お前は一生、俺の側で笑ってろ
ただそれでだけでいいんだよ。
ハルジオン
病院の木が赤や黄色に染まりトンボが飛び始める。
もう・・・・・・・・秋か。
「早いね、1年。」
俺が腰を降ろしているベッドに横たわっているが
側の窓を静かに見た。
「そうだな」
「この前まで、セミが煩かったのに。」
クスリと俺の方を向いて笑うと、はまた窓の外を見つめる。
「ねぇ、みんな元気にしてる?大会、負けちゃったからってしょげてない?」
は、俺たちテニス部のマネージャーで俺の彼女。
小さいときから病気がちらしく、今まで何度も入退院を繰り返して来たがこれまで長い入院は初めてらしい。
は去年の秋からずっと入院していて学校にも来ていなければ勿論部活にも出ていない。
夏の大会のときは「最後の大会なのに・・・」と、とても悔しそうにしていた。
「アーン?それくらいで凹むような連中じゃねぇだろ?」
「だよね〜。よかった。ねぇ、久しぶりに会いたい。明日、皆でお見舞い来てもらっちゃだめかな?」
「さぁな。・・・急に言っても誰もこれねぇんじゃねぇの?」
俺がそう言うと、は「そうか・・・」と苦笑いして俯き、ハァ・・・と重い溜息をついた。
「最期に・・・・・・もう一回だけでいいから皆に会いたかったな。」
・・・・・・・・・・最期?
「アーン?退院したら何時でも会えんだろ?」
「ダメなの」
「・・・・・どういう事だ?」
「退院、出来ないかもしれないや」
そう言って、冷静に窓の外を眺めた。
お前・・・・・・・・今、自分で何言ってんのかわかってんのか?
「ゴメンね。景吾には、心配するから黙ってようって思ってたんだけど。明日、私手術受けるの。」
俺の顔は見ずに、窓の方を見たまま話している。
「・・・スッゴク難しい手術でね、成功率はよくて50パーセントなんだって。」
なぁ。
。
ちゃんと、俺の顔見ろよ。
なんでこっち見ねぇんだよ。
「失敗したら・・・・・死んじゃうんだって、私。」
そう言って、は自分の手のひらをボーッと見つめた。
俺の体内は、熱い何かがこみ上げてくる。
「バカ野郎!なんでもっと早く俺に言わねぇんだ!!!」
「言ったら景吾心配するじゃない!イヤだもん!私、景吾の困った顔なんて見たくない!!」
涙ぐんだ声で言ったあいつの目は、切なく、悲しい目をしていた。
生きる希望を失ったその目は、まるで光を失ったかのようだった。
「言わねぇ方が心配するだろうが!」
「だって・・・・・・・最期くらい、笑顔で・・・笑ってお別れしたいんだもん!!!もっといっぱい・・・
いっぱい景吾と2人で一緒に過ごしたかった!!」
とうとう堪えていた涙が、の目から零れ落ちてそう言った。
ガタン
俺の座っていた椅子の倒れる音がする。
「・・・・・・・け・・・ご・・・・・?」
「最期なんていうんじゃねぇよ、バーカ」
自分でもわからねぇ。
ただ単に、気がついたら、俺はとっさにあいつを抱きしめていた。
「はじめっから死ぬ気なのかよ?お前は。」
昔から全然変わってねぇ、マイナス思考。
「けぇ・・・・・・・」
「まだやってもねぇのに、死ぬなんていうんじゃねぇよ。まぁ、死にたいんなら別だけどな。」
俺がそういった瞬間、ぶわっと、一気に俺の制服が濡れそぼる。
「ぅゎぁぁぁ・・・・景吾ぉ!!やだよぉー!!!私、死にたくない!!!!」
まるで、小さい子供のようには声を上げて泣いた。
「ふぇ・・・・・死にたくない・・・っ・・・・よぉ・・・・・ぅく・・・・・・け・・・・ぇ・・・ごぉ!!」
俺の腕の中で泣きだす何度も何度も俺の名前を呼ぶ。
「生きろ。」
「景・・・・」
「生きろ、。そうすればまた、二人で過ごせるじゃねぇか」
俺が言ってやれるのはこれ位だ。
お前の一大事なのに、俺はなんて無力なんだろうな。
世の中、金さえあればと思っていたが、こればかりは本当にどうにもならない。
「生きろ、。」
生きてまた俺と二人で過ごせよ。
「行きたいところがあるなら、どこへでもつれてってやる。部活なんて、もうどうでもいい。
映画館も遊園地も買い物も・・・・・・・みんな俺が好きなだけ連れてってやるから、生きろ。」
より強く、を抱きしめた。
俺の側を離れてしまわないように。
強く
強く
抱きしめた。
「一生、生きて俺の側に居ると誓え。じゃねぇと別れる」
「勿論。私一生、景吾のそばを離れないから。」
「絶対、死ぬな。」
「うん。わかってるよ。」
もし死んだら俺自らの手で、もう一度お前をブッ殺す。
俺に殺されたくなかったら、生きろ。
「愛してる」
俺の腕の中で、は言った。
コメント
なんスかこれは?
なんなんですか?一体。
冬●ナに影響されて、それで・・・・・
純愛を書きたくて
書いたのはいいんだけど・・・・・・
純愛か?!コレ!!
また、こっ恥ずかしいものを書いてしまったな・・・・・・