その竜、ベルモルーゼ大地一凶暴と恐れられていた彼は、大気に混じるかすかなにおいに目を覚ました。  
獲物のにおい・・・。  
ごく近い。それもこちらに近づいてくるようだ。彼は空腹だった。やがてその獲物が彼の前に立つ。  
人間の・・・女・・・。  
彼女は全裸だった。  
 
その獲物、竜使いのオクシオーヌは震えをこらえて竜の前に立っていた。  
ティアマット。数ある竜の仲間でも、もっとも凶暴な竜が彼女の眼前に立っている。  
「お父さん・・・、お母さん・・・私に力を貸して・・・。  
彼女は両腕を抱きかかえ、今はいない両親に救いを願った。  
 
数日前、彼女の村は焼き討ちにあった。仲間たちは殺され、家族も、竜も、持っていた財産の全ても失った。  
ただ一人、山に出かけていた彼女だけが助かったのだ。  
 
「ゆっくりと、刺激しないように。それでも大胆に、腰をくゆらせなさい。」  
亡き母の声が彼女の耳の届く。彼女は初め静かに、やがて大胆に竜の前で体をくねらせた。  
体から汗が滴りはじめると共に、それとは別の甘い、竜を興奮させる濃密な芳香が彼女の体から立ちはじめる。  
オクシオーヌの体には蜂蜜が塗られ、さらに竜玉石を砕いた粉をまぶしていた。  
竜使いといえど、野生で幼竜を見つけることは並たいていのことではない。  
手近に育てるべき竜がいないとき、彼らはこうして大人の竜を誘惑しスカウトするのだ。  
だがそれにはかなりの危険が伴った。  
 
竜が歩み寄り、その口がオクシオーヌの前で開かれる。  
(ヒッ・・・)  
迫りくる牙にオクシオーヌは死を覚悟した。ギュっと目を閉じる。  
・・・ブレスは来なかった。牙で引き裂かれることもなかった。ただ代わりに竜の熱い吐息を間近で感じた。  
ほっとしたのもつかの間。肉厚な舌が伸びてきて彼女の裸体を舐め始めた。  
「ヒャッ・・・!」  
オクシオーヌは小さく悲鳴を上げた。竜の分厚い、ざらついたしたが彼女の体を舐めている。  
彼女の背を、腹を、わきの下を、そして幼い乳房を舐めていた。  
(ひぃぃぃぃっ!!)  
声は出さない。竜を刺激すればお終いだ。だが荒々しくも情熱的な竜の舌の愛撫に彼女に未知なる感覚を覚える。  
(ああう・・・っ!)  
首を振り、彼女は刺激に耐える。だが既に彼女の体は恐怖とは別の感覚に悩まされていた。抗いがたい、快感。  
竜の舌に刺激され、自身の乳首が妖しい疼きを持つのを感じていた。  
 
この・・・この女は・・・!  
竜もまた気が付くと、本能に支配されるまま彼女の体に舌を這わせていた。少女の耳を、足の裏を、舐める。  
やめることができない。  
最後にメスを感じたのはいつのことだろう。  
かつては無数にいた仲間たちも乱獲と住処の破壊で散り散りになり、いつかこの辺境の地に追いやられた。  
わずかに残った仲間たちの中にメスはいない。  
この少女は竜の中でも極上のメスだ。少女のか細い腕に、竜は庇護欲と征服欲を呼び覚まされるのを感じた。  
守ってやりたい。そしてまた、自身の腕でヒイヒイ泣かせてやりたい。  
無我夢中で少女の体を舐めた。  
 
やがて竜が股間を舐め始める。乳房への愛撫だけでも男性経験のないオクシオーヌには大きすぎる刺激だったが、  
股間への刺激は雷に打たれるも同然だった。  
「ああ・・・!!」  
巧みに陰核をむき出しにし、永遠のような永さで刺激を続ける竜の舌に彼女は思わず声を漏らした。  
「声を出してはいけないよ・・・。」  
母の声がする。  
「声を出せば竜は我にかえるからね・・・。そうすれば、決して竜はお前になつかない。  
自分の思い通りになるものに、竜は決して心を許さないのだから。」  
 
