「食べただろ」
ぎくりと反応する背中。
「た、食べてないよ?」
こちらを見ようとしないので、右手で顎をクイと持ち上げ覗き込む。
「海老、この口の端の粉は何だ?」
言いながら、親指でソレを拭う。
「な、何だろう、ね〜?」
目を合わせずえへーと笑う
「お前なぁ、あの雪見は俺ンだから食うなってあれほど言ったのに!!」
「だ、だってコタツでアイスが食べたくなってそれで!!出来心なんだって!今から買ってくるから許して!」
ギュッと目をつむり両手を合わせて謝る海老塚
「…たく」
俺が呆れて溜息をつくと、片目を開けて
「ごめんね?杉くん」
と上目使いで言われ、仕方なく
「もういいよ、これで」
「え?…んっ!?」
唇を重ねて舌を滑り込ませ、口内を存分に味わう。
「…は、美味かった」
海老塚を見ながらニヤリと笑う。
「…変態!!」
真っ赤な顔で涙目で言われても可愛いだけなんですが。
また、アイス買って冷凍庫に置いておこう。
おしまい