ハイム城の天井の高い一室で、一組の夫婦が初夜を迎えていた。
ベルサリア・オヴェリス、デニム・モウン。二人は同じ姉弟として過ごした仲だった。
「ねえ、あなたは本当に良かったの?」「何が?」「オリビアさんのことよ。」
その名前は僕には辛い。2年もの間、僕はオリビアと旅をした。
海の向こうのゼノビア王国。遥かなるランスロットさんや、みんなの故郷。
彼の地で、僕とオリビアは多くのものを見、多くのことを考えた。
夜が来ると、互いの体温を感じながら、むさぼるように愛しあった・・・。
「オリビアも良かったんだけど・・・、」僕は答える。「・・・でも、姉さんといたかったよ。」
僕の答えに、姉さんの目が悪戯っぽく光った。
「シ・ス・コ・ン。」「なっ・・・ッ!」
僕が怒って枕で叩くと、姉さんはキャアキャア言って自分をかばった。
「僕がシスコンなら、姉さんはブラコンじゃないか。」
「そうよ、私もブラコンなの。」姉さんが笑う。
「でも、私もデニムといたかったわ・・・。」
愛しさに胸を突かれ、僕は姉さんを抱き寄せてキスをした。姉さんの唇は甘かった・・・。
姉さんの手が僕の寝巻きにかかり、優しく剥いでいく。僕の裸体に、姉さんが頬を染める。
「デニム・・・、もうすっかり大人の男の人なのね。」
照れたようにつぶやくと、姉さんは僕の身体に手を伸ばしてきた。手はそろそろと下に下りていき、僕の分身を包む。
「ウ・・・ッ!」姉さんの秘めやかな愛撫に、分身が敏感に反応する。
姉さんが分身を口に含んだ。ぴちゃぴちゃぴちゃ・・・。姉さんは僕の股間に顔を埋め、激しくペニスを吸いたててくる。
姉さん・・・。予想外の行為にやや驚きながら、僕はそっと姉さんの髪を撫でた。
オリビアが僕の分身を吸いたてていた。普段は貞淑な彼女が、その晩はいつになく積極的だった。
ぺろぺろと先端を舐め、喉の奥まで飲み込むと、そのまま激しく吸いたて始めた。
「オリビア・・・?」僕は彼女に呼びかける。
「私自身が・・・デニムにこうしてあげたいの・・・。」
オリビアはそれだけ言うと、さらに激しく、奉仕を行う。
・・・どうして気付いてやれなかったのだろう。彼女は不安だったのだ。
「私たち、別れたほうがいいわ。」
ゴリアテの港に着いたとき、彼女は言った。
「私たち、別れたほうがいいと思うの。」「オリビア・・・?」
その時の、涙に濡れたオリビアの目が忘れられない。彼女は気付いていたのだ。僕が彼女の中に、姉さんを見ていたことを。
彼女を抱く時、彼女に笑いかける時、僕はいつも姉さんのことを考えていた。
姉さんならどうするだろう。姉さんなら何と言うだろうか。
ゼノビアの優れた宗教制度を見ながら、オリビアは感嘆した。「すごいわ・・・これこそ理想よ・・・。」
だが僕はそうは思わなかった。宗教は気休めにしかならない。
国を治めるには、姉さんを助けるには、もっと具体的な方法が必要だ。宗教に頼らない、具体的な方法が・・・。
僕はどうしても、姉さんから離れられなかった。姉さんを忘れられなかった。つまるところそこに行き着く。
「オリビア・・・。」
僕は彼女の肩に手を伸ばしたが、オリビアは、そっと自分の手を寄せ拒絶した。
「ごめんよ・・・。」やっとの思いでそれだけ言ったが、オリビアは首を振った。
「あなたのお姉さんの・・・力になってあげて・・・。」
彼女はそのまま駆けていってしまった。振り向く事はなかった。
