本作品の著作権は全てCC、1013、FOXに続します。 この小説は私の片寄った趣味により書かれたものなので、気を悪くさせたら申し訳ありません。 なので、一切の責任は負いません(笑) ====================================== 『 All the time together 』      " ずっと 一緒に "                            from  涼夜 ・・・・もう、どのくらい前の事だろうか?   全てを思い出すには、歳をとり過ぎたのかもしれない。 悔しさ、悲しみ、痛み、責任、後悔・・・さまざま言葉が、脳裏をよぎっていく。 でもそれでも・・・多くのもと引き換えに、一番大切なものを手にいれた。 傷付き迷いながら、その中で、たった一つ確かなものを・・・・。 「どうしたの?」 不意に空からかけられた優しい声に、彼は閉じていた目をそっと開いた。 眩しい光の隙間から除くのは、美しい微笑み。 彼は彼女の姿を確認すると、微笑んだ。 「夢を見てたんだ・・・・」 「どんな夢?」 「色々な夢だよ・・・懐かしい・・・」 彼女は彼の頬にそっと細い指先で触れた。 自分の頬から、彼女がすくいとった物に、彼は自分でも驚いたように目を開く。 「・・・・辛い事を思い出して泣いていたの・・・?」 『涙』 ほぼ無意識に彼は涙を流していたのだ、思い出の中で。 辛い事を思い出して? 心配そうに見つめる彼女の瞳の中に写る自分自身に彼は自問する。 青く光るサファイアのような瞳の中に写る自分の姿は、もう孤独も悲しみも欠片も写ってはいなかった。 彼は微笑むと、彼女の手を握り返し、小さく首を横に振った。 「違うよ・・・・」 握りしめる手に、力がこもる。 「違う」 彼は彼女だけを見つめ、溢れ出る涙を隠そうともしなかった。 「幸せだから・・・とても幸せだから、泣いてるんだ・・・・」 「・・・・あなた」 彼女の口元に、柔らかい微笑みが広がる。 彼は彼女だけを見つめた。 自分にとってたった1人だけの人を、嘘、偽りない瞳で。 永遠に続く想い。 どれだけの遠回りをして、辿り着いたのだろう。 それでもいつも・・・心は一つだけだった。 「僕は・・・・」 彼はそっと彼女の体を抱き締めた。 遠い昔は、触れる事すら自分自身に禁じていた、彼女の温もり。 「君に出会う為に生まれたのかもしれない」 長かったすれ違いも、想い過ぎて傷つけあった事も、今ならはっきりとわかる。 きっとどれも、二人の間に欠かす事は出来なかったのだと。 人間だから、感情がある。 生きているから、傷付く事もある。 でも・・・側にれば、その傷を癒す事もできる。 "信じる想い" "果てしない愛しさ" 素直になる事は難しい。 けど勇気を出してその一歩を踏み込んでみなければ、何も始まらない。 「愛してるよ・・・愛してる・・・」 彼は心のそこから、もう幾度となく繰り返した言葉を彼女に囁いた。 それでも終わる事がないと、彼は感じる。 何度繰り返しても、繰り返すたびに想いは深まっていく。 「私もよ、愛してるわ」 耳元で囁かれた彼女の言葉に、彼は顔を上げる。 そこには澄んだ海のような青い瞳をたたえた彼女が、優しく微笑んでいた。 そして彼は気付いた。 彼女の瞳に中に写っている自分もまた、彼女と同じように至福の笑みを浮かべている事に・・・。 「行きましょう」 彼女に手をひっぱられ、彼は体を持ち上げた。 瞬間、背後から聞きなれた少年の声が聞こえる。 「パパーーー!!ママーーー!!」 彼は振り返り、少年に向って大きく手を振ってみせた。 少年が笑顔で駆け寄って来る。 彼は自分の息子が走ってくる姿を眩しいものを見るかのように見つめ、口を開いた。 「いつか・・・・今よりもっと長い長い時間が流れて、また二人だけの生活に戻ったら・・・」 「もう子供が自立する話し?」 彼女は小さく笑った。 彼は微笑み、愛しい息子から目を放して、彼女の方へ顔を向ける。 「長い時間が流れたら・・・そしたら、僕らはまた、そこから始まるのかな?」 未来への保証を求める彼の言葉に、彼女は微笑んだまま、小さく首を振る。 「人生に終わりなんてないのよ、私達はいつだって始まっているわ」 「・・・今も?」 「ええ、そしてこれからも、ずっと・・・」 「望めばいつもで、僕らは新しい毎日を送る事ができる・・・?」 彼の目は優しさと愛しさで溢れていた。 その想いを感じとり、彼女は微笑み、頷いた。 「二人なら、つくりだせるわ。幸せも、安心感も、誰かを愛することも・・・」 「・・・・そうだね・・・・」 彼は穏やかな笑みを浮かべ、彼女に頷き返した。 「今、幸せだよ、スカリー・・・・」 懐かしい彼のその呼び方に、彼女は一瞬驚いたが、すぐに納得したような笑みを浮かべる。 始まったのは、その呼び方からだったのだ。 「私もよ、モルダー・・・・」 彼女は心から安心できる、彼の広い胸にその身を預ける。 一生懸命に走りよって来る愛しい自分の息子、ウィリアムの姿を見つめながら、フォックス・モルダーは隣に並ぶ、最愛の妻の肩にそっと手を回した・・・。                                                                 END ======================================              どうも、涼夜です。 今まで皆様、本当に×100 ありがとうござます。 なんてお礼を言って分からないくらい、感謝しております☆(本当に) みなさんの熱い応援に感謝×感謝です。 ラストFicこれは、boudから数年後、または数十年後のお話と思い下さい☆ いつかは、あの悲劇ばかりのXーファイルで、こんな光景が見られたらいいなって思 う私なりの、想像図です。こういう光景なら、いつか、いつになるか分からないけど 見れるかなって思っております。スカちゃんとモル、そして最愛の息子ウィリアム君 いつか養子から取り戻して、また親子3人で暮らせる日・・・必ず訪れます!! そんな感じので、長く続いた私のfic「fou you」シリーズは終わりを迎えます。 皆様、そして最後まで投稿させて頂いたひよ様、本当にありがとうございましたvv 大切だから傷つけない為に嘘をついたり、離れたりする事も時には必要かもしれな いけど、でも本当に、こんな相手には二度と逢えない。とそこまで想う人ならば 本当に、本当に失ってしまっていいのか?って事を言いたかったんですが、現実は なかなか難しいですよね。だから人は自分の試練を乗り越えて成長するんですねv でも少しでも、このficで何か伝わる物が皆様にあったならば、私はそれだけで嬉しいです(^^) でわw 皆様、素敵な2003年をお過ごし下さい。 ラストメッセージ 1/26  涼夜でした♪        よければ感想を→ rilyouya.ouri@k6.dion.ne.jp