・甄姫と羽扇護衛武将 ほぼエロ絡みだけ
・曹丕×甄姫 惇×羽扇 前提
・旦那が留守中退屈を持て余した二人が道具使ってイチャイチャ

 

「お気をつけて」
「すぐ戻る」

伊珠は夏侯惇と最後に交わした言葉を思い出していた。
――元譲さまは今頃どうしていらっしゃるのかしら?
夏侯惇は伊珠を残し、遠征に出ていた。
此度の戦では別の物が護衛を務める事になり、伊珠は留守に回されたのだった。
いつもなら隣にいるはずの夏侯惇の姿が無い事は、伊珠が思う以上に寂しい事だった。
激しい戦の間は愛し合う事もできないが、それでもお互いが傍にいるだけで良かった。
あの温かい手に触れられたい、あの優しい眼に見つめられたいと何度思った事だろう。
一日や二日ならば耐えられたが、さすがに一月ともなると辛い。
たった一人の長い夜に寂しさばかりを持て余す日々が続いた。
甄姫からの誘いを受けたのはそんな時だった。

「待っていましたわ、伊珠」
「お久し振りです、甄姫様」

彼女の夫である曹丕も戦に出ており孤閨のはずだが、そんな様子は少しも見られない。
以前湯殿で会った時と変わらない美しさだ。
甄姫は伊珠を自室に誘い、庭園を見渡せる広い窓辺で二人で茶を喫した。
香り高い茶と珍しい菓子に会話も弾みしばらくした頃、甄姫が思い出したようにこう言った。

「そうそう、貴女に見せたいものがございましたの」

甄姫は紅い紐がかけられた香木の箱を持ち出してきて伊珠の目の前に置いた。
これは、と尋ねたが甄姫は悪戯っぽく笑うだけで答えない。

「開けて御覧なさい」
「宜しいのですか?」

伊珠は失礼して自ら紐を解き、木箱の蓋を開けた。

「まあ……これは」

紅い絹張りの箱の中には黒光りする双頭の張形が収められていた。
水牛の角が勃起した男根の形に削り出され、滑らかな表面には螺旋状の浮き彫りが施されている。
出所は分からないが、手練の職人の手によるものだという見当はついた。

「驚きまして?」
「ええ……」
「いつ使おうかと思っていたのですけど、今日やっと『筆卸し』出来そうですわ」

二本の男根の根元が接合された形状のそれは、女同士で繋がるためのものらしい。
誘われた意図を察し、流石の伊珠も頬を赤らめる。
孤閨を寂しがっていたのは自分だけではないとはいえ、まさかこんな戯れに
誘われるとは思いもよらなかった。
これを見せたかったから秋を呼ばなかった、と甄姫は言った。

「あの子にはまだ早いかしらと思って……怖がって泣いてしまったらいけませんわ」
「どうでしょう、秋さまは割と好奇心が強い方ですから逆に面白がるかも」

二人の佳人は顔を見合わせてくすくす笑い、寝室へ足を向けた。


豪奢な寝室は甘く濃密な空気で満たされていた。
それは部屋に焚かれた香のせいか、それとも牀の上で睦み合う二人の女のせいか。
天蓋から下がる紗の幕に悩ましい影絵が揺らめき、時折囁き声や吐息が漏れる。
甄姫と伊珠は張形を相手に口淫の稽古をしていた。
長大なものを半ばまで咥え込み、苦しそうにする甄姫の手をとって伊珠が手本を見せる。
反対側の男根の先端に口付け、少しだけ舌を出して舐めてみると甘かった。
甄姫が戯れに張形に蜂蜜を垂らしたからだ。
そのまま、よく見えるように黄金色にぬめる幹に舌を這わせていく。
甄姫も伊珠に倣い、蜜を舐め取る様に唇を動かす。
それは彼女が笛を奏でる時の仕草によく似ていた。

「はぁっ……甄姫様、お上手……」
「んっ……伊珠こそ、いつも夏侯将軍にこんな事を……?」

甄姫の言葉に夏侯惇との房事を思い出し、伊珠は体を熱くした。
想像の中で張形を愛しい人のものに見立て、一層口淫に熱を入れる。
恐らく甄姫も同じように良人の事を考えているのだろう。
これが生身の男ならば、二人の美女の愛撫に果ててもおかしくなかったが
命を持たない張形は何の反応も示さなかった。
やがて蜂蜜をきれいに舐めきった頃、二人の体はもう充分に昂まっていた。
寝台に上がる際すでに衣服は脱ぎ捨てられ、剥き出しの肌を燭台の灯りが照らす。
向かい合って膝立ちになる体勢で、どちらが先に挿入するかを決めた。

「まず私から試しますわ……ゆっくりして頂戴、伊珠」

挿入しやすいように後ろに手をついて腰を突き出すと、秘められた箇所が伊珠の眼に晒された。
品良く手入れされた恥毛が覆う丘の下の、見るも淫靡な花園。
押し当てられた黒い張形との対比が艶かしく、伊珠は目を細めた。
蜂蜜の代わりに二人の唾液でぬるぬるになった張形がゆっくりと収まっていく。

「んんぅっ……! 硬いぃ……」

温かな血の通った肉とは違う無機質な硬さに甄姫は思わず声を上げた。
太い雁首が入り口を過ぎ、反り返った幹の螺旋彫刻が擦れていく。
傷つけないよう少しずつ張形を進める伊珠の気遣いさえも焦らすのと変わりなく、
細い背を反らして体をふるわせる。
やっと根元まで中に収めた時、甄姫は腰の重さに深く息をついた。

