朝、教室に入ってきた恭一郎が点呼を取り始める
恭一郎「一色姉妹」
カナとマナを一緒くたに呼んでしまう…双子同時に返事するあたり文字通り息が合っている
…が続けて呼ばれる者は今日もいなかった…
恭一郎「江藤…江藤ナナ…また遅刻か?」
何時も居ないこの生徒…ぶっちゃけ不良だ
今時流石にロンスカパーママスクグラサンなマンモスのお妙スタイルでは無い物の少々時代錯誤な感も否めない…
学校に居ても誰かとつるむ訳でも無く、誰かが話しかけてみても大抵「あたしに構うな」の一点張りで相手にもされない
常に1人でいるか生活指導に呼び出されているかの繰り返しだ
カナ「うぅ〜ん」
殆ど空っぽな頭を捻って悩ませているカナ
マナ(カナちゃん…どうしたの?)
カナ(うぅ〜ん…何だか気になるんだよ)
マナ(気になるって…江藤さんが?)
はっきり言ってマナにとってはカナが全てであるため周りの生徒等どうでもいいのだが…
カナ「よし!行こう!マナちゃん」
マナ「え?!ちょ、ちょっとカナちゃん?」
思い立ったら即行動!とばかりにマナの手を掴むと教室から飛び出していくカナ…
…因みに今は朝のHRだ…
生徒「せ、せんせ〜…あ、あの…一色さんたちが」
恭一郎「いい…何も言うな」
後には頭を抑える恭一郎と呆気にとられた生徒だけが残った
マナ「もぉ…カナちゃん!幾らなんでも行き成り授業エスケープしてまで迎えにいくこと無いでしょ?」
カナ「あ!…忘れてた…」
何を忘れてたのかは聞きたくなかった…授業そのものを忘れるなどという芸当は早々出来ることではない
しかも学校を飛び出してから…
カナ「えっと…どっち?」
マナ「………」
家も知らずに何処に迎えに行くつもりだったのだろうか…
カナ「ほぇ?…クンクン」
マナ「どうしたの?」
カナ「うぅ〜ん…なんか煙ったいような匂いがするんだけど」
マナ「煙ったい?」
カナ「うん…あっち」
マナの指す方向…今飛び出してきた学校の校舎裏側…どちらからとも無く近づいていくと探し人が居た
カナ「ふりょ〜はっけん♪」
ナナ「ぶっ?!」
火をつけたばかりの煙草を噴出して咽る人物…江藤ナナその人だ
カナ「あはは、み〜つけたっと♪」
ナナ「ゴホッゲホッ…な、何なんだ?テメエ等」
細身ではあるが170cm近い長身で凄まれても意にも介せず纏わりつく
カナ「ねねね?がっこいこ?」
そもそも校舎裏ではあるが此処も学校だ
ナナ「あたしに構うな!!」
カナがしがみ付く腕を振り解こうとして…振りほどけなかった
ナナ「クッ…この…」
カナ「?ほぇ?」
本人に自覚は無いがカナがしがみ付いているのだ…ボブ○ップでも無い限り振りほどけるものではない
マナ「えっと、江藤さん?…教室に行かれないのですか?」
後ろから付いてきたマナが埒明かないと見て説得し始める
江藤「お前等の知ったことか!」
顔立ちはどちらかといえば綺麗なのだが口調はまるで男のようなナナ…
マナ「えぇ…私達は彼方の都合というものはご存知しませんが私の知るところによりますと彼方の遅刻回数と欠席回数を累計致しますとそろそろ留年ギリギリな筈ですし…それに」
ナナ「?それに…何だ?」
ついっとカナを指差すと
マナ「カナちゃん…教室まで行かないと外れませんよ…多分」
カナ「うんうん、だから行こ?」
ナナ「…勝手にしろ」
渋々双子に連行されていくナナ…
マナ「でもカナちゃん…どうしてそんなに江藤さんが気になったの?」
カナ「うぅ〜ん…だってなんだか」
ナナ「気になった?なんだそりゃ」
事のあらましを説明するマナ…
クラスメイトではあるものの余り交流も無いナナが毎日のように遅刻や欠席早退を繰り返しているのが気になったカナが迎えにいくと飛び出したのだが
カナ「それにね…なんだがナナちゃんって寂しそうなんだもんっ」
ナナ「ぶっ!ゴホッゲホッ…寂しそうだぁ?…嫌、そもそもちゃん付けで呼ぶな!」
再び煙草を噴出して咽ながら抗議するが相変わらずしがみ付かれた腕はガッチリロックされたまま外れる気配も無い
ナナ「知るか!触るな!あっちいけぇ!!!」
カナ「やだポイ♪」
マナ「ふぅ〜ん…まぁカナちゃんがそう言うなら…」
ギャーギャーとわめき続けるがだっこちゃん人形のようにしがみ付かれたままでは成すすべも無い…
結論、勝手にしろだった…
カナ「ナ〜ナ〜ちゃん♪」
マナ「お邪魔しますね、ナナさん」
ナナ「またテメエ等か…あたしに構うなッっつってんだろ!」
昼休み、お弁当を食べて居る時も僅かな休み時間も放課後に帰る時もカナの攻勢は続く…
カナ「ナナちゃん、一緒に帰ろ?」
マナ「ご一緒しませんか?ナナさん」
ナナ「………」
流石に切れそうである…
ナナは身を翻すと逃げ出した!
