DISCLAIMER: The characters and situations of the television program "The X-Files"are the creations and property of Chris Carter, Fox Broadcasting, and Ten-Thirteen Productions. No copyright infringement is intended. Title: Wall Chapter 2 Author: Missy Spoiler: none Date: 1999.12.27 Warning!: 本文中にモルダーとスカリーの性的関係の描写があります。 二人がそのような関係にあることを望まない方、性的描写を好まない方、 また望む望まないに関わらず18歳未満の方は、 本文をお読みにならないで下さい。 ================================================================================================ 二人の”もし”は決してあってはならない。 何故なら、”もし”が存在していたら、出会うことができなかったから。 出会うことができなかったら、二人の人生は意味のないものになっていたから。 ついさっきまでの思考を振り落とすかのように、お互いを激しく求め合う。 モルダーがスカリーの耳朶を噛むと、スカリーはモルダーの背中に爪を立てた。 今日のモルダーは何故かいつもを繰り返したくない気分だった。 スカリーが張り巡らせた壁をなんとしてでも崩してやる、 そんな衝動に駆られてならなかった。 いつもなら優しいモルダーのキスが今日はとても激しい。 スカリーの口に入り込むと執拗にその舌に絡みつき、 酸素を求めてスカリーがモルダーの肩を力一杯押したほどだった。 それでもモルダーの激しさは留まることがなかった。 スカリーが酸素を補給し終わるのを見ると再び口付け、 パジャマのボタンを引きちぎるように外して左の胸を鷲掴みにした。 モルダーの唇がスカリーの唇を離れ、顎・耳朶・首筋・肩と、 時々軽く噛みながら進んでいく。 そして第一の目的地に辿り着くと、その頂きを舌で撫でた。 その途端スカリーの体が弓なりになる。 でも、声は上げない。 モルダーが舌を動かし続けながら目線を上げると、 スカリーが唇を噛んで嬌声を上げまいとしているのが見えた。 最初は激しくモルダーを求めたスカリーだったが、 モルダーの激しさがかえってその何かは分からない決意を感じさせ、 恐怖心を起こさせた。 このままでは何かが崩れてしまう。 スカリーが恐れること。 それは本当の自分をモルダーに見られること。 まだ自分でさえ見たことのない自分。 それがどんなものかわからない。 モルダーが求めているのは、強くていつも毅然としている ダナ・スカリー特別捜査官。 だから、もしかしたら彼が求めるものとは正反対かもしれない 本当の自分なんてモルダーには見せられない。 しかし、モルダーは攻撃の手を緩めない。 谷間を通って舌を左の頂きに移動させると、 今度はそれを唇で覆い、きつく吸い上げた。 右手をゆっくりと下にのばし、パジャマの上からスカリーの内腿に触れる。 そして焦らすようにゆっくりとその手を脚の付け根まで上げていくと、 人差し指でスカリーの一番敏感な部分を擦った。 「はぁっ!」 スカリーの口から小さな声が漏れ、体が震え出した。 モルダーはそれを聞くと口の端を僅かに上げ、 パジャマの上からでもスカリーが濡れているのがわかるようになるまで 指を動かし続けた。 スカリーはだんだん意識が朦朧とし始めていた。 だから唇の違和感が何であるかわからなかったが、 唇を強く噛み過ぎて血がでていることにやっと気づいた。 それでもまだ、必死に声を上げまいとしていた。 モルダーはそんなスカリーの様子を見ながら、 パジャマのズボンと下着を一緒に脱がせ、 既に溢れる泉と化しているそこを目で確認した。 「モルダー、もうっ・・・」 「もう、なんなの?」 「・・・」 「なに?」 「今日のあなたどうしたの?」 「どうもしないよ。」 そう言うとモルダーはスカリーの大きくなった赤い突起にキスした。 「ああっ」 スカリーの体が再び反り返る。 「モルっ、・・・おね・・がい」 「何を?」 モルダーの舌は泉の淵をなぞり、そして泉に潜った。 「モっ!!!」 舌が泉からあがると、今度は指が泉に潜ってきた。 舌は再び突起に戻り、指は泉の出入りを激しく繰り返した。 指を包み込むスカリーの内側が痙攣を始め、 波があっという間に押し寄せた。 それでもモルダーは攻撃を止めない。 スカリーは既に自分が何度波にのまれたのかわからなくなっていた。 