タタリ場に飲まれ死の世界と化したアガタの森。その奥にある梟を象った遺跡に彼女は住み着いていた。  
密閉された空間は瘴気を溜め込み、忌々しい日の光など決して入ってくることは無い正に常闇。  
紫の毒水を湛えた腐臭と屍骸が累々とした寝所で彼女は行為に耽っていた。  
八本の腕を器用に動かし  
「んっ!あああ〜…」  
自らの体に滑らせ突き立て  
「ーもっと…もっとしてっああ!下さい」  
下腹部にあたるだろう黄色い花びらをいじり、目玉に囲われた中の芯をしごくと雌しべの蜜より禍々しい液体が  
手の平から溢れる。  
「はあっん…!我が主君よ…」  
指先で散々弄んだ後中芯をぎゅうと掴んで快楽を迎えた。もうこんな日々が大分経っていた。  
何時になったら我が主の封印は解かれるのだろう。早くお傍に戻りたい。  
オカマの天邪鬼なんかに寝取られてたまるものか。闇夜の復活は喜ばしい事だが焦らされるのは嫌いだ。  
そんな事を思いながらぐったりしたまま惚けているところを一匹の天邪鬼が報告に来た。  
 
「アン?何ダイ…人間ノ落シ物?」  
それは釣竿だったが彼女からしてみれば爪楊枝にしか見えなかった。というか爪楊枝だと思った。  
「アレ、ソレハ便利ソウダネ。コノ前喚イテイタ餓鬼ヲ喰ウ時ニデモ使ウト使用カネ」  
この前とは以前彼女が寝ていた時に、自分の縄張りに人間が入り込んだ事があったのだ。  
 
『ウワァ〜〜〜〜ン、梅太郎!父ちゃんの竿を無くしちゃったよ〜』  
『梅太郎〜そっちは危ないよ!』  
『怖い声がしたよぉ!うううう梅太郎〜!どこぉ〜〜〜ウワァ〜〜ン』  
 
思い出すだけでも不愉快な子供の声。今度アタシの縄張りに入ってきたら真っ先に喰い殺してやるわ。  
そう舌なめずりして血塗れのように真っ赤な口を引いた。………。  
どこかで犬の鳴き声がする。その鳴き声は徐々に自分の方へと向かっていった。  
「キャンキャン!」  
上の入り口から柴犬が降ってきた。ドテンと腹を地べたに着けてすぐさま体勢をたて直し  
女郎蜘蛛を見るなりぐるるるる…といきり立った。  
「喧嘩ヲ売ッテイルノカイ?馬鹿犬ダネェ、アンダイ…何ヲ見テ…」  
重たい体をもたげて威嚇しようとすると、柴犬はサッと体を走らせ一直線に女郎蜘蛛の腕の一本に体当たりをした。  
その瞬間、持っていた爪楊枝…釣竿をはっしと咥えてそのまま立ち去ろうとする。  
たかが爪楊枝に癇癪を起こすのは愚の骨頂だが、只の犬コロに無礼られちゃあ妖怪がすたる。  
彼女はすかさず糸を吐いて柴犬を捕縛した。  
 