(そんなこと言ったって・・・!)  
声を出すまいと必死で口を押さえながら、オクシオーヌは思った。  
(母さん、自分で野生の竜を手なずけたことなんかなかったくせに・・・!)  
それは事実だった。いや、彼女以外の誰も、もう何年も竜のスカウトに臨んだものはいなかったのだ。  
家畜の竜は村にたくさんいたし、幼竜はそれらを交配させて手に入れることができた。  
何年も行われていなかったこの儀式を、彼女はたった一人で完遂しなければならない。  
仕込んだ蜂蜜は全て流れ落ち、彼女の体は竜の唾液で蹂躙されていた。  
それとは別の、わずかに分泌された愛液が、彼女の股間から滴り落ちていく。  
恐怖と快感。人と竜。滅びゆく一族の血を後世に残すため、彼女は竜との交わりを続ける。  
 
やがて舌の愛撫が終わり、彼女は解放された。まだ儀式の半ばだ。  
彼女はよろめきながら、竜の下腹部に向かう。そこに竜のペニスがあった。  
ごつごつした鱗とは別の、竜の体で唯一柔らかそうな器官。  
熱く脈打つソレの大きさに、彼女は圧倒される。  
(こんなのって・・・!!)だがやらねばならない。  
彼女は携帯した蜂蜜の残りをペニスに垂らすと、美しい肢体をくねらせ、体を滴る竜の唾液を全身で刷り込み始めた。  
 
ウグググ・・・。  
竜はうめいた。まだ年端も行かない人間の少女なのに、彼女は竜の悦ばせ方を知っている!!  
ペニスの周りで少女は絶え間なく動き、自身の性感を刺激してきた。  
包皮をはがされ、陰嚢を時にやさしく、時に荒々しく少女は愛撫している。  
こんな少女にやり込められるとは。こんな・・・こんな・・・幼い生娘に・・・!!  
この近隣で最凶と畏れられたこの俺様が・・・!!!  
 
「さあイきなさい。イくのよッ!」  
竜の耳に少女の声が届いた。楽なる調べのような澄んだその声は、だが彼には小悪魔のささやきに聞こえた。  
「あなたのコレは飾りなのッ!?情けないオスねッ!!さあ、イってごらんなさい!さあッ!」  
こ、こんな小娘に・・・!小娘に・・・!小娘にィィ・・・!グ・・・グオオオオッッ・・・!!!!  
彼の分身が欲望の形を描き、そして爆発した。  
「キャッ・・・!」  
オクシオーヌはかろうじて身をかわす。見る間に周囲に竜の精の水溜りができる。  
ドクンッ、ドクンッ・・・!オスの器官は激しく駆動し、彼女の前で精をはき続けた。  
「ハア・・・ハア・・・。」  
彼の股間で荒い息をするオクシオーヌの顔に、年不相応な恍惚と小悪魔的な笑みが宿っていた。  
 
 
「あなたの名前は雲水よ。いいわねッ・・・!」  
竜を従えて歩きながら、少女は言った。仕方がない。自分は負けたのだ。  
だが規則正しく左右に揺れる少女の小さな尻を見ながら、彼はもう一度あの少女と交尾がしたいと願った。  
一方のオクシオーヌも・・・。  
(ヤダ・・・、ヘンな気持ちになっちゃう・・・。)  
自分の中に沸き起こるその感情にゾクリとした。幼い少女を妖しく彩る、性への渇望。  
彼女は自身の中に潜む魔性に気づいてしまった。まだ物足りない。彼女は後ろを振り返った・・・。  
 
 
・・・。  
このようにして、竜と竜使いは結びつきを深める。  
互いに互いの体への飢えを感じ、その体を求めてつながっていく。  
そうして心と体の絆を深めていくのだ。  
 
冬がことさら厳しかったこの年以降、数年にわたって、竜の群れの中にたたずむ少女の目撃例が相次いだ。  
目撃者は彼女を竜とも精霊であるとも噂しあったが、彼女が竜から人の世界に還るには、まだ数年を待つことになる。  
 
竜使いの少女・完  
 

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