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悲しみを燃やして act.3
コギト=エラムス/文


 「汝...森里螢一は...ベルダンディーを奴隷とし...その主たることを誓いますか?」

 静かなチャペルに響く、神父の声。

 

 ダービーハットを深くかぶり、白いヒゲをたくわえた神父は、言いおわると顔をあげ...ふたりを見る。

 

 「誓います」

 白いタキシードに身を包んだ螢一は、きりっとした表情でそれだけ答えた。

 

 その螢一を...見つめる女神...ベルダンディー。

 純白のウエディングドレスに身を包んだ女神は、大理石の床に四つんばいになり、犬のような体勢で静かに主を見上げていた。

 「奴隷の誓い」では、奴隷となる者は主よりも頭を高くしてはならないという決まりがある。

 

 「ベルダンディー...」

 主としての誓いを果した螢一は女神に向き直り...犬のようにすがりつく女神の頬をやさしく撫でた。

 

 「私を...私を...必要としてくださるんですね...」

 女神は潤んだ瞳を主人に向けると...顔に当てられた手に頬をすり寄せる。

 その瞳の端には...歓喜の涙の粒が浮かんでいる。

 

 ベルダンディーはずっと不安だったのだ。

 螢一が、本当に自分のことを、必要としてくれるのか...やさしい螢一のこと、

 無理に自分のことを必要だと言っているのではないかと...。

 たとえどんな形であれ、愛する人に求められ、今はその幸せでいっぱいだった。

 

 正直、螢一もここまでベルダンディーが自分に従順だとは思いもしなかった。

 マーラーからこの作戦を提案された時、すぐに失敗に終わると思っていた。

 まさか...これから奴隷に貶めようとしている自分に、涙まで流して喜ばれるとは思わなかった。

 

 不思議と...今までのように良心の呵責はなかった。

 それが内に湧き起こるどす黒い思念のせいだとは...いまだ気付かないでいた。

 

 「..........」

 神父は先ほどから螢一に目配せをしているのに、螢一は気付かずに、新たに手に入った奴隷と熱っぽい視線を交わしている。

 

 「さ...次は奴隷としての誓いです...かくしどころを御主人様に見せて...」

 しびれを切らした神父は、なにやら嫉妬めいた態度でふたりの間に割って入る。

 押しのけられて、女神の頬から手を離してしまう螢一。

 

 「あの...どうすれば...?」

 「かくしどころ」とは陰部のことである。不安そうに神父を見上げるベルダンディー。

 

 「まず...その四つんばいのまま、御主人様にお尻を向けるんです」

 

 「はい...」

 ベルダンディーは神父の言葉に静かに返事をすると、這ったまま螢一の方にお尻を向けるように向きを変える。

 

 するすると長いウエディングドレスが引きずられ、分厚い純白ドレスに包まれたお尻が主人の方へと向けられる。

 腰のあたりに結びつけられた大きなリボン。ドレスの裾からチラリと見えるレース...。

 まさに女神と呼ぶに相応しい清楚で優雅なウエディングドレス。

 

 「次に...顔を床につけるように突っ伏して、お尻を突き出して」

 言いなりのベルダンディーに、神父は更に要求する。

 

 「.....」

 ベルダンディーは四つんばいになったまま顔だけ後ろに向けて、螢一を見る。

 

 その不安そうな視線を感じ、螢一は無言で頷く。

 

 「はい...」

 それで螢一も望んでいることだと確認できたベルダンディーは、安心した様子で返事をする。

 

 先ほどバージンロードの精液を舐め取らされたような体勢...床にキスせんばかりに顔を突っ伏し、螢一にお尻を捧げるように突き出す。

 ちょうど...突き出された臀部を覆うエナメルホワイトの生地が、まばゆく輝く。

 

 ふぁさっ...

 

 不意に、そのドレスの裾が翻った。

 

 「きゃあっ!?」

 下腹部に発生した風に、驚くベルダンディー。

 

 神父がドレスの裾を掴んで、内包されたものを暴き出すようにめくり上げたのだ。

 

 「静かに! 誓いの途中ですよ!」

 狼狽するベルダンディーに、ぴしゃりと言う神父。

 

 螢一の眼前に、女神のきれいな脚線が飛び込んできた。

 それだけではない、突き出した小さなお尻を覆う純白のショーツ、同じく太ももを彩る白いレースのガーターベルト、

 しなやかな脚線をその形とおりに覆うミットのストッキング...。

 白く輝くハイヒールが、震えるたびにコツコツと鳴る。

 

 この時すでに...螢一は流れ込んでくる黒い思念を感じなくなっていた。

 これから...この美の象徴のような存在を...自分の手におさめられることに、武者震いしていた。

 

 「きれいだよ...ベルダンディー」

 何の衒いもなく、そんな言葉が出た。

 

 それは、自分の本心なのか...黒い炎に後押しされてなのかはわからなかった。

 

 顔は伏せているのでわからなかったが...太ももをこすりあわせるようにして閉じ、

 「け...螢一...さんっ」

 切羽つまったような声を漏らすベルダンディーは、明らかに羞恥に震えているようだった。

 

 神父はその羞恥を煽るように...ドレスを完全にずり上げ、腰より下を完全に螢一に晒すようにした。

 そして...女性としてもっとも大切な部分を覆う布に手をかける。

 

 ずるっ...!

