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サクラ大戦3外伝 第1話 巴里に咲く百合の花
フラッグマン & 桃色戦車/文


 「はふっ・・・・・・・んんっ・・・・・・」

 夜の帳が花の都・巴里を包み込む。

 つい先程まで紳士淑女が語らいさんざめいた夜の社交場、ここシャノワールにも闇が落ちる。

 

  だがその中にあって煌々と灯りが点る一室。

  革張りのソファに腰掛けたままで唇を重ね合せる美少女が二人。

  一人は少年かと見紛うかのようなさっぱりとしているが、みずみずしく、どこか理知的な印象を与えるショートカット、もう一人は背中の半ばまであり、ちょっとくせっ毛の艶やかなロングヘアー。

  お揃いのメイド服が人の対照的な美貌をより際立たせていた・・・

  互いを絡み合い、貪り合う唇と唇の間からは二人の甘やかな吐息が漏れてくる。

 絡め合った舌を振りほどくようにして、青きショートカットの少女の方が貌を背けた。

 「駄目よ、シー・・・・・・こんなの・・・・・・変よ・・・・・」

  窘められたシーと呼ばれた茶色のロングヘアーの少女は悪びれる事無く微笑む。

  「もぅ、メルってばぁ・・・・・・・・・・ふふふふっ、ここをこんなにしちゃってる癖にぃ」

  「あっ!・・・・・駄目っ、止めてっ、シー!」

  シーの指が自分のスカートの中に潜り込もうとするのを止めようとした彼女だったが濃厚なベーゼに蕩かされた躯に力が入らないのか、いとも容易く その侵入を許してしまう。

  シーの指が親友であり、恋人のメルの大事な所を覆うショーツを這う。

  「こぉんなに熱くなってるぅ・・・・・それにぃ・・・・・」

  「いっ、言わないで・・・・・シー・・・・・お願い・・・・・・」

  自分の躯の恥ずかしい反応を探られ、瞳を潤ませながら頬を赤く染めて俯くメル。

  「・・・・女の子同士で・・・・こんなの・・・・・変よ・・・・・・もう・・・・止めなきゃ・・・・・」

  「ぐしょぐしょ・・・・・・・ショーツの上からでも判っちゃう・・・・・・感じてるんでしょ?」

  シーの指は恋人の下着を通して滲み出してきている潤みを感じ取っていた

 。指に絡み付いてくる発情の肉汁は、顔を赤らめながら拒絶するメルの言葉を裏切っていた。

  クチュッ・・・・・・ピチャッ・・・・・・・ヌチョッ・・

  それでも首を振って否定するメルだったが、スカートの奥から零れてくる湿った音が全てを物語っていた。

  「こんなに濡れちゃってるメルは変なのぉ?」

  クスクスと意地悪く笑うシー・・・ちょっと子悪魔的な笑みだった。

  からかいながらも彼女の指はメルの下着の脇からその内部へとその歩を進める。

  シーの指先に絡んでくるやや硬めの恥毛。その手触りを楽しむかのように、慈しむかのように二度三度と指で梳くシー。愛液に濡れそぼつメルの恥毛の指どおりは滑らかだ。

  「メルってば敏感なんだからぁ・・・・・・・・」

  固く閉じられたメルの瞼の間から、一筋の涙が頬を伝っていく・・・。

  その雫をキスで掬い取るシー。

  「あっ・・・・・シー・・・・・」

  「でも・・・・・・そんなメルが好きなの・・・・・・・・・・」

  シーの舌がそのままメルの頬を這う。総毛立つ感覚が稲妻のように背筋を疾り抜けていった。

  おぞましさ故、ではない。

  震えるほどの官能がメルの女の琴線を掻き鳴らして、響くは蕩けるほどに甘い旋律。その調は自分の躯の半分はシーのものである事を声高に告げているのだ、とメルは思った・・・

 いや・・・感じていた。

  メルの叢に遊ぶ手を止める。もう片方の手でメルの片手首を掴んで自分の股間へと導く。メルの指がいきなりシーの柔かなアンダーヘアーに触れる。

  「シー・・・・・・下着を・・・・・・・」

 思いもよらないシーの痴態に驚くメル。

  「うん・・・・・・・少しでも早くメルとエッチしたくてぇ・・・・・・・さっきトイレで脱いできちゃったの・・・・・」

  更に奥の方へと誘うシー。メルの指先が熱い潤みに触れた。

  「あっ・・・・・シー・・・・・・・シーも・・・・・・・」

  「うん・・・・濡れちゃってるのぉ・・・・・・・メルと・・・・・キスしただけで濡れちゃったの」

  シーの躯の反応に戸惑いながらも、本能的に濡れた花弁をまさぐるメル。粘液にヌラつく襞が彼女の指に絡み付いてきて、泉の奥へと誘うかのような蠕動が伝わってくる。

  「メルが欲しくて・・・・・・ピクピクしちゃってるのぉ・・・・・・わかるぅ?」

  「うん・・・・・・・」

  (・・・・・・私のビラビラも・・・・・・こんな風にエッチに動くの?・・・・・・)

