比叡山でロベルトの回復を待つ一行。  
早朝、茜がいつもの稽古から帰って来た。  
茜「ああ〜つっかれた〜!お初姉ぇ朝ご飯出来てる〜?」  
しかし返事が無い。  
まだ準備してる途中か…と少しがっかりしながら寺の中に入るとまだ蒼鬼は熟睡していた。  
茜「なんだよ。まだ寝てんのか…しょうがねぇなぁ。」  
勢いよく起こしてやろうと思ったが蒼鬼の寝顔を見てもう少し寝かせてやるか…とそのままじっと寝顔を見ていた。  
ふと目線を下げると太腿の間に棒状の形が見えた。  
茜「アオ兄の奴…いつから小刀なんか持ってたんだ?」  
 
蒼鬼が小刀なんか使ったのは見たことが無い。じゃあ何でこんな大事そうに…?  
茜「もしかして…俺にくれる為に買ってきてくれたのか!?」  
そうだ、きっとそうに違いない。後で俺を驚かせようと内緒で買ってきてくれたんだ。  
茜「なんだよ〜。照れるじゃねぇか。さてはこの前の里芋の味噌煮の御礼だな?じゃあ早速拝見させてもらうぜ!」  
そう言うと蒼鬼の布団をひっぺがした。しかし刀が無い。服の中に入れているようだ。  
茜「アオ兄…いくら驚かせたいからって服の中にまで入れるか?しょうがねぇ…そーっと…そーっと…。」  
 
茜は蒼鬼を起こさぬ様慎重に袴を脱がしていった…。  
茜「う、うわっ!?なんだこれ?」  
初めて見るそれは茜にとっては物の怪の様に見えた。  
茜「これはもしかして…鬼武者の証みたいなもんか?俺には付いてないし…。」  
初めは萎えていたそれは急に外気にさらされた為に緊張し、しだいに堅くなっていった。  
茜「マズい!!アオ兄が起きちまう!な、なんとかしないと!!」  
しかしどうしていいか解らず触ってみたりするが全く元の形に戻る気配が無い…。  
それどころか余りに触り過ぎた為、下腹部に違和感を感じた蒼鬼が起きてしまった。  
蒼鬼「…お前何やってんだ!!!?」  
 
茜「やべぇ!起きちゃった!!アオ兄!俺小刀を探してたら鬼武者の証が堅くなって慌ててなんとかしようと…」  
蒼鬼「な、何言ってんだお前!?これは鬼武者の証とかそんな立派なもんじゃねぇ!!男には皆付いてるもんだ!」  
茜「そ、そうなのか!?じゃあじぃちゃんにも!?」  
蒼鬼「付いてる!!!」  
茜「なんだよ〜。てっきりこれには鬼の力が宿ってるのかと思ったよ…。じゃあなんでこれは堅くなるんだ?」  
蒼鬼「…一応確認しとくが子供の作り方って知ってるか?」  
茜「前にじぃちゃんに聞いたけど教えてくれなかった…。アオ兄は知ってるのか?」  
蒼鬼「そりゃあ…知ってるけど…。」  
 
茜「教えてくれ!!ずっと気になってたんだよ〜俺。」  
蒼鬼「教えてくれって本気か!?俺だってどう説明したらいいか解かんねえよ!」  
茜「知ってる事教えてくれたらいいから!!た〜の〜む〜よ〜!!」  
そう詰め寄ると蒼鬼の肩を掴んで激しく揺さ振った。  
蒼鬼「わかった!わかったから落ち着け!!…っつっても何処から話せばいいか…お前、男女が交わる事は知ってるか?」  
茜「…ってどんな風に?」  
蒼鬼「こう…女と男が裸で抱き合うような感じだよ。」  
茜「ああ!あれなら柳生の庄で一回見たことがあるよ!でも暗くて何やってるか解らなかったな…。」  
 
