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これはカーヤがまだここに来たばかりの時のお話



密輸入者












たまたまヴァチカンの外れの聖堂に来ていたのは
、教皇の異母兄弟、フランシスコ・ディ ・メディチ
あの獰猛で有名な、教皇庁教理聖省異端審問局を率いる枢機卿だった。



その彼がわざわざここへ来たのは目的があったから。



視察でヴァチカンの外れの教会を訪れたのだ。
近日、此処に人類の憎むべき敵、夜の種族が発見されたということを聞き付け、
異端審問 官が孅滅した際の教会の怪しい背後関係を調べるために来たのが本当の理由。
もっと突っ込むと、自分と対敵するミラノ公雌狐が関係していた証拠捜しである



しかし、何処を捜してもめぼしい資料はなく、結局無駄足を運んでしまったらしい。


一休みにぷらぷらと散歩をしていると、まるで黒く華麗な華のような少女が目についた。
此処、ヴァチカンの聖域では見かけないジプシー風の格好をした少女。

足取りはまるでステップを踏むかのように軽くリズミカルで、
足に付けた鈴が愛らしい音を奏でていた。



少女は何かを捜しているのだろうか
落ち着かないような様子できょろきょろと大きな黒耀石なような瞳を
右へ左へと忙しなく動かしていた。



その少女の姿に囚われてか、珍しく声を掛けた


「失礼。何か捜し物でもあるのかい?カルメン?」


覚えている有名なビゼー描くオペラのヒロインの名を少女に喩、
話し掛けてみると 大きな瞳が驚いたように見上げてきた


普段禁欲的な生活を送っているため、この様に女性に接することは極めてないに等しい。


「 私が何か手伝おうか?」





今は法衣も纏っていないので、傍から見たら一般人に見えるだろう


そう思いをめぐらせ、雪が降るくらい、珍しくも“人助け”をしたのだ。









少女は黙ってじぃっと見つめてきた。


驚かせてしまったのだろうか、普段は想像も付かない格好。



厳格な枢機卿は膝を折って少女の視線に合わせた。




するとようやく桜桃のような小さな唇が拙く言葉を紡いだ。




「……カーヤは探しに来ているの」




何をだろうと首を傾げ、やさしく尋ねる。
まだあどけない表情から察すると母親でも探しに来たのだろうか?



