保奈美日記
【06:00】目覚ましで起床。昨日は夜遅くまで勉強していたからまだ少し眠い。
でもそろそろ起きないと早朝練習に間に合わない……。
【07:10】髪を整えるのに思ったより時間がかかってしまった。
こういう時長い髪が恨めしい。袴田さんみたいに短くしてみようかな。
【07:25】道場へ到着。先に来ていた杉クンと麻里ちゃんに挨拶してから更衣室へ。
ジャージに着替えているといきなり杉クンが入ってきた。
後ろから抱きつかれ、まだ着けたままだったスカートを脱がされる。
「近藤、皆が来る前に一発頼む」
もう時間だというのに、杉クンは後ろから私の髪に顔をうずめてきた。
私を羽交い絞める姿勢で、杉クンの指が無遠慮に私のアソコを揉みほぐす。
「や、やめて杉クン、練習が始まっちゃう」
抵抗する私の太股に、熱くなった肉塊が差し込まれた。
下を見ると真っ赤な亀頭が顔を覗かせている。
「素股ですませるから、な?」
私の応えも聞かずに、杉クンは腰を打ち付けてきた。
荒い息が私の首筋にかかる。興奮してる…男の人がこうなったら歯止めが効かないと
いうのは学習してきた。私はコトが早く終わるようにと、太股をきつく合わせる。
「おっ……、近藤っ……!」
声を上げて、杉クンの動きがさらに激しくなる。
私に覆い被さるように、杉クンがきつく抱きついてきた。
ブラウスの上から胸を触られる。
「近藤、出るっ!!」
あっ…。
【07:38】杉クンが出て行ってから少し時間を置いて更衣室から出ると、
麻里ちゃんに何か聞かれて慌てて応答している杉クンが見えた。
まさか私とあんなことしていたなんて言えないだろうけど、
杉クンはどう誤魔化したんだろう…。
そんなことを考えていると、ゾロゾロとみんなが道場へやってきた。
先生とコーチも入ってきて、道場の空気が気持ち引き締まる。
みんなが着替えている間、私はさっきの行為がバレないかとハラハラしていた。
【08:15】朝の練習が終わる。
みんなの汗の匂いに少し変な気持ちになってくる。
さっきの杉クンとのことが頭から離れない――身体が火照ってるのに気づく。
【08:40】一限目担当の先生が教室に入ってきて、授業が始まる。
が、私は悶々とした気分が続いたまま、なかなか授業に集中できない。
【09:32】「近藤さん。ちょっと…」
一限目が終わり、その声に顔を上げると三溝クンが教室の扉の前に立っていた。
飛び抜けて背が高いからよく目立つ。
「どうしたの? 三溝クン」「今日、英語の授業ある?」
英語は確か、5限目だったはず。
「もしよかったら、辞書貸してもらえない?時間割間違えちゃって…」「えっ、大変」
珍しい…几帳面な三溝クンにしては極めて稀なことだ。私はすぐに自分の辞書を手渡した。
私の辞書を持って、三溝クンは自分の教室に帰るでもなくその場で立ったままだ。
「何か他に要るものある?」
「こ、近藤さん……じ…時間あったらで構わないんだけど……」
「え?」
【09:36】非常階段に人がいないのを確認してから、私はスカートの前を持ち上げた。
三溝クンの視線がそこへ向く。
「悪いね、今親が旅行行ってて家じゃずっと姉どもの世話に追われてて…
部屋で一人でホッとする暇もないんだ…」
彼には3人のお姉さんがいる。
親の代わりにその世話をしなければいけないとなると重労働だろう。
「そ、そうなの…」
「ごめんね、すぐ済ませるからちょっとそのままで…」
三溝クンは私の前に座って、おもむろにズボンのチャックを下ろした。
体躯の大きさに相応しいアレがあらわになる。
「……っ」
私は反射的にきゅっと身をすくめてしまう。
「あっ、自分で何とかするから。そのまま立ってくれてれば…」
