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SG
井川 正寿/文


  12マタ・・・・・。

  高校生活の集大成の成果だったのかもしれない。

  誰も選ばなかった・・・。いや、選べなかった。

  責められれば、罪悪感や自己嫌悪が少しは軽くなるかもしれない。自虐的に自分を責めても彼女達を裏切ったことに変わりない。それこそ正当化だろう。ずるい行為だ。

  余計な考えを消して機械のように彼女達の心の隙間に入り込むようになっていた。彼女達は自分を今でも思っていた。何の為に合いに行ったのか・・・。今更ながら後悔する。彼女達の感傷を少しでも癒せればよかった。

  そうじゃない。

  自分の寂しさを埋めようとしただけかもしれない。

  虫の良い話。

  全てを話せばどんなに楽になっただろう。

  別れと出会いを繰り返して、どこにもない自分自身の感傷を探していただけだ。寂しいという意味が解からないから寂しかった。結局、それが彼女達の好意につけこんで信頼を弄んでしまった。最良だって自分と彼女たちを騙して。最悪の好意をしていた。

  振り返れば、獰猛な自己嫌悪に押しつぶされそうになる。

  誰も好きではない僕がいる。

  何も解からないで、流されるままに何もかも裏切って自分に酔っている。

  結局、自分が一番かわいいのだ。

  誰かを傷つけてしまうぐらいなら自分を傷つける。

  最初から誰もいなかった。何もなかった。何も変わらない。

  何も変わっていない。

  いつもそうしてきたじゃないか。今度もそうする。

  終わらせてしまおう。

 「ごめん・・・・」

  斜め上空から感情がこもっていない、渇いた声。

  ライブハウスでの演奏を終えて、まだ火照った身体で声の主を見つめた。

 「どうしたの?」

  松原 千恵は半分本気で聞き返した。雰囲気が普通じゃないのを感じる。

 「僕が悪いんだ。誰のせいでもない」

 「なにいってんのさ」

 「騙したくないんだ。ずっと前から君の気持ちに気づいてた」

  千恵の顔が赤くなる。

 「気持ちって・・・。やだ、冗談はやめてよね。ワタシは別に・・・」

  ウソでも続きは言いたくなかった。

 「ダメなんだ。僕は寂しかっただけなんだ。君が、松原さんが好きなわけじゃないんだ。誰でも良かったかもしれない。善人ぶって近づいて誰かのそばに入られればそれで良かったんだ」

  いつの間にか水滴が頬を伝っている。千恵は黙って聞いていた。

 「そうやって居心地のいい場所を作って騙してたんだ。軽蔑しただろ・・・」

  二人の間に沈黙が横たわって、吐く息だけが白く広がっていた。

 「誰も・・・誰だって相手の全部を受け止めたりできないよ。そういうの我慢しているのはワタシも同じかもしれないよ。おかしいよ、絶対ヘンだよ」

  むなしく時間だけがすぎていく。深々と夜は深くなる。

  どうする事も出来ない時間。

  納得しようがしまいが、何一つ変わりばえしないだろう。

  何を望んでいるのでいるのか?

 「僕は松原さんが好きじゃない・・・いや、僕の中では誰もどうでもいいんだ」

  自分に酔ってるな・・・・。自己陶酔が滑稽で嫌悪すら覚える。

  こんなものは自分の都合だ。

  だからこそ、他人の中に入っちゃいけないんだ。

 「心配もしちゃだめなの」

  捕まえていなければ消えてしまいそうな気持ちになって腕に絡みついた。

 「『寂しい』って気持ちわね、欲しいからなんだよ。好きに形も証拠も無い、目に見えないから伝えるの、だからワタシは歌を唄うのよ。あなたに伝わってほしいから・・・」

  押し倒すぐらい全身を押し付けてゆっくり伝える。

 「ダメだよ、ダメなんだから。何にも無くなちゃうよ!! 寂しいなら言わなきゃ。相手に伝えなきゃ。ずっと一緒にいたいの。あなたがワタシのこと何とも思って無くてもいい」

  薄いルージュをひいた唇が重なる。

  ぎこちないガチガチで一方的なキス。

  千恵の気持ちが伝わっている。

 「僕は怖かったんだ・・・・」

  長い長いキスの後にどちらともなく離れた。

 「一人になってしまうのが怖かった・・・。言えばよかったんだ。寂しいって、傍にいて欲しいって、」

 「うん!」

  指で涙を拭きながら返事をする。

 「このままじゃ、僕は何もできない」

  泣いた顔を千恵に見られるのを隠して夜空を見上げる。

 「・・・ありがとう・・・」

 「いや、そんな・・・急に言われても照れちまうよ」

  

