ティナ・アームストロングは、観客に囲まれたリングの上で狼狽していた。
地下プロレスに出ることになり、対戦相手に完膚なきまで叩きのめされた。それはまあ、仕方のないことだ。
自分の力が相手に及ばなかっただけなのだから。
しかし、今、自分が置かれている状況は、敗北のペナルティとしては大きすぎるのではないか。少なくともティナはそう思う。
もっとも、現時点でのティナは敗北のショックとダメージ、そして何より、失禁するほどの恐怖を味わった直後で、とても冷静とは言えない状態だった。
ティナは、リング中央で少年に羽交い絞めにされており、身動きできない状態だった。
窒息予防のタオルは、いまだ口の中に詰まっている。抵抗はできるけれど、恐ろしくてできない。
こうしている間も、いつこのまま後ろに投げられるかと思うだけで、ティナの膝はガクガクと揺れた。
ジャーマン・スープレックスであれほどのダメージがあったのだ。
フルネルソン・スープレックスの威力は計り知れないものになるだろう。今度こそ、命はないかもしれない。
「震えてるね。寒いの? またおもらししないように、気をつけてね」
天使の笑顔と鈴のような声で、悪魔のように囁く少年。ティナは先ほどの醜態を思い出し、頬を真っ赤に紅潮させる。
「う……ううぅ……」
ティナの声は弱々しい。うつむいた視線が、自らの下半身を捉える。
真っ赤なコスチュームが、股間から胸元にかけてぐっしょりと濡れており、異臭を放っている。ティナは思わず目を背けた。
「あはは、恥ずかしかった? ごめんごめん。…ねえ、ちょっと代わってくれる?」
少年は、リングサイドを取り囲む黒服の男を呼び寄せた。すぐに三人がリングに上がり、少年からティナを受け取る。
それは脱出のチャンスのはずだが、ティナはされるがまま、改めて男たちの拘束を受け入れた。
(どうせ、この子からは逃げられっこない……)
ちら、とティナが少年を見た。少年はティナに、にっこりと微笑みかけると、観客の方に向き直り、声高らかに宣言する。
「It's a Show Time!!」
湧き上がる大歓声。一旦は静まっていた観客のボルテージが、再び上がっていく。
スタンディング・オベーションにまで発展している者もいる。その異常な盛り上がりにも、ティナは恐怖しか感じられなかった。
「まずはどこからかな……ここかなーっ!?」
少年はティナの体のあちこち指差しながら、そう観客に尋ねていく。最初は腕だったが、観客の反応はブーイング。
次に脚、これもブーイング。そして腹部。これは、歓声が三割、ブーイングが七割。
ティナが緊張の面持ちで見守る中、少年の指はゆっくりと上昇していく。そして……
「じゃあ、ここはっ!?」
少年が指差したのは、コスチュームをはちきれんばかりに押し上げている、ティナの胸。
ティナのファンの中にも、戦いの間ゆさゆさと揺れる豊満な胸に魅せられた者は多い。
「うむうううっ!!」
ウオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーッ!!!!
会場内を、割れんばかりの拍手と歓声が包み、ティナの悲鳴をかき消した。
アメリカ女子プロレス界のスーパースターにしてモデル。そんな立場も、彼女自身のプライドも、ここでは観客の欲望を満たす材料にしかなり得ない。
「お客さんの希望に応えるのも、プロレスラーの大切な仕事だよ、お姉さん」
「うぅ、うむぅっ、うぅぅぅぅぅぅっ!!」
「ごめんね、何言ってるのか全然わかんないや」
少年は楽しそうに笑って、ティナのコスチュームの胸元を掴み、自分の方へ引っ張った。
上から中を覗き込み、感心したように言う。
「うわぁ…おっきいねえ! 形も綺麗だし、柔らかそう」
「うぐぅぅ……んぅ……」
「でも、窮屈そうだよ。出してあげるね」
ティナのコスチュームは、胸元が臍のあたりまで切れ込んでいて、黒いベルトで補強されたデザインになっている。
そのベルトを、少年は黒服から受け取ったナイフで切り裂いた。
押さえ込まれていた柔肉が、開放感に震えるかのように、ぶるん、と揺れた。
かろうじて、乳首だけは隠れている状態。だが、少しでも動くと全てあらわになってしまいそうだった。
「うぅ…」
(どうして…どうしてこんなことに……私はただ、モデルに専念したいだけなのに……助けて、パパ……)
思わず心の中で父、バースに救いを求めるティナ。無論バースがここに現れるわけもない。
そして、たとえバースがここにいたとしても、この少年には勝てまい。
「それっ!」
少年が前触れもなく、勢いよくティナのコスチュームを開いた。
「んうぅぅぅっ!!」
