小さく零れる微かな吐息に、ウシワカは己の聴覚を最大限にまで高めていた。
「大丈夫だよアマテラス君。全部ミーに任せて」
組み敷いたアマテラスは純粋に己の行為に疑問を抱いているようで、安心させるように微笑を返す。
荒くなっていく己の息遣いに、こんなにも興奮しているなんてと心の中で笑いすら溢れるが、
それを顔に出す訳にはいかない。
ただ部屋の中には、アマテラスの小さな淫裂から発する濡れた音が響いていた…。
興奮のあまり震えそうな身体を叱咤し、ウシワカハアマテラスの長い髪に唇を寄せ、匂いを嗅ぐ。
手で彼女の太股の辺りを撫で回し、そのまま内股へと滑らして、それに呼応させるように唇も、髪から頬、首、鎖骨へと下ろしていく。
アマテラスの体は何処を触っても柔らかく、その感触がまたたまらない。
でも気になるのは細身の所為か、平均以下の幼い胸。
個人的には大きければ大きいにこした事はないという趣向の自分には、少し物足りない。
しかしそれはそれで、相手は愛しいアマテラスなのだから、自分で大きく育ててあげれば良いだけの事。
「それって最高。コレくらいだと揉みごたえあるもんね」
ウシワカの独り言に首を傾げ、アマテラスはじっとその目を見つめる。
独り言独り言ユーは気にしないで。何て、語尾に恋のマークがついているかのように、明るく言葉が返された。
(あーもう、本当に可愛いなアマテラス君は。食べちゃいたいよ…あ、もちろん今から食べちゃうんだけどさ)
幸せ過ぎて、顔の緩みを抑える事は止めたらしい。
舌を更に動かし、すべらかな腹部を通り過ぎる。
中心を指先で触れれば、そこは熱く湿っていて、ウシワカは益々興奮を高めていった。
手が秘所の襞に触れた瞬間、アマテラスの全身が硬直し、ウシワカの耳に微かな悲鳴が聞こえたが、
アマテラスはその手を抗う事も無く受け入れ、目を閉じた。
その行動の裏には、先のウシワカの言葉だけが有ったから。
「そうそう。何も怖くないからね…力を抜いて」
足をゆっくり大きく開かせれば、途端視界に入るアマテラスの蜜壷の入り口に、思わず感嘆の溜息が零れる。
顔を近付けて優しく小陰唇を捲り、左右に広げていけば、裂け目から愛液を纏った薄桃色の粘膜が顔を出す。
(綺麗な色…)
指を肉裂に添え、中指の先端を膣口の入り口に当てがい挿入していけば、
途端に口を歪ませたアマテラスは、押し寄せる異物感に身体を強張らせ、捩じらせる。
そんなアマテラスを愛しく思いながら、肉触を確かめるように付け根まで挿入したウシワカは、
指の腹で膣腔内部を擦り、溢れ出して来る蜜を掬う為に舌を這わした。
焦らすように最初は小刻みに、勿論その間も指を動かす事は怠らない。
触れてくる舌先の感触が、内部で暴れるウシワカの指が生み出す快楽に、
アマテラスの呼吸は乱れていき、肌がほんのりと紅くなっていた。
「気持ち良い?…我慢しなくてもいいよ…」
少しだけ顔を上げ、アマテラスの反応にウシワカは嬉しそうにそう囁いた。
「…ぅ…あ…っ」
固定されたアマテラスの手が、しがみつくように敷き布を掴んで、
覚束無い言葉が、胸の奥を擽る可愛らしい声が、ウシワカを益々興奮させていく。
またアマテラスをそういう状況に持っていっているのが自分だという事事態、ウシワカにはたまらなかったのだ。
やがて更なる刺激を求めてか、何時の間にか両脚で股間にあるウシワカの頭を、
グイグイと挟み込むアマテラスに答えるように、ウシワカの愛撫が激しさを増していく。
「んんぅっ……」
体を仰け反らせ、自然と体がビクビクと震える…、其れを感じてウシワカはそろそろ頃合だと、愛撫を一切止めた。
己の分身を見れば、既に真っ赤に充血した亀頭の先端からは、透明な液が分泌していて、
脈を打つ度に震え、早くアマテラスの中に入りたいと主張しているかのよう…。
アマテラスの表情を窺えば、何故止められたのかも分からず、持て余した熱に戸惑いを隠せないで居る。
「そんな顔しないでおくれベイビー…これからミーがパラダイスに連れて行ってあげるから」
アマテラスには意味が分からなかったが、ウシワカは勢いよく彼女の上に覆い被さる。
そして愛液溢れる膣口に己の分身の先端を合わせ、アマテラスの温かい内部に少しだけ挿入させた事を目で確認すると、
ウシワカはアマテラスの腰に手を添えて、また微笑み掛けた。
「アマテラス君…大好きだよ」
「ウシ…ワ、カ…」
微笑みに答えるように、アマテラスはにっこりと笑みを浮かべる。
予想外の事に顔に火が灯る思いを感じ、ウシワカは再び愛しい人の名を叫びながら、
欲望に任せ腰を前へと動かし…誰も踏み込んだ事の無いアマテラスの体の奥へと、その身を埋め込んで行っ……
* * *
「――ッ!!!!!!!」
目が覚めればそこは自室の布団の中。
部屋中の壁にはアマテラスの絵が貼り付けてあって、自分を見つめてくれている(気のせい)。
「ゆ…夢…ドリーム??」
辺りを見渡しても、勿論誰も居ないし、誰かが居た形跡すらない。
それで今までのアマテラスとの行為は、己の願望が見せた夢なのだと理解する。
「……………………………」
それにしてもリアルな夢だ…想像力豊かな己に拍手を送りたい気分だが、余りにもリアル過ぎて、激しく口惜しい。
あともう少しだったのに…あとほんの一押しで、己の全てがアマテラスの淫らな場所を支配出来たのに…
そう思うと…そう思うと………。
「ガッッ、テムッッ!!!」
枕元の手製アマテラスぬいぐるみ(もちろん獣型)を抱き締め、天に向かって叫んだ。
そして深い溜息を吐いてから、今度はアマテラスに奉仕して貰う夢を見る為に、ウシワカは再び布団の中に身体を埋めたのだった。
おわり。