「おい・・・・・・




「んぁ?何?んなデッカイ声出さなくても聞こえてるっての」




あたしは左手で、左耳を塞いだ。


えー、だって走ってる最中に宍戸が耳元でおっきい声出すんだもん。



そして宍戸はその場でピタリと止まり、あたしがつかんでいた腕を自分の方に引いた。






「・・・・・・・・・・何だよ、宍戸?」



「テニスコートはあっちだ!お前が向かってるのは校舎!」






宍戸は、今まで走って来た方向を指差した。



・・・・・・・・・てことは、逆方向?



あーあ、やっちまった・・・・・・・・・・・・・・・・・






「あ・・・・・はははは・・・・・・・」



「お前、方向音痴?」



「うん。カナリの」



「いくらなんでも重傷すぎだぜ?」



「あは・・・・・あはははは」






もう笑って誤魔化すしかない・・・・・・・・



どーにかならないモンかねぇ、この極度の方向音痴。







「ったく、笑ってる場合じゃねぇだろ?戻るぞ」




「へーい」























■□■□




























「なぁ、ジローってどんな奴?」



「あー・・・そうだな。いっつも寝てて髪は金髪で・・・・・・羊?



「羊って、何?てかその表現マジウケる・・・・!!もしかして狙った?」



「バッ、ちげーよ!・・・・・・・お前も見たらわかる。」



「あー、ハイハイ。楽しみにしてるよ」





あー・・・・・・お腹痛い!!


羊って何?ジローって奴人間じゃないの?


まさか・・・・・・・・人獣?


宇宙から来た羊人間とか?(←なんでそうなる)



NA●Aに売り飛ばしたらいくら貰えっかなー?(←やめて下さい)





「てか、寝てるって・・・・・どこで寝てんだ?屋上?」



あたしは、コートをキョロキョロと見渡したが金髪で寝てる奴なんてどこにも居なかった。




「さぁな。・・・・・あいついっつも違う場所で寝てるかんなー・・・・・・・・・」



「げぇー!キリねぇじゃん。探してたら日が暮れる・・・・・」



「案外近くで寝てたりしてな」



「あり得るねぇ、例えばこの木の上とか」




軽い気持ちで、あたしは側にあったその木をドスッと蹴ると



木の上からドサッと何かが落ちてきた。




「うわっ!何?」






「Zzzzz・・・・・・zZZzzzzz」





人じゃん・・・・・・・・つーか、寝てる(呆)



起きろよ・・・・起きようよ!



あんな高いところから落ちたのに痛くないわけ?





「コイツがジローだ。・・・ったく、今日は木の上かよ」




「ていうかさー、痛くないの?」



「さぁな。・・・おい、ジロー!起きろ!!」




宍戸はしゃがみ込んで、落ちてきたジローを揺すり起こした。





「・・ん・・・・・・・・・・ふわぁ・・・・・・・・・・・・・・宍戸?・・と・・・誰?」




宍戸に起こされ、ジローは目をこすりながらダルそうに起き上がった。




「んぁ?あたし?・・新しいレギュラー専用マネ、3-5の不良編入生。(←ヤケクソ)



「あー・・・・・・・・・って、あの?!!」




あたしが名乗ったとたん、パッとこいつの目が見開いた。




つーか、何で不良編入生ってだけであたしの名前わかったんだよ?!!!!


あたしは不良じゃ無いし!!!!





「そ。あたしが回し蹴り喰らいたくなかったらさっさと練習に行け



「噂よりずっと本人のが可愛EーCー!!」



「オイ、きーてんのか?って、
のわ!





ゴスッ!






気がついたときにはジローの脇腹に右ストレートをかましていた。


だって、いきなり抱きついてきたあいつが悪いんだし?



思わずを思い浮かべたから体が反射的に・・・・・・!!



あ!じゃあこれは立派な正当防衛だ、うん。(←多分違います)






「痛E〜!酷E〜!・・・ていうか本気パンチだったCー(泣)」



「バカ言え!いくらあたしでも素人相手に本気は出さないし。」




「(おいおいおい大丈夫なのかジロー・・・スッゲェ音したぞ・・・!!!つーか、の本気はあれ以上なのかよ・・・・・・!!!)」












宍戸亮、には逆らわない(つーか逆らえねぇ)と誓った記念的瞬間。








「ホラ、練習行け!」



「ちぇー・・・」




ジローは渋々コートに向かった。










「なぁ、テニス部ってこんなんばっかなのか?!」



「いや・・・・・少なくともあいつら以外は全員まともだぜ。(←何気に酷)



「いくらなんでも変人が多すぎるだろ・・・・・・・
はぁ、あたしはこれからあんな奴らの世話をしなくちゃなんないのか・・・・・・・」






思わずその場に座り込んで、大きく溜息をついた。



だって、荷が重過ぎる。



変態ナンパ野郎に、セクハラ関西眼鏡エジプト産ピンク☆オカッパに、二重人格(←違います)の羊野郎




ヘンなヤツばっかじゃん・・・・・・・・・・・!!!!!



