カムイにも夏が来ようとしている。極寒の地であるカムイには短い夏だ。
日差しが熱を持って肌に突き刺さる感覚を感じたのは、鹿の面をした少女。カイポクだ。慣れない暑さのせいで、服が張りついて気持ち悪い。そう思い、湖で汗を流そうと、人気のない森を進んでいた。
「ん?・・・・あれは・・・・」
湖が見えてきたところで、先客がいるのが見えた。カイポクは内心がっかりしつつも、先客が誰なのか興味を持った。
「誰だ!」
突然振り向いた先客は、カイポクもよく知る人物だった。
「オキクルミじゃないか」
オキクルミ。アマテラスと共に双魔神を倒した英雄。今はいつも付けている面は外されているが。そのオキクルミがカイポクの姿を確認すると、振り向いていた態勢を元に戻す。
「おまえも入るのか。それなら俺は出る。」
湖から出ようとした瞬間。
「一緒に入ろうよ!」
空気が固まる。カイポクはさらりと言ってのけた。オキクルミは理解するのに時間がかかった。そして、
「何を馬鹿なことを言っているんだ!」
顔がみるみる赤くなるのを、オキクルミは感じた。カイポクにとっては、そんなオキクルミの表情を見るのは、新鮮であった。
「昔は一緒に入ったりしたじゃないのさ」
「いつの話しだ・・・・それに今は常識というものが・・・」話しているうちにカイポクは、いそいそと着物を脱いでいく。完全に動揺しているオキクルミは気付いていない。後ろを向いているので、なおさらだ。
「オキクルミ」
なんだ、と、オキクルミは振り返ってしまった。そこには仮面をはずした、全裸のカイポクが水に浸っていた。かろうじて、小さな手ぬぐいで前の部分が隠れている。
「------っ!」
見てはいけないと思いつつ、凝視するオキクルミ。少女の姿が美しく、目が離せない。
「冗談でなんか言ってないよ。オキクルミ。」
「なっ・・・何を言っているんだ!年頃の娘だぞ!」
カイポクの一言で我に返り、あわてて後ろに向き直す。胸が締め付けられる感覚に襲われる。
「・・・私いつも期待してたんだよ?」
背中に体温が感じられた。オキクルミの背にカイポクは身を寄せていた。
「・・・・何をだ」
「わかってるくせに・・・私に言わせるの?」
カイポクはオキクルミに抱きついた。広い背中は、男性を感じさせるものになっていた。
「カイポク・・・俺と共にいてくれるのか・・・?」
「・・・・・うん」
不器用な言葉に思わず笑みがこぼれる。
ふと、オキクルミはカイポクの方を振り向いた。そして、顎を持ち上げられる。オキクルミの顔が視界いっぱいになった時、カイポクはそっと目を閉じた。
唇と唇が触れたのがわかった。宙に浮くようなふわふわした、心地いい感覚に陥る。
触れるだけの接吻は、すぐに離れた。
「・・・」
お互いにまた引き付けられるように何度も口付ける。
「んっ・・・・はぁ・・・」
だんだん深い口付けになってくる。舌が絡み合う水音が、野外なのに響いているようで、二人をさらに興奮させる。
「ふっ・・・・はっ・・・ん」
カイポクはもう立っているのが限界にきていた。膝が笑っているのを、オキクルミは見逃さなかった。すると、
「は・・・・」
銀の糸が二人をつないだ時、カイポクは崩れた。
それを、オキクルミは素早く支えてやる。
「・・・・カイ・・・ポク」
耳元でささやかれた声は、いつものオキクルミの声と違う。この声も、表情も、見れるのは私だけなんだ。と、カイポクはいとしさが込み上げてきたのだった。
「ひぁっ・・・・・!」
突然の刺激。オキクルミはカイポクの乳房を愛撫していた。やわやわと、揉みしだきながら、頂きの果実を口に含むと、カイポクの体が跳ね上がった。
「いゃあ!・・・っん・・・・はぁっ・・・・!」
さらに蕾を甘噛みすると、弓なりに仰け反る。
「ひあああ・・・・・!」
オキクルミは秘部へ手を伸ばした。茂みを掻き分けていくと、水とは違うぬめりを感じた。
「・・あっ・・・オキクルミっ」
カイポクは水中で行なわれている行為が今までに体験したことのない世界にいるように感じた。秘部から流れ出た愛液が、水中と触れ合っている。
