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おりおり...
コギト=エラムス/文


 「.....本須和さん.....」

 するっ...

 俺の住むアパートの管理人、日比谷千歳さんが白い指で俺のスウェットをおろした。

 「ひっ...日比谷さんっ! なっ...なにをっ!?」

 俺は驚いて叫んだ。

 

 「.....うふっ.......」

 日比谷さんはくすりと微笑むと、今度はトランクスに手をかけ、一気におろした。

 びんっ!

 俺の意思とは裏腹に、びんびんにそそり立つムスコが露わになる。

 

 「ああああああ、こっ、これはそのっ」

 俺はあわてて言い訳を考える。

 

 「.....もう...こんなに大きくされて.....」

 日比谷さんは上気した顔で俺に言うと、そのしなかやな指をムスコにかけた。

 日比谷さんのやわらかな指が触れた瞬間、背筋にぞくっと電気のような快感が走る。

 

 「ひっ...日比谷さんっ! なっ...なんて事をっ!?」

 もう訳がわからない。あこがれの日比谷さんが、日比谷さんがこんなことをするなんて!

 

 「.....本須和さんのミルク...たっぷり私にくださいな...」

 日比谷さんはそう言うと、ムスコにかけた指を、しごきあげるように上下に動かしはじめた。

 

 しこ...しこ...しこ...

 

 「ひっ...ひっ...日比谷さあああんっ!!」

 俺はそこで、ばちっと目をさました。

 

 

 ゆ...夢か...。

 

 ほっと胸をなでおろす。

 あのおしとやかな日比谷さんがあんな淫らなことをするなんて...俺は一体なんて夢見てんだ...。

 自己嫌悪に陥りながら、身体を起こそうとする。

 

 しこ...しこ...しこ...

 

 夢と同じ感覚が、俺の股間からたちのぼる。

 

 .....?

 

 俺は、股間のほうに視線を移した。

 

 「なっ!? なにやってんだちぃっ!!」

 見るとそこには、ちぃが俺の股の間にはさまって、一心にムスコをしごいていた。

 はいていたスウェットとトランクスはちぃによって脱がされてしまったらしい。

おりおり...

 「ちぃ?」

 ちぃは、しごく手は止めず、きょとんとした表情で俺を見つめた。

 

 ちぃは俺がゴミ捨て場で拾った人型パソコンだ。

 いままで高くて手が出なかったパソコンだったが、ちぃを拾ったおかげで俺もパソコンユーザーの仲間入り。

 だが、ソフトを買う金がなく、いまだにちぃは言葉もしゃべれないでいた。

 

 「ああん...もっとミルク、いっぱいちょうだぁい...」

 

 色っぽい女の声に、俺は心臓が口から飛び出るくらいにびっくりした。

 一瞬、ちぃが言ったのかと思ったが、ちぃはまだ「ちぃ」としかしゃべれない。

 声は、つけっぱなしのテレビから聞こえてきたものだった。

 見ると、テレビ画面には俺が昨日見ていたアダルトビデオが映っていた。

 3倍で録画された、6時間ぎっしりとアダルトが詰まったビデオ。

 悪友の新保が「これで女の身体のこともっと勉強しろよ」と言って貸してくれたものだ。

 

 たしか、見られるのが恥ずかしいからタオルでちぃに目隠ししてから見たんだ。

 

 昨日の夜の記憶が蘇る。

 そうか! 俺がこのビデオを見ながらオナニーして、ビデオを止めずにそのまま寝ちまったんだ!!

 それでちぃは目隠しを取ってこのビデオを見てたのか...!

 

 ちぃは、見たものをなんでも真似たがる。

 俺が転んだ時などは一緒に転び、笑ったときも一緒に笑った。くしゃみをした時なんかも懸命にそれを真似ようとしていた。

 そんな仕草もかわいいちぃだったが、まさかこんなものまで真似するとは!!

 

 しこ...しこ...しこ...

 もみじのような小さな、やわらかい手が俺のムスコをごしごしとしごきあげる。

 

 「ぐわあっ! ちっ、ちぃっ!!」

 小さな手によって送られる愛撫に、俺は自分を見失いそうになってしまう。

 あ、相手はパソコンなんだぞ!! 相手はただの機械じゃないか!!

