幻想でも良いから蒼兄に逢いたい…
茜の片思いがあんな形で終わりを告げるなんて夢にも思っていなかった。
阿倫に言われた時はわからなかった
「あんたは蒼鬼が好きなのね」っと言う意味が、
やっとこれが好きだという気持ちなのだと気が付いたのに
その気持ちを伝える事なく終わりを告げてしまった。
「蒼兄…今年も桜が綺麗に咲いてるよ…」
桜をみたら俺を思い出してくれ…思い出さないわけがない
桜はこんなに綺麗なのに
何で胸はこんなにからっぽなんだろう…
大きな桜を見上げながら茜の赤い鬼の目からは
大粒の涙が一つこぼれた。
「蒼兄…っ」
大きな桜の幹にしがみつき声を殺して泣く。
柳生十兵衛の名を継承して、何よりも強い意志と心を持たなくてはならなくても
桜を見ると切なくなる…涙がこぼれる
「蒼兄に逢いたいよ…」
泣きつかれて茜は桜の幹に寄かかり寝息を立てる…
浅い眠り
頬を触る大きな手
「ん…」
目を開けると、そこには、逢いたくても夢にさえ現れる事がなかった
蒼鬼の姿…
茜は飛び起きて目をこする
「蒼兄…?蒼兄なのか??」
慈しむような瞳で茜の顔を見る蒼鬼、茜の髪をなでながら
言葉はなく静かにうなづく
「生きていたのか…?」
蒼鬼は何も言わない。
「蒼兄…っ」
茜は、蒼鬼に必死に抱きついた…もうどこにも行って欲しくない
ただその一心でしがみついた。
「十兵衛…しばらくあわない間に綺麗になったな」
茜が涙にぬれた顔を蒼鬼に向ける。
唇が震える…でも今伝えなきゃ…でも…でも…
「好き」の一言がどうしても言えない。
蒼鬼が微笑む…
「茜…」
茜の耳元でささやく
「お前が好きだ」
茜の涙がまた零れ落ちる…
「蒼兄…っっおれ…おれっっっ」
その先は言わなくても言いと蒼鬼は
茜の唇を自分の唇でふさぐ。
温かい蒼鬼の唇…
これは…リアルな夢なのか…現実なのか…
でも、茜はずっと願っていた事に
すべて蒼鬼に身をゆだねた。
「茜…俺の女になってくれるか?」
男と女の事情なんて、ほとんど理解していない茜、
でも、蒼鬼からのうれしい申し出に、茜はうれしそうに微笑む。
「後悔…しないか?」
「蒼兄なら、後悔なんてするわけないだろ」
強く蒼鬼にしがみつく
「その代わり…茜は俺が一生守る」
蒼鬼に押し倒されると、目の前には
満開の桜と満天の星
茜は思わず「綺麗」とつぶやく
「茜…星よりも桜よりも今は俺だけを見ててくれ」
切なそうな泣き出しそうな微笑をする蒼鬼…
蒼鬼の頬を一なでする。
「蒼兄…泣かないで…おれ…いや…あの…私は…蒼兄しか見ないから…」
二人の唇が重なる。
先ほどの重なり合うだけのキスではなく
今度は蒼鬼の舌が割って入ってくる。
反応の仕方がわからない茜は、追ってくる蒼鬼の舌になすがままの状態で
絡められていく。
「んっ…あっ…」
茜が蒼鬼の背中をぽんぽんとたたく。
「どうした茜?」
口を離すと、「ぷはっ」っと茜は慌てたように空気を吸う。
「息の仕方がわかんなくて、苦しくて…」
恥ずかしそうな気まずそうな顔の茜
「でも、蒼兄がこれから教えてくれるんだよな、いろんな事
お…私、わかんないことだらけだからさ」
また、蒼鬼は泣き出しそうな微笑を浮かべる
茜は何か言ってはいけない事を言ってしまった様な気がして
次の言葉を飲み込んだ。
蒼鬼が、再び茜の耳元でささやく
「茜…愛してる…」
その言葉だけで、背筋がぞくりとする。
蒼鬼の唇が耳から頬を伝い首筋にはってくる
「んっ…」
首筋に吸い付いて、一片の花びらの後を残す
「茜…俺のものだ」
きっちりと合わせられた着物に、手を差し込み肩を出させる
白い肩に舌を這わせ、まだ小さめなふくらみを目指す。
着物の合わせ目を再び広げ、あらわになった白い胸、桜色の頂の美しさに
蒼鬼は思わずため息をつく。
「蒼兄…ごめん…胸が小さいからがっかりした…?」
ため息の理由がわからず、茜が心配そうに蒼鬼の顔を覗き込む。
「違う…茜が綺麗だからだ」
顔を赤くする茜、蒼鬼は茜を愛しそうに見る
胸の膨らみに手を置き、柔らかさを確かめるようにゆっくりと力を入れると
茜の高鳴る胸の鼓動が伝わってくる。
「緊張してるのか?」
「は…初めてだから…」
「優しくする…大切にする…だから俺に任せろ…」
大きな手で胸をすっぽりと覆われ、柔らかくもまれていく
