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強く 強く、抱き締めて



ねぇ、たまに何処を見ているの?



いつも自分を見てくれるのに



いつから何処か違う場所を求めるようになったの‥‥









ぬくもり





「ラドゥ‥‥」



月明かりの夜に、金髪のか細いラインの少年は尋ねに来た


そう・・・これから始まる残酷な悲劇の前夜に。

しかし尋ねられた青年風の その何処か落ち着き切った蒼い髪の"相棒"は答えた



「・・・また、眠れないのかい?」

読んでいた本を閉じ、座っていた机から直ぐ近くのベッドに腰掛けた。
すると少年もそこへ寄り、青年の隣に腰掛けた。

どうも少年は生粋の帝国貴族の育ちの所為か、このアウターでの生活には馴染めないらしく
カルタゴ到着の日より"眠れない"といって自分の寝床にまで押し掛けてくるのだ。







可愛い"相棒"


でも君の夢は明日から―…




ふと視線を感じ、思い馳せた言葉を止め、そちらの方をみてみると
少年が自分の顔をじっと見つめていた


いつもと変わらぬ、あの無垢な瞳で



程なくして少年が口を開いた

「ラドゥ・・そなた何を考えていたのじゃ?」


それはいつもの少年からは結び付かない、突飛的な質問。

「・・・何って‥どう言うことだい?イオン」

すると少年は黙ってしまった。


僅かな沈黙
それは短いだろうが長く感じられた


話題を変えようと青年が口を開き掛けた所…






「何故かいつも、汝は傍におるのに…余は、何処か不安で仕方ない‥‥」



俯き、哀しげな声。
僅かに震える頼りなげな肩、抱き寄せたくなる細い体。


震えるソレを包み込むように抱き締めた。






「こうしていても…かい?」




きゅっと抱き締めながら囁いた。

もうこうする事は、これからは出来ないだろう。




そう、心に秘め



少年を見た




さらっとした金髪の猫毛を分けて、頬に触れる
漸く視線が交わされた。



誘われる様に口付けた


瞬間、少年の瞳から涙が溢れた







思わずドキッとしてしまった






「イオン‥‥」




そっと指で雫を拭う


俯いた視線の少年は、青年の胸に抱き寄った






そして固く、小さく、誓うように呟いた




「余は・・・汝と共に在らば、何も恐れるものはない・・・・だから・・」


「しっ・・・」

言い掛けたところで唇に指をあてられた








そして祝福するかのように額から口付けを降らし
漆黒の闇の夜に身を預けた





繋いだ手は離さないで



交わした言葉を忘れないで


溶けるような温もりを醒めさせないで


だからもっと強く抱き締めて





このまま太陽が無くなってしまえばいい



月の光だけで



絡まる腕を照らし続けて



断末魔の奏でる朝は要らない



暁の光は夜のベールを引き裂く幕開け








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リハビリ小説ラドゥイオでした。
何かこう「抱きしめて」というフレーズが思い浮かんだので

熱砂の天使、カルタゴの事件前夜設定です
切ないラドゥイオ


05711.25