そして、彼女は
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そして、彼女は
まるきゅー/文


 鬱蒼と茂る木々を見上げ少女が溜息を吐くと、二つに分けた銀の髪がさらりと揺れる。

 それから視点を森の中へ戻すと同時にルナティックの姿を認め、風を切って同時に二本の矢が飛んだ。

 いささか罪悪感を呼び起こす悲鳴を上げ、ウサギが倒れる。その骸から落ちたクローバーを取り込もうと、ポリンが身を弾ませ近寄ってくるのをさらに少女は射た。

「やったぁ!」

 ピンク色の体が弾けると、ポリンが取り込んでいたリンゴやニンジンなどが辺りに散らばる。冒険者となってまだ日の浅い彼女には、貴重な食料であり回復剤だ。クローバーだって、数が多ければ売り払った時にそれなりの収入となる。

 だが何より彼女が喜んだのは、その中に混じっていた四葉のクローバーの存在だった。幸運の象徴として知られると共に、高価な頭装備の材料としてそこそこの高値で取引されている。

 彼女のような駆け出し冒険者では狩れないモンスターが所持している場合が多いのだが、このポリンの中に何故か入っていたのだ。

「どこのお大尽様か知りませんが……ありがたく頂きます」

 弾けたポリンに手を合わせ、少女は戦利品を回収する。

 ポリンとその仲間の多くには、落ちているものを取り込もうとする習性がある。時折苦労して出したレアアイテムを消化されてしまう場合もあるが、この習性を利用してベテラン冒険者や引退を決意した者が、ポリン達に高価な装備や売れそうなアイテムを食べさせて後輩に密やかな応援をすることもあった。

 柔らかな草の上にちょこんと正座して、少女はリンゴをかじりながら皮算用を始める。

 リンゴやニンジンは当分の間の食料となるから、これはいい。ゼロピーは赤ポーションと交換しよう。クローバーややわらかな毛もとりあえず店に売り払う。が、四葉のクローバーはどうしたものか。

 自分で売り払うか、買取商人に引き取ってもらうか。

 前者は自分の希望した値段で売れるが、それまでに時間はかかる。後者であれば確実に金は入るが、足元を見られその分安く買い叩かれる。

「うーん、どうしようかなあ」

 三つ目に手を伸ばした瞬間、ふと目の前のリンゴが消えた。

「えっ?」

 白とも茶色ともつかない太い何かが目の前をかすめるように過ぎ去り、少女が手に取ろうとしたリンゴが消えた。

「…………っ!!」

 慌てて立ち上がるが既に遅く、走り出そうと地を蹴ったところで足が絡め取られる。

「ひ――」

 人の頭ほどもある巨大な花。腕よりも太いぬめった触手状の茎。

 少女は茂みの中に潜むマンドラゴラに気づかず、のんきにも休憩していたのだ。

「や、やめてっ! ちょっと……!」

 とっさに弓を手に取ったが距離を離して射掛けようにも、足を取られていてはどうにもならない。もがく彼女を押さえつけるためさらに触手が増やされ、両腕を拘束し若々しい体にまとわりつき弓が落ちた。ぬるぬるした粘液を擦りつけるように肌を這い、布地の隙間から入り込む。

「いやああああっ、誰か、誰かあああああっ!!」

 直接与えられる生理的な嫌悪よりも、以前先輩冒険者に聞いた話を思い出して少女は絶叫した。

 マンドラゴラは人間の女に種子を植えつけ、苗床として取り込むのだと。

 獲物から抵抗を奪うために徹底的に犯し尽くし、廃人となったところをぎりぎりまで生かさず殺さず養分として蓄えておくのだ。

 助けて、と開かれた口にも触手が押し入る。

「んぐ、んんん…っ……」

 甘ったるい粘液の味が、口の中に広がる。味はともかく、白っぽく粘ついたその液体は聞いたことしかないモノを連想させた。

 吐き出そうにも、口の中いっぱいに押し込まれた触手がそれをさせてくれない。むせ返り涙を流しながら、彼女はぬるぬるしたソレを飲み込んだ。味が甘い分、まだ我慢できる。このまま窒息してしまうよりはいい。

 そう自分に言い聞かせたものの、自分から陵辱者に進んでむしゃぶりつき奉仕するような格好となり、その事実は彼女の心を打ちのめす。

「ぷはっ、は……」

 口内の蹂躙に飽きたのか、触手が引き抜かれる。だが陵辱が終わる訳ではない。各々の触手が意思を持つかのように、少女の滑らかな肌を楽しんでいる。

「や……」

 襟元から入り込んだ触手が、歳のわりに大きな釣鐘型の乳房をなぞるように這い、恐怖と緊張で強張った乳首を軽くつつく。別の触手が、乳房全体に巻きついてこねるように揉みしだく。