「姉さん・・・不安なの・・・?」
分身に奉仕を続ける姉さんに声をかけると姉さんはビクリとした。姉さんの髪をそっと撫でる。
「大丈夫だよ。僕は姉さんの側にいる・・・。ずっと側にいるよ・・・。」
「・・・ありがとう。」姉さんの声が下から聞こえた。
姉さんはなおも僕の分身を口に含んでいたが、愛撫はずっと落ち着いたものになった。
ちゅぱちゅぱちゅぱ。口元から淫猥な音がする。姉さんの手が陰嚢を揉んでいた。
「ね・・・姉さん!離してッ!」僕はうめくが姉さんは逆にぎゅっとしがみついてきた。
ドクン!ドクン!熱く吹き上げた精を姉さんはコクコクと飲む。ようやく分身を離すと、姉さんはペロリと舌を出し微笑んだ。
「もう、姉さんてば!」笑いながらたしなめる。
僕も姉さんのパジャマに手を伸ばした。邪魔な衣をそっと引き剥がしていく。
姉さんの白い裸体が眼前に晒される。成熟しきった肉体に、女を誇示する形の良い乳房。そして股間を彩る大人の翳り・・・。
「やだ・・・、デニム、あんまり見ないで・・・。」
姉さんは恥じらって胸を隠したが、彼女の乳房の上で紅光の首飾りが燃えるように赤く輝いていた。
むちゅっ。僕は姉さんの唇を奪い舌をねじ込むと、その両胸に手を這わせる。
姉さんの乳房は暖かく、手の中でコリコリとしこってくる。揉み上げながら、右手を股間に差し込む。
「ん・・・。」姉さんが息を呑んだ。蕾は幼く固かったが、端からは既に滲むものがあった。
手の中にじんわりと液体の感触が広がっていく。
姉さんが恥じらって顔を伏せる。僕は股間に手を差し込みながら、姉さんの乳房をついばんだ。
「グ・・・・・・。」姉さんはきつく下唇を噛んでいる。懸命に刺激に耐えているのだろう。
舌がレロレロと乳房を弄び、手が乱暴に股間を侵略する。僕の愛撫に姉さんの蕾は着実に開いていく。
僕は姉さんの下半身に向かい、両腕で股間を開いた。「ヤ・・・ッ。」姉さんは股間を閉じようとするが抵抗はごく弱いものだった。
女の茂みから鼻を突く匂いが立ち上っている。僕は姉さんの股間に顔を埋め、舌で彼女の割れ目をなぞった。
「アン・・・やっ・・・ヤァ・・・!デニムッ、お願い、やめてッ・・・!」
真っ赤な顔で枕を抱きかかえながら姉さんが叫ぶ。だが決して股間を閉じようとはしない。
割れ目の中では彼女の分身がプックリと膨れ上がっている。勃ちあがったソレが姉さんの心を何より正直に物語っていた。
愛撫をやめると姉さんは無意識のうちに腰を突き出してくる。ふふ、姉さんは大胆だね。でも姉さんを責めるつもりは少しもなかった。
僕が姉さんから離れる事ができなかったように、姉さんもまた僕を想い、眠れぬ夜を過ごしたのだ。
その間に彼女が何をしていたかは、僕の関知する所ではない。
「ああう、・・・ウッ!!。」足先がビクンと震え、姉さんがうめいた。女の身体がぴくぴくと痙攣する。
指で姉さんの乳首を苛めながら姉さんの絶頂が収まるのを待った。姉さんはしばし、荒い息をする。
「愛してるよ、姉さん・・・。」耳元でささやくと、姉さんはうっすらと目を開き言った。「・・・もう・・・。」
でもその言葉には少しもとげはなかった。僕を見つめる優しい微笑み。もう姉と弟じゃない。今日からは晴れて、姉さんは僕の物なのだ。
僕は姉さんの頬に口づけ、さらに大きく股間を押し開いた。「いいよね・・・。」姉さんの中心に、僕の分身を挿し込んでいく。