  メルは意識をシーの女性の部分に集中させる。股間の奥が妖しくざわめき、膣の奥がキュン、と締まるのがメル自身にもはっきりと感じ取れた。

  細い指先に恋人の昂ぶりを覚えて、シーの円らな瞳にも潤んだ輝きが灯った。

  「・・・・・オーナーは・・・・・・今晩は帰らないわ・・・・・二人で・・・・・楽しみましょ・・・」

 ・・・追い詰められたのか・・・安心したのか

  「シー・・・・・・・」

 そして再び・・・・・・・・・・・・・・・口付け。

 

 

  彼女たちが所属する国家的規模の秘密組織・巴里華撃団。その範を東洋の島国・日本の帝都を守護する「帝国華撃団」に求めたこの特殊部隊は欧州においては仏蘭西・巴里にその基盤を置く、霊的脅威に対抗するための実戦部隊であった。

 まだ、設立されて間もないため、二人はこれまではその整備・戦力化に奔走させられていたのだ。

 メルとシーも巴里華撃団の総司令グラン・マの秘書として、華撃団全体の後方支援やオペレーター作業を一手に背負う者として、多忙な日々が続いていた。

 

  だが、辛く忙しくもありながら組織を造り上げていく楽しさにも満ちた準備期間は今日突然終わりを告げた。

  心の何処かで無駄になればいいと思っていた巴里華撃団の存在が必要とされる時が来たのだ。

  初陣。

  何もかもが未経験の、人と人外のモノ・・・怪人とのぶつかり合う戦闘。その最中でオペレーターとしての責務をどうにか果した二人。

  模擬戦闘とは違う、実戦ならではの激務とその後の残務処理に二人は疲労困憊していた。

  だが疲れ果てていても、いや、疲れているからこそ二人は互いの躯を求め合った。

 

 

  既に二人は一糸たりとて身に纏ってはいなかった。

  メルはソファに座ったままで両手で顔を覆っている。両肘の間に挟まれた白磁を思わせる小ぶりな乳房が僅かに震えているのは羞恥の所為であろうか・・・

  双丘の上に鎮座する小粒な乳首はツンと上を向いている。

  大きくはだけられた太腿の間の叢に顔を寄せてシーが囁く。

  「メル・・・・・・・・・・」

  シーの白い指先がそっとメルの叢を掻き分けていき・・・充血してふっくらとした恥丘を割る。

  ピチュ・・・・・・・・・・・

  濡れた音と共にその内側を露わにするメルの「おんな」の部分。

  自分の蜜でしっとりと湿っていくメルの花弁。

  「メルのここ・・・・・・・いつ見てもきれい・・・・・・食べたくなっちゃう・・・・・・・」

  その言葉通りにメルの肉の花びらに唇寄せるシー。濡れた唇の間からチロリと舌を出して愛密が溢れ返ったクレヴァスをそっとなぞり上げる。

  「んんっ・・・・・・・やっ・・・・・・」

  腰を引いてシーの愛撫から逃れようとするメルだったが、両手でしっかりと彼女の尻を抱えたシーの舌先は、それを逃さなかった。。

  二度、三度、四度・・・シーの舌が秘所を嘗め回すたびにメルの股間に折り重なる微細な肉の襞が徐々に捲れ上がり、やがてはその奥の聖孔までもを露わにさせられていった。

  瞼を閉じて手で顔を覆っていてもはっきりとわかる、胎内に流れ込んでくる冷たい外気と・・・・・・・・シーの熱い息吹。

  膣の奥からは新たな潤みが滾々と湧き出してくる。いまだ男性のシンボルを受け入れた事の無い狭隘な蜜壷ではその湧出量を溜めきれる筈もなく、 溢れ出た肉汁がソファの上に水溜まりをつくってしまう。

  「すっごおい・・・・・お漏らししたみたいよ、メル」

  「ああっ・・・・・・シーの・・・・シーの意地悪っ・・・・・」

  シーの舌がメルの未開の花園に弄ぶ。充血した襞の間に埋もれかけた肉の真珠を掘り起こす。舌の先で転がされる女芯に硬いモノが形作られる。

  舌と唇を器用に使ってメルの包皮を剥き上げる。鞘を無理矢理に脱がされて、慄くように震えるメルのクリット。柔かなシーの唇が脅えるメルの宝石をそっと包み込んで優しく愛撫していく・・・

