ぬむるす花王巡礼旅行記



(3日目)
5月27日
Flo:lunda Kulturhus (Go:teborg)


 会場は階段状の座席がある小ホールで、500人くらい居たのではないだろうか、ほぼSold Outだったらしい。Go:teborgの街中でも思ったが、若いメタルキッズの姿がチラホラ。まもなく前座のFlying Food Circusが始まった。

Flying Food Circus

Hasse Bが携帯電話を取り出し、「○○の番号にかけろ」(<推定)というと、彼が持つ電話が鳴り出した。そのあと「みんな着メロを鳴らせ」とでも言ったのか、何人もの観客が自分のケータイを取りだし、自分の着メロを鳴らし出した。この妙な不協和音な電子音でステージが幕を開けた。
 基本的にHasse Bruniussonのソロアルバム「Flying Food Circus」から"A Belated prologue"を除いたもの。曲によっては短くなっているもの、切れ目なくアレンジされているものがあるので正確なセットリストとは言えないが一応。
1.The instrument for a Good Dressage
2.The Different King of Goodness
3.Erfarenheit Von panopticon
4.Pot on teh head & Oranges under the Arm
5.Collect Relapses
6.Le Tambour deVille
7.The Man Without Qualities
8.Sleighride to Ettal
9.The Nord Reel
10.A Clown's Opinion

メンバーは以下。
Hasse Bruniusson: Drums, Percussion and Electronic
Bobo: Guitar
Erik Lidholm: Keyboards
Ha^kan Almqvist: Bass Sitar

 Ha^kanとHasseはEnsemble Nimbusを一緒にやっているが、他のメンバーについては良く知らない。ファンクラブサイトFlower Powerの告知では「ギタリストに注目!」と書かれていた。なるほど、柔らかいトーンから今時の早弾きまで難なくこなすテクニシャンのようだ。ただキーボーディストとの息がイマイチ噛み合わない部分があったのが気になった。
 Ha^kanのベースは着実に底辺を支えるタイプ。フレーズによって指弾きとピック弾きを使い分けていた。それにしてもあの銀色のジャケットは(汗)?そしてHasse Bの生ドラムは、キレも適度な重さもあってかっこよかったなぁ。聴こえる場面は少なかったけど、スネアのロールを絡めてリズムを崩していくやり方はお馴染みのプレイ。このバンドでは殆どドラムキットの中に座り、ドラムパッドに色々なパーカッションやホイッスルの音を仕込んでいたようだ。
 途中"The Man Without Qualities"ではHa^kanがシタールで長めのソロを取った。この人はインドまで行って修行してきちゃった人なので、なかなか興味深い演奏が聴けた。途中観客にヨーデルを歌わせたりもしたが、全体としては淡々とした印象だった。大体50分くらいの演奏時間。

○○○

 休憩時間。ステージ上手側はビールを買う長蛇の列。下手ではマーチャンダイズコーナー。ステージ上には自分たちの機材を準備するTFKのメンバーが見える。あ〜Hasse Fro:bergだぁ、写真で見るより可愛いな〜。などと考えながらボーッと眺めていたところ、やよいさんに促されて声をかけに行くことに。あの、えーと、その、間近で顔を見たら幽体離脱してしまいそう。(<バカ)なんとか冷静に「Nice to meet you」と握手することができた。私は彼に何度か手紙を出したことがあり、そのおかげでSpellboundのレアな写真をゲットできたのだが、まさかスウェーデンまで観に来る脳天気なファンだとは思わなかったのだろう、ビックリした様子だった。遠くから観ると顔の凹凸にしか見えなかったが、Hasse FもTomasのように唇の下にひげを生やしていた。

○○○

 15分ほどの休憩の後、今回のコンサートを主催するGo:teborg Artrock Society(以下GAS)によるクジ引きがあることが告知された。一本いくらなのか分からなかったが、何人か観客でも参加した人が居た様子。
 会場が暗転し、GASの副総裁、Danielさんの「スウェーデンのProgressive Rock Capital、UppsalaのバンドThe Flower Kings!」という紹介で演奏が始まった。


The Flower Kings

セットリストはこちら。(4日共通)
1. Last Minute on Earth
2. The Truth Will Set You Free
3. There Is More to This World
4. Train to Nowhere
5. Ghost of the Red Cloud (Western調)
(4と5はアコースティック)
6. The Hero from Cloud City / Church of Your Heart
7. I Am the Sun
Encore: Stardust We Are Part 3

 メンバーの立ち位置はこんな感じ(他の公演もほぼ同じ)

  Zoltan 
  Jonas    ○     Daniel
 ○            ○ 
Hasse B Hasse F  Roine  Tomas
○     ○     ○     ○

