教会の一室、一人の修道士の姿をした男が華やかな雰囲気の妙齢の女性となにやら話し込んでいる  
「御頭様、マズイですよぉ。当主様、怒ってますよ絶対」  
その男は大柄ながら、体格に見合わぬビクついた態度で女性に言った  
「それは、好かれるはずは無いでしょう。誘拐同然で連れて来たのですから」  
大して女性の方は、毅然とした態度で話を進める。が、こちらも何か後ろめたさを感じている様だ。  
「ただ『びゃっき』を返してもらう交渉をするだけなら、普通に話し合えばよかったんじゃないですか?  
三槌の当主どのには空幻狐やら恵比寿やら六瓢やら、トンでもないのがついてるんですよ?」  
「こちらには本人を傷付ける意志も必要も無いのですから何も問題は無いでしょう!」  
半ば懇願するような男の言葉に、思わず声を荒げて反論する女性。  
しかし、  
「いやいや、それが当主どのに直接伝わっていなければ同じことですって。  
実際、さっき朝ゴハン持って行ったときスゴイ顔してましたよ〜?」  
「それは……、ネットで色々買ったからお金が無くて給食みたいなメニューだったから……」  
顔色が変わる。  
「それに、何か大事な用事があるみたいなこと言ってましたし」  
「でも!ラブレターを装った手紙にホイホイ釣られて来たのでしょう!?」  
「その後に済ませるつもりだったのかもしれませんね」  
「……っ」  
俯いて唇を噛み締める。  
「それに、『誘拐同然で』って御頭様もさっき自分で言ってたじゃないですか。  
そんなことされて喜ぶ性癖の人は、あの年頃ではなかなかいないですよ?」  
「うぅぅ…」  
見る間に圧力を失って行く。  
あの少年、高上昇を誘拐したのは、止むにやまれぬ事情があってのことだ。  
しかし、いくら一族のためという大儀があったとしても、彼女、鬼の頭首である槐(えんじゅ)は、根は『いい人』  
なので、どうしても悪役に徹しきれないのだ。そこが彼女が慕われる理由でもあるのだが。  
さらに畳み掛けるように話は展開する。  
「大体、うまく当主様と『びゃっき』を交換できたとして、そのときに恨みでも持たれていたら、最悪、交換した後に  
天狐や土地神にヒドイ目に」  
が、そこまで言ったとき  
 
『バン!!!!』  
 
「あぁ、もう!わかりました!ならば私が直接当主様とお話しをしてきます!  
我々が危害を加えるつもりが無いというのを認識していただいた上でここに留まっていただきます!それで文句は無いですね!?」  
机を叩いて槐が立ち上がった。  
「えぇ、まぁ、そうです、ハイ……」  
気圧される男を尻目に、槐は頬を膨らませて昇の監禁されている部屋へと向かった。  
 
(勢い余って飛び出してきてしまったけれど、どうすればいいのでしょうか)  
部屋に向かう途中、槐は必死になって考えた。  
先の話の内容から、三槌の当主殿の機嫌が思わしくないということはわかった。  
しかし、だからといってまともに部屋を訪ねて行って猜疑心を煽るような真似だけは避けなければならない。  
(何か良い案は……ッ!)  
と、その時。以前暇つぶしに見ていたローカル局のアニメ放送と、それを見た部下達のフニャりとした顔を思い出した。  
 
『ダーリン!!浮気はダメだっちゃ!』  
『いいっすねぇ……』  
『あぁ……、コトバに表せないくらい、イイ……』  
 
もし、仮にあの状況を再現できれば。  
ご機嫌もキレイさっぱり元通り?  
 
(いえ、でも、アレは何か常識の範疇を越えているというか明らかに妙で、その、  
でもアレを見たときの反応は……う、うぅぅぅぅぅぅぅぅ!)  
顔を真っ赤に染め上げて頭を抱える。  
(けれどあの姿でなら説得どころか篭絡することすら出来るのでは。  
それに、その、言ってはなんですが当主様は私好みの結構カワイイお顔を……)  
と、炎上しそうな頭の中で必死に考えながら身悶えした後、  
槐は何かを決意した面持ちで自室に向かった。  
 