  チュッ・・・・チュバッ・・・・・・

  「ひっ・・・・・・強すぎるっ・・・・・そんなに・・・・・吸っちゃいやァ・・・・・・」

  あまりに激しい愛撫で痛みすら感じるほどに硬く尖ったメルのクリトリスを吸い上げるシー。根元まで剥き下ろされたフードもはやその敏感な突起を護ってはくれはしない。

  悦楽の暴風雨に曝されるメルの恥芯。その刺激はメルの躯を蕩かして、その膣孔からはより粘度を増した肉汁がトロトロと溢れてくる。

  その甘露の出口に舌の先を浅く挿し入れるシー。

  「やっ・・・・・・シー・・・・・・怖いのっ・・・・・・挿れないでっ・・・・・膜が・・・・・・・ヒーメンが・・・・破れちゃうっ・・・・・・」

 そんなメルに対して・・・

  「ふふふふっ・・・・・・・大丈夫・・・・・・メルのは素敵な人が現れた時のために大事にしてるんだもんねぇ」

 シーだけが知るメルの思いを口にする・・・

  「・・・・・・・ごめんね、シー・・・・・・」

  申し訳なさそうに謝るメル。

  「ううん、いいの」

  気にする様子も無くシーは応えた。

  「でも・・・・・・・ちょっと妬けちゃうから・・・・・イジワルしちゃおぅ!」

  シーはそう言うと、メルのクレヴァスとソファの間に指を滑り込ませて尽きる事のない泉から湧き出す雫を掌の上に掬い取る。

  ヂュル・・・・・・・・・・

  その音で何があったのかを悟ったのだろう。耳までも真っ赤にしたメルが涙声を絞り出して懇願する。

  「やだっ・・・・・・・飲んじゃ・・・・・いや・・・・・」

  両手で顔を覆い隠して、それから逃れようとするメル。

 そんなメルに向かって・・・

  「・・・・・・メルのオツユってばぁ・・・・・・甘ぁい・・・・・うふふふふっ」

 羞恥を掻き立てる様なシーの甘い囁き・・・

 「いやっ・・・・・・・味なんて・・・・・・確かめないでっ・・・・・」

  「メルも・・・・・飲んでみる?」

  シーは掌の上に残った愛蜜を口に含んで・・・・・・・メルの顔を覆う手を無理矢理に抉じ開ける。

  そして、口付け。

  シーの舌が自分の唇を抉じ開けて自分の口腔に侵入してくるのを易々と許してしまう自分に少なからぬ驚きを覚えるメル。

  本気で拒もうと思えば拒めた筈だった・・・跳ね除けられた筈だった・・・

  だが、出来なかった。

 (私・・・なんで・・・)

 

  繋がった唇と唇を通してトロトロと流し込まれる生暖かい液体。

  自分の愛液。

  初めて味わう自分の恥ずかしい花の蜜の味と香り。

  甘露が舌の上を転がり、喉を滑り落ちて行く。

  「どお?美味しい?」

  シーとの睦みに頭の芯を蕩かされ味など判る筈も無かったが、彼女に促されてただ肯くばかりであった。

  体重を預けられてソファの上の押し倒されるメル。

  シーの唇がうなじから胸元、更に胸の敏感な突起へと滑り落ちる。

  「あっ・・・・・」

  メルの弱点を知り尽くしたシーの愛撫が乳首を翻弄する。

  舐められ、転がされ、突つかれ、引き伸ばされていく・・・

  反応して徐々に硬いしこりが乳房に生じる。疼きが乳首を痛い程に尖らせ、隆起させる。

  唇で甘噛みされ、しごきたてられて、はしたなく更に勃起していく乳房の頂。

  「オッパイの先っちょ・・・・・・硬くなってるよ・・・・」

  シーはメルの敏感な乳首から唇を離す。

  糸を引く唾液はまだ舐め足りない、と言わんばかりにしつこくまとわりついていた。

 「ねえ・・・・・・・こうするとキモチいいんだよ・・・・・・」

  シーの胸元に目をやるメル。地球の重力に引かれて、たわわに実ったシーの胸の二つの果実がその間に深い谷間を形作っていた。

  同性のメルが見てもうっとりしてしまうほどの完璧な乳房。

  舞台の上に二人で並んで立つと、男性の視線がシーの胸元に釘付けになるのが口惜しくもあり、また羨ましくもあった。

  顧みて、自分の乳房はまだ青い果実を思わせる生硬さを感じさせてしまうのがメルのコンプレックスでもあった。

  (・・・・やっぱり・・・・男の人とエッチすると・・・・・・女っぽくなるのかしら・・・・)

  豊かなシーの乳房を見ながら思うメル。

  (・・・・・・・・・羨ましいな・・・・・・大きくて・・・・・・柔かそうで・・・・・)

  そんな二人の乳房と乳房、乳輪と乳輪、乳首と乳首が重なり合う。

  「あっ・・・・・」

  敏感に尖ったメルの乳豆に、硬くしこったシーの乳豆が触れるか否かの微妙な距離で擦れ合う。

  メルを焦らすかのように、離れて、近付いて、また離れる・・・そんな動作を繰り返す

  次第にメルの方からシーの乳首を追い求めて、自ら胸を揺らす。

  「・・・・・我慢出来ないの?」

  「・・・・・・・・うん・・・・・」

  コクン、と肯くメル。

  ゆっくりと躯の重みをメルに預けてくるシー。恋人の躯の心地よい重さを受け止めるメル。

  シーの体重を受けて無残なカタチに潰れる二人の乳房。メルの乳房の方がやや硬いのか、シーの乳房の方が大きく形を崩す。

  二人の躯の間でひしゃげた乳肉の中に埋もれた乳首が互いの鼓動を伝え合う。

  「・・・・・・・・メル・・・・・・・・・ドキドキしてるぅ・・・・」

  「・・・・・・シーだって・・・・・・・・」

  どちらからともなく、二人は再び唇を重ね合い、自分の乳房であいての乳房を愛撫する。弾力に満ちた四つの乳球が汗にまみれて転がる。

  「・・・・・・はふっ・・・・・・んっ・・・・・・んむっ・・・・・・」

  そして滑らかな大理石の円柱を思わせる、折り重なった四本の太腿は徐々にその位置を替えていく。うっすらと汗に輝きながら絡み合う。

  自分の片方の太腿を相手の二本の脚の間に抉じ入れる。

  「あうっ・・・・・・・やっ・・・・・・はんッ・・・・・」

  その脚を互いの花園に優しく押し付ける様にして慈しむ。

  「いっ・・・・いいっ・・・・・もっと・・・・・・つ、強くっ・・・・・・」

  いつしか二人は時を忘れ、熱い吐息で交歓しながら互いの躯に溺れ合う。

  気が付くと、自分の太腿がシーの熱い滴りでしとどに濡れていた。

  「・・・・・・・メル・・・・・・・私・・・・もう・・・・・・」

  「うん・・・・・・・・私もよ・・・・・・・シー・・・・・・」

  シーが恥ずかしそうに目を伏せる。

  「・・・・・メル・・・・・・・最後は・・・・・・・アレでして・・・・・・」

  消え入るかのような声で囁くシー。

  「うん・・・・・・・わかったわ・・・・・」

 