オキクルミはカイポクを後ろに向かせる。ちょうど抱え込むような態勢。カイポクはオキクルミにもたれかかる姿勢になった。そして、秘部へ指を挿入する。
「ぅあっ・・・あっ・・ん・・」
オキクルミの長い指が侵入する。愛液と水が膣の中でかき回される。
「あんっ・・・あっ・・・・ひあっ!!」
かき回していると、カイポクのスポットを捉えたようだ。再び当てようとオキクルミは、指を増やした。
「ここか?」
「あっ!・・・はっあ!・・・あぅ!」
執拗に責め続けながらも、もう一方の手では、胸を弄ぶ。頂きをひねったり、摘むなどと不規則な快楽をカイポクに与え続ける。
耳元では、舌が中を犯していた。うなじや肩口には、赤い花が散っている。
「あぁああぁっ・・・・・!」
カイポクは軽く昇天へ達した。
くたっと、オキクルミへ寄り掛かる。口からはだらしなく唾液が滴っていた。それを、オキクルミは舐めとる。
「カイポク・・・・」
生唾を飲む音が聞こえた。カイポクは正直恐かった。だが今更やめられるわけが無い。お互いの体はもう出来上がっている。
「恐いよ・・・・オキクルミ」
「・・・・俺に任せろ・・・」
低い強い声はカイポクの心を溶かしていった。オキクルミを信じ、静かに頷いた。
オキクルミはカイポクの片足を持ち上げる。そして、そそり立つ熱を押しつける。
「・・うわぁっ・・熱いっ・・!」
カイポクは冷えた下腹部へ当てられたそれの熱に緊張してしまう。オキクルミは宥めるように、ゆっくりとすり付けながら、緊張をほぐしていく。
「・・・入れるぞ」
え。と、言う前にカイポクの膣へ侵入を始めていた。そして、
「痛っ・・あっ・・!」
狭い中を押し広げて行く様に、カイポクは破瓜の激痛に襲われた。接合部からはわずかな赤いものが染み出ていた。オキクルミはそのまま一気に貫いた。
「痛ぅ!・・っ・・あぁ!」
「・・・・くっ」
すさまじい締め付けにオキクルミは達しそうになるのを必死で耐えた。吸い取ろうとしているかのように、中では、収縮を繰り返している。
カイポクは痛みと熱で息が荒くなっていた。どうにか耐えようと、しているところ、オキクルミによって唇を塞がれた。息が苦しい。涙があふれてくる。限界までためて離される。
繰り返しているうちに、落ち着きが戻ってきた。
「動くぞ・・・」
オキクルミは律動を開始した。ゆっくりと抜き差しを繰り返す。
「うっ・・ぁっ・・・」
まだ痛みが抜けないカイポクを気遣いながら、緩やかな動きを繰り出す。破瓜の血液がわずかな潤滑油になっていた。
「ふぁっ・・あんっ・・はっ・・」
カイポクは、吐息に熱が籠もり始めた。喘ぎにも艶が出てきている。青ざめていた顔も、赤みを増してきている。
オキクルミは動きを徐々に速めていく。
「あっ・・あっ・・はぁっ・・ん・・!」
自分の大きく喘ぐ声に恥ずかしさが込み上げるカイポクは、自らの手で口を押さえて堪えようとする。
しかし、オキクルミは許さなかった。
「もっと声を聞かせてくれ・・・・」
強弱を付けながら激しく責め立てる。そしてカイポクのスポットを確実に貫いていく。結合部から、卑猥な水音と、湖の波飛沫が飛びかう。
「いゃあっ・・あぁん・・!」
快楽が蓄積されていく。それは、確実に絶頂への階段を上っていく。
動きはさらに激しく淫らになる。水面が二人からの動きによって大きく波打っていた。
「あぁ!・・あんっ!・・はっあぅ!」
「っく・・カイポクっ・・!」
「はぁっ・・オキクルミ!・・・オキクルミ!」
オキクルミはカイポクの最奥を突き上げる。そして二人は絶頂へ達した。
オキクルミの熱く濃厚な白濁液が放たれ、カイポクは量と、熱の追い打ちによって、昇天した。
「ひあぁああぁあん!」
「・・・・大丈夫か?」
「はぁ・・うん・・・」
するとカイポクから新たな涙が流れだしていた。オキクルミはまだ痛むのかと心配になる。
「嬉し涙が・・・・でちゃったね・・・」
「嬉し涙・・・?」
「うん・・・一つになれて嬉しくなって・・・」
はにかむような笑顔を見たオキクルミは、この子を守りたい。そう強く思った。