「何か音が聞こえてくる」 そんなことをぼーっと感じながら、また波にのまれていった。 「I'm scared!!!」 その声が自分のものと気づいたとき、 どっと涙が溢れてきた。 スカリーの嗚咽に気づくと、 モルダーは泉からあがり スカリーの唇にキスしてきつく抱きしめた。 そしてスカリーを抱いたまま体を反転させると、 自分の胸にスカリーをおさめ大きな手で背中をゆっくり撫でた。 「シーッ、いい子だから泣かないで」 そう言うとスカリーの涙をキスで拭って言った。 「君がコントロールを失うのを見たかったんだ。  君が何かを恐れているのはわかってた。  それはきっと僕自身だろうと思ってたんだ。」 スカリーが腕の中で頭を振って何か言おうとしたが、 モルダーはそれを制して続けた。 「最後まで聞いて。  今夜の君を見ててわかったよ、  君が恐れてるのは君自身だってことが。  僕はね、普段見てる君も、まだ見たことのない君も好きだよ。  だって、両方とも君自身だろ。  まだ見たことのない君を見ることよりも、  君が壁を築いて、その中に引き篭もってしまうことを  僕は恐れてる。  スカリー、君は忘れているらしいけど、  僕には母がいる。  確かにサマンサがいなくなってからの母は、  普通の母親らしいことをしてくれなかったかもしれないけど、  でも母は母さ。  そして僕には妹もいるんだよ、知ってたかい?」 モルダーは悪戯な微笑を浮かべながら、スカリーの瞳を覗き込んだ。 「僕たちはもう20年以上も会っていない。  サマンサに会えたらしてやりたいことが山ほどあるんだ。  だけど、それはサマンサ自身にしてやりたい。  僕はサマンサに会えるという望みを捨ててはいないよ。」 その言葉にスカリーはモルダーの手を握った。 「スカリー、僕にはちゃんと母も妹もいるんだ。  今のとこそれで十分間に合ってるよ。  代わりなんていらないくらいにね。  そして僕には、唯一の信頼する優秀なパートナーもいるし、  いつでも僕の話し相手になってくれる親友もいる。」 モルダーはそう言って、自分の手を握っているスカリーの手を握り返した。 「今僕が欲しいのはね、スカリー。  互いの弱いとこも、ずるいとこも、我侭なとこも、いい加減なとこも  全部さらけ出して、  甘えたいときも、泣きたいときも、頼りたいときも、叫びたいときも  いつもお互いを必要としている、  そして、その人がいてくれるだけで生きていける。  そんな人なんだ。  誰かの代わりや、思い込みの理想の人なんていらないんだ。  僕が欲しいのは、ダナ・キャサリン・スカリー、  君自身なんだよ。」 何も言わずに俯いているスカリーに、モルダーは訊ねた。 「君が欲しいのは誰からも信頼されて、部下が何人もいて  窓があるオフィスと専属の秘書を持ってるエリートかい?  こんなspookyな奴はいらない?」 スカリーは大きく頭を振ると顔を上げ、モルダーの瞳を見つめ、 擦れた、だが何かを感じさせる声で言った。 「私は、・・・あなたが欲しい。  あなたが欲しいの。他の人はいらない。」 モルダーはその言葉に微笑むと、スカリーの瞳を逸らさずに言った。 「君も知ってるとおり僕は我侭なんだ。  君のすべてが僕のものにならなきゃ  君も僕のすべてを手に入れられないよ。  君自身がまだ知らない君も、全部僕のものだ。  だから、これから君が発見するまだ知らない君を  僕から隠すなんて許さない、いいね。」 スカリーはモルダーの腕からでて、 彼を上から見下ろした。 「未知の領域はあなたのお得意だったわね。」 そう言ってモルダーの額にキスをすると、またその胸に戻っていった。 スカリーを再び腕に抱きながらモルダーは今夜の収穫に満足し、 彼女の髪を撫でた。 モルダーの胸に頬を埋めながらスカリーは今夜の収穫が本当に 実のあるものになるか考えていた。 ================================================================================================ 結果を急いだりしない。 君は御伽噺に出てくるか弱いお姫様なんかじゃない。 それに僕は王子様にはなれない。 怪物と雄々しく戦ってお姫様を助け出すなんてできないよ。 僕は君がその壁を自分の手で突き破るのを待ってるよ。 その途中で君が傷ついたら、僕は救急箱をもって駆けつける。 弱気になったら叱り飛ばしてやる。 でも道がどんなにつらく苦しいものでも、 僕は決して君から、君の傷から目をそむけたりしない。 決してタオルを投げたりはしない。 僕は絶対に君を諦めない。 だから君も僕を諦めないで。 この思いが君に届くと僕は信じてる。 End of Chapter 2 missy@mc.neweb.ne.jp