 俺は必死に自分に言い聞かせながら、ちぃの顔を見た。

 

 「ちいっ」

 ちぃは俺の目を見てにこっと微笑んだ。それはまさに、天使のような無垢な微笑み。

 

 しこ...しこ...しこ...

 ちぃの小さな手がムスコを握ったまま上下するたびに、どんどんと俺の股間から湧き上がる劣情が増大していく。

 それは、どんどんと良くない妄想をも膨らませていった。

 

 ちぃは今、日比谷さんからもらったお古のブラウスを着ている。

 日比谷さんが昔着ていたというこのブラウス、

 もしこの服に射精したら、ちぃと日比谷さん、ふたりを汚すことに.....。

 一瞬、ちぃの顔と日比谷さんの顔がダブる。

 

 びくんっ!

 

 し、しまった!!

 自らの下世話な妄想により、俺の射精感が急激にこみあげてきた。

 

 しこ...しこ...しこ...

 もう我慢できない!!

 

 「うおっ!! ち、ちぃっ!! 日比谷さーんっ!!」

 

 びゅっ!!

 俺はふたりの名前を叫んで一気に放出した。

 

 まるでちぃと日比谷さんふたりめがけて射精するような感覚、これ以上ない背徳感!!

 

 べちゃっ!!

 勢いよく放出された俺の精液がべちゃりと音をたててちぃの鼻柱に着弾する。

 あまりの勢いにあたりにしぶきを飛ばすほどだった。

 

 びゅっ! びゅっ! びゅびゅっ!

 ぺちゃっ! ぴちゃっ! ぺちょっ!

 その後も断続的に俺のムスコは脈動し、衰えぬ勢いで精液の雨をマシンガンのようにちぃの身体に降らせた。

 白いまぶたに、ふにふにとしたほっぺたに、桜色の唇に、俺の精液は遠慮なくこびりついた。

 こびりついた精液は、あまりの濃度に垂れ落ちようともせず、ちぃの顔にとどまった。

おりおり...

 「ちーっ」

 ちぃは次々と降りかかる精液をよけようともせず、うれしそうに浴びていた。

 

 射精が終わっても、ちぃは俺のムスコを離そうとはしなかった。

 ちぃのまぶたに俺の精液が重くのしかかり、ちぃの視界を塞いでいる。

 それでもちぃは健気に目を開けて、俺に微笑んでくれた。

 「ちぃっ」

おりおり...

 ああっ、そ、そんな! 精液まみれの顔で、そんな天使みたいな微笑みをされると...

 

 びーん

 俺のムスコが再び天を突かんばかりにそそり立った。

 「ちいっ」

 ちぃはうれしそうに言うと、俺のムスコにかけた手を再び動かしはじめた。

 

 しこ...しこ...しこ...

 

 その僅かな愛撫にも、俺の身体は敏感に反応してしまう。

 「おはっ!? ちょ、ちょっとやめてえっ! ちぃいいっ!!」

 俺は情けない声をあげて絶叫した。

 「ちぃっ」

 ちぃは小さく返事をすると、俺のムスコをしごく手を早めた。

 

 しこしこしこしこしこ.....

 

 「のはあ!?」

 どうやら、もっと早くしろと言われたのと勘違いしたらしい。

 さっき出したばかりだというのに、また激しい射精感がムクムクと沸きあがってくる。

 

 「お、おねがい! や、やめてーっ!!」

 俺は再び、絶叫と共に果てた。

 

 

 一時間後.....、

 「ちーぃ」

 ちぃは全身、精液まみれになっていた。

 

 俺はちぃの精液にまみれた顔を見るたびに勃起し、そのたびにちぃは手でしごいた。

 そして俺は、その度にちぃの身体めがけて射精した。

 

 さらさらの髪の毛にも俺の精液がべっとりとこびり付き、

 顔などはまるで精液でパックしたみたいに、精液が皮膜のようにはりつき、もう目もあけられないほどになっている。

 日比谷さんからもらった黒いブラウスにも精液が染みこんで、あちこちに白いシミをつくり、

 身体のあちこちから精液がどろりと糸みたいになって幾重にも垂れ、床にもたまりを作っている。

 

 俺の精液の雨に打たれたちぃは、濡れねずみのようにぐっしょりとなっていた。

 

 その精液を拭いもせず、ちぃは手についた精液をうれしそうにぺろぺろと舐めていた。

 あれだけ射精して、俺はようやく冷静になることができた。

 

 ちぃ...こいつはこいつなりに、一生懸命俺を喜ばせようとしてくれてるんだな...。

 

 「ちぃ?」

 俺の視線に気づいたちぃは顔を上げ、俺の目を見てにっこりと微笑んだ。

 

 「ちぃ...」

 俺はちぃがたまらなく愛とおしくなり、その頭をなでてやった。

 ねちょっ...

