第七幕

夏侯淵、秋の猛攻に押され
また夏侯惇、房事の前哨戦に臨む

*****

「……妙才おじ様……秋をどうか、どこへもやらないで……ずっとお傍にいさせて」
「分かってる。どこにもやりゃしねえよ」
「ありがと……」

抱き付いてくる秋の小さな肩を抱いてやる。
ああ畜生可愛らしいなぁとその温もりを暢気に愛でていた夏侯淵だったが、
突如予期せぬ出来事が起こった。

(!! まずい……!!)

ずっとご無沙汰だった所に、年頃の娘の匂いと温もりを直に感じているものだから
股間の金剛九天断がまともに反応している。
こいつはやばいと腰を引こうとしたが、秋がしっかり抱きついているのでそれもかなわない。
さらに致命的な事に、腕の中にいる秋本人が程なくしてそれに気づいてしまった。

「おじ様……?えっと……これって……」

さっきの房中術の教本に書かれていた事を思い出したらしく、赤面する秋。
(うわぁ俺かっこ悪りぃ!!こんな時に何やってんだ!!)
秋に対してものすごく申し訳ない気分になったが、自分を責めた所で一向に股間は鎮まらない。

「済まねえ、秋……俺もう寝るわ」
「あ、ま、待っておじ様!!」

夏侯淵は秋の手を離そうとしたが、秋は一層強くしがみついてくる。

「その……男の人は、誰かを好きだって思うと、こうなるんでしょう?
おじ様は……私の事を好きで、こうなってるの?」
「……………………ぉぅ………」

秋のあまりにもひたむきな瞳に、嘘はつけないと覚悟した夏侯淵は
図体に似合わぬ、消え入りそうなほどの声でやっと答えた。

「じゃあ、私の事を好きなようにしてちょうだい!
一度だけでもいいの……おじ様になら、何をされたって……私……」
「駄目だ。出来ねえよ」

その言葉に秋は俯いたが、大きな手に頬を掬われ顔を上げられた。
視線の先に、夏侯淵の照れたような笑顔があった。

「たった一度だけなんて、そんな事とても出来ねえ」

やがて意味を理解した秋の頬が染まる。
夏侯淵は早く早くと催促する秋の手をとり、寝室に連れて行った。

*****

伊珠のしなやかな腕が夏侯惇の背に絡み、夏侯惇の方も一層強く伊珠を抱きすくめる。
始めは触れるだけだった口付けは徐々に深いものになり、二人はお互いの唇を貪りあった。
長い口付けが終わっても熱は冷めず、むしろ高まる一方だった。

「はぁっ……ぁ……」
「伊珠……」

子供にするように頭を撫でられ、伊珠は心地よさに目を閉じた。
真っ直ぐな黒髪が夏侯惇の指の間をすり抜けていった。

「本当に……俺でいいのか?」

訊くと、伊珠は恥ずかしそうに一度だけ頷いた。夏侯惇の手がぎこちなく女官衣の帯を解いていく。
お慕いしておりますと何度でも言いたいのに、伊珠は胸が一杯で何も言えずただされるがままになっていた。
やがて帯が牀の下にはらりと落ち、無骨な手が袂の中に忍び込んできた。
直に肌に触れられて伊珠は一瞬身を硬くしたが、肩をすくめたせいで上衣が両肩から滑り落ちてしまった。

「あ……!」

上等の桃のようなたわわな胸がこぼれ、腰から腿にかけての艶かしい稜線があらわになる。
暗がりに浮かぶほど白くきめ細かい肌と青い衣との対比がひどく鮮やかだった。
その柔肌にもっと触れようと夏侯惇は手を滑らせたが、伊珠が慌てて身を引いたので叶わなかった。
今更逃げる奴があるかと言うと、伊珠は違います、と反駁した。

「元譲さまも脱いで下さらないといやです」

寸前でお預けを食らい、まったく細かい奴だ、とぼやきながらも結局言う通りに戦袍を脱いでいく。
どうせ遅かれ早かれ脱いでいたのだが、その様を伊珠が興味深そうに見ているので非常に居心地が悪い。
やがて全ての衣服を取り去ると、裸の背中にしっとりと柔らかな素肌が押し当てられた。
白い蛇のように胴に絡みついてくる細腕。
首筋に触れる髪からは清楚なくせにどこか悩ましい茉莉花の香がした。
蜜のような誘惑が耳元に囁かれる。