 小さいステージにパーカッションやキーボードが乱立しているので、左端の私の席からJonasとZoltanがあまり見えなかった。

 "Last Minute on Earth"が始まった瞬間、もう来日の頃とは違うバンドだと感じた。勿論メンバーも替わって、パーカッションも多くて、5年も経っているのだから変わっていて当然なんだけれど。5年前はまだ「Roineのバンド」だったと思う。でも今観ているバンドはRoineをリーダーとする、すべてのメンバーがステージを作り上げていくバンドなのだ。その結束力が、パワフルな音になって私の耳を打つ。そしてHasse Fの一声。まっすぐに伸びる歌声。曲作りでは影が薄く、その上Danielという強烈な才能を持ったメンバーが新加入して、彼の存在がますます薄くなってしまうのではないかと心配したのだが、とんでもなかった。ライブにおいては彼は立派なバンドの顔だ。彼の派手なアクションがバンドのボルテージを引き上げていくように見えた。タンバリンを振る姿もかっこい−−−!!
 ギターソロからキーボードソロへと引き継ぐ辺りのパートもテンションが高く、リズム隊だってボトムを支えるだけではない華麗な技の連続に、息つく暇もない。CDやDVDで聴くよりドラムの音に重みがあって嬉しくなった。Hasse F、Daniel、Roineのコーラスハーモニーは完璧。先程はほぼドラムに専念していたHasse Bのエキセントリックなパーカッションセットも目を惹く。最近のアルバムでは引っ込み気味だったRoineのギターも力強い音色が前面に出ていて、コレこそ私が聴きたかったRoineのギターだと心の中でガッツポーズ。
 途中Tomasのキーボードの音の立ち上がりがおかしかったり、Hasse Fのアコースティックギターが鳴らなくなるハプニングがあっても、柔軟に楽器を持ち替えて対応していた。

 Roineはゴキゲンなのかスウェーデン語MCをべらべらと喋り倒す。それにHasse Bがつっこみを入れる感じで、終始和やかな雰囲気。2曲目"The Truth Will Set You Free"の途中では、ゴキゲンを通り越して酔っぱらってるんじゃないかというRoineの奇行が見られた(平泳ぎの手かきをしながらステージを漂っていた。彼の目の前には赤ワインが)。Hasse Bがステージ中央に出てきて、観客に静かにするよう「シー」というジェスチャーをした。そのまま「僕が『Yes』と言ったらみんな『シー』って言って」などというと、Go:teborgの観客もノリや良くて「シー」と言って返す。それにRoineもつぶやきで参加。そのままSamlaを思わせるようなへんてこなインプロが始まってしまった。Jonasは誰かの飲みかけの瓶を手にとって「ボー」っと鳴らしてるし、気が付けばHasse BとZoltanがパーカッションキットの陰で手を組んで踊ってるし・・・・こ、こんなバンドでしたっけ?(汗)この時呆然と固まっていたHasse Fの姿が忘れられない。

 呆然ついでに思い出した。GASのDanielさん(写真右)が何かのタイミングでステージに飛び入りし、Roineに絡んでからHasse Bの方へすごい勢いで駆け寄り、すごい音を立ててスッ転んだ(爆)。お、面白すぎるよ。ライブ終了後に機材の陰で、本当に痛そうに腕をさすりながらうずくまるDanielさんを目撃してしまい、思わず「大丈夫?」と声をかけてしまった。

 で、で、でもね、普通に演奏しているパートでは普通に感動してたんですよ。曲の山場の作り方が絶妙なんだなぁ〜。"The Truth..."のサビ、"We will fight / fire with fire"ではHasse Fと一緒に腕を振り上げて盛り上がっていたワタクシ。懐かしシンフォではない、新しいTFKの音世界を身体全体で聴ける興奮が抑えられない。

 "There Is More to This World"陽気な演奏に続き、"Train to Nowhere"、"Ghost of the Red Cloud"の2曲では、Roineもアコースティックギターに持ち替え、椅子を出してきた。この間、GASによるくじ引きが行われた。Roineに当選クジを選んでもらい(写真左) 、当選者にはイラストを贈呈するという物だったが、当選の申告者は居なかった。ウーン企画倒れ?
 しっとりとしたアレンジの"Train to Nowhere"に、Western調アレンジが斬新な"Ghost of the Red Cloud"、特に後者はオリジナルとは違う味が出ていて面白かった。個人的には原曲より好き。