 

  愛撫の間に二人の脳裏に浮かぶここ数日のあわただしい出来事。更に意識は二人の心を捉えたある一人の男性との初対面の場面へと飛ぶ。

 

  今回、巴里華撃団設立に伴い、その実戦部隊である花組に一人の日本人の青年を、その隊長として招聘したのだった。

  その青年は帝都東京において帝国華撃団・花組を率いて、二度に渡る大戦を戦い抜き、帝都に平和をもたらした人物とのことだった。

 

  「で、なんておっしゃる方なの?」

  「その人の名前が、思い出せないのよ〜・・・なんて名前だったかな?」

  シーは前にグラン・マに聞いたその日本人の青年の名前を記憶の底から必死で掘り起こす。

  「・・・確か・・・」

  シーの脳裏に浮かび上がってくる日本人の名前。

 

 

  「・・・確か・・・大神一郎・・・中尉だったわ・・・」

 

  シーはその青年の名を口にする。

  「そう!そうよ!間違い無いわ!!大神一郎中尉よ!どんな人なのかな〜」

  シーはまだ見ぬ、その花組隊長に想像を膨らませる。

  「素敵な人だと良いな〜・・・大神一郎中尉か・・・」

  「もう・・・シーったら・・・いつも男の人だと、想像膨らませるんだから・・・」

  「あっ!もしかして・・・メル・・・妬いてるのぉ〜」

  メルの頬に指をつきたて、ぷにぷにと押してみるシー。

  「そんな訳ないじゃない!」

  メルが突つかれた頬を染めて抗議する。

  「ええ〜、つまんないのぉ〜。せ〜っかくメルがヤキモチ妬いてくれたと思ったのにぃ〜」

 

  ほんの数日前の平和な一時の他愛も無い会話がとても懐かしく感じられる。

 

  初対面の夜。 

 メルとシーは、レビューの司会の役を終え、舞台から下がっていく。

 「ほら! シー、急いで!」

 メルは既に、レビューの衣装から普段着(?)であるメイド服に着替え終わっていた。

 「あ〜ん、メルぅ〜、待ってよぉ!」

 ストッキングを履いていたシーは、急かされて転びそうになった。

  多忙を極める二人。

  華撃団の業務以外にも、グラン・マの秘書、シャノワールの経理や事務、売店の売り子、アナウンサー、レビューの司会などを掛け持ちしているからだ。

  組織においては能力の高い者ほど便利屋として重宝される嫌いがある。それはここ巴里華劇団の二人においても当てはまりそうであった。

  めまぐるしい業務の合間を縫って、二人はグラン・マと共にある人物と会う事になっていた。

  これからの仕事仲間、そして共に戦う戦友。

  苦楽を共にしていく仲間となる人物。

  その人物は、シャノワールの客席で迫水大使と共にレビューを鑑賞していた。ステージの上からでも一際目立ついでたちの東洋人。

  ステージと客席の間で交錯する視線。だが、彼の視線の方には特に鋭さはなかった。

  レビューの後、グラン・マに付き従って、その人物と初対面を果たす。

  黒い髪、黒い瞳の東洋人の青年。

 

  「はじめまして、ムッシュ。・・・メル・レゾンです。 メルとお呼びください。」

  「ヒューヒュー・・・ムッシュ・大神!はじめましてぇ、シー・カプリスですぅ。」

  グラン・マとの挨拶を終えた後、大神に挨拶をする二人・・・

  「はじめまして、大神一郎です。メル君にシー君、よろしくお願いします。」

  大神も二人に挨拶を返す。

  シーは、「本物のサムライ」に会えたと言って無邪気に喜んでいた。

  一通りの挨拶を終えた後、大神と別れる二人。

 

  「大神さんってぇ、結構カッコイイ人だったね!」

  シーは、大神と会えた事ではしゃいでいた。

  「もう、シーったら・・・初対面なんだから、あそこまで気安く・・・」

  「なに言ってるのよぉ・・・メルなんてガチガチだったじゃない。」

  普段どおりのマイペースで大神と自然体で話す事の出来るシーとは対照的に、人見知りしてしまう性格のメルは大神とどうしても上手く話すことが出来なかった。

  「まあ・・・メルは人見知りしちゃうからね・・・仕方ないのかなぁ・・・」

  「・・・・・・」

  メルは何も言えなかった。自分でも冷たい態度をとってしまった事は自覚していた。こんな部分でもシーを羨ましく思うメル。

  だがシーは知っていた。メルのそんな所を大神は敏感に感じ取り、口には出さなかったものの気を遣う大神の優しさを。

 