「たくさん可愛がって下さいませ、元譲さま」

このおねだりの台詞に夏侯惇の中で何かが振り切れた。
伊珠を強く抱き寄せて牀に組み敷き、耳飾が揺れる耳朶に低く囁き返した。

「ふん……覚悟していろ」

昔取った杵柄の房技を試す余裕もないかも知れない、と伊珠は思った。


第八幕

夏侯秋、固い蕾をほころばせ
また伊珠、一進一退の駆け引きに興じる

*****

天蓋から下がった幕に囲まれた牀の中、二人はさっきまでの空気が嘘のように騒いでいた。
房事の当然の成り行きとして、今は二人とも一糸纏わぬ姿であるが
お互いに衣服を脱いでいる途中で夏侯秋が初めて見る男性器に興味を示し、
これは何だのもっとよく見せてだのと言い出したのが甘い空気をぶち壊す騒ぎの原因であった。

「わぁー……これがおじ様の……」
「ばばば馬鹿野郎そんなにじろじろ見るな!恥ずかしいじゃねえか!!
後で好きなだけ拝ましてやるから、早いとこそこに寝ろ!」

更に、なんかずいぶん大きい…と思ったままを口に出す秋。
なんで俺の方が照れてるんだ、逆じゃねえかと思いながらも、顔から湯気が出そうになる夏侯淵であった。
そんなこんなで、やっと大人しく牀に横たわった秋の上に夏侯淵はそっと覆い被さった。

「おじ様……」
「ん、どうした? 怖くなったらいつでも言えよ」

こわくない、と秋は首を振った。
黒目がちの大きな瞳の中で不安と期待が揺れている。
敷布の上に投げ出された華奢な手足と相まって射止められた小鹿のようだった。
先ほどの口付けも、こんな風に異性に肌をさらすのも、何もかも初めてなのだ。
そう思うと目の前の少女が一層愛しくなり、夏侯淵はもう一度秋に口付けた。
瞼にも頬にも口付けると、秋はお髭がくすぐったいと身を捩って笑った。
戯れるように触れ合いながら、夏侯淵の大きな手が秋の胸に伸びる。
秋は心配そうに小声で訊ねた。

「あたしの胸って小さいかなあ……おじ様はもっと大きい方が好き?」
「や、そんなことねえけどよ、小さけりゃこれはこれで……」

決して大きくはない、娘らしい丸みの頂は初々しい色に染まっている。
そんな秋の胸は夏侯淵の掌にすっかり隠れてしまい、触れた所から鼓動を伝えてくる。
ゆっくりと掌で円を描くように愛撫すると、乳首がつんと勃ち上がったのが分かった。

「あ……」
「こうやって、揉んででかくしてやる楽しみもあるしな」
「あんっ……本当に……お、おっきくなるの……?」
「おう。でかくなるまで一杯可愛がってやるからなー」

それなら小っちゃくてもいいかな…と秋は思ったが、
感度を増した乳首を夏侯淵の指に捉えられ、思わず色めいた声を上げてしまう。
軽く摘ままれ、指の腹で擦り上げられて秋の声は一層甘いものになった。
恥ずかしいのと気持ちいいのとがない交ぜになった感覚にどうする事もできない。
夏侯淵のごつい指は非常に器用に動き、秋の体を徐々に開いていった。
やがて、ほっそりした脚の間にまで指が到達する。
まだ産毛のようなふんわりした薄い茂みの感触が心地良く、恥丘を何度も撫ぜてやった。
そのさらに奥まで指を忍ばせる。性器に直接触れられて秋はかすかに身を震わせた。

「やぁん……そこ、だめ……」
「だめじゃねえだろ? ほら、よく見せてみ」

脚を開かせて膝を立てさせ、誰にも見せた事のない部分を暴く。
他の部分と同じように小作りなそこは蜜で濡れ光っていたが、淫靡と言うよりもむしろ愛らしく思えた。
ちゃんと女の部分が出来上がってんだなー、と夏侯淵は感心する。

「おじ様……私のここ、おかしくない?」
「ん?どこもおかしな所なんてねえよ。ただちっと小せえかな」

淡い色をした襞をそっと捲り、未通の箇所を慣らそうとゆっくり指を挿入する。
一本だけだったが、太い指の侵入に秋は思わず悲鳴を上げた。

「ひゃああんっ!!」
「もうじき俺のが秋のここに入るんだから、ちょっとでも楽になるようにしとかねえとな」

わずかな抵抗はあったが、徐々に指を進めると秋が切なげな声を漏らした。
良し良しと円を描くように中を弄り回し、より滑らかになったそこにもう一本指を増やしてやる。
愛しい人の指で中を犯され、秋はたまらなくなって夏侯淵の肩に縋った。

