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可奈子ちゃん、おしずかに!
コギト=エラムス/文


 ひなた荘の隅にある納屋...そこに浦島兄妹はいた。

 

 閉めきられた納屋の中は薄暗く、そしてカビくさかった。

 その中では先ほどから、虫の羽音のような音が響いていた。

 耳をすまさないと聞えないほど、僅かな音ではあるが。

 

 「さ、可奈子、見せてくれるかい」

 景太郎に言われ、うつむいた顔をゆっくりと上げる可奈子。

 景太郎と視線をあわせるだけで、わずかだが頬に朱がさす。

 

 「はい、お兄ちゃん...」

 可奈子は胸元にリボンをあしらえてある黒いハウスドレスのスカートをたくし上げる。

 

 きちんとした三つ折りの白いソックス、手にすっぽりと収まりそうなか細い足首...

 贅肉ひとつないしなやかなふくらはぎ、ちょこんと飛び出たかわいらしいひざ小僧...

 たくしあげるたびにその少女らしい部位が少しづつ晒されていく。

 そして、僅かだった羽音がの音量が、少しづつ大きくなっていく。

 

 驚くほど白く、しなやかな脚線が露わになり...その付け根が見えるまでスカートは持ち上げられた。

 

 「まだ...生えてないんだね」

 景太郎の一言に、

 「はい...」

 可奈子の更に頬の赤みが増す。

 

 少しくびれた脚の付け根の間にある、逆三角形のトライアングル。

 つるんとした卵に一本筋が入ったような無毛のスリット...。

 動きはほんの僅かだが一定のリズムでくにくに開閉し、秘められた薄桃色の秘肉が見え隠れする。

 羽音はもう囁くほどの音量になり、確かにふたりの耳に入ってくる。

 その羽音を確認し、また更に可奈子の頬の赤みが増す。

 

 とろ...っ

 そのひくひくと動いていたスリットから、透明の蜜のような液体がゆっくりと垂れた。

 つつつ...っ

 そのままゆっくりと、蜜はふとももを伝い、垂れ落ちていく。

 

 「あ...っ」

 太ももで蜜の流れるのを感じとり、小さく声をあげる可奈子。

 

 景太郎の頬が、僅かに緩む。

 「見られて...感じてるんだ」

 垂れ落ちていく蜜を目で追いながら、景太郎は言った。

 

 「お兄ちゃんだから...お兄ちゃんだから...こんなに...」

 きゅっ、とたくし上げたスカートを握りしめ、恥ずかしそうにうつむく可奈子。

 その手が僅かに震えている。

 

 蜜がくるぶしを通り、床に染みるまで目で追った後、

 「さ、後ろを向いて」

 景太郎は視線を可奈子の瞳に戻しながら言った。

 

 「...はい」

 可奈子はスカートを持ったまま景太郎に背中を向け、くいっ、と小さなヒップを突き出す。

 

 そこでまた更に、羽音が大きくなった。

 

 景太郎の目の前に差し出された可奈子のヒップ...大きさはないものの、ふっくらとした印象を受ける。

 まるで手塩にかけて栽培された、最高級の白桃のようである。

 

 その果肉を押し分けるようにして、細いピンク色の張り形が、

 まるで花の蕾のような菊座に突き立てられている。

 

 先ほどからずっと聞えていた羽音の正体は、この張り形が動く音だった。

 張り形は電池の力でその身体をくねらせて、

 ヴヴヴヴヴヴと耳障りな音をたてながら小さな蕾の中を我が物顔で暴れまわっていた。

 その蹂躙するような張り形の動きにあわせ、蕾はひくひくと震えながら健気にその形を変えていた。

 前面のスリットも振動の影響をうけ、くにくにと開閉する。

 

 尻穴から突き出た張り形の動きはさながら尻尾のようにも見えた。

 

 可奈子は背中を向けたまま顔だけを景太郎に向けていた。

 その瞳はうるうると潤み、尻尾のような張り形の動きと相俟って、

 今の可奈子はまるで主人にぱたぱたと尻尾を振ってすがる子犬のようであった。

 

 「...ちゃんと、付けてるんだね」

 水面のようにしっとりと潤んだ可奈子の瞳に自分の顔を映しながら、景太郎は言った。

 

 「はい...お兄ちゃんと会えなくなっても...ずっと...ずっと...

