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Melting Point(前編)
コギト=エラムス/文


 「ナアスを殺すなら、私を殺してからにしなさいっ!!」

 

 秋が暮れ、高くなった空に響く声。

 

 「あ...あおいさん!?」

 ナアスにとどめを刺そうとしたウイングマンの目の前に立ちふさがったのは...

 バトルコスチュームにセイバーを手にしたアオイだった。

 

 道ゆく人々が、何事かと立ち止まる。

 

 「あおいさん! 騙されちゃ駄目だ! そいつは刺客なんだ!!」

 アオイに守られるようにして背後にいる男、ナアスを指さして叫ぶ。

 

 「嘘! 証拠はあるの!?」

 セイバーを構え、ウイングマンににじり寄るアオイ。

 「証拠は...ない、俺のヒーローの勘だ!!」

 身構えながら叫ぶウイングマン。

 

 「何がヒーローの勘よ!!」

 セイバーを振りかざし、ウイングマンに斬りかかる。

 

 間一髪、それをかわし、

 「よ、よせっ! 俺はあおいさんとは戦いたくないっ!!」

 再びふりかざそうとしたセイバーを押えつけるウイングマン。

 「そんなにあいつのこと信じてるのか? 好きなのか?」

 力をこめ、問いかける。

 「ええ、愛してるわ...私は何があってもあの人についていくと決めたの」

 いつになく真剣な表情のアオイ。

 

 「.....わかった」

 アオイの手を押えていた力を緩める。

 「ナアスと戦うのはやめる...」

 その手をだらりと力なく下げた。

 

 「ケン坊...」

 ほっとした表情のアオイ。

 だが、

 「アオイ、ドリムノートも貰うんだ。そんな奴にはもったいない」

 すぐ背後に現れるナアス。

 

 「えっ...ドリムノートも必要なの?」

 「ああ、リメルを倒すには必要なものだ」

 

 「ケン坊」

 ウイングマンに向きなおるアオイ。

 

 「...あおいさんも欲しいの? ドリムノート...」

 ウイングマンに変身しているので表情はわからないが、その口調で真剣さが伝わってくる。

 

 「ええ、彼の意志は私の意志だわ」

 言いながら、手を差し出す。

 

 「...わかった。あおいさんにあげる...。いや、返すといったほうがあってるね」

 腰のベルトから、ドリムノートを取り出すウイングマン。

 

 「ボクに夢をくれたのもあおいさんだ。その人の頼みなら...」

 ドリムノートをアオイの手に渡す。

 

 「あっ...」

 だが、ドリムノートがアオイの手に渡るか渡らないかのあたりで、アオイのすぐ背後にいたナアスがそれを奪い取った。

 「ナアス...! あっ!?」

 そしてびっくりした表情のアオイを、ナアスは抱き寄せる。

 

 「キサマ!?」

 挑みかかろうとするウイングマン。

 

 「...動くな!!」

 鋭いナアスの一言に、ウイングマンの動きが硬直する。

 

 「少しでも動いたらこのドリムノートに ”この街の三次元人は大爆発と共に街ごとフッ飛ぶ” と書くからな」

 手にしたドリムノートをちらつかせながら、抱き寄せたアオイと共に少しづつ後ずさりする。

 

 「くっ...」

 立ち止まったままのウイングマン。

 

 「リーダー!」

 「広野くん!」

 そこへ桃子と美紅が駆けつける。

 事態を理解しているのか、ふたりともウイングガールズの格好をしている。

 

 「そっちのふたりも動くなよ!」

 鋭い視線をふたりの少女に投げるナアス。

 そして、視線を落とし、手に入れたドリムノートに何かを書きこんでいる。

 

 「な、何を書いてるんだ!?」

 「ナアス...な、何を書いているの?」

 ドリムノートの恐ろしさを知るふたりは、同時に問う。

 だがナアスはそれには答えず、ドリムノートを閉じた。

 

 答えのかわりに、ナアスはアオイの耳元に唇を近づけ、囁きかける。

 

 「しかし、アオイは随分と嫌らしい格好をしてるんだなぁ...」

 アオイのバトルコスチュームは、まるでビキニのような格好だった。

 