じわじわとこみ上げてくる快感にとまどいながら茜は蒼鬼を見つめている。
小さな頂を、指で挟み少し力を加えると
茜も少し耐えられないような感じで、甘い声をもらす。
「あっ…蒼兄…す…」
好きと言おうとしたら、蒼鬼の唇で口をふさがれる。
左手で再び乳首をひねり上げ、右の乳首に蒼鬼の顔が移動して口付けをし
舌が円を書くように乳首を転がす。
「あんっ…あっ…んっっ」
茜の感度のよさに満足する蒼鬼は、茜を早く快楽の波にいざないたいと
乳首を少し強めに吸い上げる。
「んっっっっ」
茜の体が少しはねる、蒼鬼の手が腰のラインから太ももへとなぞる
「蒼兄…体が熱い…」
不安げな茜に微笑み、口付けをまた一つ落とす
茜の足の付け根を優しく撫でる
「あっ…ん…」
手が遠慮なく、布の上から秘所に触れる
しっとりとした感触に蒼鬼は満足そうな微笑を浮かべる。
「ぬれてる…分かるか茜」
茜の着ているものは、蒼鬼の手によっていともたやすく取り払われる
「綺麗だ…」
脚を左右に開かせ、蒼鬼が割ってはいる
茜の秘所の誘う香りに吸い寄せられるように
蒼鬼は、唇をあてがう
流れ出る蜜をすすりつつ、興奮して大きく主張した芽を蒼鬼の舌は捕らえる
左右に転がし、軽く吸い上げる
蜜を生み出す膣に、ゆっくりと指も入れ
優しくゆっくりとかき混ぜる。
「あっ…っっ…蒼兄っ…私っ…あぁっっおかしくなっちゃう」
「茜…全部俺に預けて…」
中と外の刺激に、茜は意識が朦朧としてくる
体がしびれてふわふわして…どこかに飛んでいってしまいそう…
茜がそう思った瞬間、体が大きく弓なりになる
「あっっっくぅんっっ」
脱力感に襲われるが、蒼鬼は再び茜の脚を割ってはいる。
「全部俺にくれ…茜…愛してる」
美しく整った蒼鬼の顔…形の良い唇から放たれる愛の言葉にうっとりとしていると
秘所に、硬くて熱いものがあてがわれる。
茜がわれに返って起き上がると、蒼鬼の興奮したものが、茜にあてがわれていた。
「お前と一つになりたい…いいよな」
熱っぽい蒼鬼の瞳をみたら、急に逆らえない気分になって、大きく一つうなずく。
ゆっくりと、熱い塊は茜の中へ飲み込まれていく。
「くっ…んっ」
痛いと言うよりも苦しい…そんな感覚に茜は顔をゆがめる。
「少しだけ…我慢してくれよ」
茜の頬に口付けし、髪を撫でる。
茜の締め付けに、蒼鬼はたまらずため息をもらす。
「あっ…蒼兄が…私の中に入ってる…んっっ…痛いけど
何か幸せだ…」
目に少し涙をためつつ、とびきりの笑顔を見せる茜
愛しさがあふれる。
蒼鬼は、茜を強く抱きしめる。
「茜が愛しすぎて…もう我慢できない…少し動いてもいいか」
大きく茜がうなずき、蒼鬼に力いっぱい抱きつく。
まだ、抵抗のある茜の中をほぐすように蒼鬼の塊でかきまぜる。
「あっ…あんんんっ…」
甘い声、興奮して蒸気した白く華奢な体、
壊してしまいそうだが、もう理性では抑えきれず
茜の脚を肩にかけ、力強く打ち付ける。
「っっ…んんっ…蒼兄ぃっ…奥まで…ああぁっ」
最奥を打ち付ける度、茜の膣は蒼鬼をぎっちりと締め付ける。
「茜…少し気持ちよくなってきたんじゃないか?もうあまり痛さないだろ」
耳元で少し意地悪な声でささやくと、図星なのか茜は蒼鬼をまた締め付ける。
肩にかけた脚を開脚させると、敏感な芽に指を沿え、
腰の動きと指の動きを合わせて攻める。
「あっ…ああぁぁぁぁっ…兄ぃっ…ダメぇ…体がしびれるぅぅっ」
茜の絶頂が見えた頃合を見計らい、蒼鬼は、茜の腰をがっちりつかみ
さらに力強く茜に打ち付けていく。
茜の中で蒼鬼の塊がさらに硬さを増し一回り膨張する。
「あ…あお…にぃ…あぁっ…あぁぁぁっ」
茜の体が跳ねるのと同時に、蒼鬼の想いも茜の中へはじける。
蒼鬼の腕の中、夢心地でうとうととする茜。
風もないのに、桜が舞い始める
蒼鬼が茜の唇を奪う
「茜…愛してる…」
耳元に当てられた蒼鬼の唇が「さよなら」と告げる
「蒼兄?…」
立ち上がる蒼鬼は
桜吹雪の中去っていく。
「蒼兄…蒼兄ぃぃっっっ」
悲鳴にも似た呼びかけの声…
何となくわかっていた…これが今生の別れだって…
でも、これは切ないよ
泣き崩れる茜
でも、茜はもう一つ気が付いていた
鬼武者の想いが一つの種となって己の腹の中に息吹いている事も