ナナ「なんなんだ?…あいつ等は」
こうなったら一気に昇降口から逃げるしかない!
下駄箱からあわてて靴を取り出して外に向かうと
カナ「逃げること無いのにねぇ?マナちゃん」
何故か教室に居たはずの双子が外で待っていた
マナ「お、お願いだから飛び降りないで…カナちゃん」
妬けに顔色が青いマナ…どうやら教室の窓から一気に飛び降りてきたようだ…巻き添え食ったマナは生きた心地もしないが…
ナナ「……ぷっ…クククッ」
一瞬呆気にとられた後まったく悪びれない双子達の顔を見ているうちにナナは吹き出してしまう
なんとなくこの双子達との追いかけっこ自体馬鹿馬鹿しくなってきた…
ナナ「お前等…なかなか面白い奴等だな」
カナ「あはあははは、うん、よく言われる」
ほめ言葉なのかどうか微妙だが、破顔して笑うカナ
ナナ「好きにしてもいいが…後悔するぞ」
さっさと歩き出したナナを追いかけて歩き出す双子達…大抵カナが喋り掛けてはナナが突っ込んでマナがフォローに回る
クラスメイトの間でも鼻つまみ者の不良学生と何かとお騒がせな双子姉妹の組み合わせは話題を呼んでいた
カナ「ナナちゃんって背たか〜い」
身長150未満な双子からみれば頭一つ抜きん出ているナナだ…しかもスタイルも実に均整が取れている
マナ「…うん…問題は中身よね…えぇ」
自らの平坦な胸を眺めながらブルー入りながら一人ごちているマナ
道中おなか減ったとごね始めたカナを宥めすかしながらもクレープ屋によって買い食いしたりしつつ帰路に着く…
ナナ「あたしはこっちだ」
双子のの家の近くまで来た所で分かれ道となっていた
カナ「ナナちゃんちってそっちなんだ〜…近いの?」
ナナ「…さあな」
カナは気づいてないようだが家の事になると口を噤むナナ…
双子達と別れた直後、ナナの真横に黒塗りのベンツが止まると堅気の者とは思えない相手が出てきて2〜3言葉を交わしてナナを車に押し込む
カナ「ほえ?!な、ナナちゃん?!」
マナ「ナナさん!」
慌てて追おうとするも相手は車だ…追いつけない
カナ「ま、ま、マナちゃん!ゆゆゆ、ゆ〜かい?!」
マナ「…やくざさんかしら?」
確かにこの先には暴力団の事務所があるはずだ…相手がヤクザなら行き先はわかっている
とはいえ、本職相手に素手で乗り込むような度胸はマナは流石に持ち合わせていない
出来れば関わりたくないが…それはカナが承知しないだろう
マナ「仕方ないわね…行くわよ、カナちゃん」
カナ「う、うん!」
準備のために家に駆け出すマナ…1分後にはカナに引き摺られて家の中に飛び込んでいった
ナナ「何すんだよ!」
組員「へっへっへ…いい躯してんじゃねぇか」
服を剥ぎ取られたナナを男たちが取り囲んでいる
組員「お譲ちゃん、おじさんたちとあそびましょうね〜」
むんずと胸がひしゃげそうなくらいに強く掴まれると痛みにうめき声を上げるナナの顔を嘗め回しながら片手で下着を引きおろす
ナナ「クソッ…テメエ等只ですむと思うな…後悔させてやる」
気丈にも睨み返すナナに張り手が飛ぶ
組員「へへっ…後悔するのは傷モノにされちまうお譲ちゃんのほうかもな」
ナナ「クソッ…や、止めろぉ!テメエ等」
一人目の男が下半身を露出したままナナに圧し掛かるとぺッと唾を吐いて陰部に刷り込む
組員「何、痛むのは最初だけだ、直ぐにズンと良くなるさ…おらっ!」
ミチミチと軋みながら乾いたままの陰部に男の陰茎が埋め込まれていく
ナナ「グゥゥゥ…畜生どもが」
組員「流石に挿れ難いな…おいっアレもってこい」