 「これじゃあ犯してくれって言ってるようなもんだぜ」

 小ぶりだが、形の良さそうなバストを軽く揉む。

 そして更に抱き締めるようにして細いうなじに唇を押し当て、ベロリと舌を出して舐めあげる。

 

 「いやあんっ!?」

 ぞくん! と跳ねあがるアオイ。

 

 「キ...キサマ...!!」

 ふたりに近寄ろうとする駆け出すウイングマン。

 

 「動くなよ!」

 アオイを抱き寄せた手にあるドリムノートをちらつかせる。

 

 「くそっ...」

 握り拳を固め、立ち尽くすウイングマン。

 

 「そこで...俺とアオイが愛し合うところを、指をくわえてみてるんだな」

 アオイの首筋を舐めあげながら、挑戦的な視線を向けるナアス。

 

 「ね...ねえっ、やめて...ナアス...どうしちゃったの...? こんなのは嫌っ」

 突如性格の変貌したナアスに戸惑いを隠せない。

 震える声でナアスの手を払おうとするアオイ。

 だが、ナアスの愛撫はあおいの力を奪い去るだけの効果があった。

 

 「フフフ...気持ちいいだろ?」

 耳元で囁きながら、股間の布を包み込むように手で覆う。

 

 「あ...っ!」

 びっくりしたような悲鳴のあと、

 「ど...どうして?」

 戸惑ったような声をあげる。

 

 先ほどからのナアスの首筋、胸、股間への愛撫は、触る程度のものだというのに全身の力が奪われるような、

 とろけるような甘い感覚をアオイの身体に植えつけていく。

 

 「あっ...あんっ...まさか...ド、ドリムノート?」

 力の入らない身体をよじり、くねらせてその愛撫から逃れようとするアオイ。

 

 「...そうだ。 ”アオイどんなことをされても感じる”」

 ドリムノートに書いた内容をそのまま口にするナアス。

 その手に、力がこもった。

 

 びりっ!

 

 「あ...っ!」

 繊維を裂く音があたりに響く。

 アオイの片方しか肩紐のないブラが引き裂かれ、想像とおりの形の良い胸が露わになる。

 

 「や...やああっ!」

 身体をよじらせナアスの手から逃れようとするが、腕の中で背筋を弓なりに反らすだけで終わってしまう。

 

 おおっ、と周囲に集まった男たちは歓声をあげる。

 「畜生! 見るな! おまえら!! 見るんじゃない!!」

 手をぶんぶん振って人払いをするウイングマン。男たちは残念そうに後ずさりする。

 「あ...あおいさんっ」

 心配そうな表情の桃子。

 「い、いやっ!」

 まるで自分のことのように悲痛に顔を歪ませ、手で顔を覆う美紅。

 

 だがそれ以上に目を引いたのが、アオイの固く勃起した乳首だった。

 それはナアスの愛撫を官能と受けとめ、アオイの身体が返した反応だった。

 「うわ...あの娘、乳首立ってるよ...」

 「おお...イヤラシイ...」

 「これ、自主制作映画なんだろ? あんなことまでやんのかよ...」

 周囲の男たちは股間をテントのようにしながら、喰いいるように見つめる。

 

 「あっ...はぁっ...やあっ...み、見ないで...」

 色っぽい吐息を漏らしながら、くねくねと細い腰をよじらせるアオイ。

 桃子、美紅、そしてウイングマンである健太の視線、

 そして周囲にいる男たちの自分を視姦する視線すらも、アオイは官能として受けとめていたのだ。

 

 「フフフ...アオイはイヤラシイ女だ...こんなに大勢の三次元人に見られながら感じているなんて...」

 バストの周囲をやわやわとほぐしながら、ナアスが言う。

 「かっ...感じて...なんかっ...あはあんっ!」

 アオイの抗議はナアスが股間の布ごしに、女性器をすっ、と指で撫でただけで打ち消された。

 

 「あ...はああっ...はあああんっ」

 ナアスは首すじから今度はアオイの頬に舌を這わせ、見せつけるようにベロベロと舐めあげていた。

 バストの外側を焦らすようにたぷたぷと揉みこむ。

 愛撫は長い時間続けられていたが、未だにピンと屹立した乳首だけは愛されないでいた。

 もうアオイの股間は、布ごしからでもわかるほどぐっしょりと濡れている。

 「はあっ...やっ、はぁっ...はあっ...いやぁ...もうやめてぇ」

 この寒空で、アオイの吐く吐息が白くなっている。それほどまでにあおいの呼吸は荒くなっていた。

 無意識のうちに、もっとして、とくねらせた腰をナアスの股間にこすりつけている。

 