「ハァ……」  
悲しき高校生、高上昇は自分の境遇を改めて考え直し、深いため息をついた。  
夏休みに田舎へ帰って奇妙な体験をしてからというものの、彼の周りでは騒動が絶えなかった。  
あの時から一緒に暮らしている二人は、確実に家計にダメージを与え始めていたし、  
大ばば様から自分が当主であることを言い渡されてからは、彼自身が狙われるようなこともあった。  
そして今回はコレ、疑う余地も無く誘拐である。  
「命まで獲られることは無いだろうけどなぁ」  
しかし、もうかなり耐性が出来ているためか、極めて冷静な判断を下す。  
そして冷静でいられることに気付いてまたため息をついた。  
「佐倉……結局ほっぽり出してきちゃったからなぁ。怒ってないと良いけど」  
 
『あのー、当主様?少しお話があるんですが』  
 
と、扉の向こうから先ほど応対に来た男とは違う、柔らかな声が響いた。  
その瞬間、抵抗のポーズを示すために先ほどまでしていた無愛想な表情を作る。  
「……どうぞ」  
ガチャ、と扉が開いて、一人の美しい女性が入ってきた。  
 
が、  
その女性は明らかに面積の足りない服装をしていて。  
が、が、  
その服、というか布、はトラ柄の模様のビキニというやつで。  
が、が、が、  
おまけに何を思ったか頭につけたカチューシャには、『ピョコン』と可愛らしく2本の角が突き出ていて、  
 
つまるところ、完全に某電撃鬼娘の格好でそこに立っていた。  
 
「な、なな、な!…えェェェェ!?」  
「その!言いたいことは分かるのですけれど!少し、少しで良いのです!話を聞いていただけませんか!」  
 
「つまり、ウチにいる『シロちゃん』が『びゃっき』で、何とかあの子を渡してもらえないかってこと?」  
「はい、そうなります」  
衝撃的なファーストコンタクトから十分ほどして、大まかな事情の説明が終わった。  
今現在、高上家にいる『シロちゃん』はもともと彼女達、鬼の所へ届けられるはずだったが、何の手違いか高上家へ誤って『配送』されてきたらしい。  
そして、鬼の地位をこれ以上失墜させないためにも、どうしても『シロちゃん』もとい『びゃっき』が必要らしいのだが、その辺りのくだりは昇には良く分からなかった。  
しかし、どうやら彼女(槐{えんじゅ}さんというらしい)が嘘をついているとも思えないほど真剣なので、昇はそれを素直に信じることにした。  
だが……  
「一つ、質問があるんですけど」  
ここにきて  
「何でしょうか?」  
「その格好は何の冗談すか?」  
昇は当たり前の疑問を口にした。  
「え、あ、コレは、その、これなら当主様もこちらの話を聞いて下さるんじゃないかと」  
入ってきた時以上に顔を真っ赤にして、しどろもどろに弁明する槐。  
「……どんな『当主様』ですか俺は」  
頭痛をこらえるようにして言葉を搾り出す。  
「え!?ですけれど男の方はこういう格好がお好きなのではないのですか?」  
「それは、まぁ、嫌いじゃないですけど」  
「や、やっぱり、こういうのがお好き…なんですか?」  
言ってしまってから気付く。  
(な、ななな何言ってるんだろう俺は!?)  
こちらも顔を真っ赤にして慌てふためく。  
お互いに顔を真っ赤に染め、てうつむき、その場に気まずい空気が流れる。  
 
むニュん  
 
「!!??」  
と、昇の頭がなにか柔らかいモノで包まれた。  
「ちょ、槐さん!?何をモガふァ」  
「その、と、当主様がお好きなのでしたら!」  
「???」  
「その、えと、……ぅ〜〜〜〜〜!!」  
声にならない声と共に、より強く締め付けられる。  
(マズイって!ビキニ!ビキニだから生肌が!というか生胸が!顔に!)  
サラサラの肌ざわりのとても柔らかいモノが自分の顔を挟み込んでいる、というよりもうずめている。  
この夢のように異常な状況に、現役高校生の思考と理性は一気に吹っ飛んでしまった。  
 