私を気遣って、三溝クンが声をかけてくれた。
大きな手が股間のアレを握って、激しく上下に動き始める。
私の下着を凝視したまま、三溝クンは自分を追い込むように大事な部分を摩擦し続ける。
息が荒くなるに連れて、三溝クンの身体が前屈みになっていく。
私との距離が縮まり、彼の頭が私の股間に今にも触れてしまいそう…。
「み、三溝クン!?」
「…近藤サン、すごい嫌らしいニオイがする」
三溝クンの鼻が鳴る。
「やだっ…!」
後ずさる私に三溝クンは首を伸ばしてついてくる。
背中に壁を感じた時、彼との距離は全く変わっていなかった。
今にも口がついてしまいそうなほどの距離――三溝クンの息がはっきりと感じ取れる。
「ハァ、ハァ、ハァ、近藤さん…!」
「三溝クン、早く済ませて…」
一刻も早く、この恥ずかしさから解放されたい……私は身を硬くしてただそれだけを望んでいた。
「あ、あ、あ―――」
三溝クンが目を強くつぶる。
放出された液体が制服にかかるのを、私はスカートの裾をきゅっと握ったまま甘んじて受けた。
【09:53】古文の授業中、制服についた三溝クンのシミを気にしながらノートを取っていると、
机の上に小さな紙切れが置かれているのに気づいた。
折り畳まれたそれを開いてみると、
『今日の放課後、聞きたいことがあるので談話室まできてほしい』
と、達筆で書かれていた。
「先生…」
私は誰に聞かせるともなく呟いた。
この間プリント運びを手伝った際、先生はしきりに私に密着してきてとても困ったのを
覚えている。前はお手伝いを早く終わらせて何とか逃げられたけれど、
もしかして今日も同じようなことをされるのかしら……どうしよう……。
【12:30】先生の手紙が気になってろくに集中できないまま午前の授業を修了した。
机を片していると、桜子がパンと牛乳を持って私の席の前に座ってきた。
「何のんびりしてんの保奈美、早くゴハン食べようよ。
もう4限目なんてお腹がならないように必死だったさ、あたしゃ」
パンの袋を勢いよく破り、思い切りかぶりつく桜子に思わず頬がゆるむ。
「桜子ったら…」
美味しそうに食べる彼女を見てると、私も食欲がわいてくる。
お弁当の蓋を開けておかずを一つ口に運ぶと、じっと私とお弁当箱を交互に
見つめる桜粉の視線を感じた。
「何? 桜子…」
「え? い、いやぁー、別に何だって訳でもないんだけどね」
桜子の言いたいことは解ってるのに、敢えて聞く私。
彼女の困る様はいつみても愛らしい。
「ふふ。何か食べたいものある?」
瞬間に、いつも明るい桜子の表情が一段と輝く。
「えっ!? やー、なんか催促したみたいで悪いねぇ。それじゃそのから揚げを…」
はい、と桜子のご所望のものを差し出す。
ひょい、とつまんで彼女は豪快に口に投げ入れた。
「ん、んまいねー。保奈美は幸せ者だよ、いつもこんなの食べられてさ。
そしてそんな親友を持つ私も幸せ者だね。ん、幸せ」
満悦顔の桜子に苦笑いしながら、彼女の言葉を反芻する。
親友――彼女は私の悩みを聞いたらどんな顔をするだろう。
情に厚い桜子だから、きっと憤慨して私を守ろうとする。
でも桜子も女の子――いくら柔道をやっていると言っても、男の人には勝てない。
しかも私と同じようなことを強いられるようなことになったら……。
絶対に言えない。
桜子にはいつも笑っていてほしい。
桜子を守るためなら、私はこの現状を受け入れることも厭わない――
【13:10】「あれ? 宮崎クンじゃない?」
桜子が教室の入り口を指して言うのを聞いて、私も顔を向ける。
見ると、確かに宮崎クンがドアの淵に身体を寄せて、教室の中をちらちら覗いていた。
「何やってんのかなアイツ」
席を立って、桜子が入り口へ向かう。