「どんな感じだ……?秋」
「へ、変な感じなのっ……あっ、き、気持ちよくって、何か……」

頃合と判断したのか、秋の中から指が抜かれた。
自分の秘所に熱いものがあてがわれ、その感触にぴくりと震える。
秋が肘をついて上体を起こすと、夏侯淵の怒張が見えた。
指とは比べ物にならない太さのあんなものが、ここに収まるなどとても思えない。
でも、それでもきっと大丈夫。私はおじ様の事を信じるだけ。

「挿れるぞ?」

秋は頷いた。今更拒絶など、お互いできるはずもなかった。
それを合図に夏侯淵は秋の両脚を肩に抱え上げ、体をふたつに折るようにして侵入してきた。

*****

「あぁ……」

甘く、どこか哀切な色の吐息が閨に響く。
ずっと思い続けていた男と夜を共にする事への押さえ切れない期待が、伊珠の身を焦がす。
雪のようなうなじに口付けされ、よく張った乳房を掌で愛でられる。
夏侯惇の膝の上で、背後からの責めに悶える伊珠は最早いつもの平静さを失いかけていた。
自分を見失ってはいけない、この初めての感覚を何もかも覚えておきたいと思うのに
あまりに激しいお互いの熱情と、絶え間ない愛撫がそれを許さなかった。

「元譲さまぁ……もう、そんなに苛めないで下さい……」
「お前があまりいい声を出すからだ」

低い声で囁かれ、同時に乳首を軽くつねられる。
伊珠はもう何度目かも分からない甘い声を上げた。
良い所を一つ一つ探り出しながら、夏侯惇は伊珠を高めていく。
着やせするたちらしく、脱がせて見ると意外に豊満な伊珠の体はどこも柔らかく抱き心地がいい。
掌に吸い付くような柔肌はいつまでも触れていたいほどだった。
しっとりした白い肌に霧のような汗が滲み、艶を増す。

「元譲さまがこんなに意地悪だなんて、知りませんでしたわ……」
「ほう……俺がいつ意地悪をした?こんなことか?」

薄い耳朶に歯を立てられて甘噛みされ、伊珠は思わず声を上げた。

「あ、嫌ぁ……そこは……いけませんっ……」
「嫌だと?こんなに色めいた声を出しおって……愛い奴め」

伊珠の反応に気を良くした夏侯惇はさらにそこを責め続ける。
熱を持った耳朶を唇と舌で弄ばれ、何だか食べられているみたい…と伊珠は思った。
尻にすっかり勃ちあがったものを押し当てられているのを感じ、身震いする。
恐怖ではない。今でもこんなに心地良いのに、いざ本番となったらどうなってしまうのだろう?

「はぁんっ……お、おやめ下さい……」
「どうした」
「私も……元譲さまを良くして差し上げたいのです……」

夏侯惇は一旦手を休め、伊珠がするに任せてみた。
膝からは降りずに体の向きを変え、お互いが向き合う体勢になる。
伊珠は片手で夏侯惇の肩に掴まり、もう片手で張り詰めた幹にそっと触れた。
ぎっちりとした硬さを楽しみ、しなやかな指を絡ませるようにして扱き立てる。

「くっ……」
「ふふ……手に収まりませんわ」

巧みな指使いで煽られ、夏侯惇の顔から余裕が消える。
腹筋を叩くほど反り返り、硬さを増す男根を伊珠は愛しそうに見つめている。
途中で達してもおかしくなかったが、いくら弄ばれても一向に達しないどころか先走りすら出なかった。
伊珠め、これは一体何の技だ…と夏侯惇は思ったが、指摘する事もできないほど気持ちが良い。
名残惜しそうに手を離し、今まで弄っていたものを伊珠は膝で跨いだ。

「元譲さま、お好きなように」

そう言って挑発する。しかし伊珠は夏侯惇の意地っ張りな気質を見くびっていた。
腰を引き寄せられ、このまま貫かれると予想したがそれは裏切られた。
夏侯惇は手を回して豊満な尻を掴み、溢れそうに潤った秘所を後ろから指で探る。

「っあぁ!!……な、何を……」
「好きなようにしろと言ったのはお前だ」

すべすべした手触りの尻を堪能し、蜜にまみれた肉襞を指の腹でなぞり上げる。
伊珠は柳眉を寄せてよがったが、これではお互い生殺しだ。
この後に及んで意地を張る夏侯惇に呆れながらも、伊珠はあなたのものが欲しいと口に出した。
力強い両手でしっかりと支えられた腰が徐々に下ろされる。
やがて夏侯惇の猛った雄を、温かな肉が迎え入れた。

 

 

 

 

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