 「もうやめろっ!! 俺を倒せばすむことだろっ!!」

 絶叫するウイングマン。

 

 だが、ナアスはそれを無視し、アオイに話しかける。

 「乳首がこんなに立っているぞ...愛してほしいかい?」

 チュッ、と乳首のすぐ横に口づけをする。

 

 「や、やめてっ、あ、あはん!」

 拒否のセリフも、その後に続く嬌声により説得力を持たなくなる。

 

 バストの裾野をなぞるように舌を這わせ、時折ずずずと音をたて、その乳房を吸い上げる。

 

 「やっ、あっ、ふぅううんっ...」

 じれったいような声をあげ、いやいやをするアオイ。

 その上気した顔を見ながら、更にその感情を高めるべく、乳首の寸前までじりじりと舌を這わせていく。

 

 すると、遂に、

 「んんぅぅ! くふぅ!」

 上半身をよじらせ、吐息を漏らしながら思わずアオイは胸を突き出してしまう。

 内なる官能が燃えあがり、張り詰めた乳首を突き出して捧げたのであった。

 

 「見てみろウイングマン...アオイは俺に愛してほしくて、乳首を俺に突き出している」

 目の前でふるふると震える乳房を見せつけた後、乳房を揉んで勃起した乳首をより目立つように押し出す。

 

 「ちっ、違うのっ、ケン坊っ!」

 潤んだ瞳をウイングマンに向けるアオイ。

 だが、

 「んあっ! はううんっ! あうんっ!」

 ちゅっ、と乳首にキスをされ、声をあげさせられてしまう。

 待ちに待った乳首への愛撫に、がくがくと小刻みに身体を痙攣させるアオイ。

 軽く絶頂に達したようであった。

 

 なおもその内なる官能の炎を燃えたたせるべく、ナアスはさんざんしゃぶったバストから口を離し、

 涎で濡れ光る乳首を指で挟み、きゅっ、きゅっと摘みあげる。

 「はうっ! いやっ、いやっ、ああああんっ!」

 そして、逆の乳首を口に含み、軽く歯を立てコリコリと甘噛みしたり、唇に挟みこんで引っ張る。

 「あうんっ! あうんっ! やあ...ああんっ!」

 先ほどまでは全く愛されることのなかった乳首を、今度は執拗なまでの嬲られ、声をこらえることも忘れてあえいでしまう。

 

 「す...すっげえ...」

 「おいおい、これAVの撮影かなんかか...?」

 「も、もう俺さっきから勃ちっぱなしだよ...」

 我慢できずに、ポケットに手を突っ込んで慰める者まで出てくる。

 

 「やめて! もうやめてええぇ!」

 泣き崩れる美紅。

 「あんたなんか最低よ! あおいさんを離して!」

 それを支えながら、睨みつける桃子。

 

 「ちっ...ちっくしょぉ...」

 怒りに震えるウイングマン。

 

 「はあっ、はあっ、はああっ...あっ!?」

 あごを上げてあえるアオイの表情が曇る。

 股間にかけたナアスの手に、力がこもっていたからだ。

 

 「ま...まさか、やめて...っ! ナアス...やめてえっ! あああっ!」

 あわててその手に手を添えるが、間に合わなかった。

 

 びりりっ!

 

 湿り気を帯びて重くなった布が、破り去られる。

 「いやああああああああっ!!」

 天高く、冬も近い空に、アオイの悲鳴が響きわたった。

 


解説

 大変長らくお待たせいたしました!

 他人丼様の「ウイングマン」ネタのリクエスト「アオイを他の仲間の前で陵辱」です。

 たしか去年の8月にリクエストを頂きまして、だいたい半年かかってますね。遅れて申し訳ありません。

 

 元ネタは「ウイングマン」コミックス5巻から6巻にかけてのナアスとのやりとりを使わせていただきました。

 しかしドリムノートってあんな使い方もできるのかなぁ? わかんないけど間違ってたらごめんなさい。

 


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