茨鬼家の夕食。 音鬼丸は雑用で、人間界までおつかいに出かけている。
琴音「そういえば、御琴。 あなた、お酒飲めるかしら?」
御琴「え、いえ… 飲んだことは…」
琴音「あなたももう十五なんだし、お酒くらい飲めるようにならないとね」
琴音、台所から徳利と猪口を持って来る。
琴音「ほら、御琴」
御琴「え、でも…」
差し出された猪口に戸惑う御琴。
琴音「大丈夫よ、この人(茨鬼)の血を引いてるんだし」
御琴「は、はい… いただきます」
御琴は恐る恐る酒を口に含む。
琴音「どう?」
御琴「え、えっと… その…」
琴音「ふふ、まだ味は解かりにくいかしら。 でもまあ、慣れよ」
御琴「は、はい」
その時、琴音はニヤリと妖しげな笑みを浮かべる。 しかし夫と娘は気付かない。
茨鬼「琴音、俺の酒が切れたぞ」
琴音「あなたは飲み過ぎです。 控えて下さい」
茨鬼orz
その夜、一人布団に包まっている御琴。
いつもは琴音も並んで寝るのだが、今日は茨鬼の所へ行っている。
「はぁ… はぁ…」
不自然に息を荒くさせている御琴。 顔がほんのり紅い。
(な、なに… これ…?)
今までに経験したことのない、身体の異変だった。
「熱かしら… え、あ… えぇ…っ?」
額に手を当てようとしたところで、ふと、股間に妙な違和感を覚えた。
手を恐る恐るそこに伸ばしてみると、指先から湿った感触が伝わる。
(あ… な、なんなの…?)
手を戻し、指に付いた液体を見てみる。 少し粘り気があって、尿ではない。
御琴にも、それが何なのか察せられるくらいの性知識はあった。
「そ、そんな、こ、これ… どうして…っ」
困惑する。 なぜ今、自分の身体はこんな風になってしまっているのか。
何が何だか解からないまま、股間の疼きに耐えきれず、再びそこに手を伸ばす御琴。
「あ、あ… きゃうっ!」
指が淫核に触れると、強烈な刺激が身体を突き抜け、鋭い声をあげてしまう。
(な、なに、今の…? す、すごく…)
初めての感覚に戸惑う御琴だが、手は無意識の内に女性器を弄くる。
「あ、きゃ、うぅっ…! ん、んく、あ、うぅ…っ!」
(な、なんで… て、手が、勝手に…!?)
まだこの性感を"快感"だと認識できない御琴は、自分の意志に関わらず手を動かしてしまうのが、本能によるものだと分からない。
「あくぅっ! あ、う、うぅぅんっ…!」
別室で寝ている両親のことを考え、必死に声を押し殺そうとする御琴。
しかし陰唇を弄くる手は止まらず、もう一方の手は、胸元の控え目な膨らみに伸びてしまう。
「あ、あぁ…? あ、ひぁっ!」
ツンと寝間着を押し上げる乳首に指先が触れ、御琴は身体を震わす。
(あ、や、やあぁ… 胸が、じんじんして…!)
官能に翻弄されるまま、胸と性器を触り続ける御琴。
ふと、自分の行為が所謂"自慰"であるということに、突然思い当たってしまった。
性感以外の要素で、御琴の顔が真っ赤に染まる。
「い… いやぁ…っ 私、こんな、こと…っ!」
こんな淫らではしたない行為に及んでいる自分が、余りに恥ずかしくなる。
しかしその羞恥さえも被虐的な悦びの一つと化し、快感を高める材料となる。
「あっ、う、うんっ…! は、あふ、わ、わたしぃ…!」
両手は執拗に女の性感帯を責め立て、その一方からは愛液が大量に溢れてきた。
(あ、な、なに? あ、あ、あぁあ…!)
頭の中が白くなる。 感覚がどんどん高まってきて、どこか、堪えられない一点に及ぼうとしている。
それが怖くなったが、かといって、性感を貪る手を止められるものではなかった。
「あ、あふ、あ、ああぁぁぁぁんっ!!」
抑え切れぬ嬌声。 上体をきつく反らし、御琴は初めて達した。 溢れ出た女の蜜が、寝間着と布団を濡らす。
御琴の身体は脱力し、布団の上でぐったりとなる。
(あ、あぁ…? なん…なの…?)
快感の最高潮に至ったということも解からず、困惑したままの御琴。
やがて性感の波が引いていくと、理性が戻り、自分の行為に対する羞恥感が改めて沸いてきた。
「う、うぅ… お兄様… わたし、わたし、なんてことを…」
しかし、すすり泣く御琴をさらに追い詰めるように、身体が再び熱を取り戻してきた。
アソコと乳首が疼いてくる。
(あ、だ、だめ…!)
してはならない、という意識と、またあの感覚を味わいたい、という本能がぶつかる。
御琴の手は、下半身に伸びた。
「あ」
壁の向こうから聞こえてくる娘の声。
茨鬼「…自分の娘にあんなモノを飲ませるとはな」
琴音「御琴もあれくらい経験しなきゃ、大人になれないわよ」
茨鬼「恐ろしい女だ」
琴音「あんっ… あなたぁ…」
こっちもこっちで気持ち良くなっている夫婦だった。