男が取り出した小さな注射器…ピッと透明な液体がシリンダーから押し出されて宙を舞う
ナナ「?!…な、何なんだよ…そ、そんなものどうするつもり」
カナ「なんて事になってるかもしれないよぉ〜!」
マナ「…随分長い回想シーンね、カナちゃん」
一旦、家に戻ると恭一郎の車を拝借(無免許)して事務所に向う双子達
カナ「マナちゃん、それ、何?」
マナ「これ?…クスッ秘密♪」
旅行にでも行くようなトランクを抱えてきたマナ…
やがて組の事務所が見えてきた
流石に正面切って乗り込めない…裏手に回ると塀を飛び越えたカナがマナとトランクを引っ張りあげる
カナ「行けそう?マナちゃん」
マナ「えぇ、罠が幾つかあるみたいだけどね…あの木と壁の間が通れそうよ」
カナにおんぶして貰いながら塀から飛び降りると流石に厳重な警備の監視を掻い潜って内部に忍び込む
マナ「さて…問題は何処にいるかよね」
カナ「マナちゃんでも判らない?」
マナ「そもそも始めてきたんだもの、間取りさえ判らないわよ」
この手の建造物の造りと外観からある程度の予測はつくが…
マナ「でもどんな理由かわからないけど無理につれ去ってきた以上、恐らく奥の部屋、窓の無いような部屋を探すわよ」
カナ「判った」
勝手口の鍵をピッキングツールを使って開錠する
10秒も掛からず開けてしまうと中を覗き込む
マナ「大丈夫、行けそうよ」
カナ「おっけ〜、それじゃレッツゴ〜!んむっ?!」
マナ「お願いだから静かにね?カナちゃん」
口を塞がれながら屋内に忍び込む双子達…しかし、目的の部屋は実に良く判りすぐに見つけられた
マナ「あの部屋ね」
見れば部屋の前に2人の見張りがついている…廊下の距離にして10b程先の部屋だが幸いこちら側は見えていないようだ
カナ「よぉ〜し!行こう!」
腕を巻くって歩き出すカナを制してトランクを空けるマナ
マナ「待って、まだ騒ぎを起こさないで…これでよしっと」
トランクから取り出した物…AK47、グリムゾン・ゲイボルクだ
全長1100_バレル長650_、真紅の魔槍とも呼ばれる珍しいウッドストックタイプのスナイパーライフルである
レーザーサイトを取り付けると慎重に狙いをすます
パシュッ
音も無く放たれた改良型BB弾が見張りのコメカミに当たるとうめき声も上げずに昏倒した
続けざまに放たれた弾も見事に命中する
カナ「流石ぁ〜…今のうちに」
マナ「気をつけてね」
カナが昏倒した見張りを廊下の隅に運び込んで縛り上げておくとその間にマナはピッキングツールで鍵を開く
カナ「ひぃふぅみぃ…3人ならいける!」
バンッ!と扉を開くと同時に舞い上がるカナ!
スカートを翻しながら急降下しつつ一人目の鳩尾に蹴りを叩き込む!
組員「グゲッ?!」
続けざまに二人目の足元を救い上げるように足払いしつつその勢いのまま足を跳ね上げて踵落としを脳天に叩き込むと一瞬のうちに二人の組員が熨されてしまった
組員「な、何だ?!お前等…何処の組のモンだ?」
突然の殴りこみ…しかも相手は女子高生…どう見ても何処かの組の回し者とは思えないが
マナ「ナナさんと同じ組ですよ、クスッ」
重そうなトランクから引き摺り出したモノ、M60E3だ!
全長1047_、装弾数は500発以上
ランボーやプレデター等でお馴染みのM60型次世代汎用機関銃である
中心に鉛の仕込まれた特殊BB弾を使用しているため当たれば痛いでは済まされない
その悪魔の機関銃が火を噴いた!
エアタンクの圧を思いっきり掛けると高初速で大量の弾を吐き出す!
