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早朝の凛と冷えた空気に頬を撫でられ、伊珠は甘い夢から覚めた。 しなやかな体を牀から起こし、乱れた髪を手で梳く。 隣を見ると、同衾している夏侯惇はまだ眠っていた。 (元譲さまったら、いくら遠慮しても腕枕してやるって聞かないで……) ゆうべの房事を思い出し、伊珠は思わず微笑んだ。 寝顔をじっくり観察し、ちょっとお髭が伸びていますわ、とか お休みの時はさすがにお顔が穏やかになるんですね、とか勝手な事を考える。 眼帯は外され、左目の傷跡があらわになっており これが戦場で彼に対する者ならば大層恐ろしく感じただろうが 恋い慕う伊珠にはそれさえも愛しく思え、そっと瞼を塞ぐ傷跡に口付けて囁いた。
「元譲さま、起きて下さいませ。元譲さま」
しかし朝の早い夏侯惇には珍しく、もう少し……と口の中で呟きまた寝入ってしまう。 お疲れなのかしら?と伊珠は首を傾げたが、いい事を思いつき 牀の傍らに置かれたままの愛用の羽扇を手に取った。 忍び笑いしながら羽扇の先を夏侯惇の喉仏に近付け、ふわふわと往復させてみる。
「うぅ……」 「起きて下さらないと、もっとくすぐってしまいますよ」
厚い胸板に柔らかな羽を滑らせ、腹筋の分かれ目をなぞるようにくすぐり続ける。 上掛けをそっと捲り、あら、こちらはもう起きられていますねと眼を細める。 朝勃ちした立派なそれにも羽扇で軽く触れ、根元から撫で上げた。 よせばいいのに、伊珠は煽るような動きで先端の窪みも羽根で悪戯する。 触れるか触れないかのもどかしい愛撫に震える剛直を伊珠は面白そうに眺める。 その時、夏侯惇の手が素早く伸びて伊珠の手首を掴み、強引に引き寄せた。
「きゃあ!!」 「やってくれたな、伊珠よ」
羽扇を取り上げた夏侯惇は口の端だけでにやりと笑い、伊珠を牀に転がして 動けないよう両手を頭上にまとめて押さえつけた。 夜着の前を肌蹴させると、張りのあるたわわな乳房がぷりんと零れた。 雪のような柔肌のそこかしこに昨晩の口付けの跡が残っている。
「あ、元譲さま、何をっ」 「知れたことよ、寝込みを襲うような悪い女子には仕置きをせんとな」
人の悪い笑みを浮かべたまま、夏侯惇は伊珠の羽扇を手元で翻す。 剥き出しの乳房に柔らかな羽根が触れ、ぴくりと体が震える。 冷えた外気に触れ、つんと勃った乳首を羽根の先で弄られ伊珠は声を上げた。
「ああっ!!」 「ほう、これは楽しめそうだな」
夏侯惇の隻眼に嗜虐的な光を見て、伊珠は震えた。 しかしそれは恐れではなく、これから行われる甘美な責めへの期待からだった。 私はこんなに好色だったのかしら……と伊珠が恥じる間もなく夏侯惇は本格的に責めてきた。 首筋や臍も羽扇でさわさわとくすぐられ、思わず腰が浮いてしまう。 脚を広げられて内股も撫で上げられ、堪らず柳腰をくねらせる。 敏感な所をくまなく刺激するやり方に伊珠は見る見る高められていった。
「ああんっ……元譲さま、もう……お許し下さい……」
羽扇で全身をくすぐり回され、伊珠の白皙の肌は快感と羞恥に赤らみ汗が滲む。 恥丘から割れ目にかけても何度も撫で回されてはいたが、一番触れて欲しい所には 羽根は決して届かず、もどかしさに腰を揺らした。 そんな伊珠を満足げに見下ろし、夏侯惇は言う事を聞けば許してやると囁いた。
「何でもいたします……」 「尻をこっちに向けて四つん這いになれ」
伊珠は恥らいながら言う通りに獣のような体勢をとった。 これは絶景だなと含み笑いされ、もっとよく見せ付けようと自分から腰を高く上げた。 高く上げた尻をぐいと割り開かれ、その奥を視線で犯されて頭の芯が灼けそうな羞恥を覚える。 豊満な尻の谷間に埋もれるような小さな窄まりを見つけ、夏侯惇はそれに興味を抱いた。 不浄の門であるはずの孔だが、随分と慎ましく可愛らしいものだと指を這わせてみると 伊珠がはっとした様子で首を振った。
「い、いけません……そっちは……!」 「分かっている。こっちが良いのだろう?」
その下に位置する女門の襞を指で広げるとたっぷり蜜が溢れてきた。 ぷっくりと勃った芯も擦ってやると、それだけで伊珠は軽く達してしまったように腰を震わせた。 夏侯惇の方も竿が腹につくほど硬く反り返り、もう我慢の限界とみえた。 後ろから一気に貫かれる感覚に伊珠が堪らず悲鳴を上げる。
「ひあぁっ……!!」 「ぬっ……おお、いい具合だな」
こんな、種付けされる雌のような格好で交わるのは初めてであったが 竿がいつもより奥まで届くようで、互いに抱き合っての交合とはまた違う感じがあった。 抜き差しされる度に肉棒に蜜が絡んで秘めやかな音を立てる。 後ろから挑まれる交合のあまりの良さに、伊珠は啜り泣きのような声を漏らした。
元譲さまは床でよく意地悪をするけれど、今朝はまた特別に意地悪だ。 羽扇で散々くすぐり回された挙句、今はこんな風に恥ずかしい格好で抱かれている。 でも、意地悪をされているのに気持ちよくてたまらない。 意地悪をする元譲さまが恋しくてたまらない。 私は一体どうなってしまったのだろう……?
「はぁん、あっ、元譲さまぁっ……!!」
伊珠は何度も繰り返される重く深い突き上げにただ翻弄されていた。 熱く逞しいものに良い所を擦り上げられ、自分からも腰を動かす。 牀に突っ伏して敷布を掴み、全身で夏侯惇を受け入れていた伊珠だったが 乳房を荒々しく揉みしだかれ、そそり勃った乳首を抓られ三点を同時に責められては敵わず 遂に気をやってしまった。
「あ、あっ、死んでしまいます……!!」
精を搾ろうとするように内の粘膜が収縮し、締め上げられて夏侯惇も達する。 胎内に迸る精を飲み干すように、伊珠は愛する男の子種を一番奥で受け止めた。
目を開けると心配そうに見下ろしている夏侯惇と視線が合った。 どうやら昇り詰めた直後に気絶していたようだ。 伊珠は自分を散々翻弄した男を軽く睨み付けた。
「元譲さまの意地悪」 「……悪かった」 「でも、たまになら宜しいですわ」
いつもの有能な護衛の顔に戻り、柔らかな微笑を浮かべる。 夏侯惇は伊珠を後ろから抱き締め、首筋に口付けた。伊珠も逞しい腕に身を任せる。 きっと、一緒に気持ちよくなるための意地悪だから許せるのだわ、と伊珠は思った。
「所で伊珠よ」 「何でしょう」 「どうだ、もう一度」 「いけません。書簡を片付けてからです」 「ぬう……」
夏侯惇としては、さっきの交合が多分に激しいものだったので今度は優しく抱き直そうとしたのだが 喜ばせたい当人の伊珠にあっさり却下されてしまった。 では夜に、と約束し何となく釈然としない気持ちで衣服に袖を通す夏侯惇だったが 伊珠は怜悧な貌の裏で胸を弾ませ、待ち遠しい夜に今から想いを馳せるのであった。
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