でも、私には宮崎クンの目的は薄々判っていた。
私が気づいてからと言うもの、何度も宮崎クンと目が合っていたからだ。
いくつか言葉を交わしてから、桜子が戻ってくる。
聞かずとも解っている――私は、伝言を聞く前に席を立った。
「何か保奈美に用事があるって。何? 約束でもしてたの?」
「……うん、わかった」
悟られないように、はっきりと返事をする。
桜子は腑に落ちない表情だったけど、ふっと息を吐いて私を見送ってくれた。
「やるねぇ、宮崎クンも。巧クンを泣かせんな、保奈美!」
ポンと私の肩を叩いて笑う桜子に私も微笑み返す。
大丈夫よ、桜子。
巧クンは知らないもの……本当の私を…。
【13:15】「うっ……おおお……!」
浮き上がった血管をなぞるように舌を走らせると、
宮崎クンのアレが私の口内でビクリと跳ねた。
粘ついた液体はすでに私の口内の粘膜を覆うほど大量に吐き出されていて、
それを潤滑油代わりにせんとばかりに宮崎クンはさらに激しい前後運動を要求する。
「んぐっ……んんんっ…………ん」
「もっと吸ってくれ、近藤っ」
私の呻きを聞いてか聞かずか、宮崎クンはヌルヌルの先端を私の舌先に押し当ててくる。
異物を押し込まれた私の口内はすでに唾液と粘液で支配されていた。
先端を舌の上に乗せるようにして、頬をすぼませて喉で吸引する。
宮崎クンが私に口淫を迫る度に要求する行為だ。
「おっ、それそれ………くっ、すげぇ…」
私の吸い上げに従うように、宮崎クンの腰が動く。
「ふぐんっ……!」
まるで性交しているかのように、宮崎クンは腰を私の口へ打ち付ける。
どんどん激しさを増す行為に、私は酸素を確保するのを最優先して
宮崎クンが果てるのを待った。
律動に合わせてアレの先端を小さく吸い上げるだけで、
宮崎クンは腰を震わせている。
「出るっ、近藤出るっ! 顔に出すか!? 口に出すか!?」
その時思ったのは、ただ後始末に時間がかからないようにということだった。
私は宮崎クンに答えるように、両手で彼のアレの根元を押さえた。
我慢してそのまま口内一番奥まで迎え入れる。
「よしっ、中だな……おおおっ!!!」
大量に吐き出された粘液を、私は何も考えずに飲み込んだ。
何度経験しても、この味は好きにはなれない――そのまま流し込んで全てを忘れたかった。
「ふう……近藤、後始末も頼むな」
欲望を吐き終えた口内のアレを舐めながら、
私はお昼休みの終わりを告げるチャイムに目を伏せた。
【13:45】授業を受けていると、トントンと机を叩かれた。
顔を上げると、隣の席に座るテニス部の麻礼葉さんが手紙を渡してきた。
文面を見た瞬間、私は顔が茹で上がるように赤面するのを感じた。
『なんだかイカ臭いんだけど。もしかしてアナタ?』
一瞬、息が止まったかのようだった。
私は慌てて頭を横に振って否定する。
麻礼葉さんは望んでいた答えではなかったようで、顔をしかめていた。
宮崎クンと別れてから授業の開始まで時間がなかったため
口を濯ぐこともできなかったから、もしかしたらニオイが…。
そう考えたら顔から火が出てしまうほど恥ずかしくなった。
私は俯いて顔を上げることも出来なくなった。
横から度々視線を感じたけれど、その授業中私は決して顔を上げられなかった。
【15:22】ようやく授業が終わり、放課後になる。
乗り気ではなかったけれど、古文の先生の名指しの呼び出しに応じない訳にはいかない。
話というのを早く終わらせて部活へ行こうと、私は談話室へ向かった。
「あの、近藤です…」
控え目にドアをノックしてから教室内を覗くと、先生は椅子に座って書き物をしていた。
が、私が教室に入るとすぐに手を止めて椅子に深く座り直す。
「おう、来たか近藤。まぁ座ってくれ」
