先輩が好きなんです。
この気持ちはどうにもなりません。
俺では・・・・・・・・・
俺では、あなたに選ばれないのですか?
+ Beauty and the Beasts +番外編 ―たった一つの歳の差―
「俺って、先輩にとってどんな存在だと思います?」
「ん〜・・・それは本人に聞いた方がいいんじゃないの?」
「聞けたら苦労しませんよ!・・・先輩はどう思います?」
氷帝から歩いて5分のカフェテラスにはと鳳長太郎がいた。
なんでこの二人なのかって?
それは、長太郎がの親友(ヒロイン )に淡い恋心を抱いているからで
長太郎はに、その相談をしているから。
が、アイスコーヒーを飲んだ。
「う〜ん・・・・さしずめ可愛い弟ってトコロかしら?」
「やっぱり、そう思いますか?」
ハァ・・・・とがっかりした溜息をついて落ち込み下を向く鳳少年。
は気遣ってあわてて付け足す。
「いいんじゃないの?に可愛がられてるんだから。」
「それじゃダメなんです!!1、2年は皆先輩に可愛がられてますから。」
後輩思いで、面倒見がいい姉貴肌の先輩は
男には勿論ダントツで人気があって、女からも慕われてる。
美人で、勝気で、肝っ玉が大きくて、運動は勿論、勉強もよく出来る。
言葉使いが悪くて、ちょっと暴力的(オイ)で超意地っ張りで頑固だけど
本当は照れ屋で優しい先輩。
そんなところも全部ひっくるめて、先輩が好きなんです。
「難しいんじゃない?・・・ならこの際、男らしくはっきり好きって言ってみたらどうかしら?」
「・・・それもダメでした」
「え・・言ったの?何時?」
「この前、ボールの片づけしてたらたまたま2人きりになったんで言ってみたんですよ・・・」
「したら?」
「『何を今更・・・あたしも長太郎の事好きだけど?』って言ってくれたのはいいんですが・・・側を通りかかった日吉にまで
『勿論、ピヨシも好きー!』って・・・・・・・」
「あはは・・・・・・とってもらしいわ・・・・・・」
呆れて苦笑いをする。
「俺は、弟なんてポジションはイヤなんです」
「したら景達みたいに嫌われちゃうよ?って子供は好きでも極度の男嫌いだし」
それは十分、わかってます。
跡部先輩達みたく、嫌われたって構いません。
とにかく、俺は可愛い『弟』じゃなくて一人の『男』として見られたい。
嫌われてるのは、一人の男として見られているから。
ある意味、先輩達が羨ましいんです。
俺がもし、3年だったら先輩はちゃんと俺を男としてみてくれますか?
俺がもう1年早く生まれていれば、先輩の隣に立てたかもしれない。
けど、この1歳の差はどうやったって埋まらないから。
俺に誕生日が来れば、先輩にだって誕生日は来る。
たった1年。
たった365日。
これでも、俺は先輩にとって可愛い弟なんですか?
子供扱いですか?
先輩は俺の事を男としては見てくれないんですか?
俺では、先輩に選んではもらえないのでしょうか・・・・?
「でもね、鳳君。私は、恋愛に歳の差なんて関係ないと思うな。好きなんだからそれでいいじゃない。
恋愛は自由なの。・・・・たとえ、到底叶わない恋だろうが諦めずに努力すれば、いつかは報われるものなのよ。」
「・・・・・・先輩」
「って、ぜーんぶ雑誌の受け売りなんだけどね。」
「やっぱり・・・・・・・・」
「さて、私からのアドバイスはこれでお終い。コーヒー、ご馳走様。後は、自分で頑張ってみる事ね。」
そう言って、はカフェを後にした。
『・・・・たとえ、到底叶わない恋だろうが諦めずに努力すれば、いつかは報われるものなのよ。』
さっきの、先輩の言葉が脳裏に焼きつく。
そうだ。
年下だろうが俺にもチャンスはあるんだから
頑張れば、先輩に選んでもらえるかもしれない。
年下ってポジション活かせば先輩たちよりある意味有利なんだし。
「・・・・・・・・もう少し、頑張ってみようかな」
俺は必ず、先輩に選ばれてみせます。
明日からはちゃんと俺の事を男として見ていて下さいね?
コメント
はい、ヒロインでてこねぇ!!!!
ちなみにバンプのセイリングデイを聞きながら書きました。(←関係ナイ)
いや、長太郎のヒロインへの想いを書きたくてね・・・・
いやなんとも奇妙な話になってしまった・・・・・
世にも奇妙な物語だな。
最後も終わり方へンだしね。