壱:体育倉庫にて処女喪失
「まったく、なんだってあたしひとりで後片付けなんか……」
体育倉庫の中で、一人ぼやきながら部活で使った器具を片づけている少女がいた。
陸上部で鍛えられているしなやかな肢体が魅力的な、ポニーテールの美少女。彼女が、一人で後片付けをしているのは、最近陸上部ではやっているゲームの罰ゲームである。
「もうみんな、帰っちゃったかな」
面倒くさい後片付けを誰かに押しつけて、さっさと帰れる。勝っているときは良かったが、負けてみると実にうっとうしい。
もう2度と負けまいと決意を固める美雪が、ふと背後に人の気配を感じたのと背後から抱きつくように押し倒されたのは同時だった。
少し埃っぽい感じがする体育倉庫の空気も、彼女とふたりきりだと思うと実に甘く心地よいものに感じられる。
美雪の無防備な後姿を観察しながら隙を伺いつつも、興奮と緊張で口の中が、ひりつくように乾いてしかたがない。
器材を片づける為に、美雪が前かがみになる。まるで誘うかのように突き出された尻が目の前で揺れる。その魅惑的な光景は、もともと彼女を襲うために潜んでいた彼のか細い理性の糸を断ち切るには十分な威力があった。
隠れていた器具の隙間から一瞬で飛び出し、美雪に背後から抱きつく。
腕の中に、やわらかな少女の肉体を感じたのもつかの間。勢いあまって、そのままもつれるようにふたりして倒れこむ。
「な、なに? 誰!?」
うろたえた美雪が、叫びながら腕の中で暴れる。
「暴れるんじゃねえ。静かにしろ」
陸にあげられた魚のように暴れる美雪を無理やり押さえつけ、押し殺した声で告げる。
「暴れるに決まってるでしょ! 離してよ。離しなさいよ!」
美雪が動きを止めたのもつかの間。彼女は、怒鳴りつつも彼から逃れようとじたばたしだした。
当然といえば、当然の反応に彼は舌打ちをする。そして、彼女のみぞおちに一発。
それだけで美雪は気を失った。
「へへ。やっとだ」
ぐったりとなった美雪をマットに横たえ、彼は唇をなめた。
服の上から、その形と感触を確かめるように胸を揉む。まだまだ発育途上とはいえ、女としての魅力をかもし出すには十分に育った双丘は、柔らかく心地よい感触を指先に伝えた。
「さてと……」
胸元から手を離すと、彼は美雪の服を脱がして下着姿にする。
美雪らしいといえばらしい、スポーツタイプのショーツとブラに色気が乏しいと思いつつも、シャッターを切る。
「まずは1枚」
彼が幾度かシャッターを切ると、彼の足元には裸になった美雪がいた。
窓から差し込む光にきらきらと埃が煌くなか、静かに横たわる彼女の姿は幻想的とも言えたが、彼にとっては蹂躙すべき獲物にすぎなかった。
胸を包み込むようにして揉みながら、首筋を味わうように舐めあげる。そのまま、唇を離さずに鎖骨を通り胸の肉丘まで舌を這わす。
右の頂きを指で挟み込むようにして揉みながら、左の頂きを吸い上げるようにしゃぶる。与えられる刺激に、口の中で張り詰めるように感触とともに大きくなる。
乳首が立ったことに満足すると、彼の興味は美雪の下半身に移った。
大股開きに脚を開いて、彼女の下の口を観察する。
刺激に反応してか、多少ほころんではいるもののひそやかなたたずまいを見せるそこは、男を受け入れる準備ができているとは言いがたかった。
反応が鈍いのはテクが未熟なのか、意識がないせいか。
「思ったほど濡れてないな」
指で淫唇を押し開き、サーモピンクの肉洞を観察する。媚粘膜の連なる肉襞の奥。差し込んだ指先が障害を探り当てる。
「うれしいよ。やっぱり処女だったか」
後は味わうだけ。
淫唇に口付け、肉の真珠を鼻先でこすりながら、処女の肉壷を舌で舐めしゃぶる。
襞を舌先で開くようにしては味わい、唾液を流し込んではすすり上げる。刺激を与えるほどに蜜はこぼれだし、媚肉は女の匂いを撒き散らす。
気がつけば、意識が無いはずの美雪が甘い声をあげ、熱い吐息を漏らしていた。太ももは刺激をねだるように、彼の顔を挟み込み、淫唇はだらだらとよだれをたらしながら、ぱっくりと口を開いていた。
「これで、準備OKだ」
気がついたときのために美雪を後ろ手に縛ると、最後の仕上げとばかりに、自分の男根に特性の媚薬ローションを塗りつける。
しなやかな太ももを抱え上げ、蜜をあふれさせている肉の花園に照準を定めると彼はいっきに貫いた。
ふわふわと、まるで雲の上にでもいるような浮遊感。
胸元から、太股の付け根から。水面(みなも)に広がる波紋のように、甘美な痺れが全身に広がっていく。
愛しい人に愛撫されているような心地よい感触。
もっと触って欲しい。
もっと気持ち良くなりたい。
体の深奥。子宮のあたりにともった火が、全身をとろかすようにほてらす。