「ご立派ですわ、甄姫様の持ち物」

伊珠が言う通り、甄姫の腿の間からはもう一方の男根が突き出ていた。
あるはずのないものがそこにある非現実的な光景。
黒々とした凶悪な張形は白い裸身とは不釣合いで、言い表せないほどに淫靡だった。
伊珠は跪き、本当の男にするように美女から生えた男根に口付けた。
先端をぴちゃぴちゃと舐められ、張形が感じるわけはないのに
そのいやらしい眺めにどうしようもないほど甄姫の熱は煽られる。

「甄姫様……私にも……」

今度は伊珠の番だった。甄姫も腰に手を添え、助けてやる。
太いものが伊珠の中に沈み込んでいき、やがて亀頭が最奥を突いた。

「あぁぁっ……!」

片手に収まるような細腰に難なく張形を受け入れた伊珠は、初めての性具の感触に息をつめた。
甄姫のしなやかな腕が背中に回される。二人は膝立ちのまま抱き合った。
たわわな乳房や柔らかな腹がしっとり密着する。
二人の美女が張形で繋がっている様は、まるで一幅の艶画のようだった。
奥深くまで張形が収まっているため、ほとんど性器同士が触れ合うような状態で
腰と腰を擦り合わせるように動くと、相手にもそれが伝わり増幅されて自分に返ってくる。
伊珠は張形が抜ける寸前までゆっくり身を引き、深く息を吐いた。
愛蜜にまみれて黒光りする張形が、自分と甄姫を繋いでいる様に見とれて蕩けた瞳。
その光景だけで感じたのか、豊満な尻が切なく震えている。

「はうぅっ!」

甄姫が伊珠の桃尻を両手で掴み、一気に腰を引き寄せた。
いきなり奥まで深々と貫かれ、柳眉を寄せて高く鳴く伊珠の胎内が震えることで
甄姫の中でも張形がごりごりと擦れて粘膜を嬲る。

「っぁああん……!」

互いの華奢な体に縋り、無機質な張形の責めによがる。
どちらが抱かれているのか分からない、互いに貫き貫かれる倒錯した交合。
二人の思い人がこれを見たらどう思うだろうか?
乱れる美女達には最早それさえも興奮の呼び水にしかならない。
きつく抱き合う体の間で弾む乳房が押し合いへし合いしている。
どちらからともなく勃ち上がった乳首同士をくりくりと擦りつけ、更に快感を得ようとする。
女同士の戯れでしか味わえない悦びにますます二人の息も荒くなる。

「あっ、あ、やぁっ、もっとぉ……」
「い、いいっ……んぁぁんっ」

どちらが先に気をやるかを競うように腰を使う。
相手を激しく突き上げれば突き上げるだけ自分も張形に突かれるため
もしこの場に第三者がいたとすれば、それはなかなか見応えのある駆け引きだった。
美貌は薄紅に染まり、柔肌は汗に濡れて凄絶なまでに二人は絡み合う。

「んんっ……もう……だめぇ……!」
「堪え性がなくってよ、伊珠っ……あぁっ!?」

甄姫に何度も奥を突かれて腰が砕け、咥え込んだままその場にへたり込んでしまう。
伊珠の腰に引っ張られた張形が、ずるりと蜜の糸を引いて甄姫の胎内から勢い良く引き抜かれた。
その拍子に甄姫は期せずして絶頂を迎えてしまった。

「ぁはぁぁ……っ!!」

乳房を大きく揺らし、白い肢体を弓のように反らせて昇りつめる。
突き出された腰の奥の女の部分は、そこに無いものを締め付けようと切なげに震えていた。
目の前で甄姫が気をやった姿を見て伊珠も限界に達する。

「ぁ、んあぁぁっ……!!」

壊れてしまうほどの快感に全身を震わせ、伊珠は身も世も無くよがり鳴いた。
達した勢いで締め出され、抜けてしまった張形が絹の敷布の上に転がり落ちる。
絶頂感はなかなか引かず、やっと人心地ついてから二人は涙に濡れた眼で互いを見詰め合った。

「はぁっ……まさか、こんなにいいものとは思いませんでしたわ」
「んふ……曹丕様と、どちらが……?」
「貴女だって同じ答えでしょう? 伊珠……」

そのまま二人はもつれ合うように寝台に倒れた。
気だるさに酔いながら何も考えず互いの髪を撫で合う。
ついまどろみそうになる伊珠だったが、隣で甄姫が何やらごそごそしているのに気付き
怪訝に思って声をかけた。

「甄姫様? ……きゃあっ!」

猫のような身のこなしで甄姫が上に覆い被さってきた。
伊珠の体をころりと転がし、手際よくうつ伏せにさせる。
驚いた伊珠が振り向いて見てみると、微笑む甄姫の脚の間に先程の張形が反り返っていた。

「まだまだ時間はありますわ、たっぷり楽しむと致しましょう…… 覚悟なさい、伊珠……♪」

伊珠もそれに微笑み返し、甄姫に差し出すように桃尻を高く上げた。
期待に疼いて蜜が溢れ返る姫門を、太く硬質な張形が後ろから貫いていく。

「あぁぁぁっ……!」

精を吐き出せば終わる男のそれと違い、女の交合には終わりが無い。
まして二人の相手は生身ではない故にいつまでも逞しいままの張形。
快楽に飢えた女同士が一度で終わるはずもなく、二人は美しい蛇のように絡み合い交わり続けた。
この秘密の戯れは日が落ちるまで続き、その後も時折二人で寝室に篭る事があったという。

(終)

 

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