白い糸がべったり口からボタボタ零れ落ちながら彼女は犬をつまんで顔に近づけた。  
「瘴気ダケデモ腹ハ膨レルガ、久々ニ血肉ヲ貪ルトシヨウカネ」  
口を大きく開けたその隙に、梅太郎は咥えていた釣竿を振り回し竿の先端に蜘蛛の糸、  
もう片方を内部の鍾乳洞に括り付けて瞬時に逃げた!  
「オノレ!」  
しかし今のでコツを掴んだのか今度はその糸で鍾乳洞をテコにし、向かい側に居る女郎蜘蛛の花びらに引っ掛ける。  
「ナンダイ!ソンナ芸当スルナンテ!」  
自らの糸の強度は自らが知っている。自分の糸に引っ掛かる蜘蛛なんて間抜け以外の何者でもない。  
バタバタともがくと岩が落ちてくる。梅太郎はすかさず二本、三本と引っ掛けていき、とうとう花びらを満開にさせた。  
さっきまでいぢ繰り回していたものだから、中芯の雌しべはヌラヌラと輝いていた。  
ソレを見て梅太郎は好機とばかりに牙を突き立て襲う。  
「アフン!」  
思わず女郎蜘蛛は喘いでしまう。それもそのはず、本当の弱点は周囲の眼球であって雌しべではない。  
しかも大きさから言って犬の牙など甘噛み同然、しかし冷たい指ではなく獣の温もりが女の腹を弄ぶ。  
本来ならそのまま蕾と化して飲み込むはずが、自らが吐いた糸と痺れるような快感で身動きが取れない。  
「ぐるるるるる…キャン!キャン!」  
女郎蜘蛛のたじろぐ姿を見て一切傷を付けられていないことに気が付かない梅太郎。旗から見れば苦しがっているように  
見えなくも無い。そのまま何度もガリガリと歯を立てた。  
「ハアン!アアアアアアァアアァッァン!!!!」  
自分で行為を行うのとは別感覚、先程より幾分と蜜がドクドク垂れ流されている。  
ビュクッ!ビュルビュルビュルと花びらの動きにあわせて口からはだらしなくまた白い糸を吐く。  
「タカガ…ハアァッ!犬畜生ゴトキニ…アアアアン、アタシガ倒レルハァハァ…ナンテ、アアン」  
牙で突き立てられる内に芯の根元にぱっくりと肉肉しい穴が開いていった。  
「ワン!」  
すかさず穴に目掛けて体当たりを食らわす梅太郎。  
「アアアア〜〜〜〜!!!!」  
しかし体はずっぷりのめり込み体に動かないし息苦しい。何とか無理やり体を戻そうとすると今度は中の肉壁が  
奥へ奥へと閉じ込めようとする。しかし女郎蜘蛛は苦しんでいる(?)  
これが妖怪の結界か!しかし何とかすれば大打撃を与えられそうだ。  
ずぽん!と体を脱出させ代わりの何かを探す犬。  
「ヤメルッ…ンダ!ハアアアン…ヤッパリヤメナイデオクレヨンッ」  
梅太郎は糸からぶら下がった釣竿を見た。  
 
梅太郎は再度釣竿を咥えてそのまま穴へと突っ込んだ。その感覚に電撃のような快感が襲ってきた。  
「アアン!モット!モット!ハッ…激シク動カシテオクレッ!アアアアァァァ」  
そんな女郎儀もの要望など知ったこっちゃ無い。梅太郎は息苦しいのを我慢して釣竿ごと特攻する。  
バタバタもがけば妖怪ももがく。体をくねらせて穴の奥にあるだろう弱点を探して釣竿を動かす。  
女郎蜘蛛は爪楊枝程度にしか思っていなかったようだが、しっかりと長くて太くて頑丈な柄は穴に突っ込むにはいい獲物だった。  
また梅太郎は外へ出て雌しべに牙を立てる。敏感なところを二つも攻撃され、女郎蜘蛛はもう抵抗することなく蜜をダクダク流し続けた。  
「ハァハァ…アン、コノ犬メガ…起キタラ喰ラッテヤルンダカラ…ハアァン」  
膣内にしまい込んだ竿をずるっと引きずり出し、また女郎蜘蛛は喘いだ。  
穴の中でヌルヌルまみれになり梅太郎の体に異常が…むしろある意味正常な反応をみせた。  
犬特有の内臓がにゅるっと充血して透明な汁がこぼれかけている。  
「ハッハッハッ…」  
息を荒げに梅太郎は芯の根元に集中した。そして陽根を潜り込ませる。  
「ナンダイ!マダ…アン、ヤロウッテ…カイ」  
熱いモノが一直線に入り込み、巨体が仰け反り糸がますます絡み付く。当の梅太郎は陽根を肉壁に押し付け  
がくがくと腰を振り回す。体格に差はあれども獣のそれは何倍にもなる。久しぶりの牡の味に蜘蛛の体は悦んだ。  
何度も射精し何度も膨らむ。蜜に混じって白濁とした汁が流れ、この状態が数時間も続いていき  
「ガガッガ!ヒアアアアアーーーー!!!!」  
嬌声を上げ、ついに女郎蜘蛛はいき果てた。  
それと同時に糸の呪縛も解かれたが、梅太郎も精根尽きて突っ伏した。  
 
「(コノ犬畜生…アタシヲコンナ風ニシヤガッテ、化物ダヨ。  
 我ガ主ニ頼ンデ妖怪ニシテモラオウカエ…ククク可愛イ下僕ニシテヤルカイ)」  
 
犬を咥え込んで蜘蛛は眠った。その想い叶わず次に眠るのは永眠だとも知らずに。  
 

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