だが、永遠にも続くかと思えた官能を不意に襲った激痛が吹き払う。
「いやあぁぁぁ──っ!」
甘美な夢の後の残酷な現実。
「お目覚めかい?」
美雪は犯されていた。
体育用具室で、無理矢理に。
目の前で荒い息を吐く男が腰を振るたびに、胎内を灼熱の感覚が疾る。
「いやあぁぁっ! 離してっ!」
必死でもがいても、力ずくで押さえつけられた。むしろ、暴れるほどに男を喜ばせるだけだった。
「そんなに嫌がるなよ。あんなに喜んでたくせに」
でなきゃ、こんなに濡れるものかと、男は股間からすくいだした液体を美雪の顔になすりつける。
恥辱と怒りに頬を染め、睨みつけてもひるむどころか男は歪んだ笑みを浮かべるだけであった。
その笑みの意味を知るのに、そんなに時間はいらなかった。
男の手が肌をまさぐるたびに肌は熱を持ち、胎内を一突きされるごとに官能の火が燃え盛る。
若い女の肉体が与えられる刺激に反応して、本人の意志を無視して快楽を紡ぎあげる。
「気持ちがいいだろ。きゅうきゅう締めつけるぜ」
粘着質の笑みを浮かべて男が問う。
「あっ……は…。そ、そんなことない…わよ…」
反論の言葉も、自分で分かるほどに説得力がなかった。
意志と裏腹に、刺激を求めて男を締め上げているのが分かっていた。男にえぐられるたびに覚えるものは、痛みではなく快楽だった。
体の奥からあふれる欲望の滴りは、男が腰を打ちつけるたびに粘着質の水音が耳に届くほどであった。
「初めてなのに、こんなに感じるなんて美雪は淫乱だな」
男が耳元でささやいた恥辱を煽るセリフも、怒りに火をともすことなく背徳の悦びに火をつけた。
「あたしは……淫乱…じゃない……んっ」
こんなに感じるのは、あたしが淫乱だから?
「じゃあ、無理矢理犯られて悦ぶ変態だ」
「ち、違うぅぅ……あっ、はん。いやぁ……」
あたしは変態じゃない。
だったら、どうしてこんなに感じてるの?
あたしは淫乱じゃない。
だったら、どうしてこんなところで犯されて悦んでるの?
無理矢理与えられる快楽に、思考が混乱していく。
一突きされるごとに官能のスパークが走り、考える事が難しくなっていく。もはや感じるのは、股間から伝わる肉の悦びだけ。
男から与えられる刺激すべてが、絶頂へといざなっていく。
「ほら、いきたいんだろう。いくって言えよ」
あがらう意志は無かった。
「イクッ…イクぅぅっ……」
快感に真っ白に染まった意識のなかで、自分の女の部分がつきこまれた男を絞り上げているのを感じていた。
美雪の子宮に欲望を吐き出しながら、男が感じていたのは征服感にも似た達成感だった。
媚薬の力を借りたとはいえ、快楽に屈服させいかせたのだ。
いまだに、ひくひくと締めつけてくる媚肉から男根を引きぬくと、だらしなく開いた淫唇がよだれのように白濁液をこぼす。
もう少し遊んでいきたいが、あまり時間を食うのも問題だ。手早く、撤退の準備をしながら美雪を見やる。
マットの上にぐったりと横たわったその姿には、普段の活発な印象のかけらも無い。愛液でべったりとした股間からは、逆流した精液があふれていた。
再び挑みかかりたくなるのを押さえて、彼は体育倉庫を出ていった。
どうせ、これからいつでも抱く事が出きるのだから。
弐:写真で脅迫
それはラブレターのふりをした脅迫状だった。
レイプされた記憶。無理矢理に与えられた快感のままに、もだえ、あえぎ絶頂に導かれた記憶。
重苦しい気分のままに、登校した美雪が最初に見たものはそれであった。
簡潔な文章で時間と場所を指定しているだけのそれは、本気である事を示すかのように写真を1枚同封していた。
行かなければどうなるのか、書いてない事が逆に不安を掻き立てる。
「どうしたの美雪、なんか元気無いけど?」
「え、なんでもない。ただ、ちょっと寝不足なだけだから」
クラスメートの問いに、笑顔を作って答える。
寝不足なのは事実であったから、彼女は疑うことなくうなずいた。
「そうなんだ。ちゃんと寝ないと。陸上部なんて、体が資本でしょう」
そして、取り止めの無い会話に戻っていく。
そんな彼女との間に、何か壁があるように美雪は感じていた。
自分はもはや、彼女のように無邪気に笑えない。強姦されたという記憶がすべてに影を落としていた。
ありふれた日常の風景が、どこか遠い場所の光景のようだった。
そして……
美雪は体育倉庫にいた。
窓から差し込む光にきらきらと埃が光る。その光に、マットの上のしみが照らし出されていた。
ここで犯されたんだ……
自然とその時の記憶がよみがえる。
背後から押し倒され、処女を奪われた記憶。
望まぬものとはいえ、あまりの快楽に絶頂に押しやられた記憶。
その記憶の思いをはせたとき、美雪は体の奥から蜜がこぼれ出すのを感じた。
(……やだ!)