蒼鬼「それが子供を作る儀式だよ。」  
茜「あれが!?でもただ寝転がってるだけだぞ?」  
蒼鬼「そこでこいつの出番だ。こいつは普段は柔らかいが儀式になると堅くなり、女の股に入る様になっている。」  
茜「ま、股ぁ!?そんなの刺したら死んじゃうだろ!俺が知らないからって出鱈目教えるなよ!!」  
蒼鬼「本当だって。実際子供を宿した女は腹が膨れてるだろ?」  
茜「…確かに。じゃあそれを刺したらあんなに腫れ上がるのか!?」  
蒼鬼「まぁ入れるだけじゃあそこまではならん。儀式が終わりに近づくとこの棒から液体が出るんだ。この子種を腹の中で出すと子供が出来るって事だ。」  
 
茜「そんな簡単なのか!じゃあ俺とアオ兄の子供も作ろうぜ!!」  
蒼鬼「馬鹿か!?そんなホイホイ作っていいもんじゃねぇよ!!」  
茜「でもアオ兄の棒は儀式が始まってんじゃん。」  
蒼鬼「うっ!?」  
今まで破廉恥な話をしていたせいか、最初の時よりも大きくなってしまっていた。それでも慌てて隠し、  
蒼鬼「駄目だ駄目だ!!この儀式はお前がもっと大人になってからだな…。」  
茜「え〜。なんでだよぅ…。」  
蒼鬼「駄目なもんは駄目だ!」  
茜「わかったよ…。じゃあせめて小種ってやつを見せてくれよ!」  
蒼鬼「なっ!小種を!?」  
茜「いいだろ〜?子供の種がどんなのか見たいんだよ。頼むよ!」  
 
このまま放置したら寝ているロベルトにちょっかいをだしかねん。観念した様子で蒼鬼は言った。  
蒼鬼「…解ったよ。そのかわり俺がやると疲れるからお前がやってくれ。」  
茜「おぅ!まかせとけ!!」  
蒼鬼は渋々ながらも袴を脱ぎ、立ち上がってみせた。  
蒼鬼「んで、お前はこの棒を握って上下にさするんだ。」  
茜「なるほど…これでいいのか?」  
蒼鬼「ああ。いい感じだぜ。」  
茜「なんか鞘から刀抜いてる感じがして面白いな!」  
蒼鬼(本当はこんな雰囲気でするもんじゃないんだけどな…。)  
茜「この棒すごい熱いな…。おっ?なんか出て来た。ネバネバするなぁ…これが小種か?」  
 
蒼鬼「それは後少しで小種が出るって印だ。あともうちょっとで出るぜ。」  
茜「本当か!?なんかワクワクしてきたぜ!!」  
蒼鬼「お、おい!!そんなに激しくさすったら…。」  
 
もうまずい!出そうだ!!  
 
と、その時、  
 
お初「秀康、十兵衛ちゃん。朝ご飯が出来…た…」  
蒼鬼「うっ!!?お、お初!!??」  
その時、体が緊張し、絶頂を迎えてしまった。  
茜「う、うわっ!!?熱っ!!か、顔にかかっちまった!!!」  
蒼鬼も久しぶりの事でその量は普段より多く、茜の髪、頬、更には唇までを汚していった。  
茜「うわ〜…。顔中ベタベタだぁ…。これが小種かぁ。なんか白くて小さい泡が沢山あるなぁ…」  
 
お初「…秀康…これは…??え…?」  
お初も自体が飲み込めずただ混乱するばかりだった。  
蒼鬼「いやお初よく聞いてくれこれはあの小刀が鬼武者の証で子作りが教えててその…」  
最早先程の茜と同じ状態になっていて説明が全く出来なくなっていた。  
お初「あ、あのロベルトの薬草摘んでくるからちょっと先に御飯食べててね!」  
 
蒼鬼「いや違うんだお初!!これは十兵衛が…」  
茜「アオ兄〜なんだこれ〜!!すっげぇ苦いじゃないか〜!!匂いも取れねぇよ〜!!」  
もう事態の収拾がつかずにただ蒼鬼は立ち尽くしていた…。  
 
蒼鬼「…終わった…もう全部終わった…」  
 

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