 「終電・・・いっちゃたね・・・。家来る?」

  そう言われて千恵の部屋に座っていた。

 「・・・・・・・・」

  女の子部屋とは思えない殺風景な部屋。たくさんのギターが大切に立てかけてあって、壁という壁に知らないバンドのポスターが並んでいた。色気も何も無い。

  それでも心臓がドキドキしていた。

  ドタドタと廊下に足音が聞こえる。この家に千恵と僕だけしかいない。

 「ひゃぁー、さっぱりした」

  湯上りの千恵はほのかに上気して普段から想像も出来ないくらい色っぽかった。

 「やっぱ、外で寝るよ」

 「まあまあ」

  そう言って引き止める。何が『まあまあ』なのだろう。

 「明日、帰っちゃうんだろ?」

 「ああ、学校もあるし、始発なら2眼の途中には間に合うから」

  千恵のニオイ・・・。

  石鹸の香りと、なんだかとっても良いニオイ。

  お互いに多弁になった。沈黙が怖くて何でもない話に熱中してしまう。

  千恵の方を向けないでいた。

 「なんか嬉しい」

  千恵が勝ち誇った顔で言う。

 「何が?」

 「意識してるでしょ」

  目を合わせただけで落ち着かなくなる。

 「ワタシはずっとそんな感じだったんだから・・・」

  手を握って少し躊躇って、胸の上に乗せる。

 「聞こえる? 一番ドキドキしてるんだよ」

  早鐘のような鼓動が手の平を伝わって直接身体中を振るわせるようだ。

 「初めて人前で歌った時、傍にいてくれただろ。それよりもずっと緊張してるし、あの時は一人だけ落ち着いてたけど・・・・」

  どちらかと言えば男らしい千恵がすごく女の子に見えた。

  ポニーテールを降ろした髪は軽くウェーブが掛かって、とても印象的だった。

 「千恵・・・・」

  視線は熱っぽく、千恵の目を見つめる。

 「・・・・・」

   僕の腕が千恵を抱きしめる。千恵は怯んだように縮こまるが、すぐに愛しい人を受け入れた。

 「えっと・・・・初めてだから・・・優しくして・・・・」

  照れながら、だが、しっかりと決意しながら言った。

 「僕だって初めてだ・・・・」

  力を抜こうとしてかえって力んで自分の胸に押し付けてしまう。

 「う、うん・・・」

  千恵は胸に埋まる。腕を背中に回して、千恵を抱き寄せる。

  お互いの心臓が早くなるのが解かる。そして気分はゆったりと落ち着いて和らいでいった。

 「・・・・好きだ・・・。傍にいてほしい・・・」

  胸が熱くなった。

 「どうしたの松原さん・・・。ううん千恵。泣いているのか?」

  身体を少し離して、千恵の顔を覗く。黒い双瞳は涙で潤んでいた。

 「えっと、なんか涙がでちゃうの・・・どうしてかな・・・」

 「千恵・・・・」

  それだけで二人には充分だった。ぐっと抱き寄せて千恵の唇を奪った。

  唇を押し当てるだけのテクニックもないぎこちないキス。

  それでも、二人の身体になんだか暖かいモノが流れていく。

 「さわるよ」

  千恵は無言で頷く。

  背中に回った腕が千恵の服の下に入っていく。

  風呂上りの少女の肌はすべすべして暖かかった。サワサワと稚拙な手つきで直接生肌を撫でている。

  緊張した千恵は敏感に反応して声が漏れる。

 「ん、んん・・・」

  じっくりと慈しむように撫でながら頬から首筋に唇をはわせる。

  ぞくぞくとアソコがキューンとなる。

  手が徐々に上の方に移動する。服の上からじゃ解からなかったが下着を着けていない。そのまま、乳房を揉みしごいていく。

 「はあん・・・・んふぅ」

  ついには、ちいさな乳首を親指と人指し指を使って、くりくりとこね回す。硬くなっていくのが指先から伝わってくる。

 「いや、恥かしい・・・」

  いつもクールな千恵が真っ赤になって弱々しく女の声を出す。たまらなく愛しく感じる。

 「脱がすよ・・・」

  裾を掴んで一気に捲くり上げる。

  そこらへんに上着を脱がし捨てると、真っ白い肌がまぶしくあった。長い髪が胸を隠すように垂れて千恵はうつむいてモジモジしていた。

 「・・・・・白いね・・」

  裸を見られているのが今さら意識される。

 「あんまりみないで・・・」

  千恵は抱きついて自分の肌を見られないようにする。

  想像以上に細いのがわかった。こんな小さい体からあんな声が出せるんだ。そう思いながら、胸板に二つの膨らみが当たるのが解かった。

  そして、手を千恵の下衣の中にいれる。

 「い、いやだ・・」

  慌てて手を押さえるが力はこもっていない。手を止めてしばらく待って千恵の動きを探る。

  千恵の手は添えられているだけで抵抗は無い・・・。

  千恵の淫裂を指でまさぐった。指先に染み出た愛液を感じて、その濡れほそった液を絡ませてクリットを優しくさする。

 「うっうん」

  身をよじって敏感な部分から駆け巡る刺激に声を堪えて耐える。

 「・・・・もう濡れてる・・・」

  思わず口にしていた。

  指先に固くなったクリトリス伝わる。真珠のようなソレは知らなくても解かった。

 「うんはぁ・・・・いやぁ・・・いわないでぇ」

  脳裏に感じすぎる身体を疎ましく思った.

