とある平日の夕方、  
本来であれば帰宅する時間であるが今日はいつもと違う道を通り、駅へ向かっている。  
昨夜、くえすより電話があったためだ。  
 
くえす「ゆうちゃんですか、元気にしていましたか」  
優人「ああ」  
くえす「早速ですが明日、わたくしとデートしなさい」  
優人「いきなり何を・・・」  
くえす「取り巻きの4匹は最近暴走気味のようです。あなたには安息の時間が必要なはずですわ」  
優人「・・・、どうしてその事を・・・」  
くえす「わたくしに隠し事はできませんことよ」  
優人「・・・、しかし・・・」  
くえす「待合せの場所ですが・・・」  
優人「・・・ちょ、まだ行くとは・・・」  
くえす「これは決定事項ですわ」  
優人「・・・はぁぁ」  
 
最近の緋鞠達は暴走気味であった。  
暴走気味とはいっても妖に斬りかかるといった物騒なものではなく、何かにつけてエロイベントに持ち込むといった類である。  
最近では凛子やいいんちょまで積極的にイベントに参加おり、優人には安息の場所が無かった。  
彼女達と過ごすことによりストレスを抱えている優人のことが気掛かりで、気晴らしを兼ねてデートに誘ってくれたようである。  
まあ、せっかくのご好意だし、今日は楽しむことにしよう・・・。  
2ヶ月ぶりにくえすと会えるということもあり、優人の足は軽やかであった。  
 
待合せの場所となっているA駅前ロータリーで待つこと10分、黒塗りの車が到着した。  
くえす「お待たせしましたわ、これからとある場所へ電車で向かいます」  
優人「電車? 車ではないの・・?」  
くえす「この時間の電車はいいものが見られますことよ。」  
優人「・・・」  
かくして、優人とくえすは駅構内へ向かった。  
 
駅のホームまで行った所でくえすが時刻表を指差し、あの電車に乗りましょうと提案してきた。  
30分後に出発の快速新都心行きである。  
 
優人はあまり乗り気ではなかった。  
なぜなら、この時間帯の新都心方面は通勤・通学で比較的混んでいるからだ。  
そんな優人にはお構いなしにくえすはこれから起こるであろうことを想像でもしているのか、不気味な笑みを浮かべている。  
とても変更の提案を切り出す雰囲気ではなく、提案に乗るしかなかった。  
 
夕焼けで全体がオレンジ色に染まる中、特に会話することなく電車を待つ2人。  
特に会話は無く、オレンジ色の景色が元に戻るのを静かに待っているようであった。  
 
待つこと30分、快速電車が到着した。辺りは薄暗くなっていた。  
車内を見ると、混んではいるもの普段よりは少なめである。  
優人はホッとし、くえすと共に車両へと乗り込んだ。  
 
電車が動き出してしばらくの後、くえすが優人の手を握ってきた。  
突然の事に優人は体に電気が走ったようにビクッと反応する。  
くえす「優ちゃん、気づきまして?」  
優人「???」  
くえす「この車両には淫魔がいますわ。しかも強大な魔力をもつ。ほら、そこです」  
優人はくえすの目線の方向をみるとすぐ隣の高校生の腰に本人とは別の手の形をした触手があることに気づいた。  
くえす「これから魔物退治を行います。優ちゃんにも手伝ってもらいますから」  
 
どうやら、くえすが言っていた「いいもの」とは淫魔とよばれる魔物のことのようである。  
淫魔は魔力こそ強大であるが、妖の中ではかなり弱い部類である。  
くえすは、鬼斬り役の教育をしようとしたのであろう。  
 
しかし、既に優人にはくえすの言葉は耳に入っていなかった。  
経験した事のないあまりの衝撃に固まりつつも、視線は手の形をした触手に釘付けとなっていた。  
ほどなく、くえすは優人の変化に気づき、「あらあら、優ちゃんったら淫魔に心を奪われてしまったようですわね。」と囁く。  
そして、優人の顔を見たくえすは、頬を真っ赤に染め、目をぎらつかせていることに気づき、イジワルしてみたいという遊び心が沸き立ってきた。  
 
くえすは、優人の手を自分の腰元へしのばせ、「優ちゃん、指を動かしてみてください」と耳元で囁き、甘い息を吹きつけた。  
くえすの甘い言葉と香りに反応した優人は、最初はゆ優しくではあったが次第に力強く服の上から腰元をいじりだした。  
くえすは、優人のソフトともワイルドともいえぬ微妙な指使いに体が反応し始め、次第に体が宙を浮いたような、ふわふわとした感覚へと変わり始めていた。  
くえす「これは、決して魔物のせいではありませんわ。わたくしがしっかりしなくては」  
心ではそう考えていたが、無意識のうちにくえすの手は更なる快楽を求めて優人の手を胸元までたぐり寄せていた。  
胸元まで寄せられた優人の手は、胸の膨らみを最初はなでるような動きであったが、次第にふっくらとした曲線に合わせたソフトな動きへと変化し、更には下から持ち上げながら揉む愛撫へと変わっていく。  
優人の指の動きが卑猥さを増すと共にくえすの体は次第に硬直し、自分自身では体を支えることができなくなった。  
そして、ついには優人にもたれかかり、全身を預けるまでとなった。  
この反応をみた優人は片手でくえすを支えつつ、もう一方の手を服の中へ滑り込ませ、ブラの隙間から更に奥へ手の侵入を図った。  
直で触るふくらみは、服の上からでは比較にならないほどやわらかく、この世のものとはとても思えぬものであった。  
 
初めのうちはやわらかい膨らみを観賞するようなもみもみとした動きであったが、次第に丘の上へと移動し、ついには先端のふくらみを指先で摘み始めた。  
敏感な部分を直で触られてしまったくえすは、いままでの愛撫と相まって体中に電気が走るのを覚え、優人の盾がなければ立つこともできない状態となっていた。  
くえすの体は絶頂を迎える準備が出来ているようである。  
しかし、くえすは呼吸が乱れてはいるものの、周囲に悟られまいと必死に堪え、それが更なる快感を誘い、悶えている。  
優人は、声を出してしまう寸前で必死に耐え苦しんでいるくえすの手助けをするかのように静かに唇を重ねた。  
くえすは口が淋しかったのか、ごく自然に舌を絡めてくる。  
優人もくえすに答えるかのように舌を絡ませた。  
くえす「んん、ん、はぁぁ、ん・・・」  
濃厚なキスである。  
 
夕暮れの快速電車はまだまだ止まらない。  
 
その光景を魔物たちは物静かに、しかし、楽しげに見つめていた・・・。  
 

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