亜美がこの家に来るようになってからかなり経った。  
半同棲での生活は悪いものではなく、亜美は料理も掃除も洗濯もでき、嫁にしたい女性の理想像といった感じだ。  
だがしかし、亜美がこの家に来てから一つだけマイナスと言える部分があった。  
 
性欲の処理だ。  
 
一人暮らしだからという理由でエロ本は棚にしまってあったが、半同棲だとそうもいかない。  
亜美は自分胸がコンプレックスだと分かった、気がつくと自分のものは巨乳が多い。  
それが置いてある部屋に亜美を入れるのもどうかと思ったので思い切って全部処分したのだ。  
そして新しく何かを買って来るのも気が引ける。つまりオカズが無いのだ。  
パソコンは持っていないし、友達に借りるというのも恥ずかしい。既に禁欲生活三ヶ月目だ。  
男子高校生だと考えるとかなり長い間自慰をしていない。  
 
 
野球の練習が終わり自宅へ戻ると既に明かりがついている。  
ドアを開けるとおかえりなさいと声がした。ただいまと返しつつ部屋に入ると良い匂いが漂っている。  
汗を拭いて綺麗な服に着替える。そしてかるくグローブの手入れをした。それも終わり手持ち無沙汰になったので台所へと視線を向ける。  
亜美が台所で料理を作っているのを後ろから眺めていると頭の中にもやもやとしたものが浮かび上がってきた。  
 
台所……エプロン……裸エプロン?いや、料理を使って女体盛というのも……  
 
はっと気が付くと頭の中にあられもしない姿の亜美が浮かんでいた。  
あわててその映像をかき消すが、既に息子は反応してしまっている。流石に溜まりすぎているのかかなり速い反応だった。  
自分の中にやましい気持ちがあることに気が付き、反省する。  
ちなみに部屋に入ってから花咲さんの表情は変化していません、若干頬が赤くなった程度です。  
だがしかし、こんなにかわいい女(しかも自分に好意を持っている)と半同棲状態で三ヶ月も溜めている。  
やましい事を考えるなというほうが無茶である。  
 
その時、料理ができたらしく亜美がお皿を運んできた、しかしその時に自分のバッグを蹴飛ばしてしまい中にあったものが飛び出てきた。  
携帯やサイフといったものが自分の前に転がってくる。あわてて拾い出す亜美を手伝おうと目の前にあった箱を拾った。  
亜美に渡そうと手を動かしたが、そのパッケージが視界に入ったときに手を止めた。  
 
それがコンドームだったからだ。  
 
部屋の時間が止まり、気温が若干下がったような気がする。  
気まずい沈黙を破ったのは地蔵さんだった。  
 
「う、うわぁっーーー!!」  
 
と叫びながら自分の手から箱を引ったくり、近くに散乱した物を拾い集めバッグに適当につめて顔を真っ赤にしながら部屋を飛び出してしまった。  
のこされた花咲さんは………ふむ、と頷いてから料理を食べ始めた。  
 
 
ちなみにその夜。  
頭の中で亜美を題材にエロい事を考えたら普通に抜けました。というか新記録でした。  
 
いつか実物をこの目で見れる事を祈りつつ眠りについた。  
 
終  
 

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