  「でも・・・大神さんって、全然、軍人さんらしくなかったねぇ・・・」

  シーが思い出したように言う。

  「・・・そうね・・・」

  二人は、大神のことをほとんど知らなかった。

  ただ、二度に渡る大戦を戦い抜いてきた帝国華劇団・花組隊長を立派に勤め上げた、ということしか聞いていなかった。

  もっと、厳つい人かと想像していた。

  「・・・あの人で、大丈夫なのかしら?」

  メルは、ぼそっと呟いた。

  メルは大神と話してみたが・・・全然、隊長らしさみたいなものを感じなかった。勿論、悪い人間ではない事は察せられたが、それだけで勤まる任務では無い筈だ。

  これから迎える戦いで、本当に大丈夫なのか・・・・・・一抹の不安を隠せないメル。

  「う〜ん・・・確かに戦ってるイメージっていうのが、沸かなかったねぇ・・・」

  シーも、まだ大神のその部分を把握できずにいた。

  昨日までは大神のことを全然知らなかった二人。

 

  だが、すぐに彼女達は知ることになる。

  自分達の心配は杞憂に終わることになることを。

  そして大神一郎という男のことを・・・

 

  今日、二人はグラン・マの舞踏会で大神と再会した。

  迫水大使の代理としてきたのだった。

  そんな大神を接待する二人。

  その時だった。

  貴族のダニエルが、東洋人である大神を誹謗してきたのだった。

  上流階級だけの集う社交場に、下品な黄色い猿がいるのはおかしいと・・・

  その他にも、散々大神に汚い言葉を浴びせるダニエル。

  ハラハラと気を揉むメルとシー。

  大神がこの俗物に対して激昂するのも当然と思えたからだ。

  感情に身を任せて揉め事を起こせばパーティーが台無しにしてしまう事は必至だった。

  だが・・・・・・大神は耐えた。

  グラン・マと上司である迫水大使の立場を慮り怒りを胸の内に納めたのだ。理性では分かっていてもなかなか出来ることではなかった。

  その姿にメルとシーは、心打たれるものがあった。

 

  だが、その身の処し方は賞賛されるべき事ではあったが一つの部隊を率いていかなくてはならない人物としては物足りなさを感じずにはいられないメルとシー。

  大神が周りのことを考えて手を出さなかったことは、単に腰が低いだけなのだろうか。

  大神一郎という男には、誇りというものがないのだろうか。

  誇りも、護るべき矜持もない男が戦えるのだろうか。

  巴里の平和を守るために人の上に立つことが出来るのだろうか。

  大神一郎という男の事が、さらに分からなくなる二人。

 

  そして・・・来るべき時が来た・・・

 

  巴里の平和を脅かす敵・・・怪人が現れたのだった。

  舞踏会に突如として現れたウサギの怪人・シゾーは、巴里の街を破壊し始めた。

  そのシゾーを迎撃するために、巴里華撃団・花組は大神一郎を隊長として、初めての出撃する。

  メルとシーもオペレーターとして、花組を後方から支援する。

  シャンゼリゼ通りに出現した敵を迎撃する華撃団。

  花組は霊子甲冑・光武Fを駆り、戦いを挑む。

 

  ・・・目の醒めるような太刀捌き。大神は強かった。

  光武Fで敵の中に踊り込み、次々と敵を二対の太刀で撃破していく。

  白刃が陽光に煌く度に確実に屠られる敵機。

  さらに、その中でも、エリカ機・グリシーヌ機に適切な指揮を出し、戦いを有利に展開していく。

  その戦闘能力・指揮能力の凄さにメルとシーは息を飲む。

  日常での彼とはうって変わった戦場の彼に思わず見とれてしまう彼女達。

  ついに蒸気獣を駆逐し、怪人シゾーに迫る花組。

 

  その時だった。

  蒸気獣を全滅され、怒り狂うシゾーを挑発する人物がいた。

  それは、舞踏会で大神を愚弄したダニエルだった。

  何の考えもなく、シゾーを挑発するダニエル。

  シゾーは怒り狂い、自らの巨大蒸気獣プレリュードを繰り出してきた。

  凶々しく黒光りするガトリング砲の銃身。束ねられた銃口が恐ろしい速度で回転しながら弾丸を繰り出す。火花が飛び散り、硝煙の匂いがシャンゼリゼの通りに立ち込める。勿論人間など跡形も無い筈だった。

  だがダニエルをかばって、盾になった者がいた。

  他の誰でもなかった。

  晴れて行く白煙の中に立ち上がる純白の霊子甲冑・光武F。

  大神一郎その人だった。

  (・・・・・・何故・・・・・)

  その彼の行動に誰しも疑問を挟まざるを得なかった。

  口に出して、問い質したのはグリシーヌだった。

  「待て! どういうつもりだ・・・!?」

  グリシーヌが言葉を続ける・・・

  「貴公は日本人・・・巴里に来て間もないというのに、なにゆえ巴里の人間を・・・ましてや、自分をあれほど愚弄した者に好き放題言われて、なぜ怒らぬ?」

  その問いかけは尤もだった。

  何故日本人の彼が、巴里の人間を危険も顧みず平気で助けられるのか。

  ましてやその相手は先刻自分を愚弄した相手なのだ。

  「貴公には日本人としての・・・男としての、誇りというものがないのか!!」

  その言葉を叩きつけるグリシーヌ。

  そして・・・それはエリカや、花組をオペレーターとして支援しているメル・シーの疑問でもあった。

  (大神さん・・・あなたには・・・誇りがないのですか・・・)