快感の記憶を意識から追いやろうとするほどに、それは鮮明なものとなり股間を濡らす。
不意に体育倉庫に人が入ってきたのはその時だった。
後ろ手に扉を閉めながら鍵をかけるとその男子生徒は、にやりと笑った。
「来ないかと思っていたよ」
「来るに決まっているでしょ。写真を返して!」
「変な事を言うなぁ。あの写真は俺のものだ。返してといわれる理由はない」
怒りに満ちた美雪の声に、そいつは悪意に満ちた笑顔で答えた。
「が、気持ちはわからんでもない。というわけで交換条件といこう」
「交換条件て何よ」
「犯らせろ。1発犯らせるごとに、1枚返そう」
悔しさに唇を噛み締めながら、美雪は男を睨みつけた。
睨みつけながら、自分には選択の余地が無い事が分かっていた。
「まずは手付けだ」
男が手を伸ばしてくる。
制服の上から体をまさぐる手が、ショーツに潜り込んだとき男が耳元でささやいた。
「こいつは驚いた。こんなに濡らして、何を期待していたんだ? この淫乱」
「それはっ……!」
美雪の言葉をさえぎるように、目の前に粘液をまとった指が突き出される。
「これが淫乱でなくてなんというんだい?」
嘲笑混じりにその指を唇に押しつけてくる。
自分の女の匂いが鼻につく。
「既に準備はいいようだな。そこの跳び箱に手をついて、こっちにケツを向けろ」
屈辱と敗北感にまみれたまま、美雪は言われたとおりにした。
美雪が意外と素直に従ったのを見て男はほくそえんだ。
もう少してこずるかと思っていたのだが。なによりも、既に濡らしていたのが意外だった。
この調子だと、案外簡単に調教できるかもしれない。
スカートをまくりあげ、ショーツをひきずりおろしながら胸を躍らせる。
ショーツと秘唇の間に糸を引くほどに濡れているのを確認したときは、その予感は確信に変わっていた。
ぱっくりと口を開いたそこは、あふれるほどに発情した牝の匂いを漂わせていた。
熱くぬめる媚肉に指を差し込み、愛液をかき出すようにかき回すと面白いように指を締めつける。
「おいおい、そんなにがっつくなよ」
セリフとともに、肉真珠を指で押しつぶすようにもむと、美雪は短い悲鳴を上げながら背筋を反らした。
ひとしきり美雪のそこをほぐすと自分の肉棒を取り出し、特性ローションを見えないように塗りつける。
そのまま、尻たぶを押し開くと美雪の牝肉にずぷりと一気に押し込んだ。
「ひゃあぅぅっ!」
跳び箱にしがみついたまま、美雪がおとがいを反らして喘ぐ。
「よっぽど欲しかったみたいだな。すんげえ締め付けだぜ」
「そ、そんなことないぃぃ」
「よがりながら言っても、説得力無いんだよ」
実際、美雪のそこは逃さぬとばかりに男の肉棒に絡み付いていた。突き上げるたびに奥から汁をあふれさせ、うねうねと締めつける。
喘ぎ声を必死で噛み殺す美雪の耳元に、胸を揉みしだきながらささやく。
「気持ちいいんだろう? 素直にいいと言ってみろ」
「いい…いいの!」
ためらいがあったのもつかの間。乳首をひねるとすぐさま声に出して喘ぎだした。
薄暗い倉庫の中。淫猥な水音と美雪の喘ぎ声が響く。
その喘ぎ声が、絶頂に向かう寸前。不意に、男が動きを止める。
「なに……?」
美雪が上気した顔を男に向ける。
男は答えずに、にやりと笑うと再び挿送を開始する。
美雪を絶頂の寸前まで追いやっては、その寸前で止める。そんな事を何度か繰り返す。
「……どうして?」
潤んだ瞳で尋ねる美雪に、逆に訊く。
「いきたいか? 俺の奴隷になると誓うならいかしてやる」
たずねながら、じらすように亀頭で淫裂をなぶる。
永遠にも思えた一瞬の後、美雪はうなずいた。
「誓う。誓うから、いかせてぇ!」
「誓いますだろう?」
肉真珠をいじりながら耳元でささやく。
「美雪は俺のなんだ?」
「ど…奴隷です。美雪は……美雪は御主人様の奴隷ですぅっ!」
「はははは! よくいった。ごほうびだ!」