理性の吹き飛ぶ音がしてから、どうなったかの詳しい記憶は昇には無かった。が、  
「ん、ふぅ…、は、ンむ」  
気付けば、槐の唇が自分のそれにぴったりと、まるで貝殻のように密着させられ、  
そこから彼女の舌が唇を割って自分の口内を蹂躙していた。  
ねっとりと、口の中であってもそれが感じられるほどに密度が濃く淫靡な舌遣いに、昇は半ば惚けた表情でされるがままになっていた。  
「ちゅ、くちュ、チゅ、ピチャ……んんっ、」  
と、槐はわざといやらしい水音を立てるように、唇を少し離して舌だけで行為を再開した。  
いつの間にか昇自身のクチからも舌が伸び、槐のそれと絡まりあっている。  
そして、また、密着。  
「はン、ん、んぅん」  
今度は昇も能動的に舌を動かす。歯肉から始まって、ほおの内側を粘膜をまるで味わうようにしてゆっくりと擦り、  
互いの舌を交じり合わせる。  
彼女の上あごを口の中から優しく撫で、入ってきた下を甘く噛む。  
少しだけ粘度の違う彼女の唾液が、口の中に流れ込んでくるのが分かる。  
しかしそれも束の間、すぐにどちらのもなのかわからないほどに混ざり合い、それを嚥下する。  
『こくん』、と槐が同じように唾液を飲み込む。その喉の動き、喉の小さな隆起が音に合わせて下に降りていく様は  
彼女の中に自分から分泌されたものが入っていく、そんなことを強調しているようにも思えて、動きを加速させる。  
「ん、……はァっ」  
と、半ばで槐が顔を離す。粘ついた糸が口唇の間を渡り、舌を出して槐がそれを舐め取る。  
その目はまるで熱があるかのように潤んで、けれど真っ直ぐに昇を見つめていて、恐らく昇も同じような目をしていた。  
槐は何も言わずに昇の首に腕を回して、昇は何も言わずに槐の胸に優しく手を伸ばして、  
槐は何も言わずに昇の体を引き倒して、昇は何も言わずに覆い被さり、そのままぎこちなく手を動かした。  
 
部屋のベッドに倒れこみ、槐の付けているトラ柄のビキニを上に半分ほどずらす。  
先程まで自分の頭を包んでいた双丘、まるで手の熱で溶けてしまいそうな程柔らかなそれが露わにる。  
その一瞬、少し驚いたような顔になる槐だったが、すぐに慈愛に満ちた柔らかい笑みを浮かべる。  
「良い、ですよ?触ってみますか?」  
「……はい」  
少し、遠慮がちに指先を沈めてみる。  
「んっ、」  
槐は驚くほど簡単に声を漏らした。  
それを受けて、少し大胆に胸を揉みしだく。指のスキマから肉がはみ出すほどにボリュームのあるそれ、  
(ここ、気持ちいいって聞くけど)  
その、ピンク色の先端を指で軽く押す。  
「はァん!や、とうしゅ、さま、ソコ、んんっ!」  
(やっぱり気持ちいいのかな?なら……)  
軽く口に含んで舌で転がし、それを軽く、前歯でこそぐように噛む。  
「きゃゥん!は、あっぁ!」  
ビクン、と体を跳ね上げて嬌声を上げる様子がたまらなく愛しく映り、片方を胸、もう片方を腰に回して行為に没頭する。  
「くちゅ、ちュん、ちゅ、―――槐さん、感じやすい、ですか?」  
「あっ、ぁ、んぅ、ん!や、めぇそんな、こと、いわらいれぇ……ん、きゃぁぅッ!」  
と、しばらく胸に顔を埋める間に、腰に回した手が手持ち無沙汰なように思えてきた。  
 
「槐さん」  
吐息のかかる距離まで顔を近づける。  
「は、ぁ、ンぅ―――?」  
まるっきり熱に浮かされた顔で、小首をかしげる。  
「いい、ですか?」  
何がいいか、とは聞かない。  
何をするのか、とも問い返さない。  
けれども彼女は、先にみせた慈母のような微笑を見せて、ゆっくりと頷いた。  
 
片腕を背中に回し、しっかりとその細い体を固定すると、昇は彼女の下半身に手を伸ばした。  
胸からゆっくりと、撫でるように指を這わせ、トラパンのゴムにあたる部分の少し上、  
下腹部の辺りで指を止める。  
(ここから先が、女の人の……)  
意を決して、パンツの中に指を差し入れる。  
「ん、やぁ…!」  
高揚した体温が保温されて生暖かいそこは、既に汗と愛液でじっとりとしていた。  
(うわ……すごい、濡れてる)  
中指で筋目を探り当て、ソコに沿うようにそのまま指を這わせ、下部まで進む。  
それに合わせて密着した槐の鼓動が速くなっていくのが胸越しにわかる。  
(こうしてる抱き合ってると、まるで一つになってるみたいだ)  
くチュ、と粘度の高い音をたてて槐のそこを弄ぶ。  
「と、当主、さまぁ……意地悪なさらないでください」  
その言葉で、余計なことが頭から立ち消えて、単純な、ごくごく純粋な気持ちが浮かび上がる。  
 