  メルも頭の中で、大神に問い掛ける・・・

  そんな仲間達の疑問に対して・・・大神は答えたのだった。

 

 「日本だろうが、巴里だろうが・・・そんなものは関係ない!」

 

  問い質したグリシーヌやエリカ・・・そしてメル・シーも大神の言葉をはっきり聞いた。

 

 「全ての人々の幸せを、平和を守るために戦う・・・それが、俺の誇りだ!」

 

  「!?」

  その言葉に誰もが驚き、衝撃を受けた。

  エリカやグリシーヌはもちろん・・・イヤホンを通して、その言葉を聞いたメル・シーも・・・

  (・・・この人は・・・)

  メルの中に先ほどの大神の言葉が木霊する。

  (この人は・・・人のために戦うことを誇りとしている・・・自分の誇りをしっかりと持っていた。 本当に素晴らしい誇りを・・・)

  メルもシーも理解した。

  なぜ・・・この人が隊長に選ばれたのか・・・なぜ、今まで数々の戦いを切り抜ける事が出来たのかを。

  (なぜなら・・・この人は、全ての人々のことを背負って戦っているから・・・)

 

  怪人・シゾーは敗れ去った。

  恐ろしい怪人ではあったが、それでも花組は冷静に応戦し、大した被害もなくプレリュードを倒すことができたのだった。

  その戦闘能力でも・・・指揮能力でもない・・・

  この誇りを持つ彼の心の存在こそが、彼が隊長として選ばれた理由だった。

  (・・・大神さん・・・あなたしかいません・・・この巴里華撃団・花組の隊長は・・・)

  メルは彼のことを認めた。

  それは、他のみんなも一緒だろう。

  こうして巴里華撃団花組隊長・大神一郎が誕生したのだった。

 

 

  昼間の出来事を頭から振り払うようにしてメルは立ち上がり、自分にあてがわれた執務用のデスクへと向かう。

  その引出しの奥。

  恋人同士を繋ぐ魔法の玩具。一振りのディルドウ-張り型から伸びる数本の革のベルト。

  ペニスバンド。

  いつも通りにそれを装着しようとするメルだったが、不意にシーからの視線を感じてその手を止めた。

  「もう・・・・・・シー、見ないで」

  いつもにも増して恥じらいを覚えるメル。

  「お願い・・・・・・・あっち向いてて・・・・・・」

  「・・・・・・・・・待ってるから」

  一本一本のベルトを締める度に仰角を増してそそり立っていく股間のディルドウ。

  まるで自分の欲望が徐々に膨れ上がってきているのを顕わしているかのようなその黒い砲身を見つめて顔を赤らめる。

  今からごの剛直でシーを貫く事を想像するだけで模造男根の下で膨れ上がっている淫核がジンジンとしてくる。妖しい悦楽に痺れるメルのクリトリスはいまやどす黒いディルドウと一体になったかのような錯覚を彼女にもたらしていた。

 

  「・・・・・・・・もう・・・・・・我慢できないのっ・・・・・・メル・・・・・・・」

  潤んだ瞳で訴えかけてくるシーの姿。いつもであれば何も言わずにその願いを叶えてやるメルだったが今晩は違っていた。

  異常な昂ぶりがメルの内なる欲望を突き動かす。

  「駄目よ、シー・・・・・・・」

  「えっ?」

  いつものメルとは違う事をいぶかしむシーはディルドウに貼りついていた視線を引き剥がして恋人の顔を見上げる。

  「・・・・・・・・・・・・舐めて・・・・・」

  腰を突き出すメル。シーの目の前で揺れるディルドウ。

  「・・・・・・・・・・・・・・・」

  何の言葉を発する事無く、シーはメルの股間でいきり立つ黒い男根に指を絡ませる。

  そして瞼を閉じて、ゆっくりと顔を前に出し・・・・・・・・・・・・・咥えた。

 

  メルの股間で頬を窄めて模造男根に奉仕するシー。目眩を覚えるほどの淫靡な光景。これ以上大きくなる筈の無いディルドウが更に逞しさを増したような気がするのも錯覚に過ぎないのだろうか。自問するメル。

  だが、このディルドウを通して伝わってくるシーの温もりだけは嘘では無いと信じたかった。

  シーの唾液でヌラつく黒幹。改めて恋人の唇を犯している事実に昂ぶりを覚えるメル。不意に唇を離して上目遣いで見つめるシー。

  「メル・・・・・感じる?」

  「ええ・・・・・・・・あっ・・・・そこ・・・・・いいのっ・・・・」

  「・・・・・・此処?・・・・・・・んんっ・・・・はむっ・・・・・・ふふっ・・・・・」

  愛撫を再開するシー。

  ジュポッ・・・・・・ジュルッ・・・・・・

  シーの唇が奏でる淫らな響きがメルの股間の奥を熱くさせていく・・・。

  「・・・・・・・・・もういいわ、シー・・・・・・・・ご褒美をあげる・・・・」

  「・・・・・・うん・・・・・・・・・・・・」

 