「いや、いや、やめてぇ……っ」

 弱々しく頭を振るが、せっかく捕らえた獲物を逃がすはずなどがない。

 植物の姿をしているが、近年の魔力バランスの崩れによって異常進化を遂げたマンドラゴラは、彼女を絶望の淵に追いやる程度の知性は持ち合わせているようだった。

 服の中で蠢いていた触手を急に乱暴に動かし、内側から布地を引き裂いてしまう。

「やだああああっ! 誰か、誰か……」

 反射的に人を呼ぼうとして、少女は口をつぐむ。

 青い短めのワンピースの上を引き裂かれ、露わになった豊かな乳房に巻きついた触手が、その弾力を楽しむかのように強弱をつけこね回している。つつかれ、弾かれているピンク色の乳首は硬く尖り、彼女の心情とは裏腹に欲情を示していた。

「いやぁ……っ、ちがう、ちがうの……こんな」

 体が熱い。触手が肌を蠢くたび体温が上がり、白い肌が朱に染まる。がくがくと震える両脚のつけ根を目指し、押さえつける以外の触手が這ってくる。

 戒められながらも懸命に脚を閉じようとしても、丈の短いスリット入りのワンピースはあまりにも無防備だ。太腿の裏側から這い上がってきた触手が、白いコットンの下着越しに秘部を擦り上げる。

「ひぅ!」

 触れられて、下着が濡れていることに気づかされる。

 嘘だ。そんなはずない。きっとこの触手みたいな茎がぬるぬるしてるからだ。

 そんな彼女の思いをあざ笑うかのように、触手は自らを彼女のワレメに擦りつけ弄り出す。

「あ…っ」

 下着をずらされ、包皮を優しく剥かれ、ぬめぬめした分泌液を出す先端に直接肉芽を弄られると、自分でも予想しないような声が上がる。

「うそ……、そんなぁ…っ! ひゃあぅっ!」

 肉芽を先端で転がされ、同時に別の触手が襞をなぞるとくちゅりと音を立てた。胸への愛撫も続いたままで、もっともっととせがむようにピンク色の乳首は期待にその形を尖らせる。

 陵辱は胸や性器だけでなく、全身に及んでいた。粘液をまとわりつかせた無数の触手が全身を這うのは、舌での愛撫に似た感覚を与える。未だ男を知らぬこの娘にとっては、拷問にも等しい快楽地獄だった。

「何で、何でなの……こんなのいやあぁ……っ」

 頬をとめどなく伝う涙。これほどまでに拒んでいるのに、体は歓喜と共に生殖への準備を整えようとしている。

「いやあ……」

 唯一自由になる口からだらしなく零れる白濁液。戒められた両の手足。

 そして、触手上の茎から分泌されている白っぽい粘液が肌のありとあらゆる所を汚している様は、得体の知れない植物に犯されているという現実を少女に突きつけた。

 だが、真の陵辱は始まってすらいない。

「!?」

 新たに太い触手が腰に巻きつき、そのまま彼女を宙に持ち上げる。触手に揉まれながら重たげに揺れる見事な乳房の先端は、別の触手が飽きもせずにつつき回している。

 腰を突き出すような形で吊られた少女は、本格的に犯される予感にきゅっと目を閉じた。

「やだやだやだやだ…………やめて……誰か、誰か助けて――」

 目から涙を溢れさせ、物言わぬ陵辱者に哀願しどこかにいるかもしれない救助者を求め、少女は弱々しくもがく。それは自然と腰を振る形となり、ともすれば犯してくれと誘っているようでもあった。

 少女の目には見えないが、潤みきった膣口に茎よりは軟らかいモノが押し当てられる。熱さはない。植物なのだから、多分そういうものなのだろう。しかしそんなことは、破瓜を散らされようとする彼女には何の関係もない。

「やめて―――許して」

 哀願に対する答えは無慈悲だった。自らの出す粘液と花粉、獲物から溢れてくる愛液に助けられ、ずぶずぶとあっけないほど簡単に生殖器は侵入を果たす。

「……っ?」

 痛みすら感じる間もなく、内部に侵入を果たした生殖器は少女の膣内を擦りながら蠢き始める。

「え、あっ、何で? やぁんっ!」

 訳も分からぬ内に快楽を覚える体。彼女の予想したよりはマンドラゴラの生殖器は小さく、内部をそれほど傷つけることなく快感だけを送り続けている。いくつも生えた生殖器の一本一本が丁寧に膣の奥を撫で、先端を押しつけながら何度も行き来し、そのたびに頭が真っ白になりそうな錯覚を覚えた。

「あ、うそっ……だめ、や、あっ、あぁっ!」

 ぬちゃぬちゃといやらしい音を立て、おびただしい愛液と粘液とが太腿の間を伝う。ここにおいてようやく彼女は気がついた。この植物の茎の粘液が、一体何のために分泌されているのかを。