組員「ぐぎゃあああああ!!!」
文字通り蜂の巣にされた組員、やがて引き金を離すと同時に地べたに倒れこんだ…
ナナ「……お、お前等…一体何してるんだ?」
突然の来訪者に呆けているナナ、しかしその姿は衣服など何処も乱れておらず縛られている訳でも無くただ、ソファーで寛いで雑誌を読みながらお茶などを飲んでいる
カナ「ナナちゃん無事だった?変なことされてない?」
マナ「そんなことより早く逃げましょう」
しかし、今の声を聞きつけたのか、廊下側からドタドタと大勢の足音が聞こえてきた
マナ「仕方ありませんね…こうなったら」
重そうなトランクから更に引き摺り出したモノ、泣く子も黙るM134だ!!
判りやすく言えばぶっちゃけバルカンである
ガトリングガンは連射速度を上げるために複数のバレルを使用するがバルカンは発射速度のあまりの速さ故にバレルが変形してしまうため複数のバレルにされている
つまり威力ではガトリングガン等目じゃない、3000発もの弾数を誇るがそれも30秒で打ちつくしてしまう化け物だ
当然全重量17`を超えるこんな代物はマナが持てる訳がない、床に直かに置き入り口に向けた
ナナ「……ちょっと待て」
マナ「えっ?」
カナ「ほぇ?」
組員「お嬢様!ご無事ですか?」
ナナ「一応此処、あたしん家なんだが…」
いろんな意味で時が凍りついた
片や勘違いで組事務所に殴りこみを駆け、片や女子高生二人に熨された組員と自分たちに向けられたバルカンの冷たい輝きに凍らざるを得なかった
カナ「……ナナちゃんち?」
マナ「江藤ナナさん?…江藤江藤…聞いたような…」
徐々に記憶によみがえって来る江藤組の名前それも関東圏有数の組のあの江藤組の名前が浮かんできた
男「何の騒ぎだ?」
組員「く、組長!」
親分の登場である…初老の如何にも堅物な親父殿であった
組長が顎で促すと気を失った組員達を連れて他の者が下がっていき双子達とナナと組長だけが残される
組長「ナナぁあ〜〜!帰って来ておくれよぉ〜〜!」
今までの威厳は何処にやら、娘に泣きつきだした組長
ナナ「五月蝿え!こんな家ぜってぇ〜出てってやる!!」
そう、今の今までナナは家出娘だったのだ
ところが組員達に見つかって家に連れ戻された訳だがナナには更々帰るつもりなどないのだ
そもそも実家が関東圏有数の組では友人も寄り付かない…次第に孤立して行ったナナだが高校に入ってからはなんとか今までばれない様に過ごしてきたのだが…
ナナ「クソッ…だから後悔するっつったろうが」
カナ「ほぇ?…何で?」
天然此処にきわまれりだ
マナ「まぁカナちゃんが気にしないなら別に…」
あくまでカナ主体のマナはカナの思うが侭である
カナ「ん〜…それに家出してるんだったらボク達と一緒だしね」
ナナ「な?!家出してる?ってお前等何処から通ってるんだ?」
カナ「ご主人様のとこ♪ナナちゃんも来る?」
マナ「ちょ?!ちょっとカナちゃん?!」
ナナ「…は?」
言うに事欠いてご主人様である…
兎に角ナナにしてみれば此処以外なら何処でも構わない、今までだって歳を誤魔化しながらバイトして安アパートに住んでいたのだ
故に遅刻や欠席を繰り返していたのだが、住処さえあれば遅刻もせずにすむのだ
ナナ「じゃぁな、親父、あたしはやっぱ出てくから」
組長「ままま、待っておくれよぉ〜!どどど、どうすればいいんだ?指なら幾らでも詰めてやるから出て行かないでくれぇ〜!」
後には悲痛な組長の叫びだけが残された
ナナ「…で、そのご主人様とやらは一体何モンなんだ?」
マナ「…そのぉ…ナナさんも良くご存知の方なんですけど…」
説明に窮するマナだがその後本人を目の前にしたナナに事情を説明するのは更に窮した様だった
続くかも…
ハーデス「ふぃ〜忙しいぽ〜仕事ががが…」
エナ「タフですね…朝6時から夜1時まで通しで3連荘ですか」
ハーデス「この時期きついぽ〜…なんか掲示板にも変なのいたしね」
エナ「当サイトはJapanese Onryですしね、日本語の読めない方は来ても面白くないでしょうからお帰りくださいませ」
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