 

 「あっっ!!」

 脚を滑り落ちていくショーツの感覚に、はじけたようにのけぞるベルダンディー。

 

 「顔を上げないで!」

 神父は厳しく言うと、レースの垂れたベルダンディーの後頭部をぐいと押して床にこするように押えつける。

 

 ごつん

 

 「んむうぅ!」

 大理石で額を打ち付け、床に唇を押し付けられ言葉にならない悲鳴をあげるベルダンディー。

 

 螢一は女神に乱暴を働く神父にも気に止めず、一点を凝視していた。

 眼前には、女神の隠すべき箇所が晒されていた。

 神父にずり下ろされ、太ももの途中でひっかかった純白のショーツ。

 そしてその頂きには...ふるふると震える女神の臀部があった。

 小さめだが、白くすべすべとした魅惑的な桃尻。

 羞恥に震えるたびにぷりぷりと誘うようにふれる。

 

 神父はベルダンディーの頭を押えつけたまま、その女神の背中にまたがり、腰を下ろした。

 

 「あうっ! し、神父さんっ...な、何を...!?」

 腰を下ろした瞬間、神父の体重で苦しそうに息を吐くベルダンディー。

 

 だが、神父はその問いには答えない。

 「さあ、誓いの仕上げです...奴隷はその身体を全て主人に捧げる誓いの言葉を述べなさい」

 神父は言いながら、突き出した桃尻の頂きの部分に手をかけ、尻肉の割れ目を力いっぱい押し広げた。

 

 ぐいっ

 

 「あああっ! し、神父さまっ!?」

 神父に乗られたままの上体をびくんと強張らせる女神。

 

 今、女神は自分の秘部がどのようになっているか見ることはできない。

 だが...いままで感じたことのない箇所に吹き込んでくる風で...愛する人にそれらが全てさらけ出されていることがわかった。

 

 「くううぅぅぅっ...」

 羞恥にうめく女神。

 細い爪をたて、大理石をカリカリとかきむしる。

 

 神父の手によって女神の尻肉は大きく左右に広げられ、その内にある菊穴と秘唇がなんの障害もなく白日のもとに晒されている。

 這いつくばって、隠すべき箇所を捧げるように突き出すその姿は...もはや女神ではなく、主人に屈する奴隷に他ならなかった。

 

 ごくり、ごくりと唾を何度も飲み込みながら...その献上された汚れなき秘所を見つめる螢一。

 

 本来は排泄するべき不浄の器官である菊座、だが女神のそれは、一輪の花のように可憐で、優雅ささえ感じさせる。

 刻まれたしわのひとつひとつが花びらに見え、そして中心の孔の部分が柱頭...。

 それはもはや排泄器官などではなく、おしべを迎え入れることのできるメスの性器にしか見えなかった。

 そして...その下に咲く本来のめしべは薄い皮膜によって覆われており、いまだ不可侵であることが伺えた。

 秘唇の部分も未開通であることを示すよに固く閉じ、薄桃色のそれは...侵してはいけない聖域のような美しさがあった。

 

 その聖域は、男なら誰しも踏み込んでみたいと思わせるものだった。

 螢一も例外ではなく...白いタキシードの上からもわかるほど張りをもたせた怒張で、

 いつでも女神、いや奴隷が捧げる最も大事なものを刺し貫き、すべてを手にいれる準備ができていた。

 

 神父はひれ伏す女神に向かって最後の誓いをさせようとしていた。

 「さあ...奴隷! 主の前で...従属を誓いをなさい! 主の慈悲にすがりなさい!」

 

 「はっ...はいいぃ...」

 ベルダンディーは震える声で返事をする。

 床をかきむしっていた細い指を...きゅっと握りしめて。

 

 そして...その高貴で...気高い女神の口から...、

 「ごっ...御主人さま...ぁ...奴隷である私に...お慈悲を...お慈悲をくださいいぃ...」

 自らを奴隷と貶める言葉が発せられた。

 

 本来は隠語を連発させる予定だったのだが...聖女であった女神にはそんな性知識はない。

 彼女なりの精一杯の懇願だった。

 

 「螢一さんが...螢一さんが望むなら...私は...私はずっと...奴隷としてお側に仕えさせていただきます...」

 とどめの一言。

 美しい女畜にこれほどまですがりつかれて我慢できる男はいない。

 

 本来ならばこの美畜の望むまま、いきり立ったものを突きたててやりたい。

 が...螢一は、歯をくいしばってそれをこらえた。

 

 「よし...舐めてやるんだ」

 神父に向かって声をかける螢一。

 

 「はっ」

 主人の命を受け、神父は小さく返事をする。

 

 いや、すでにベルダンディーの背中に乗る者は神父などではなく...神父の衣服を脱ぎ捨てた悪魔マーラーの姿であった。

 しかし...女神は自らの上に乗る者が悪魔であることはいまだ気付いていない。

 顔を伏せたまま...ただただ羞恥に震えているだけだった。

 

 悪魔は女神の背中に押えつけるように乗り、突き出された尻をかきわけるように押し広げている。

 その様を見下ろす、主人の螢一。

 ふたりがかりで、女神を屈服させた、その瞬間。

 

 女神は何も知らず、ただ螢一に従属する喜びと、そして初めて見られてしまった秘部に首筋まで上気させていた。

 

 「御主人さまのお慈悲を...受けやすくしましょう」

 マーラーは神父の口調で言うと、押し広げた女神の菊穴に、自らの舌を挿入した。

 

 つぷっ...

 

 「んふぅぅ! し、神父さまっ! そ...そこは...っ!」

 不浄の門に逆らうように押し入ってきたナメクジのような物体に...背筋を震わせる女神。

 

 悪魔の舌が自らの排泄器官を舐めしゃぶっていることに...気付かないでいた。

 


解説

 「悲しみを燃やして act.2」の続きです。

 

 ひさびさに書いたら妙になっちゃいました。

 


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