先生の向かいのソファに私が座ると、先生は一つ咳払いをしてから口を開いた。
「こういうことは生活指導の先生に管轄だと思うんだが、内容が内容だけにな」
腕組みをして先生は私を見つめてくる。
その前置きから、話がよくないことだとは察しがついた。
「聞きたいことって言うのはな。
まぁ…優等生の近藤に限って何かの間違いだと思うんだがな」
私の身体が無意識に硬くなるのが解かる……沈黙の間がとても長く感じられた。
「男女の生徒が放課後の教室でその…如何わしい行為をしていたのを
見たという報告を聞いてな」
鼓動が早くなる。何度か教室で迫られたことはあったのは事実だった。
でもそれを誰かに見られた――柔道部の外には絶対洩らしたくないことを。
「女生徒の方が、髪が長くて、ちょうどお前ぐらいの背丈だったそうだ」
「……っ」
表情に出てしまったのか、深く座っていた先生が身体を浮かして聞いてきた。
「心当たりがあるのか?」
言わなきゃ……違うって、私じゃありませんって……。
そう思っていても、なかなか言葉が出てこない。
例えその時その場所ではなかったともしても、私は確かに教室でそういう行為を――
その後ろめたさが私の口を開かせなかった。
「どうなんだ、近藤」
俯いた私の横に先生は座り、顔を覗きこむように様子を窺ってくる。
服に染み付いたタバコの匂いがやけに息苦しく感じた。
「……ち、違います…」
搾り出すように、一言を吐き出す。
先生は私に聞こえるように大きく息を吐き出して、質問を重ねてきた。
「本当か?」
下唇の震えを気づかれないように、私は首を縦に振る。
もう、先生が信じてくれることを祈ることしかできなかった。
「そうか……先生の見間違いだったのか」
「えっ…」
私は先生の言ったことをすぐに理解できなかった。
だって、誰かからの報告だって――
「他の生徒ならともかく、近藤を見間違うってことはないと思うんだけどなぁ」
先生の手が私の肩にかかるのを感じて、私はビクリと身体を竦ませた。
「放課後の教室で男子にこうやって触られてなかったか?」
「……! せ、先生……!」
肩に置かれていた手が降りてきて、腰を抱くように私の脚に触れてくる。
ねっとりとしたその触り方がすごく嫌らしく感じた。
やっぱりこの先生は…。
「や、やめてください…」
「あの時は言ってなかったよな。先生見てたんだぞ」
先生の掌が私の太股を何度も往復する。
指先が内側を弄り、頑なに閉じた私の脚を開かせようとしてきた。
「先生! な、なにを…」
「近藤みたいなヤツがあんなことしてるなんてなぁ。
ストレスが溜まってるなら先生が手伝って…」
「い、いやっ!!」
ヤニ臭い先生の息から逃げるように、私は力を振り絞って立ち上がった。
まとわりつく先生がすごく気持ち悪く感じて、とにかく離れたかった。
乱れた制服を直しながら出口へ急ぐ。
怖くて先生の方を振り返ることはできなかった。
【15:48】道場へ向かう途中、斉藤君と一緒になった。
「あれ、近藤? 今日は遅いんだな」
資料室からずっと不安だったけど、見知った顔を見ていくらか落ち着くことができた。
「斉藤クンこそ…」
「俺、掃除当番だったんだよ」
斉藤クンと並んで道場へ向かう。
さっきの先生とのことは本当にショックだった……あの生暖かい手の感触が、
いつまで経っても消えない。
「どうした?」
私の様子がいつもと違って見えたのか、斉藤クンが気をかけてきてくれた。
「う、ううん。何もないけど」
こんな悩み、話せるはずない……私は勤めていつも通りに振舞うよう心がけて、
斉藤クンの後に続いて道場へ急いだ。
【15:55】道場へ着くと、すでに私達二人を除いた部員全員が集まっていた。