ティナは羞恥のあまり、きつく目を閉じて叫んだ。タオルのせいで、くぐもった声しか出なかった。
「いまいち雰囲気が出ないね。これ、取っちゃおう」
少年がタオルを外したとたん、ティナは大きく息を吐く。そのまま、観客に向かってあらん限りの声で叫ぶ。
「見ないで!! 見るな、見るなぁぁぁぁぁーッ!!」
必死で身をよじるティナ。が、ティナの動きに合わせて、自由になった双乳が、ぶるんぶるんと揺れたため、観客の目を楽しませるだけの結果に終わった。
「何言ってんのさ、みんなそれを見に来てるのに……それに、あっちを見てよ。あれじゃ見るなって方が無茶だよ」
少年が、会場の天井近くを指差した。そこには巨大なスクリーンが設置されており、リング上の様子が映し出されていた。
しかも、撮影しているカメラは現在、ティナの胸をアップで捉えていた。
それを認識した途端、ティナは狂ったように暴れ始めた。黒服の男たちの力では、抑えられそうにない。
少年はため息をつき、ティナの耳元に口を寄せた。
「いい加減にしてくれない? 僕をこれ以上、疲れさせないで欲しいな」
静かな声だった。だが、その一言でティナの抵抗は止んだ。体に染み付いた痛みと恐怖が、ティナの抵抗力を根こそぎ奪い去った。
「そうそう、おとなしく、あのスクリーンでも見ててよ」
「い……いやぁ…映さないでぇ………」
「だめだめ、それじゃあ、後ろの方の席の人が楽しめないでしょ」
羞恥に顔を歪ませるティナ。スクリーンの映像が、その表情を映し出した。黒服たちに羽交い絞めにされたまま、ティナはふるふると首を振る。
「いや……やめてぇぇぇ………」
スクリーン上に、再びティナの胸が映し出された。画面の中の乳が、ぐにゅ、と形を変える。
「うわあ、思った通り、すっごい柔らかいね、おねえさんのおっぱい」
少年が、ティナの巨乳を下からすくい上げるように掴んでいた。
「やっ……やあぁ……」
ティナのまなじりから、瞬く間に溢れた涙がこぼれ出す。
「すごいすごい、僕の手が埋もれちゃいそうだよ」
少年はぐにゅぐにゅとティナの胸を揉みしだく。すくい上げ、押しつぶし、引っ張り、絞るように握る。
その度に形を変える柔らかい双乳の様子は、つぶさにスクリーンで観客に伝えられた。
「やぁ……見せないで、見せないでよぅ……」
ポロポロと涙を零しながら、ティナは訴えかける。涙で滲んだ目で、スクリーンに映った自分の胸をチラチラと見ていた。
訴えかけるティナを無視して、少年がティナの乳首に軽く指を触れた。
「固くなってきてるよ…見られてるから? それとも見てるから?」
「違う、違うよぉ……固くなんかなってないぃ……」
首を振るティナ。だが、スクリーンに映った映像が、少年の言葉を肯定していた。
見ていて経過がわかるほどに、ティナの乳首は尖ってきていた。
ぴしっ!
少年が、固く尖ったティナの乳首を、指先で弾く。
「ひう!」
ぴしっ! ぴしっ! ぴしっ! ぴしっ!
続けて弾く。
「ひっ! ……いたっ! やっ! 」
ティナが身をよじると、少年は面白がってさらに弾く。
「やっ! いたい……ひぅっ! いた…いたい、やめ……やっ! ひゃぁ!」
乳首が真っ赤になり、じんじんとした痛みにティナがすすり泣きをもらし始めたころ、ようやく少年が弾くのをやめた。
「いたい……ぐす……ひどいよぉ……ぐす……」
「そんなに痛かった? ごめんね。じゃあ、お詫びに舐めてあげるよ」
「えっ!? い、いい……や、やだ、やめて!」
意外な反応に戸惑うティナ。少年はかまわず、ティナの乳首に向かって舌を伸ばす。
「いや、いや! やめて! そんなことしないで!!」
ぺろり。
「ひゃん!」
生暖かく、柔らかい感触に、ティナは思わずのけぞって声を上げる。勢いに合わせて、ぶるんと跳ね上がった巨乳が、少年の顔に当たった。
「いたた……すごい反応だね。興奮してるんだ?」
「違う、そんなことないっ!!」
自分でも驚くほど強い語調で、ティナが否定した。その様子を見た少年は、美しい悪魔のように、残虐な笑みを浮かべる。
「違わないよ。お姉さんは興奮してるんだ。こんなにたくさんの人に見られながら、僕みたいな子供にいじめられて、その姿を見せられてね」
「ち…ちがぅ…」
ティナの声が、尻すぼみに小さくなっていく。
「そうかな? じゃあ、どうしてココは、こんなになってるの?」
少年はティナの乳首を軽く指で押す。はちきれそうなほど固く尖り、ふるふると震えている乳首が、スクリーンを通してティナの目に映る。
「そ…それは……」
言いよどむティナ。
「どうしてこんなに汗をかいてるの? これ、おしっこじゃないよね?」