  お言いつけを守って...毎日ちゃんと付けてました...」

 囁くような小さな声で、途切れ途切れに言う可奈子。

 

 「ふぅん...」

 景太郎は言いながら、その振られる尻尾を掴んだ。

 

 景太郎の手によって張り形が固定され、可奈子の中に送られる振動がより大きなものとなる。

 「あっっ...」

 ぴくん、とその小さな形を震わせ、声をあげる可奈子。

 

 景太郎は掴んだ手に力を入れ、その張り形を蕾から引きぬいた。

 

 ずるり...

 

 「んっっっっっ...」

 その張り形には複数の凹凸がついており、その凹凸が蕾を大きく押し広げるたびに、

 くぷっ、くぷっと蕾は湿った音をたて、それにあわせて可奈子はぞくんぞくんと背筋を震わせる。

 

 ずる...

 

 完全に引きぬいた張り形を見つめる景太郎。

 張り形は蹂躙する対象を失ってもぐいんぐいんと元気にその身体をグラインドさせている。

 挿入されていた部分は可奈子の腸液で濡れ光っており、そのテラテラとした胴体を見て、

 同じ表情を保っていた景太郎の眉が僅かに動く。

 

 その張り形の胴体には、油性マジックで相合傘が書かれており、

 その傘の中には「可奈子」と「景太郎」と書かれていた。

 

 「...まだ同じものを使ってるんだね」

 その相合傘に書かれた字はかすれていたが、景太郎は確かに見覚えがあった。

 景太郎は視線を相合傘から可奈子へと移す。

 

 「...はい...」

 こくりと頷く可奈子。

 

 「...お兄ちゃんから初めてもらったプレゼントだから...だから...

  壊れても、壊れても...何度も直して使ってました...」

 そっと微笑む可奈子。

 水を張ったように潤む瞳によって、それは泣き笑いにも見えた。

 

 この張り形は景太郎が可奈子にプレゼントしてから、かなりの年数がたつ。

 もうとっくに耐用年数は過ぎているというのに、可奈子は修理をして使いつづけていたのだ。

 

 景太郎は表情ひとつ変えず、その張り形を納屋の隅へと投げ捨てた。

 

 「あっ」

 大きく目を見開く可奈子。

 

 ごと...ん

 

 納屋の壁の一角に叩きつけられ、元気に振動していた張り形が死んだように動かなくなる。

 床に落ち、ころころと転がる張り形を目で追う可奈子。

 茫然とした表情で、その張り形から目を離そうとしない。

 

 ガラッ!!

 

 不意に、納屋の扉が勢いよく開かれた。

 そこには、太陽を背にしたシルエットがふたつ。

 

 可奈子はあわててスカートを下ろし、

 服の袖で目をごしごしとこすって、いまにもこぼれ落ちそうなほど瞳にためた涙を繊維に染み込ませる。

 

 「よーっ、景太郎」

 「ひさしぶりだなぁ」

 そのふたつのシルエットはふたりの間にずかずずかと入り込んできた。

 灰谷と白井...景太郎の悪友である。

 

 せっかくふたりっきりだった所に水を差され、むっとした表情で灰谷と白井をにらむ可奈子。

 

 「あ〜あ、可奈子ちゃんイジメちゃって...ダメじゃないか」

 灰谷は可奈子のわずかに充血した瞳を見ながら言う。だが、自分が可奈子に睨まれているとは気づかない。

 

 「ところでさぁ、もういいのか?」

 同じく無神経に景太郎に聞く白井。

 

 「ああ、待たせたね、いいよ」

 景太郎はなおも表情を変えずに言う。

 

 可奈子は兄と友人が何の会話をしているかわからなかった。

 だがいきなり、その細い手首が灰谷に掴まれた。

 「へっへーっ、可奈子ちゃん、いいことしようね〜」

 

 「!?」

 

