「祥瓊ってさ、綺麗だよね」
ふとそんな言葉が紡がれる。ある昼下がりのことだった。
「え?陽子何いってるの」
言われて驚いたように陽子を見上げる祥瓊。
今は政務の間に書斎で陽子の勉強を見ているときだった。
「この髪とか翡翠色で光沢があるし」
そう言いつつ祥瓊の髪をいとおしげにとく陽子。
「ねえ、キスしてみようか」
「え?」
祥瓊は戸惑った。
「キスってなに?」
「……そうか、外来語は通じないんだったな」
そう言うと、祥瓊の顎に手をかけた。そして――
「ん、んん……」
祥瓊が驚きと苦しげな息を漏らす。
陽子は祥瓊の唇を奪っていた。
「これがキス」
祥瓊を解放してぬけぬけとそう言う陽子。
「な、何するのよ!」
明らかに動揺してみせる祥瓊。その様子に可笑しそうに笑う陽子。
「いいじゃないか、女の子同士なんだし」
確かに陽子と祥瓊はここ最近親しくなっていた。
一緒に風呂に入ったり、牀榻で一緒に寝たりもしていた。
「ねえ、エッチしてみようか……」
陽子はそう言った。
「『エッチ』ってまさか――」
「そう、まぐあうことなんだ」
「!」
祥瓊の顔が真っ赤になった。
「陽子、あなた本気なの」
「うん、実はこっちに来てから女の子に興味が出てきてね。
虚海を渡って肉体が入れ替わっちゃったから、その影響らしいんだ」
そう言う陽子。実はすでに女官を何人かてごめにしていたりする。
「いや……」
逃げ出そうとする祥瓊の手を掴んだ。
力強い腕に抱かれて、身動きがとれなくなる祥瓊。
「あっ……」
陽子は今日二度目の口づけをした。
今度は口の中に舌を入れて祥瓊の舌にからめる。
「ん、んん……」
そうやって激しくディープキスをする二人。
祥瓊は体の奧が熱くなる感覚に震えていた。
「ぷはぁ……」
ようやく口を離す。二人の唇に銀色の橋がかかった。
「おや、ぐったりしちゃって。感じたのかな、祥瓊」
そう意地悪に言ってみせる。
「バカ……」
そう言うものの祥瓊はまんざらでもなさげだった。
そういうことに興味がないと言えば嘘になる。
(初めてが陽子なら……それでもいいわ)
二人は寝室に移った。生まれたままの姿で牀榻に横たわる。
「祥瓊はじっとしてて」
そう言うと陽子は祥瓊の上にまたがった。
「あっ」
祥瓊の口から不意の声が漏れる。
陽子の唇はうなじから始まって、胸や、へそのあたりを優しく愛撫する。
「んんっ」
「どこが気持ちいい?」
「バカ」
意地悪く言ってみせる陽子。ぷいと横を向く祥瓊。
「あっ!」
陽子は乳房の先に固く結んでいる頂を口に含んだ。
そのまましゃぶるように愛撫する。
「ああ!はあ!」
祥瓊の声から悦びの声が漏れる。
そのままたっぷり五分は乳首を吸い続ける。
「それじゃ、今度はこっちをやってみようか」
そう言うと陽子は体を下げて祥瓊の「女の子」を前にした。
「何だ、もう濡れているじゃないか」
「はう!ああ!」
祥瓊の口からは悲鳴にも似た叫びが漏れる。
そこはしっとりとしめって、陽子を待っていた。
「それじゃ、いくよ」
そう言って、祥瓊のそこに顔を埋める陽子。
まず桃色の秘裂を舌から上へとすくうように舐める。
上まで行くと、その上でかたく実を結んでいる突起にキスをする。
それを何度も繰り返す。
「はああっ!!ああっ!!」
祥瓊の口からは喘ぎがついてでる。
肌が桃色に紅潮してくる。
「祥瓊、私も感じて来ちゃったよ」
そう言いつつ身を起こす陽子。
陽子のそこも十分に濡れそぼっている。
「それじゃいくよ」
そう言うと、陽子は自分の女性を祥瓊の女性にあてがった。
そのまま上下に揺する。
「ああ、すごい!」
祥瓊はよがり泣きを始める。
「はあ、私も、気持ち、いいよ」
陽子は腰の振りをはやくする。
「陽子、あたし、あたしぃ!」
「いいよ、一緒にいこう」
「あ、ああああああっ!!」
二人の喘ぎが見事に和音をなした。
――爾後。
ぐったりと牀榻に横たわる祥瓊。
眠っている彼女の横で陽子は不埒な妄想を走らせていた。
(今度は鈴でも食べてみようか)
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