  ソファの上で躯を開くシー。その叢はまるで雨の後のようにグッショリと濡れている。

  「違うわ、シー」

  「え?・・・・」

  「四つん這いになって・・・・・・・」

  「こ、こう?」

  「そう・・・・・・もっとお尻を突き出す様にして・・・・」

  目の前の白くて丸いシーの双臀はシミ一つ無く、女らしい曲線を描いていた。

  その狭間に息づくおんなの羞恥の器官。

  同性のメルが見ても昂ぶりを覚えるほどの淫猥。少しだけ男性の気持ちをわかったような気にさせてくれる。

  無性に股間にそびえたつモノでその中心を貫きたかった。

  まるで花園を踏み荒すが如く。

  いつもとは違う体位が理知的なメルを狂わせているのかもしれなかった。

  「来て・・・・・メルゥ・・・・」

  尻をくねらせて誘うシー。メルも限界だった。

  淫花の中心に先端をあてがう。待ちきれないシーの花びらが誘うかのようにディルドウの絡み付く。

  「行くわよ、シー」

  メルは言うと、一気にその黒い砲身をピンクの花びらの真ん中に埋め込んだ。

  ジュブッ・・・・・・・ジュブブブブブッ・・・・・・

  捲くれ上がる桃色の花弁。

  「はっ・・・・・・・・はんっ・・・・・あっ、ああっ・・・・・」

  白い背中を震わせてメルの剛直を呑み込むシー。

  蜜壷の中に湛えられた愛液がその居場所を追われて外へと溢れ出す。

  ネットリとした糸を引きながらソファに上に滴り落ちる。

  「やっ・・・・・・・もうっ・・・・・・・これ以上、は、入らないっ・・・・・」

  シーの狭隘な肉路がメルの股間のディルドウを押し返してくる。その弾力は模造ペニスの奥のメルの敏感なクリトリスを圧迫する。

  ジンジンとした心地よい痺れが股の間から全身へと、湖に広がる波紋のように広がって行く。

  自らの花芯を嬲るかのように、グイグイと剛直をシーの胎内に押し込む。

 「や、優しくして・・・・・・メルッ・・・・・・・ああンッ・・・・・はあっ・・・・・」

 その声が届いたのか、メルがその腰使いを変える。円を描く様にしてそのシーの狭い道を押し拡げていく・・・

 「かっ、掻き回さないでっ・・・・・・・感じ過ぎちゃうのっ・・・・・・」

 メルの腰の動きに躯を蕩かされたシーはその上体を支えていた腕を折ってしまう。ソファに突っ伏してしまうシーの肩が小刻みに震えていた・・・。

  シーの躯の上に覆い被さり、背後から彼女のたわわな膨らみへと手を伸ばすメル。

  妬ましさを覚えるほどの重く張ったしこり。

  (・・・・・・いいな・・・・・こんなに・・・・・・)

  (・・・・やっぱり男の人はシーみたいなオッパイがいいのかしら・・・・・)

  そう言えば、初対面の時に大神の視線がシーの胸元に釘付けになっていたことを思い出してしまう。メルが睨み付けると慌てて視線を反らす大神は彼女の心をかき乱した。

  大神に対する恨みか。

  シーに対する妬みか。

  言い様の無い昏い情念がメルの心の奥底にフツフツと涌き上がってくる。

  「どう?シー・・・・・・・いい?」

  「いいっ・・・・いいのっ・・・・・・はんっ・・・・・・かはァッ・・・・・」

  「・・・・・日本の男の人のモノは・・・・・もの凄く硬いらしいわよ・・・・・どう?大神さんに貫かれてみたい?」

 少し・・・乱暴さがメルにでてきていた・・・

  「やっ・・・・・・ヘンなコト・・・・・聞かないでっ・・・・今は・・・今は、メルだけなのっ・・・ああっ・・・・・・・」

  「本当?」

  「・・・・ホント・・・・・なのっ・・・・・」

  息遣いの合間に声を漏らすシー。

  「いいのよ・・・・・私のオチンチンを・・・・大神さんのモノだと思っても・・・・」

  腰を巧みにグラインドさせてシーの蜜壷を時には深く抉り、またある時には浅く掻き回すメルのテクニック。その技巧の前に肩を震わせて、背筋を仰け反らせて悦びを受け止めるシー。メルの口から不意に零れた大神の名前が彼女をより一層燃え立たせているようだった。

  ディルドウの黒い幹に絡み付くシーのピンクの肉襞が何よりもその事を雄弁に物語っていた。

  (・・・・・・・・シー・・・・・・・)

  (・・・・・・いつもより・・・・・締め付けてくる・・・・・・大神さんのオチンチンだから?・・・・)

  (・・・・・・シーも・・・・・シーもあの人の事が・・・・・・)

  そう・・・・・・メルの心も彼に、大神一郎に捉われていた。

  メルは、戦いの時の大神の勇姿を思い出す・・・

  そして、あの時の言葉を・・・

  その瞬間、少し体が熱くなるのを感じた。

  (戦いの前に会った時は・・・・・こんなことは無かったのに・・・・・・・)

  (・・・なんだろう・・・この感覚は・・・)

  それは・・・メルにとって初めての経験だった。

 