 同じく白井も可奈子の肩に手をかけ、いやらしそうな笑みを浮かべる。

 「お兄ちゃんのお許しも出たことだしねぇ〜」

 子供をあやすような口調のふたり。

 

 「ちょ、ちょっと何をするんですか! 離してください!」

 驚いてその身体にかけられた手を振り払おうとする可奈子。

 

 「可奈子」

 だがその抵抗は、景太郎の一言によってピタリと止まる。

 「お兄ちゃんの言うことなら、可奈子は何でも聞けるよね?」

 

 「う、うんっ...お兄ちゃんの言うことなら...」

 素直に頷く。

 

 「じゃあ、黙ってふたりの言う通りにするんだ」

 

 「えっ...」

 予想もしなかった兄の一言に、目を見開いたまま茫然となる可奈子。

 

 「いいね、可奈子。言うこと聞かない悪い子は、お兄ちゃん知らないからね」

 口調は穏やかであったが、どこか冷たいものを感じさせた。

 

 その一言に、可奈子の顔がさっと青くなる。

 可奈子は兄に嫌われるのが何よりも嫌だったのだ。

 「う、うんっ、お兄ちゃんの言うことなら何でも聞きます。だから...」

 あわてて兄の機嫌を伺う可奈子。だが、

 「じゃあ灰谷、白井、やっていいよ」

 兄の言葉により途中で遮られた。

 

 「ひゃっほーっ!」

 ふたりは歓声をあげながら可奈子の華奢な身体に手をかける。

 

 ばっ!

 

 いきなりスカートをめくりあげる灰谷。

 「あっ!」

 可奈子はあわてて手でスカートをおろそうとするが、兄の視線でその手が止まる。

 

 「うおお、こいつパンツはいてねぇよ!! しかもなんかもうヌレヌレだし!!」

 エキサイトして引き裂かんばかりの力で、掴んだスカートを引っ張りあげる灰谷。

 「あっ...くぅぅ...」

 乱暴にスカートを引っ張られ、つま先立ちにさせられてしまう可奈子。

 

 ちーっ

 

 可奈子の背中にまわした手で、ハウスドレスのファスナーを下ろす白井。

 「や、やだっ!」

 背筋を反らしながらその手から逃れようとするが、掴まれたファスナーはどんどん下ろされていく。

 シミひとつない白い背筋が白井の視線に晒されていく。

 「わぁ、ほっそい背骨.....かわいいなぁ」

 弓なりにそらした背中にあわせて反る細い背骨、そしてくびれた腰に見とれる白井。

 

 「前の方はどうかな? よっ!」

 背中のファスナーが下ろされたことを知り、襟を掴んで前に引っ張る灰谷。

 

 ずるっ

 

 「あっ、や、やめてぇ!」

 そのままベロリと引き剥がされ、華奢な上半身が晒される。

 残されたブラを、さっ、と抱きしめるようにしてかばう可奈子。

 その小さな肩が小刻みに震えはじめる。

 

 まだ幼さの残る未成熟な身体ではあったが、怯えるような可奈子の反応は白井と灰谷の目を十分に楽しませた。

 

 「お、お兄ちゃん...」

 身体を縮こませたまま今にも泣きそうな瞳で、すがるような視線を景太郎に向ける可奈子。

 

 止めてほしかった、やめろと言ってほしかった。

 自分の身体に触れていいのは、お兄ちゃんだけなのに。

 

 可奈子は祈るような気持ちで、兄をじっと見つめていた。

 

 景太郎はずっと同じ表情だった...暖かい、陽だまりのような笑顔。

 可奈子を暖かく照らしてくれる、お日様のような笑顔。

 だが可奈子は気づいていなかった。

 その瞳は一向に笑っていないことに。

 

 「ほら...じっとしてないで、早く続きを見せてよ...可奈子...」

 その笑顔のままで、景太郎は言った。

 


解説

 「ラブひな」の浦島可奈子ネタです。

 人気ありそうなキャラクターなのにあんまり小説を見かけなかったので書きました。

 

 リクエストがあれば続きを書きます。

 なければないで気が向いた時にでも続きを書きます。

 


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