「ウ・・・ク・・・。」姉さんがうめく。「痛い・・・?」目で尋ねるが姉さんは首を振った。
「ううん、・・・ちょっと思ってたより大きいだけよ。」「もう、姉さん!!」「キャッ、暴れないで!!」
見つめ合い、くすくすと笑いあう。僕は姿勢を変え、仰向けになると姉さんを上にした。
ゆっくりと腰を動かし、彼女を刺激する。「ン・・・デニム・・・。」
姉さんもまた、僕に合わせ腰をグラインドさせる。眼前に姉さんの顔がある。僕らはそっと舌を伸ばし互いの舌を絡めた。
姉さんが僕の頭を抱きかかえ、その乳房で僕を包む。大きく暖かな乳房が、姉さんがその奥に秘めた母性と情熱を感じさせた。
姉さんの中で僕の分身が欲望の形をとる。天を突く怒張が、姉さんの身体を突き上げた。
「ウウ、出すよッ、姉さん・・・!」「うん、デニム・・・ッ・・・いいわ。」
白い閃光がスパークし、僕は姉さんの胎内に熱い精液を放出した。僕の子供を宿すべく、子種が姉さんの子宮の奥底に呑み込まれていく。
「ウ・・・ッ、デニム・・・。」
やや遅れ姉さんもまた絶息する。白い身体を弓なりに折り曲げ、彼女はそのまま僕の上にくず折れた。
(姉さん・・・。)絶頂に達した姉さんが、身体の上でハアハア息をしていた。
優しい妻の細い身体を、僕は両腕でぎゅっと強く抱きしめた・・・。
翌朝目を覚ますと、姉さんは既に起きていた。
「おはようデニム、よく眠れた?」「うん、ぐっすり。」姉さんが頬にキスをしてくれる。
「オリビアさんから手紙が来ていたわ。」姉さんの言葉に、僕が目を見開いた。
「『結婚おめでとうございます。幸せになってください。二人の強い絆がうらやましい。』
・・・あの子は私たちより、ずっと強いわね。」
「姉さん・・・。」
「私も手紙を出したの。『どうもありがとう。困ったことがあったら何でも言って欲しい。良ければこれからも時々手紙をください』
そう書いたら、『喜んで』って返事が来たわ・・・。」
姉さんは微笑んだ。
「この大きな国を、私一人で治めるのは無理よ。あなたも含めて、みんなの力が必要だわ。
デニム・・・、これからも私を助けてくれる?」
晴れやかな笑顔。今の姉さんは世界の誰より綺麗だと思う。
「もちろんだよ・・・。」
「運命が二人を分かつまで、この世界が続く限り、私はあなたのそばから離れない・・・。
そして二人で、人々が安心して暮らせる王国を作りましょう。」
「姉さん・・・。」姉さんの手をとりキスをする。姉さんはニッコリ微笑んだ。
「ご飯、食べに行こうか・・・。」
固く手をつなぎ合って、僕らは部屋を出た・・・。
ベルサリア・オヴェリス
ヴァレリア王国第2代国王。
民を愛し、また家族を愛した彼女は、生涯を通し民衆から絶大な支持を受け続けた。
仲の良い女王の家族を見るたび、国民は家族の大切さ、日々の生活の尊さを思い出したという。
デニム・モウン
ヴァレリア王国騎士団長。
ハイムの戦役で百戦百勝を成し遂げた稀代の将軍。
戦後は一転して外交に力を注ぎ、女王の治世の間、二度と再び王国が戦争に巻き込まれることはなかった
オリビア・フォリナー
フィラーハ聖教聖母。
教団の政治色を排し、民を救うことのみにその生涯を費やした彼女を人は聖母と呼んだ。
女王との仲は生涯を通じ、変わる事はなかった。
3人の優れた指導者に支えられ、以後王国は最も繁栄した50年を経験する。
我らが女王とその王国に栄光あれ。彼らの進む道に神の加護のあらんことを。