大好きな人に書いてあげなさい。きっと喜んでくれるわよ」 あたしがだいすきなひと...? だいすきなひとにかくの? 誰に書こうかと考えているうちに、下校時間になりました。 ----------------------------------------------------------------------------------------------------- エミリーちゃんは、勉強机に向かって鉛筆を握ったまま「うーん」と考え込んでいました。 「だれにしようかなあ?」 おともだちのメグちゃんにしようかなあ? それとも、おとなりのジェフおじいちゃん? あ、このまえペットショップでおともだちになった いぬのベンにしようかなあ? でも、なかなかいい文章が思いつきません。 エミリーちゃんは、椅子をくるっと一周させて 「はあ〜あ」 と、ため息をつきました。 その時です。 頭の中に、とっても優しい笑顔が浮かんできました。 「あ、いいことおもいついちゃった!!」 かわいいほっぺを紅潮させて、エミリーちゃんは水色の便せんに何やら書き始めたようです。 ----------------------------------------------------------------------------------------------------- 次の日 「さあ、みなさん。宿題はやってきましたか?」 と、先生は尋ねました。すると、 は〜い!! 小さな子供たちが、大きな声でお返事をしました。 「それじゃあ、みんなでお手紙を出しに行きましょうね」 クラスのお友達は、それぞれ自分の書いたお手紙を持って、教室を出て行きます。 エミリーちゃんは、みんなに気づかれないように、先生を呼び止めました。 「せんせい」 「なあに、エミリーちゃん?」 「あのね...ふたつだしてもいい?」 「あら、2通も書いてきたの?」 エミリーちゃんは、こっくりとうなずきました。 「そう、いいわよ。頑張って書いてきたのね。先生とっても嬉しいわ」 「うん!!」 先生とエミリーちゃんは、お互いの顔を見て嬉しそうに笑いました。 「さあ、みんなも待ってるわよ。行きましょう」 「は〜い」 二人は、仲良く手をつないで教室を出て行きました。 ----------------------------------------------------------------------------------------------------- マミー!! えみりぃね、マミーにおてがみかいたの よんでくれる? クリスマスイブの夜。 懐かしい声が耳にこだまして、Scullyは目が覚めた。 ......夢... 枕が涙で濡れていた。 Emily... この時期になると、いつもあなたの事を思い出す もう泣かないって決めたのに まだダメみたい ふとため息をついて、窓を見た。 出窓に、15cmほどの小さいクリスマスツリーを飾っている。 忙しくて、大掛かりなデコレーションはできないけど、 せめて雰囲気だけは、という思いから3日前に購入したのだ。 色とりどりの豆電球がチカチカと光り、その可愛らしさが Scullyをほころばせる。 その電球の光が、ツリーの足元を照らし出す。 Scullyは、そこに何かが置いてあるのに気がついた。 ベッドから抜け出し、カーディガンを羽織って窓に近づく。 見ると、何やら封筒のようだった。 手にとってみる。 封筒の表面に一言だけ添えられた文字を見て、彼女ははっと息を飲んだ。 マミーへ 一瞬動きを止めた後、Scullyはそっと水色の封筒の封を切った。 中から封筒と同じ色の便せんを取り出すと、元気いっぱいの文字が 彼女の目に飛び込んできた。 マミーへ げんきですか? えみりぃはまいにちげんきです おともだちのメグちゃんやエリックくんと いつもあそんでます えみりぃは みちばたにさいているちいさなおはながだいすきです いえのちかくのこうえんにあるぶらんこもすきです でもね もっとだいすきなものがあるの それはマミーです えみりぃにはマミーがふたりいます えみりぃは「ようじょ」なんだって いつもいっしょだったマミーがいってた 「ようじょ」ってなに? おしえてもらったけど わすれちゃった いつもいっしょだったマミーはね おりょうりがじょうずなの いつもえみりぃがすきなものを つくってくれたの マミーのことはね ちょっとしかしらない でもえみりぃに ぴかぴかのくびかざりをくれたのはおぼえてるよ きんのじゅうじかかついててとってもきれいなの マミーはどうしていつも かなしそうなかおをしてるの? えみりぃがいけないこだから? マミー えみりぃ、いいこになるからね もしわるいこだったらしかられるから いいこになるの しかられるのいやだもん マミーがえみりぃをきらいになったらいやだもん マミーだいすき えみりぃより Emily... あなたはいい子よ ママが弱い人間なの 許してね でももう大丈夫よ あなたからのお手紙をもらったから ありがとう、Emily 封筒と便せんをギュッと胸に抱きしめ、 Scullyは微笑んだ。 ----------------------------------------------------------------------------------------------------- おじさん!! えみりぃね、おじさんにもおてがみかいたの よんでくれる? 小さな女の子の声がしたような気がして、Mulderは部屋を見渡した。 ...? もう一度耳をすましてみたが、聞こえるのはテレビの音だけだ。 不思議に思ったMulderは、カウチから立ち上がって部屋をあちこち歩き回ってみた。 玄関のドアの近くに足を進めた時、彼はドアの下に水色の封筒が挟まっているのに気がついた。 えみりぃね、おじさんにもおてがみかいたの 「まさかな...」 さっきの幻聴を思い出したが、一瞬の後に否定した。 あの子が僕に手紙を? そんなわけないだろう と思いながら封筒を裏返したMulderは、はっと息を飲んだ。 子供の字で、ひとことだけ書かれていた。 おじさんへ Mulderは、夢中になって封を切った。 おじさんへ おじさんげんきですか えみりぃはげんきです おじさんがまえにやってくれた ぽてとへっどのものまねがもういちどみたいです おじさん あいするってなんですか? すきとどうちがうんですか? えみりぃのいつもいっしょだったマミーは どっちもいっしょだよといいました おなじいみなのに どうしてことばがちがうんですか? おじさんはなにがすきですか? えみりぃはマミーがすきです おじさんもマミーがすきですか? おしえてください ではさようなら えみりぃより 読み終わると、Mulderは優しい笑顔でつぶやいた 「ああ、大好きだよ」 ----------------------------------------------------------------------------------------------------- prprprprpr... クリスマスの日の朝 Scullyは電話の呼び出し音で目が覚めた 「...もしもし?」 「Scully、僕だ」 「Mulder...おはよう」 「おはよう。今から僕につき合ってくれないかな?」 「どうしたの?」 「ん、ちょっとね」 さすがに敬謙な信者であるScullyに向かって「教会へ行きたい」とは言いづらい。 「そう、実は私もあなたについてきてもらいたい所があるの」 「どこだい?」 「あなた、嫌がるかもしれないけど...教会」 「え?」 「祈りを捧げたいの」 「あの子にかい?」 「...そう、あの子に」 「僕も祈っていいかな?」 「もちろん。あの子もきっと喜ぶわ」 ----------------------------------------------------------------------------------------------------- 「Scully」 「なあに?」 教会に来たMulderとScully。 並んで席に座り、しばしの祈りを捧げる。 その後Mulderは、昨夜の幼い少女の疑問を相棒に投げかけた。 「『愛する』のと『好き』である事の違いって、何だと思う?」 「難しい質問ね」 「是非君に聞いてみたくてね」 「そうね...何かしら?」 そのまま彼女はしばらく黙り込んでしまった。 しかしほどなく、お手上げよ、という表情をしてMulderに顔を向けた。 「わからないわ...残念ながら」 「君にもわからないのかい?」 視線を前に戻して、Scullyは言った。 「でもこれだけは言えるわ」 「なんだい?」 「『愛する』も『好き』も、かけがえのない大事な人に向けて言う言葉だって事」 彼女は再びMulderに顔を向け、小さく笑った。 「あなたにもね、Mulder」 軽く相棒の頬にキスをして、Scullyはもう一度祈りを捧げた。 「君にもだ、Scully」 軽いキスを相棒の頬に返して、Mulderもまた、祈りを捧げた。 メリークリスマス、Emily ママがまた哀しそうな顔をしていたら そっと教えてね そっとよ メリークリスマス、Emilly 質問に対する答えは出なかったけど わかったらそっと教えてあげるよ そっとね メリークリスマス、マミーとおじさん!! らいねんのクリスマスにも おてがみかくから まっててね 瞳を閉じ、穏やかな表情で祈る二人を見て、 Emilyは天国から元気に手を振った。 The END −後書き− 私にしては珍しく...というよりも初めてメルヘンチックな(!?)仕上がりになりました。 クリスマスっていいですね。町中が「クリスマス!!」って感じで(どんな感じや!?) そんな独特の雰囲気が好き。かと言って、別に何をする訳でもないんだけど(^^;) Merry Christmas to you ALL!! Amanda