叫ぶような美雪の誓約とともに、男は美雪を荒々しく貪る。
「いいっ! いいのぉ。いく、いくぅう!」
男の精液が胎内にほとばしるのと、美雪がいったのは同時だった。
「ほら、御主人様のモノをきれいにしないか」
ほうけた表情でぐったりとしている美雪の口元に、男女の淫液にまみれた肉棒を突きつける。
虚ろな表情のまま美雪がそれを口にしたとき、男は調教の成功を確信した。
参:堕ちゆく美雪
あれから美雪は、暇さえあれば男に呼び出され、犯されていた。
屋上で、トイレで、人気の無い教室で。場所を選ぶことなく、時を選ぶ事も無く。
犯されるたびに隷従の誓いを口にさせられ、欲望のはけ口として使われる。そんな毎日が続いていた。
犯されるたびに、隷従の誓いを口にするごとに美雪は、自分の中からプライドと反抗心が薄れていくのを感じていた。
「あたしは……飯島美雪は、御主人様の奴隷です」
人気の無い校舎裏。その言葉を口にする事にもうなんの抵抗も感じなかった。
与えられるであろう快楽に対する期待で、口にするだけで股間を濡らすようになっていた。
「ちゃんと着けていたろうな? 見せてみろよ」
男の言葉に、スカートをめくりあげる。
牝肉を包んでいるはずのショーツは無く、代わりにバイブがうねくりながら淫裂に突き刺さっていた。
「どうだ、1日中バイブを突っ込んでいた気分は。そうとう良かったみたいだな」
自らの分泌物で太股までべとべとになった股間。その中心に刺さったバイブを乱暴に抽送しながらの問いに、美雪は切なげな息を吐いて答える。
「はい。よかったです」
「よし、言いつけを守ったご褒美だ」
バイブを抜き去ると同時に、乱暴に美雪の胎内に押し入る。
「はぁん。いい、いいです。ご主人様ぁ!」
媚薬に頼る必要も無いほどに、美雪は堕ちていた。
パンパンと肉打つ音がするほどに乱暴に突き入れる。美雪は自分から腰を振り、男の腰に脚を絡めてより深く肉の槍を迎え入れようとする。
「しってるか? お前の親友の愛とか言ったか? 様子が変だと心配してたぞ」
髪を振り乱しもだえる美雪の耳元で、男は悪魔の誘惑を口にする。
「お前がスケベな奴隷だと知られたら困るよなぁ。嫌われたくないよなぁ」
だが、あいつも奴隷にすればそんな心配は無い。
快感の渦に翻弄され、まともな思考ができないままに美雪はうなずていた。
美雪が処女を失った体育倉庫。
そこで美雪は制服を脱ぐ。制服の下から現れたのは、柔肌を拘束するボンデージ。股間には、牝の部分をなぶる淫具が鈍い音を立てている。
男の股間にひざまずき、自分を慰めながら肉茎に舌をはわす。
びちゃぴちゃと音を立てながら、たったひとりの観客に見せつけるようにして熱心に男に奉仕する。
親友と思い、思われていた観客に。
視界の隅に映るその観客の表情は、驚愕だった。
見てはならないもの。信じる事ができないもの。そういったものを見た人間の表情だった。
男に胎内をかき回され、獣のような歓喜の声を上げたときには、彼女の言葉は意味をなさないBGMと化していた。
快楽に白く染まった意識のなかで、美雪がぼんやりと考えていたのは、御主人様にどれだけご褒美がもらえるかという事だった。
親友の裏切り。その親友が、目の前で単なる性奴隷として扱われると言う事実。
それらのショックに、半ば麻痺した精神。その精神状態で、一晩かけて犯しぬかれ、調教を受けた結果。
「御主人様ぁ……」
「美雪ばっかずるい。わたしにもください」
男の股間にむさぼるようにして、すがりつくふたりの奴隷の姿があった。
─終─
主人公? の男の名前を決めずに書き出して、最後まで名前を出さずに書き上げてから、こういうのもアリかと思ってそのままにしました。
なおこれは、『虚ろな瞳』(http://homepage2.nifty.com/uturo_h/index.html)の願望DBに刺激を受けて書きました。