「どんな人かね?よければ、一緒に捜すが…」


正確には捜させる。
だが、ここは伏せておいた。


「あのね…あ!おじさん伏せてて!」


思いがけない応答と早口に何が何だか分からず、
気付けば少女は地面を蹴り自分を飛び台 にし、後ろを追った。



「………!?」





一瞬何が起きたのか判らないでいると




後ろから飛沫の音が耳を掠めた。

水飛沫だろうか?しかにそれにそぐわぬ重ったるい音が続いて聞こえてきた。
ようやく態勢を建て直し振り替えると

後ろには本当に“カルメン”の如く、首をもった少女が立っていた。




少女のした、植え込みに広がったのは血の海と生を今さっき断たれたのだろう、
弛緩した身体が転がっている。



一瞬これに驚いたが、そこは異端の総帥。
よく見慣れてもいる光景の為、すぐに立ち直った。
埃を払い、少女と向き合わせになる。


この惨状よりも、夜の種族を一瞬に殺したこの少女のほうが気になる…並の者ではない。
下手したら自分の部下並と同等の力を持ち合わせているのかもしれない。



一方、少女のほうはまわりを気にせず、死体のポケットから何かを取出し
それを大事そうにしまうと、首を持ったまま歌を歌い始めたのだ。

歌はカルメンの第二幕の闘牛士の歌。





鎮魂歌にしては物騒な・・・



そんなことよりも今は並成らぬこの少女は一体何ものか。

強い部下が幾らでも欲しい彼にとっては目に留まる久々の人材であった


歌う少女にメディチは唐突に問い掛けた





「突然だが、君。私の部下にならんかね?」




少女は視線だけこちらに向けて歌うように答えた



「カーヤはシスター。仕えるのは神様よ」


ならば好都合

「私の所は教皇庁の偉いトコだよ?」

「カーヤの所も偉いところ、カーヤは大好き♪」




なんだか遊ばれている気がしないでもないがここは巧くやれば今後に繋がるだろうと次々言葉を編み出す。



「綺麗で設備も善く、年俸もいい、どうかね?」

「カーヤは興味がないわ」

「仕事も君にとっては楽だと思うよ?」

「どんな仕事?カーヤは謳って踊るがこの身の仕事、それ以外は出来ないの」

「君がさっきやったように、人類の敵。ヴァンパイアを孅滅するのがお仕事だよ」



すると今度は違った反応が帰ってきた




カーンッ





何処からともなく取り出したカスタネットが甲高い音をだした。
そしてそれに合わせるように少女が謳う


「カーヤわかった♪カーヤは鋭い、偉い、賢い子
おじさん、もしや、有名、有名、超有名な、異端審問局の?」


合わせるようにうなずいた。きっといい返事はすぐそこだ。


「私は教皇庁教理聖省異端審問局のフランシスコ・ディ・メディチだか」



偉そうにふんぞり返った
羨望にも似た眼差しで察した。きっと今すぐ「カーヤも入りたいなっ♪」
っていうにちがいない…














「皆様驚き桃の木勇気の気、カーヤはすごい人にカテリーナ様の天敵だぃ♪
さてはてカーヤはどうするべきか、如何するべきか?困ったこまった、カーヤは大変♪」

“いい返事”が返ってくるはずだったのに…

よりにもよって一番嫌な名前を聞いてしまっ たのだ。

ではもはやこの少女はあの雌狐の部下であろう。
しかし、Axでないのならばまだ望みはある。


「あんな聖務を無視する所よりこちらは合法的だが?」

「カーヤは言われた事をやってい るだけ♪謳って踊って治安活動♪」

「それならばこちらも然り!条件はそちらよりはるか に良く好待遇しよう!どうだね?」


意気込んだ風に問い掛けた小さな肩をがっちりとつかむと
少女は謳をやめ、じぃっと見上げてポツリとつぶやいた




「カーヤ、あの衣裳はいやよ」

「あれば上官になれれば規則がゆるんでくるよ」

「カーヤ、あんなパッツンな髪型は嫌よ、カーヤ嫌よ、そうよ、そうそう、髪は女の命 ♪」

「シスター・パウラは普通だが?」

「そうねぇ…」


後もう一押しかと考えていると、思いがけない答えを紡がれた。



「カーヤ、おじさん好きじゃない。
カテリーナ様みたいに天使みごまう美人が好き♪
カーヤは優しい人が大好き、強いて言うなら美人が大好き
おじさん、残念無念また来週。カーヤはそちらには行けません♪

ではではこれにて幕は閉じる、カーヤも歌った、おじさん踊った♪
今日は楽しい一日だ♪」




そう幕を下ろすとすばやく少女は去っていった。



残されたメディチは愕然としていたとか・・。





そのご異端審問局の中のウワサ

「なにかメディチ枢機卿、このごろ鏡を良く見られているんですって・・・」

「なんでも異母兄弟との美貌の差にようやく気づいたんじゃ無いですか?」

「それがどうも恋か女がらみじゃないかと言うウワサがありまする!!」

「むぅ!某、全然わからぬ!!!」

「前よりもっと雌狐を憎むようになったんだってyo〜」






手のひらで踊った枢機卿のちょっとしたお話・・

















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はい!つい思いついたギャグネタです!!
カーヤに振り回されるメディチとか面白くないですか?そして見事玉砕で★
ちなみにカーヤはカテ様の命令で証拠隠滅しに着たんですよ
イメージ的にはカルメンの「密輸入者の行進」
カルメンは男振り乱す悪女ですから<笑
ただ前半のメディチがキザったらしいのはギャグで。
普段の彼の口調が今一分からんですタ。私も玉砕・・・<血