(気持ちよく、なって欲しい……)  
 
(もっと、一つになりたい……)  
 
「槐さん……入れ、ます」  
そう言うと、脱がす間ももどかしいといわんばかりに  
スパッツ地の下着を少しだけずらして、  
槐の柔らかく湿ったそこに自分のモノを押し当てた。  
 
柔らかく濡れぼそり、とろとろと愛液を垂らすソコ。  
ゆっくりと腰を沈め、肉の感覚に先端を飲み込まれる。  
(うわ、すごい……気持ちいい)  
「ぁ、ぁ、あ、〜〜〜〜ッ!キ、ついッ、です!とうしゅさm!?」  
唇で強引に嬌声をふさぎ、またも口の中を蹂躙する。  
「む〜〜!ん〜〜!」  
その間にも昇の先端は徐々に彼女の中に飲み込まれ、半ばまで肉壷の中に埋まっている。  
と、何か、柔らかく強靭な抵抗を先端に感じ、昇はやっと槐の唇を開放する。  
「あの……もしかして槐さん、」  
「ぅぁ、は、い…」  
口元に手を当てて、恥ずかしげに答える。  
「良いんですか?その、ここまで来て言うのもなんですけど、俺のことが好きなわけじゃn」  
ぴし、と人差し指が彼の口を閉じる。  
「んぅ、仰らないでください。……そもそも、好きでもない相手、に、ここまで許したりしませんわ」  
涙目で、それでも微笑んでの彼女の言葉に迷いを断ち切る。  
「それじゃあ、行きます」  
ず、  
ゆっくりと  
ズぬ、  
余計な痛みを与えぬように最新注意を払って  
ミチ…ミ゛チミ゛チミ゛チミチッ!!  
槐の膜を突き破った。  
 
「―――やぁぁぁッッ!!!!!!!」  
一瞬ビクン、と痙攣して、  
背中に傷が出来るほど強く槐は昇を抱き締めた。  
「大丈夫ですか!?」  
「―――!!大、丈夫、です。でも、ちょっと、待ってください、ね」  
荒い呼吸を徐々に整えつつ言う。  
それから数十秒の間隙の後  
「は、はァ―――、ん、くぅ〜〜〜!……動いて、みて、ください」  
遠慮がちに腰を動かす。  
「くぅん!あ、は、ぁう…」  
先程の痛みをほとんど感じさせること無く、声色が湿っていく。  
その淫らな声に触発されて腰を動かすスピードも上がる。  
「ん!きゃうん!は、あ、とうしゅ、さまぁ。きもち、いい……うぅんッ!」  
槐自身も腰を動かし、昇りつめた表情になってゆく。  
「きゃ、ん♪は!もっと、もっとぉ♪」  
口の端から淫らに涎を垂らして叫ぶ。  
「っっっ!槐さん!もう、俺!」  
ドクン、ドクン!ドクン!  
「んぁぁぁぁぁ!とうしゅさまぁぁぁぁ!!」  
 
二人はほぼ同時に絶頂を迎えた  
 
 
 
事件は結局その後、『保管係』にシロちゃんが預けられるということで終結し、またいつもの日常が戻ってきた。  
「ねぇ、高上」  
「ん?何?」  
「さっきから背中かいてるけど、虫刺され?」  
「あー、まぁ……そんなトコ、かな?」  
「じゃ、じゃあ!クスリ!薬塗ってあげる!」  
「や!イイって!恥ずかしいし!」  
「遠慮すんなよ高上〜、せっかく佐倉が優しくしてくれるんだからさ〜」  
「そうだぞ高上!据え膳喰わぬは男の恥だ!」  
「意味が微妙に違うって!」  
「いいから、ホラ!背中をご開帳〜ぅ……」  
「お前、コレ……引っかき傷?」  
「ガ━━━(゚Д゚;)━( ゚Д)━(  ゚)━(   )━(゚;  )━(Д゚; )━(゚Д゚;)━━━ン!!」  
「あ、ち、違うんだってコレはぁ!」  
「そんな……階段上るスピードが…・・・『また世界を縮めてしまった』とでも言うつもりか貴様ァ!!」  
「据え膳、もう食器まで洗っちまってたのか」  
「……(´;ω;`)」  
「あ、ちょっと待てって!佐倉!さくらぁぁー!」  
 

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