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カーヤは気付いたら血に塗れていたの


きっとこれでは、神様はカーヤを天国へは入れてくれないね


でも神様。

どっちの“掟”を守ればよかったの……?






紅い扇








「あなたも踊る?それともうたう?夜はこれから。まだまだ長い。
 “ジプシークイーン”の闇の歌、聞かずに帰るはあまりに不粋♪」



歌って、舞って、ヴァンパイアを殺すはまだまだ少女。
なりはロマニーの踊り子にしか見えない。
しかし彼女はこう見えても立派な教皇庁国務聖省特務分室、派遣執行官なのだ。
あの異端審問官とも張り合えるほどの戦力を持つ。


「しかしねぇ…猊下、あの様なまだ年端も行かない少女をココに入れるとは……」
アルビオンの紳士風なパイプをふかせた“教授”は武器の改造完成品を持っていた。




「しかし“教授”。彼女は中々に大変な環境におりましたの…
 あんな所へ大事な戦力となる人材を放ってなど置けませんわ」


甘やかなハスキーボイスが響いた。
枢機卿のみに着用が許された深紅の法衣を身に纏い、豪華な金髪がよく映える片眼鏡の麗人は答えた。












彼女は―――……








少し前の事だった。幼い少女がAxに入ったのは。
Axに入るものは大抵社会に追われた何かに秀でた特殊な者が多い。


カーヤもそれに漏れず、当てはまったものだったのだ。








事件は数ヵ月前。一つの有名なジプシーの団員がヴァンパイアによって惨殺された。
そこでただ一人だけ少女だけが生き残ったのだ。
そして、その少女の団体を惨殺したヴァンパイアが潜んでいたホテルを
一人の少女が長生種、短生種関係なく皆殺しにしたのだ…。

そしてその少女が持っていたのは斧でも槍でも弓でもなく、

ただ一つの鉄扇だった…。



人々は驚異的な殺人能力を持った少女を忌み嫌い、魔女と呼んだ。




少女はずっと一人だった。

小さい身で、一人でずっと生きていた。







しかしある日、再び事件は起こった。

その街の議員の息子が少女の手によって殺されたのだ。
街中は騒めき、少女を引っ立て、異端審問局へ処分を申請しようとしていたのだ。


「今まで我慢していたが、もう我慢ならない!」
「この様な悪魔に取りつかれた少女など殺すべきだ!」



「殺せ!」


「ころせ!」



「コロセ…!」







人々は沸き上がり、魔女という少女を教皇庁へ引っ立てた。




そこで偶々出会ったのだ…  金髪の女神と……









騒ぎを聞き付けたカテリーナは窓から様子を伺っていた

しかし捕らえられている少女は血に塗れたままで、抵抗もしようともしていなかった




どうも腑に落ちなかった
悪意に似た殺意を持つものの顔にはとても見えなかったのである。




まして、ヴァンパイアを無傷で殺した少女だ。只でさえ気にもなっていた。





もし、仮に。少女が何らかの事情を以て議員の息子を殺してしまったとしたら――……






カテリーナは急いで、人々を止めカーヤを引き取った。




「さぁ…これで貴女は自由よ‥」

少女は不思議そうな顔をしたまま何も喋ろうとしなかった。
「…………」

「私はこれから貴女に問います。
 生きて、私と共に茨の道を歩か…そのまま少女として異国の地へゆくか…」


そう問い掛けたその時










「カーヤは…・・・・・・・・・ 天国へ行きたいの…
 でも、カーヤはたくさん殺した。沢山、たくさん殺して血に塗れた…
 でもカーヤは神様の言い付けを守っただけなの…」


膝を抱え、ポツポツと呟くように言った。



「・・・・・・・・。
 では、カーヤ・ショーカ。貴女は神のどんな言い付けを守ったのです…?」


さらっと髪に触れ、優しく聞いてみる。




「……カーヤはね、シスターだから、男の人に触られちゃいけないって…
 天国のお母さんが言ってたの……
 そして、ヴァンパイアが悪魔の化身だって…
 だから…だからカーヤはお母さんが言っていた神様の言い付けを守ったの。」




どうやら、事件の真相は見えてきた。
恐らくジプシーの団体は“悪魔の化身”に襲われた。
そしてそれを当然ながら討伐した。
推測するに、殺された議員の息子は恐らくこの無垢な少女を襲おうとしたのだろう…
ならば、これは少女の行動は正当防衛になる…


考えをめぐらせていると、少女が服の裾をつまみ尋ねてきた。



「あのね・・カーヤはね…天国へ行きたい。
 ねぇ、カテリーナ様。天国へはどうやったらいけるの?
 カーヤは天国へ行ける?」


「そうね……では、カーヤ・ショーカ。貴女は・・・」




風が騒めいた。















シャンシャン、鈴の音が心地よく響く。



少女は胸に赤いロザリオをしている。
聖職者にはとても見えない。

でも心は誰よりも純粋だ。

純粋だからこそ、残酷な。



今宵は月が赤い夜。


少女は今宵も踊り続ける

















金髪の女神はこういった。



     “貴女の思いが貴女を導く”







だからカーヤは踊ります。










「あたいは歌姫。うたって踊るが、この身の仕事♪」


誰よりも天国を夢見て踊る





                        “紅き歌姫”







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カーヤが好きなんです・・・・・!!!!
すっごいオリジナルはいっちゃっていますが、本当にあくまでも想像で・・(^^;
本当はカーヤの活躍がもっと見たかった〜!!
またカーヤネタは何か書きたいですね〜