 「うげ...」

 精液が手の平にこびりついて、納豆みたいに糸をひいた。

 

 . . . . .

 

 俺はなぜか、きわどいボンテージ姿の日比谷さんの足元にひざまづいていた。

 今までの大人しい印象とは違う、高飛車な雰囲気の日比谷さん。手にはムチまで持っている。

 「さあ、私の足をおまえの舌でおなめ!!」

 俺を見下ろしたまま、厳しく言う。

 「そ、そんな、日比谷さん...」

 俺はわけもわからず戸惑う。

 その態度が気にくわなかったのか、日比谷さんはムチを持ったほうの手をゆっくりと振り上げた。

 

 「言うことを聞かない悪い子は...こうよ!」

 日比谷さんは高くかかげたムチを俺めがけて振りおろした!!

 

 びしっ!!

 

 「うわああああっ!?」

 俺はばちっと目をさました。

 

 

 ゆ...夢か...。

 

 ほっと胸をなでおろす。

 あのおしとやかな日比谷さんが女王様になるなんて...俺は一体なんて夢見てんだ...。

 自己嫌悪に陥りながら、身体を起こそうとする。

 が、身体が動かない。

 

 ?

 

 視線を下に移すと、俺の身体はロープによって縛りあげられていた。

 しかも、普通の縛り方じゃなく、SM風の縛り方でだ。

 

 !?

 

 「なっ、なんだよっ!? これっ!?」

 俺はもがいた。だがロープは見た目以上にしっかりと結ばれており、もがいてもぎしぎしとロープを軋ませるだけに終わった。

 強盗かと一瞬思ったが、強盗がこんな手間のかかる縛り方をするわけがない。

 

 ふと見上げると、

 「ちーっ」

 ちぃが、にこにこと俺の顔をのぞきこんでいる。

 その手には、先が幾重にも分かれたムチが握られている。

 

 お、俺を縛りあげたのは、ちぃだったのか!!

 

 ロープなんてどっから持ってきたんだ!?

 それにSM用のムチまで!!

 

 「ちょ、ちょっと待て! ちぃ!!」

 俺は芋虫のようにはいつくばってちぃから逃げようとする。

 這いつくばる俺の目の前の床に、ページが開かれたままの雑誌が落ちていた。

 これは.....新保から借りたSM雑誌「月刊緊縛通信」!!

 開かれたページには、今の俺みたいに縛られて床に這いつくばる男と、

 ムチを持った女王様の姿が載っていた。

 ちぃは、これを見たのか!!

 

 雑誌の男は女王様のムチに恍惚の表情を浮かべている。

 ふと俺の脳裏に、怖い考えが浮かんだ。

 

 まさか...これをやれば俺が喜ぶと思って.....。

 

 「ちーい」

 じりっとちぃが一歩、近づいてきた。

 かっ、考えるのはあとだ!! 今は逃げないと!!

 だが、これでもかというほどきっちり縛られているせいで、ままならない。

 さ、流石はコンピュータ、一度学習したことは完璧に再現できるのか.....

 

 なんて感心してる場合じゃない!! 

 

 「や、やめろっ! やめてっ! ちぃっ!!」

 ちぃに壁際に追い詰められ、俺は昨日の朝みたいに情けない声をあげていた。

 

 「ちーっ」

 びしっ!

 ちぃは手の中でムチをしならせると、いつもの天使のような微笑みをうかべた。

 


解説

 「週刊ヤングマガジン」に連載中である、CLAMPの「ちょびっツ」ネタです。

 これの二次創作18禁小説を見たことがなかったので、一番乗りになってやろうと思って書きました(ひょっとして既にある?)。

 せっかくなので純愛モノ(私にとってはこれが純愛!)にしました。

 


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