本作品の著作権は全てCC、1013、FOXに続します。 初めまして、涼夜と申します。 ここには初☆投稿させて頂きます(^^) 未熟な私ですが、よろしくお願いします!! この小説は私の偏ったもので書かれたものなので、もし気を悪くされたら申し訳ありません<(_ _)><(_ _)> ====================================================================           『遠い約束』                       from 涼夜 始まりは一枚の写真だった。 今にも雪が降りそうな冬の日、ファイルを整理していたスカリーはキャビネットの奥に一枚の写真を発見した。 どれかのファイルから落ちたのかと思い、写真を手にとって裏返して見る。 「......!」 彼女は一瞬、驚いて声が出なかった。 なぜならそこにはまだ若い、彼女の"相棒"フォックス.モルダーが写っていたからだ。 写真の日付けは1986年12月3日と記されている。 今から14年前.......。 そこに写ってるモルダーは、スカリーの知る事のない26歳の頃の彼だった。 写真の中の彼は、まだかすかに少年のようなあどけなさを残した表情で優しく微笑んでいる。 彼に寄り添うようにならんでいる茶色の髪の、美しい女性の手を握って.....。 「スカリー?」 背後から急に声をかけられて、スカリーは我に戻る。 振り返るとそこには"今"のモルダーが立っていた。 「おはよう、モルダー」 なぜか彼女は条件反射のように、写真を後ろに隠してしまった。 「遅くなって悪かった。とうとう降り出して来たからさ....」 そう言ってモルダーはスカリーを見ずにコートについている雪を払い落とす。 「このぶんじゃ帰る頃には積もって、明日は路面が凍るかもしれないな」 「そう.....」 スカリーは短く答えると、黙ってモルダ−を見つめた。 「スカリー?」 彼女の視線に気がついてモルダは不思議そうな顔をしたが、すぐにおどけて笑った。 「本当、悪かった。コーヒーでも奢るよ」 「えっ?」 「ちょうどスキナーに報告書を持っていかなきゃいけなかったからさ。君は?」 「ああ、私はこの後ラボに行くわ」 「じゃ、後で」 スカリーの無言の睨みを遅刻したせいだとそう解釈したモルダーは、デスクの上の書類を持ってオフィスから出て行った。 その場に一人取り残されたスカリーは、渡そうとして隠してしまった写真を見つめて小さなため息をつく。 いくらきっかけが掴めなかったとは言え、隠したりするべきではなかった。 そんな事をすれば、今のように後から後悔の念に駆られるのだから。 そしてすぐ心の中で"どうして?"小さな疑問が湧いて来る。 厚くて脆い、目に見えない透明な壁.....。 どちらともなく踏み出す事はない、暗黙の約束。 もし"理性"言う言葉がなければ、こんな風に言葉に出来ない想いが溢れ出て来ることもなく、何も思わずその手を掴めるだろう....。 けれどそれには"苦しみ"伴う。 スカリーには分かっていた。それを自分が望まない事、そしてモルダーが受け入れない事。 いつかきっと向かい合う日が来る.....。 でもそれは"今"では無い。 迷いが消えたスカリーの瞳は鮮やかで、彼女はモルダーが出て行った扉を見つめて小さく微笑んだ。 そして、モルダーのデスクに写真を裏返してそっと置き、静かにオフィスを後にした....。 to be continued... =================================================== はじまして(再び)涼夜と申します。 Ficを書くのは初めてでは無いのですが、この『遠い約束』は他のサイトには投稿していません(^^) これから、ちょっとシリーズって感じで続けて行きたいのでお願いします。 loveなのか、それとも暗くなって行くのか、私自身まだまったく決めておりません(汗) でも気持ちが優しくなれるようなものを書けたらいいな☆っと思っております。 これから、よろしくお願いします〜m(−−)m よければ感想を→ rilyouya.ouri@k6.dion.ne.jp