 単に獲物の体内に侵入しやすくするためだけでなく、その前に獲物を逃がさぬよう、麻酔と催淫作用を持った分泌液で抵抗を奪うためのものだったのだ。

 だが、気づいたところで無意味だ。彼女は既にマンドラゴラに犯され、全身を快楽に支配されつつある。

「いやなの……いやなのになんでえぇっ!」

 犯されながら姿勢を変えられる。今度はその豊かな乳房を強調するように両手を上にした形で吊られ、脚はMの字に開かされ巨大な花の上に移動させられた。

「ひあ、ああ……」

 小さな生殖器たちが引き抜かれると、名残惜しそうに愛液が後を追う。ほっとするのもつかの間、今度は硬いモノが彼女の膣口に押し当てられた。

 新たに粘液をまとわりつかせた生殖器が、花粉と二種類の粘液にまみれた秘部を拭い取ると、それだけで少女の体は歓喜に震える。本人の意思とは関係なしに。

 虚ろな目で自分が吊り下げられた下、花の上を見つめるとてらてらと光るめしべが膣口に先端を押し当て蠢いている。

「あ、ああぁ――――」

 マンドラゴラは雌雄同株の植物。先ほどまで彼女の中を蹂躙していたのはおしべで、受粉を確実にするため花粉を膣壁に丁寧に塗りたくっていたのだ。

「うあ……」

 めしべとはいっても、さすがに先ほどのようにすんなり侵入を果たすわけには行かなかった。硬さも長さも太さも格段におしべとは違う。

 その痛みが、瞬間的に彼女を正気に引き戻す。

「い、いやあああああっ! 痛いいいいっ!! やめて、抜いてえええええっ!!」

 全身を戒められ、飲み干し、肌から吸収した粘液でろくに動かなかった体を、最後の力で振り絞りむちゃくちゃに暴れる。うるさいとばかりに触手の一本が彼女の口に押し込まれ、再び催淫作用のある分泌液を喉に流し込む。

「ん―――っ! んんっ、ん……っ」

 全身を嘗め回すように触手が肌を這い回る。釣鐘型の豊満な乳房に巻きついた触手が、ろくろをこねるようにして弄る。痛々しいまでに尖り、弾力を持ったピンク色の乳首にも巻きついて締めつけては先端を弾く。耳の穴にまで潜り込もうとして入れなかった触手が、ぴちゃぴちゃといやらしい音で未練がましく耳元から首筋をなぞる。ぷるぷるした肉芽に粘液と愛液とをまぶし、先端を擦りつける。

「んあ、は……ああぁ……」

 口内から触手が引き抜かれた時には、限界まで開ききった膣口がめしべを根元まで咥え込み、やわやわと締めつけていた。

「ん……っく、ひ、あぁ……っ、やだ……そんな……あぁ…っ」

 得体の知れない植物に無理やり犯されているのに、心はこんなにずたずたに切り裂かれているのに。

「やはぁあんっ! あ、ああぁあんっ!」

 突き上げられるたび、擦り上げられるたび、肌を這いまわられるたびに浅ましい声を上げる自分。

「あ、ああっ、あ……っ! ひあぁあんっ!!」

 腰を浮かし少しでも逃げようとすれば引き戻され、反動でさらなる快感を呼び覚まされてしまう。

「も……いぃ……」

 今さらどうやって助かるのか。こんなモノに犯されて、よだれと涙を流しながらよがり狂う姿なんか見られたくない。こんな淫乱女、誰も助けてくれるはずがない。

「んっ、ぅ……くぅんっ! ふあ、あ、あ……っ!」

 そんな彼女の絶望を見透かしてか、より強い突き上げが始まる。だが、その瞳に拒絶の意思はない。

「ひあ、ああぁっ! あ、ああんっ!」

 開きっぱなしの口から、森中に響き渡るような嬌声が上がる。先ほどまでは必死に逃げようと浮かされていた腰はもう動かず、突き上げられるがままに揺れている。こね回される乳房が揺れる。終わりを知らぬ責めに、白濁液を全身に塗りたくられた少女の体が揺れている。

「もう、ダメぇ……っ! あ――ああぁあ……っ!!」

 最初で最期の絶頂に薄れゆく視界の中、目にしたのは彼女を包み込むようにして閉じる紫色の巨大な花弁だった。


解説

 はじめまして、まるきゅーです。

 去年の夏頃にラグナロクオンラインにはまり、このような作品を書いてしまいました。

 少女に名前がないのは、もしうっかりどこかのサーバーに同じ名前のキャラがいたらどうしようと思ってなのですが、やっぱりあった方がよかったでしょうか。

 これからも書いていきたいと思いますので、気になるところがあったらご指摘願います。


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