「道場内にて」(仲安x麻理)  
 
 
「ったく、部室にノートなんか忘れやがって」  
「だってこの前保奈美先輩にヤマ聞いてたんだもん〜…」  
いつものように軽く言い合いしながらも、仲安と麻理は道場に向かっていた。  
 
既に放課後になっていたが、期末考査に入ったため校内にはほとんど生徒は残っていない。  
ここ数日間はテストで部活動休止中のため、道場内は誰もいない……はずだったが……。  
二人は薄暗くなりつつある道場に入った。  
 
「あれ…?」  
柔道場の中には誰もいないと思っていたが、人の話し声がかすかに聞こえる。  
道場の窓は全て閉め切ってあるので姿は見えないが、どうやら裏手の方に誰かいるようだ。  
「?、誰かいるのか」  
不思議に思う仲安をよそに、麻理は部室で入り目的のノートを探し始めた。  
「……、……」  
麻理がノートを探してる間、まだ外からボソボソと会話が聞えてくる。気になった仲安は端の扉をゆっくりと少しだけ開け、外を覗いてみた。  
辺りは暗くなりつつあったが、目が慣れてくると徐々に姿も見えてきた。  
仲安が目にしたのは会話をしている巧と保奈美だった。ここには人気もないし、逢引するにはもってこいの場所なのだろう。  
(巧さんと近藤先輩か…なるほど…)  
そう納得した仲安は、邪魔をしないように身を戻そうとしたが、予想もしてなかった光景に釘付けになってしまった。  
辺りに人はいないと思ったのだろう、巧と保奈美はキスを始めた。  
「どうしたの、仲安ク…あっ!」  
麻理もノートを手にし、戻ってきた。その場景を目にし驚きながらも、共に覗きはじめた。  
さっと触れるだけや深く舌を入れるキス、普段の二人からは想像もできないほど濃厚なキスを続ける。  
 
「……うわ〜…」  
長いキスをしている二人を目の当たりにして、仲安と麻理は動揺していた。  
巧と保奈美は公然のカップルだからキスのひとつやふたつしていてもおかしくはないのだが、唐突に目撃してしまった二人には刺激が強すぎた。  
「ん…はぁっ……」  
「…………」  
お互い気まずい雰囲気が漂っている。マ、マズイ…。そう思った仲安は麻理にここから出るように視線で示す。  
巧と保奈美に気づかれないように、こっそりとこの場から離れようと思ったその瞬間……バサバサッ!  
麻理が足元にあった雑誌に気づかず蹴躓いてしまった。雑誌には「月刊格闘」の文字。  
(……宮崎先輩のかーっ!私物出しっぱにしてんじゃねぇ!!)  
慌てた二人は急いで縁側近くの小さな部屋に入った。物置となっているそこには使われてない道具などが積んであり、二人で入るには窮屈なものがあったがこの際文句は言えない。  
「……あ、あぶねぇな、見つかったんじゃねぇか?」  
「うぅっ、狭いよ、仲安クン」  
無理矢理に麻理を押し込め、仲安も入り、じっと息を潜める。  
「巧君?どうしたの…?」  
「あ、いや、気のせいか…」  
二人の会話がかすかに聞こえてくる。どうやら二人にはバレなくて済んだようだった。  
 
「ふーっ…二人とも気づいてないみてぇだな」  
とりあえず一安心したものの、仲安は今自分の置かれてる状況について悟った。  
焦って入った窮屈な部屋の中、仲安が壁際に麻理を押し付けている姿勢となっている。  
周りには様々なトレーニング機器なども置かれていて、狭く身動きができない状態だ。  
(…この体勢…やべぇかも……)  
巧と保奈美のキスシーンを見たためか、麻理の華奢な体に触れているためか、どちらにせよ仲安は自身の異変に気づき焦った。  
下半身の膨らみに気づかれないように、仲安は麻理から体を少しでも離そうとゆっくりと体をずらす。  
「きゃっ!動かないでよ、仲安クン」「わっ、ちょっ…」  
いきなり肩をつかまれ、麻理はバランスを大きく崩した。  
「ひゃあっ!」とっさのことで麻理は仲安の身体にもたれかかってしまった。  
仲安は麻理を抱きしめる形となり、女の子独特の甘い香りに本能をくすぐられた。  
「な、仲安クン!?」  
麻理の柔らかい体に、髪に触れて、すでに我慢は限界に達していた。  
仲安はゆっくりと顔を麻理に近づけ、麻理の柔らかい唇に軽く唇を付けた。  
「んっ……!」  
いきなり仲安にキスをされ、麻理は一瞬呆然としてしまった。そして状況に気づくとみるみる顔を赤らめていく。  
「な、仲安クン…!?」  
やっと口から出かけた言葉は、再度攻めてきたキスで塞がれてしまった。  
仲安は麻理の舌を求めて、舌を深く深く絡ませる。  
麻理はどうしていいか分からず、されるがままになっていた。  
(やっ…恥ずかしいよう…っ)  
抵抗しよう試みても、髪を撫でられ抱きしめられて、思うように力が入らずない。  
「……んっ…ぅ…っ…」  
長いキスの後やっとのことで唇を解放すると麻理の口からは甘い息が漏れた。  
「…はぁっ……な…仲安クン…」  
それにはかまわず仲安は徐々に首筋に舌を這わせる。  
恥ずかしさでたまらないはずなのに、自然と甘い声が出てしまう。  
麻理は息を荒げながら、顔を真っ赤にして小さく呻いた。  
 