  ずっと一人でなぐさめていた。目の前の少年を思って自慰行為をしていたのを指摘されたような感じ、イヤらしい女と言われたようだ。

  羞恥に燃え、全身がうっすらサクラ色に染まっている。

  指はさらにクリトリスをしごいて、包皮を剥いてしまう。剥き出しなった肉真珠はさらなる快感を千恵に与えて、恥かしさ以上に強い刺激を求めて腰が自然と動いてしまう。

 「んんん・・・ん、ん、んん」

  堪えるように声を絞る。

  股間が痛いほど固くなっていく。

  千恵の下衣を下着ごと強引に下ろしてしまう。

  我慢できなかった。

 「・・・・・・きて・・・」

  聞こえないぐらいか細い声で受け入れようとする千恵・・・。

  ベルトを緩めてズボンを脱ぎ捨てる。

  敏感になっている下半身を千恵はいやらしくくねらせて、たまらなくなっていた。

  ほとんど襲いかかるように千恵に抱きつく。

 「いくよ・・・・」

  充分に濡れた膣に、さきばしった汁で滲む肉棒を突きつける。千恵の胎内をえぐるように押し広げていった。

  ズプズプと押し戻されるように抵抗されるが、かまわず奥へ奥へと押し入れていく。

  シーツを掴んで痛みに耐える千恵。

  耐えるだけじゃない、慈しむ歓喜な表情を見て取れた。

  根元まで届かない肉の抵抗を、体重をかけて突き破った。そのまま腰を繰り出して根元まで押し入れる。

 「あああ、ああん!!」

  純潔の証を破りさられ、びくんと身体をそらす。

  根元まで押し入れた時点で千恵が痛々しいのでそのまま動きを止めた。

  ぎゅうぎゅうと肉壁が肉棒を締めつける。

  このままでは果ててしまいそうだった。

 「いいよ、動いて・・・・ちょっと痛いけど・・・」

  指先で千恵の涙をふき取って、さらに腰をグラインドする。

  充分に濡れた秘裂は肉棒を濡らし、徐々にジュプジュプと音を立てて、結合部が泡だっていくようだ。

  千恵の声もだんだんと甘く嘶き、腰の動きも早くなっていった。

 「あん はぁん はん」

  腰のグラインドに合わせて千恵の甘ったるい声を出す。

 「はん、ううん、はん、ひゅん」

  千恵の声につられるように腰の動きはさらに激しくなる。

 「あいっ、も、もう・・・いグッ!・・・イっちゃぅっ!!」

  総身が激しくうねり、びくんびくんと痙攣した。足先が反っている。千恵の方が先に達してしまった。

  イク寸前、肉棒を一段と締める・・・。

 「はぁん、はぁ、はぁ、はぁ」

  自分で慰めて達したことがあったが比べ物にならない快感だった。

  千恵が達したのを見て腰の動きを止めて、余韻に浸らしていた。

 「・・・あの、ごめん・・・先に・・・」

  優しく、少し笑いながら肉棒を引き抜こうとすると・・・

 「・・・いいよ・・・大丈夫・・・続けて・・・」

  腰のグラインドを黙って続けた。千恵には悪いと思ったが置き去りにされた発射の瞬間を求めて、いっそう激しく振り動かした。

  最初のオルガスムで更に敏感になった千恵は続けて襲ってくる官能の波を必死に受け止めようとする。

 「あぐぅ・・・ひゃぁ・・・ひいっ・・・ふぅ・・・駄目っ・・・またクる!!・・・・ああんっ・・・駄目っ・・・もう、これ以上・・・我慢・・・我慢できない・・・早く、早く、イって・・・ああっ・・・ひぐぅ!・・・イちゃうよぉ!!」

  次の絶頂の瞬間は早くもやってきそうだ。