 聞き覚えのないSEが流れる中、Hasse Bがステージ中央に出てきてウッドブロックや木の棒、布団叩き(!)を派手に叩いたり、床にたたきつけて鬼気迫るパフォーマンスを見せた。そのままRoineのロングトーンから"The Hero from Cloud City"に。Tomasの3rdソロ「Sonic Boulevard」に収録されている曲で、原曲はJJ Marsh (Glenn Hughes, HTP, Spellbound)がギターを弾いている。TFKでは、リードはRoineだけど、Spellbound仲間のHasse Fがギターを弾いているのが何だか面白い(<私だけ)。このまま一曲やるのかと思ったら"Church of Your Heart"の中間部に変わるメドレー仕立てだった。この曲での、Hasse Fの堂々とした歌唱が大好きな私には嬉しい驚き。何て憎いメドレーをこしらえてくれるのか。

 "I Am the Sun"でヘヴィで荘厳な雰囲気に変わる。前半はハードなギターリフに思わず首を振ってしまう。後半のキーボードパートは本当にドリーミーで心地よく、このままずっと音に身を委ねていたくなる。

 アンコールは"Stardust We Are pt3"。Hasse Fはギターを持たずにマイクスタンドの前に立ち、大きなジェスチャーを交えながらこの名曲を歌い上げていく。この曲のおかげで私はTFKの虜になり、Hasse Fを追いかけることになった。再びこの曲をライブで聴くことが、ささやかながらここ数年の私の夢で、実現した今、泣くかと思ったけど涙は出なかった。多分、嬉しいんだ。Roineのギターがメインテーマを弾いてエンディングを迎えるが、本当に彼のトーンは素晴らしい。

 2度目のアンコールに、Hasse BとZoltanの打楽器だけのインプロが披露された。これは昨日のOsbyにはなかったらしく、ノリがいいGo:teborgのファンへの特別なプレゼントだったのかもしれない。

 この日は「嬉しくて楽しくてヘン」が個人的なキーワード。こんなライブがあと2回も見れるなんて幸せだ。

○○○

 メンバーにサインを貰いながら挨拶した時の印象。
Tomas Bodin--
話し方はスローテンポだけど、お話好き。目がとても印象的だ。いつもファン達とつるんでいる。引取り手がなかったクジ引きのイラストを持って、「君が日本のファンクラブに持っていくといいよ」と勧められたが、間近で見たら大変ビミョ〜なイラストだったのでお断りした(汗)。
Roine Stolt--
眼鏡をかけて表情が見えにくいせいか、一見何を考えているか分からない飄々とした感じ。やよいさんいわく、この日はとてもゴキゲンだったらしい。サインを貰った後「Tack sa^ mycket」(どうもありがとう)とやよいさんが言うと「その言葉は便利な言葉だよねぇ。嫌な話を早く切り上げたいときにも使えるんだ」だって。この時も手元に赤ワインがあったな・・・。
Zoltan Cso:rsz--
今まで写真で見た感じでは「若さが足りないなぁ」と非常に失礼な印象を持っていたのだが、実物は単に濃い顔の男の子(<その言い方もどうなんだ)で、喋ると幼い感じがする。以前から「どうして彼のドラムキットにはスネアが二つあるんだろう?」と疑問を持っていたので訊いてみた。音の高さが違うスネアを用意していて、曲によって叩き分けているそうだ。今回のツアーではスネア一つだったと思う。
Daniel Gildenlo:w--
髭をキレイにそり落としていたので童顔に見える。肌がきれいだ〜。Pain of Salvationでのミステリアスな雰囲気は微塵もなく、気前よさげな兄ちゃん。「旦那のShibuがPOSの大ファンです。日本に来て欲しいと言っていた」と言うとDanielも「前回(1997年にプロモーションで来日している)はTokyoしか行ってないから、ぜひ行きたいんだ」だそうで。呼び屋さんどうですか!?
Hasse Bruniusson--
話し方も動作も非常にゆっくりで、つかみどころがない感じ。「Samlaが大好きで、アルバム全部持ってますよー」と言うと「FFCは好き?」と聞き返されてしまう。勿論好きですが・・・まだ色々わだかまりがあるんだろうか、と裏を読んでしまいそう。その後やよいさんが布団叩きについて質問すると「これは子供の躾のための道具なんだ。日本では何を使うの?」と不思議な会話になっていた。日本では・・・ホウキ?

 機材を片づけるHasse Fの髪が濡れていて「もうシャワーを浴びたのか、素早いなぁ」と思っていたら「アンコールが終わって、シャワーを浴びていたら、ドラムの音が聞こえてきたので焦ったよ」だそうで。けっこうマイペースっすね(^_^;)。そんな彼のギターケースには「SOLID BLUE H. FROBERG」とペイントされていた。いいんです、楽しいのは私だけで。ステージではHasse B、Zoltan、Danielが一緒に鼻歌を歌いながら楽器を片づけていた。みんなとても仲が良さそうだった。

Go:teborg Live Photo>>>



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