ダメだ・・・・・・・・・とても、仕事できる自信がナイ。








「あっ!危ない!避けて下さい!!!」



「んぁ?!
い゛っ!!!




背後からの声でハッと我に返ったが、時すでに遅し。


避けろと言われたのにも避けきれず、そのまま何かが後頭部に
がつーんミラクルヒット★



いったぁあああああ!!(泣)


マジ痛い!!!!マジ痛いってばぁ!!!




あたしはそのままバタッと前に倒れた。





!!!!!」



「すみません!!!大丈夫ですか・・・って遅かったみたいですね・・・・・・」



「長太郎・・・・お前多分殺されるぞ?



「は?どうしてですか?」




二人の会話が耳に入ってくる。


あたしは痛みを抱えながらも立ち上がった。






「っ・・・・イタタタタ・・・」





?!!」




「くそぉー!!よけきれなかった・・・・」




あたしは、スカートをパンパンと掃ってすっと立ち上がった。




「あのっ!スミマセンでした!!!」



「んぁ?何が?」




くるりと前を向くと、あたしに向かって頭を下げてる少年1人。




それにしても、背高いなぁ・・・・・・兄貴くらいあるから高校生?



・・・・え?!・・・・・二年じゃん?



・・・・・・最近の子は成長早いなぁ。(←お前も最近の子だ)




あたしは3年は許さないけど2年なら許す!(許すのかよ)


しかも、今までと違って正直に言って謝ってくれたからね。





「俺が責任持って病院連れて行きますんで!!」



「え?ちょっとちょっと!!あたしどこもおかしいトコなんてないから!!!」



「でも俺が後頭部にボールぶつけて・・・・・」



「あ、あれ?なら大丈夫だって!だってどこも怪我して無いし」



「いや、それおかしいだろ!」



「なんで?たかがボールが頭にぶつかっただけじゃん。それくらいで病院は大げさだと思うけど?」





お前がぶつかったのは時速200kmのスカッドサーブだーーーーーー!!!


と、宍戸は心の中で叫んでいた。




そんなのが頭にあたったら、常人はまず病院行きだよネ!






「本当に、すみませんでした!」



「いいよ、そんな謝らなくたって!もう大丈夫だから。」



「え・・・でも・・・」



「気にすんな長太郎。ホントに大丈夫みてぇだよ」



「そーそー。気にすんなって!・・・えーと・・・ちょた・・だっけ?」



「いえ、2年の鳳長太郎です(苦笑)」



「そっか。あたしは3年の。新しく来たレギュラー専用マネージャーだ。でいいよ」



「はい!よろしくお願いします!先輩。」





か・・・・・可愛い!!!!こんな弟欲しい!!!!!!


優しいし可愛いし爽やかだし!!!!





「じゃあ、頑張ってくださいね!」



「おう!長太郎もな!」




長太郎はニコリと笑って練習に戻っていった。




・・・・・よかった。宍戸以外に、1人でもまともなヤツがいて。








「じゃあジローも起こした事だし、俺はもう練習戻るからな」



「あ、うん。付いて来てくれてサンキュな」



、仕事サボんなよ?」



「大丈夫だっつに!ったく、少しはあたしを信用しろよ!」



「・・・・・・・なら良いけどよ。」





宍戸も、着替えるために部室に戻って行った。




さて、あたしはとりあえず洗濯を済まし・・・・・・・




















「そういえば・・・・部室に洗濯物置きっぱなしじゃん!!!宍戸ーーーーー!!!待ってーーーー!!!」






あたしは急いで宍戸の後を追いかけて行った。

















































































コメント

最強ヒロイン。年下がお好きなようです。
自分には兄しか居ないから弟、妹が欲しいそうな。
ていうか、やっと逆ハっぽくなってきた。
復活まであと少し!
頑張るぜーーーーーー!!


















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