 「早く、早く・・・我慢できない・・・あふぅ・・・ふひゅん・・あひやぁ・・・」

  全身で抱きついて必死で耐える。

  気を抜いたらイってしまいそうだ。

  その気持ちが膣壁に集中してきゅうきゅうときつく収縮して発射の瞬間を導いていく。

 「・・・・千恵」

  千恵の二度目のエクスタシーと白濁液の発射は同時だった

 「うっぅ!!」

 「御免なさい・・・・ああっ・・・また・・・きっちゃう・・きちゃうよ・・イちゃうぅぅっ!!」

  びゅうびゅうと大量の精液が千恵の子宮に吐き出されて、中で肉竿がビクンビクンと跳ね返る。

 「はぁぁぁ・・・熱い・・・・温かいのが入っているぅ」

  急速に全身の力が抜けて、千恵の胸にうずくまる。

  同時に達した二人は激しく息を整えて全身が上下していた。

  二人の結合部の愛液と精液・・・それに処女の証である破爪の血が混じったピンク色の交じり合った液体がシーツを汚していた。

  千恵の柔らかく長い黒髪を優しく撫でた。

  そして、罪悪感に自分の胸が締めTつけられるのが解かった。

  千恵と他の女の子の違いは何だっていうのだろう。

  愛しいという気持ちはウソじゃない。

  でも、

  『特別』じゃない・・・・。

  僕は彼女達をどうしたかったのだろう。

  千恵の胸にうずくまりながら、ぼんやりそんな事を考えていた。

 

  やっぱり僕はサイテーだ・・・。

 

  東京に戻っても千恵との夜を思い出さなかった日は無かった。

  春になれば千恵は東京で本格的に音楽の勉強をすると言っていた。

  千恵との新しい生活。孤独じゃない・・・。

  そんな夢みたいな日を思いながら横断歩道を渡った。

  冗談みたいな動きでトラックが目の前の景色を遮った。

  ビデオのコマ送りみたいにゆっくり、ゆっくりと倒れてくる。

  ああ、死ぬんだ。自然と受け入れていた。

  最後に答えなければなかった。

  何を彼女達に望めばよかったんだろう・・・。

  決まっている。彼女達に笑って欲しかった。

  アスファルトとトラックに挟まれながら声にしようとしていた。

 


解説

 純愛弟3弾!!構想2分、制作2時間!!

 不完全な形になりました、純愛は苦手です。

 もう少し、主人公の孤独っぷりと千恵の深い愛情を表現したかった・・・。(僕チン鬼畜系だから説得力ないなぁ)

 初のリクエスト作品です。

 井川は当初リクエストを募集していたのですが現在はDDDチャットにて受けられる範囲でリクエストを受けています。なるべく鬼畜な話がよいなぁ。

 ではー

 

 おまけ

 若い男女では男の方が絶対に我慢がききませんが(そんなこともないが一般論的に)小説的表現ですので勘弁してね。設定上、千恵は主人公を思ってオナニーしていたから身体が開発されていたのですよ。だから感じ易かったの。そういう事にして下さい。

 やっぱHな女の子ってかわいいじゃなですか(馬鹿ですな)

 服装や部屋の様子に手を抜いたのは資料が無かったからです。手抜きじゃないよ。

 そういや体位も厳密に書いてないけどオーソドックスな正上位あるよ(女下、男上)

 

 最後に海ちゃんへ、

 『眼鏡と三つ編み以外で、主人公を僕とした三人称のセングラ純愛小説』

 リクエストに答えられましたか?

 


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