「あれ保奈美、どこ行ってたの? 一緒に来ようと思って探したんだから」
ぺたりと床に座ったまま、桜子が声をかけてくる。
「ちょっと先生に呼び出されて……ゴメンね、桜子」
もちろん内容は言えない。それを悟らせないようにと私は笑顔でそう返した。
「え、何かやったのか? 保奈美」
すぐ後ろから声――振り返ると、道着に着替えた巧クンが立っていた。
朝会って以来の見慣れた顔に、何故かホッとしている自分に気づく。
巧クンを身近に感じられてすごく安心してる、私。
「保奈美が悪い方で呼び出されるワケないでしょ、アンタじゃないんだから」
すぐに桜子が巧クンに言い返す。
そんなやりとりが嬉しかった。
【16:25】打ち込みを終えて、乱取りが始まった。
私の仕事はストップウォッチを持って、時間を計ること。
「よし、始めー!」
コーチの西久保さんの声に合わせてスタート。
皆の声が道場に響き、表情も厳しくなっていく。
私はストップウォッチと皆を見比べながら――与えられる羞恥に耐えていた。
「……っ……」
隣の西久保さんが私のお尻を執拗に撫で回す。
コーチのゴツゴツした手を感じるたびに、自分でも驚くjほど身体が反応してしまう…。
今日は色々あったからか……私の身体はとても敏感になってしまっていた。
「どうした近藤……えらく反応するじゃないか」
「うっ…」
西久保さんの指が、ジャージの皴に紛れるように私の脚の内側へ入り込んでくる。
「やめてくださいっ……みんなが…」
「心配ない。そんなは余裕ないぞ、アイツら」
皆は乱取りに集中していて、まるでこっちを見ている気配はない。
私の脚の間に滑り込んだにコーチの指が、次第に大胆になっていく…。
「あっ……ぁっ……」
「声を出すと聞こえるぞ」
そう言いながら、西久保さんは動きを止めようとはしない。
私が困るのを明らかに楽しんでいる。
今日のように龍子先生が来れない日、私はいつもコーチに遊ばれる。
それも皆に判らないように、実に巧妙に――。
「うっ……んん……」
乱取りの一本目が終わるまであと3分。
私は時間が早く過ぎることだけを考えて、コーチの責めに耐え続けた。
【17:30】練習が終わる。
私が”ダミー山下”クンを片付け終わる頃には、皆はもう着替え終わっていた。
待っていてくれた巧クンと一緒に道場を出る。
あんなに激しい練習をしたのに、巧クンは大した疲れも見せない。
しばらく無言で歩いていると、巧クンが話しかけてきた。
「保奈美、今日さ…」
静かな時が続いたからか、その声はやけに鮮明に私の耳に届いた。
黙って言葉の続きを待っていると、少し間を置いてから、
言いにくそうに巧クンが言葉を繋いだ。
「ちょっと家に寄ってかないか?」
「えっ…」
巧クンがこうして誘ってくれるのはいつ以来だろう?
最近は特に柔道に打ち込んでいたから……。
二人でゆっくりお話したのも随分前に遡らないといけないほどだ。
「いやぁ、な、なんかもうちょっと話たいって言うか、一緒にいたいって言うか…」
照れ屋サンの巧クンが誘ってくれるその様は、思わず微笑んでしまいそうなほど
可愛かった。そして嬉しかった。
でも、今日に限っては――
「ゴメンね、今日はお母さんに用事を頼まれてるから…」
断らなければいけなかった。
私達の関係を守るために、巧クンの知っている『近藤保奈美』であるために…。
「そっか、間が悪かったなぁ。残念」
「うん…」
もちろんウソだった。お母さんには何も用事を頼まれてたりなんてしない。
ただ、今の身体のまま巧クンと二人で過ごすのはできなかった。
だって、2人の大人に身体を弄られて、3人もの男の人の欲望を処理した日に、
一番大切な人と楽しく過ごす自信なんてないよ……ゴメンね、巧クン。