| 厚い唇の感触―――――妻よりもはるかに馴染んだそれが僕を飲み込んでいく。 「―――んっ――んんっ―――」 ピロケースに声を埋めてじわじわと来る熱にじっと耐える。 「久しぶりなんだから……声聞かせてくれよ……」 そんなこと言われても煌々とした明かりの下では顔すら隠したいのに、声までとは無理な注文だ。 「明かり消してくれよ……恥ずかしいだろっ!!」 「こんなに間近にフグタ君を見るのは随分と久しぶりだからね……色々堪能しているんだよ。」 濡れたモノが外に出されて空気が冷たく感じている。そして其処に痛いくらいの視線が刺さっていることも……… 「いつも会社で会っているじゃないか……!!」 「でもこんな風にゆっくりするのは久しぶりだろう?」 再び熱いモノに絡み付かれ彼の口に飲み込まれる。 確かに、彼と夜を過ごすのは久しぶりだ。 舌先が弱いトコ――感じるトコを集中して攻めてくる。 「……ぁ……あっん……」 直ぐさまソレは形を変えて彼の口腔を満たしていく。 「相変わらず感じやすいな……」 すっかり熱で満たされたソレを握ったまま舌で舐り、視線を上げるとニヤリと笑う。 「誰が……そんな風にしたんだよ……」 「俺だな……この躰に男を教えてこんなにイヤラしくした。」 いつもは何ともないのに、ベットの上で彼に見られるのはひどく恥ずかしい。視線を外すのはいつも僕の方だ。 「こんな風にね……」 触れていただけの唇が先を含んで、きつく吸い上げる。 「ふくっ――――!!」 思わず背が跳ねる、吐き出したくても根本を指で締められてはイきたくてもイけない。放出を促すように断続的に吸われ続ければ辛さに悲鳴が上がる。 「アッ、アナゴ……くぅん……」 開放をねだる声で縋り付く。その手が冷たい声に払われる。 「ベットの上では違うだろう?」 それを口にすると、自分が変わってしまうのを知っているから……喉まででかかった言葉に躰が肌が震えた。 滲んできた涙を腕で隠しながら僕は彼を呼んだ。 「ぁ……せっ、せんぱい……もう、イかせて……ください……」 口にした途端に背筋にゾクリと甘い背徳な痺れが走った。 「上出来な言い方だが、今日は簡単にはいかないよ?」 「せんぱいっ!!」 「ああ、イきたいんだろぅ?」 腕の中でコクコクと首が縦に振られる。 「こんなになっているもんなぁ……でも今日はダメだ。」 指先が蜜を滲ませた先を腹で擦る。 「ぁっ―――くぅ―――」 尖った刺激は腕をシーツに縛り付けた。 どうしてと云う顔でフグタマスオはアナゴを見つめている。 「お盛んなお前と違って俺は御無沙汰なんだよ……!」 この躰を仕込んだのは自分だ。 彼の魅力に参った奴らが次々と彼の躰にはまっていく様を見ているのは楽しかったが、自分が抱ける時間が取れなくなってしまったのは随分と痛い。 「だって……そんなこと……」 困った表情が可愛らしい。 「今日だって昼間部長に呼び出されてたろう?」 「!」 バツの悪そうな顔。 「随分と長引いた打ち合わせだったな?」 「だって、断れないだろう……」 仕方なかったんだという顔で視線を外す。 「ああそうだな……でも今夜俺との約束があっただろう?」 ビクリと声に震える。 「だから……ちゃんとゴムして……もらってっあっあ―――――!!」 言葉が終わらない内にマスオの奥に二本の指が突き立てられる。ずっぷりと根本まで入れられた指が容赦なく中を掻き回し、彼の言葉を確認する 。 「ああ確かにあのニオイもモノもない……」 噛みしめた唇からはくぐもった悲鳴しか出てこない。限界まで張りつめたモノからは濃い蜜がしたたり落ちる。 「どうやってあのスケベにゴム使わせたんだ?」 「今夜は……妻と出かけるって……アッ、中掻き回さないで〜!!」 涙を流してシーツを握り締める姿に『そろそろいいか』と心でゴチて、蜜を舌で舐め取り口に含むと吸い上げながら戒めを解く。 「あっ!!」 ハッキリと見て解るほどの歓喜の表情。 薄いとはいえかなりの量が口の中に溢れ出す。それを総て飲み下し、まだ余韻に震えている躰を開くと、今度は己で押し入った。 今夜は時間がたっぷりある。 色々聞いてやるよ、親父さんやあのへんな記者についても……ね? |
酸っぱい人様有り難う♪
長○川町子は怖いからちょっと隠してみました。
こういうのを貰うと酸っぱい人様の過去の悪行作品が忍ばれほんのりしました。