  その長大な砲身がその根元までシーの中に潜り込む。その先端がシーの子宮を小突く。

  「奥にっ・・・・・・届いてるのっ・・・・・・メルのオチンチンが・・・・・・・届いてるのぉ・・・・」

  「私も・・・・感じる・・・・・シーの奥まで・・・・・・・・・・・動かすわよ」

  「・・・・・うんっ・・・・・・・ゆっくり・・・・・ね?・・・・・・・・」

  ズルッ・・・・・・ジュルルルッ・・・・・・

  まとわりつく肉襞を振り払うように引き抜かれるディルドウ。その幹は白く泡立ったラブ・ジュースで濡れ光っている。

  大きくエラの張った嵩でシーの中を擦り上げる。

  「そ、そこっ・・・・・・・・・・弱いの・・・・・・・知ってる癖にぃ・・・・・・意地悪ぅ・・・・」

  以前からの、無数の睦み合いで教えられた性感帯。

  彼女自身の指に導かれてシーの内側に潜り込んだ指が伝えてくる感触。

  天井側にある粒々の部分を数回擦り上げるだけでシーは呆気なくオルガを迎えてしまった。

  今、その部分をディルドウで抉り、掻き毟る。

  「ひぃッ・・・・・・あっ、あっ、ああっ、ああああっ!!」

  歓喜、あるいは悦楽の余りか、泣きながら喘ぎ声を上げてしまうシー。

  「ここはどう?」

  二人の結合部分の当たりに指を這わせるメル。探し物はすぐに見つかった。

  肥大したクリトリス。鞘を脱ぎ捨てて硬く尖ったシーの花芯。痛みすら感じるほどに勃起した性感帯を指で捏ねる。

  「ひいっ?やっ、止めてェッ・・・・・ああっ・・・・・・はふっ・・・・・くぅンッ・・・・・・」

  二本の指で挟み込んで、擦り上げて、しごき立てる。内側と外側、両面から責め立てられて躯を蕩かされるシー。あらゆる間接から力が抜けて、まるで軟体動物のようにその場に崩れ落ちてしまいそうになる自分をなんとか奮い立たせる。

  シーの弱点を知り尽くしたメルの巧みな愛撫。

  シーは絶頂への螺旋階段を駆け登らされる自分を感じていた。

  高まる内圧が躯の内側で弾けそうになってしまう。

  「も、もう少しっ、もう少しでっ・・・・・・」

  達してしまいそうになるシーをはぐらかすかのように動きを止めるメル。

  「・・・・・・?・・・・・・・おっ、お願いっ、メル・・・・・・・動いて・・・・・・」

  冷ややかな視線でシーを見下ろすメル。

  「・・・・・・・・・自分で動かすのよ、シー」

  「・・・・・・・メルの・・・・・いっ・・・・・意地悪ぅ・・・・・・」

  そう言いながらも・・・・・・・・・・・・・・自分から腰を動かして自らの蜜壷を抉り立てるシー。

  グチョッ・・・・・ズチュッ・・・・・・・ヌチョッ・・・・・・・

  「シー・・・・・・・・私のオチンチンでオナニーしてるのね?・・・・・・・・卑らしいわ・・・」

  「・・・・・・いやっ・・・・・・言わないでェ・・・・・・あっ・・・・・ああっ・・・・・メル、お願いっ・・・・・・・・一人じゃ・・・・・寂しいのっ・・・・・・嫌なの・・・・・・だから・・・・・・一緒に・・・・」

  「私がいいって言うまでイッちゃ駄目よ?」

  「う、うんっ・・・・・言う事聞くからぁ・・・・・だから・・・・一緒にっ・・・・・」

  「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

  無言でシーの懇願に応えを返すメル。その腰がゆっくりと動き出す。

  「あっ・・・・・メルの、メルのが・・・・・・熱い・・・・・」

  感じる筈の無い熱さを感じてしまうシー。

  「私もっ・・・・・シーのヴァギナ・・・・・・・・ヌルヌルして・・・・やわらかくて・・・・・・暖かくオチンチンを締め付けてくるのが・・・・・・・・」

  メルもディルドウから伝わってくる筈の無いシーの膣内を感じ取る。無機質のペニスバンドを通じて繋がり合う二人。

  躯だけではない、心と心の奥深くまでもが互いを求め合い、与え合い、繋がり合う。

  「メルッ!お願いっ、も、もう駄目なのっ!いっちゃいそうなのっ!!」

  「シー!一緒にっ、一緒に・・・・・・一緒に・・・・・」

  シーの背中が弓形に反り返る。その肌に浮かんだ珠のような汗が弾ける。その長い髪の毛が左右に激しく揺れる。

  その指先を恋人の柔尻に跡が付くほどに深々と食い込ませて引き寄せるメル。

  そして。

  結合がより一層深まったその瞬間。

  二人は高みに上り詰める。

  「シー!!」

  「メ、メルゥッ!!」

  メルは股間の奥で何かが弾けたのを感じた。

  「出、出るゥ!出ちゃうのッ!!!」

  ペニスバンドの隙間から愛液が飛び散る。射精のように吹き上げるラブジュース。その愛蜜がシーがソファの上に零した粘液の水溜まりへと流れ込み、混ざり合う。

  絶頂に達した余韻の中で、糸の切れたマリオネットのように倒れ込むシー。

  擬似的な放出で恋人の躯を征服した満足感に浸るメルも恋人の後を追うように折り重なる。

  「ハアッ・・・・ハア・・・・・・ハッ・・・・・・ハアアアア・・・・」

  二人の背中が激しく上下して、口から洩れるせわしない息遣いがハーモニーを奏でていた・・・

 

  夜の帳は二人の逢瀬を知ってか知らずか、更に深まって行く・・・

  いつもの巴里の夜だった。

 

  続く

 



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