今まで受けたことのない快感で、麻理の身体は全身熱くなっていた。  
耳から首筋にかけて仲安の唇が吸い付きながら下降する。  
「んむっ……ん〜…っ」  
麻理は仲安の指を噛んで必死で声を殺そうとする。  
そんな麻理がかわいくて仕方ない仲安は、どんどん愛撫を激しくエスカレートしていく。  
まだ成長途中の小さく柔らかいその胸を吸い立て、舌で転がし、甘噛みして、  
「んん…っ…はぁ…っ…」  
固くなった乳首に刺激を与えるたびに、麻理の身体はピクンと反応し、声を漏らした。  
「あっ…!やぁん…っ…」  
そして仲安は指先を徐々に下半身に動かしていった。  
太腿から下着まで撫でるように指を這わせ、そして麻理の秘部に直接触れた。  
柔らかく、あたたかく、ぬるっとした感触がその指に伝わる。  
「こんなに濡れてんじゃねーか」  
「…ふぁっ! ……あはぁ……やだぁっ……」  
麻理はいっそう顔を赤らめ、身をくねらせる。  
くちゅくちゅと指を内部でかき回すと秘部から愛液が漏れてくる。  
「んんっ…、仲安クンっ…だめ…だよぅ………あん…っ」  
じゅぷっ…くちゅっ…ちゅぷっ…  
仲安は麻理の胸を舌を這わせると同時に、麻理の膣を弄んでいた指先を激しく奥まで突き入れる。  
「ひゃッ…!……やぁ…っ…」  
電流が走ったように体をビクッと震わせ、力の抜けた麻理の身体は仲安に身をゆだねるがままだった。  
(やぁっ…おかしく、なっちゃう……ッ)  
今までに味わったことのない感覚がずっと麻理を襲い続け、愛液が太腿に伝わるほど感じている。  
 
しばらく麻理の反応を楽しんでいた仲安だが、既に彼自身も限界に近づいている。  
麻理の身体が熱くなってきたのを知ると、内部で弄んでいた指をゆっくりとさし抜く。  
その指先から愛液が溢れて糸をひいた。  
「…麻理、いいか…?」  
「…ん……」  
仲安は、はぁはぁと荒い息も治まらないままの麻理を抱き寄せ、再度深いキスをする。  
熱くなった自分の性器を入り口にあて、ゆっくりと腰を沈めていった  
「っ…あぁっ……はぁ…」  
仲安は麻理を抱き締め、ゆっくりと長い時間をかけて挿入していった。  
痛覚と快楽とが入り交じった不思議な感覚に、麻理は徐々に慣れていった。  
「んっ、くうぅ……あっ、あぁんッ!」  
麻理の身体がビクビクと反応して、口からは吐息と一緒に甘い声が漏れる。  
「大丈夫か?」  
「ん…なんか、変な…感じ…」  
麻理の身を案じていた仲安はゆっくりと腰を動かすスピードを上げていった。  
「っ…あ…、あんっ…」  
仲安の動きに同調するかのように、息も絶えだえに麻理も喘ぎはじめた。  
もう何も考えられずに、互いの熱い身体を求め合い、必死にすがりつく。  
「あっ!だ、だめっ、…やっ……仲安くぅん……」  
仲安が腰を突くその度に、麻理はその刺激に耐えるように喘ぐ。  
「あぁっ…私…変になっちゃうよう……」  
麻理の息が荒くなり声が高くなる。その反応にますます仲安の動きが激しくなる。  
理性を失った二人の呼吸は乱れ、快感は絶頂に向かいはじめる。  
「麻理…っ……俺…!」  
「…ひゃぁっ……あっ!ああぁんっ……!!」  
最後に大きく腰を打ち込むと同時に自らの麻理の中に放ち、共に麻理も絶頂を迎えた…  
 
 
 
 
その翌日、麻理は廊下で保奈美と偶然すれ違った。  
「あ、保奈美せんぱ…」  
麻理が挨拶しようとした瞬間、保奈美はダッと駆け出した。  
「あれー?」  
 
「麻理ちゃんってば…、フケツ…!」  
 
 
終  
 

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