『おしっこ』という単語に反応して、ティナがビクンと震えた。
「…………」
黙ったまま、ティナは恥ずかしげにモゾモゾと脚をすり合わせる。その様子に気づいた少年が、ティナの潤んだ瞳を覗き込んだ。
「どうしたの? ………あ、もしかして……」
不安そうな顔で、少年を見るティナ。
「……また、おしっこしたくなっちゃった?」
「!!!!」
ビクッ! と、ティナの全身が硬直した。
「あはは、そうなんだ?」
真っ赤になってうつむくティナ。
「………お、お願い………トイレに行かせて………」
うつむいたまま消え入るような声で、ティナは言った。少年にしか聞こえないように。
だが、少年の返答は、ティナを絶望の淵に叩き込んだ。
「別に、トイレに行く必要なんてないよ。さっきみたいに、ここですれば?」
少年の言葉に反応し、観客が一斉に喝采を送る。会場全体が揺れているかのような大歓声だった。
「いやあああああっ!!!!」
ティナは首をぶんぶんと振りながら、半狂乱になって叫ぶ。
「別に、一回も二回も同じでしょ」
無造作にそう言い切ると、少年はティナの脚に手をかけた。
「いや、いや、やだああッ!! 離して、離してぇッ!!」
「うるさいなぁ…僕は別に、足の腱をねじ切ったっていいんだよ?」
「ひっ……!!」
少年の恫喝に、ティナが息を呑んだ。体の力が抜けたところで、少年は改めてティナの両足を抱え上げる。
「やっ……やぁ……」
「じゃあ、ちょっとこれ頼むね」
黒服にティナの足を預け、少年は再びナイフを手に取る。刃をコスチュームの股の部分にあてがい、ちらりとティナに顔を向けた。
「動いちゃダメだよ、危ないからね」
「……お願い……やめて……ねぇ、やめてよぅ……」
「よいしょ」
あっさりとコスチュームが切り裂かれ、ティナの秘所があらわになった。
そしてスクリーンには、大きく足を開いて、小さな子供に排尿させるようなポーズで二人の男に抱えられたティナの姿が、しっかりと映し出されている。
ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!
これまでにないほどの大歓声。スタンディングオベーションによる足踏みが、まるで地鳴りのように会場内を揺らす。
「いやぁぁぁぁ………見ちゃだめぇ………ダメなのぉ……うぅ……」
ぼろぼろと大粒の涙をこぼしながら、ティナは弱々しく首を振る。
「どうしてさ? お姉さんも見てごらんよ、とってもキレイだよ」
少年は幼女のように泣きじゃくるティナの顎に手を掛け、スクリーンの方を向かせる。
「あ……あぁ……映ってるよぅ……いやぁ……見えちゃうよぉ……」
「そうそう。お姉さんがおしっこするとこも、ちゃんと見ようね」
「ダメぇ……そんなの、できない……離して……我慢……できな……くぅ……」
両足を抱えられたまま、ティナはもどかしそうにもがく。押し寄せる尿意を必死で堪えるティナの顔がスクリーンに映った。
「ほら」
ちょい、と少年はティナの股間に手をやり、尿道口を刺激した。
「きゃうっ!!!」
白い顎を仰け反らせ、必死で耐えるティナ。
客席からは、手拍子が飛んでいた。彼らが叫んでいる言葉が、次第にティナの耳にも聞き取れるようになってくる。
出―せ! 出―せ! 出―せ! 出―せ! 出―せ! 出―せ! 出―せ!
ティーナ! ティーナ! ティーナ! ティーナ! ティーナ! ティーナ!
頭がクラクラした。人気プロレスラーであるティナにとって、手拍子や声援を浴びるのはいつものことだ。
だが、こんな異様な声援を受けることになるとは。
観客は手拍子に合わせて足を踏み鳴らし、振動でティナの体を刺激する。
出―せ! ティーナ! 出―せ! ティーナ! 出―せ! ティーナ!
出―せ! ティーナ! 出―せ! ティーナ! 出―せ! ティーナ!
「うっ……うぅぅ……ダ、ダメ…やぁ…い…や…ぁ……」
我慢の限界が来ている。ティナの全身が細かく震えだし、時々ぶるっ、っと大きく震える。
下唇を色が変わるほどかみ締め、眉間にはきゅっ、と皺が寄る。
(も…………もう…………ダメ……っ!!)
「んふぅうううううううううううううっ!!!!」
一際高い絶叫。
しゃああああああああああああああ…………
その瞬間、ティナの股間から勢いよく、黄色い液体が噴出した。
ティナは、陶然とした表情でスクリーンを見ながら、自分の全身から急速に力が抜けて
いくのを感じていた。
(………きも………ち………いい………)
あと一回で終わる予定…に変更。
このまま菊池某氏の「エイリ○ン魔○国」みたいになったらどうしよう……
内容的には、ここの皆さんの影響を受けすぎたかな、とも思いますが…