祥瓊は処刑されることになった。峯の寒村である。
祥瓊は自分の正体がもと公主祥瓊であるとばれて処刑されることになった。
「このメス豚が!」
そう言いながら男は後ろ手に縛られた祥瓊を広場に蹴り飛ばした。
「この悪党が」
「死んじまえ」
周りには祥瓊に憎悪を向ける無数の邑人の姿がある。
「みんな、よく聞いてくれ」
先程祥瓊を蹴り飛ばした男が声を張り上げた。
「このガキの父、仲達にはみんな恨みが深いと思う。
ただ殺すだけでは気がすまねえ。そこで散々痛めつけて殺してやろうと思うがどうだ」
「いいぞ!」
「やれやれ」
という声が方々からあがる。祥瓊は恐怖の余り気絶しそうになった。
月渓が失道したと聞いたのはわずか前のことである。
月渓が王として登極したのはもう数年も前だ。
王として善政を布いていたはずの月渓がなぜか失道してしまった。
祥瓊はいても立ってもいられないで、一人峯の国内に潜入した。
「それじゃまずは」
男はにっと歯を剥いた。
「殴る!」
拳が飛んだ。血飛沫が後を追いかける。
「ぶぐう!」
拳は祥瓊の鼻面をへし折って、そのままぶっ飛ばした。
祥瓊は地べたに転がって血反吐を吐いた。
「さあ、起きろ!」
男が祥瓊を無理矢理立たせる。
そして二発目の拳を繰り出す。
「ぶへら!」
今度も顔を打たれて祥瓊は倒れた。奥歯が折れたらしい。
「さあ、立て」
男がまた祥瓊を抱き起こす。
「オラア!」
「げはあ!」
祥瓊の頬骨が砕けた。祥瓊は鼻血を吹き出しながらふっとんだ。
同じ事を十三回繰り返して、男はようやく拳を止めた。
祥瓊の顔はパンパンに膨らんで見る影もなく無惨な有様となっていた。
「はあはあ……」
祥瓊はか細く弱々しい呼吸をしている。
このまま放っておかれても死ぬだろうが、邑人たちは祥瓊を楽に死なしてやろうという気はない。
「それじゃ、指を一本一本切ってやるからのう」
別の男が取り押さえられた祥瓊の前で大鋏をしゃきしゃき動かす。
「う、う……」
鋏は祥瓊の右の人差し指を捉えると一気に力が込められた。
「ぎゃああああああ!」
祥瓊が絶叫した。指はちぎれて地面に落ちた。
「うぎゃああああああ!!」」
十本の指が順番に切り取られていく。
(月渓……これは罰だというの。陽子、ごめんね、私帰れそうにない)
祥瓊はそのときもう死ぬ覚悟をしていた。
「うぐ…ぐっ……」
やがて指を全部切られた祥瓊は裸に剥かれていく。
「みろよ、こいつ処女みたいだぜ」
「ああ、ピンクのま○こだ」
「それじゃ、乳首いってみようか」
そう言うと男は鋏を構える。
「いやだああ、もう止めてええ!」
祥瓊は泣き叫ぶが、
「うるせえんだよ!」
「ぶぐっ!」
たちまち殴られて動きを止める。
「じゃいくぜ」
そう言うと鋏を乳房に挟んだ。
「ぎゃああああああああああああ!!」
祥瓊が絶叫する。祥瓊の右の乳房は切り落とされてしまった。
乳腺から黄色がかった汁が飛び散る。
「そら、もう一丁!」
「うぎゃああああああああ!!」
今度は左の乳房が切り取られた。
「止めだ」
そう言うと、男は杭を祥瓊の女性にあてがって木槌で叩き込んだ。
「ぐがああああああああ!!」
一撃で祥瓊の子宮が砕け、祥瓊はショック死した。
祥瓊は知る由もないが月渓が失道したのは仲達をしいしたことへの自責の念から狂ってしまったからであっ た。
まもなく月渓は崩御した。
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