オリジナル  
 

ザクザクザク・・・・。街道をひたすら歩き続ける僕。修行を終え、故郷への足取りも軽い。  
だが、まだまだだ。人生そのものが修行である以上、これも通過点に過ぎない。と、  

キャーーーー!  

突然絹を裂くような女性の悲鳴。僕は気がつくと悲鳴の方向へと走りだしていた。  

「大人しくしろと言ってるだろうがよ、このアマ!」 
「いや! やめてっ!」  

「へへへっ。こんな街道、滅多に人は来やしないよ。諦めるこったな。  
 ・・・もっとも、オマエみたいな化け物を誰が助けるかってトコだがな」  

僕が駆け寄ると、何人かの男達が一人の女性を取り囲んでいた。  

「おい、お前たち。いったい何をやっているんだ? 乱暴はやめないか!」  
僕は迷わず声を掛けていた。・・・と、男達が一斉に僕の方を見る。  

「何だおめぇ? 関係ないヤツは引っ込んでな!」 
「そうそう、ケガしたくねえだろ!?」  
リーダー格の男が剣を抜き、目の前にひけらかしながら僕に言い、 
部下らしき男達がゲラゲラ笑いながら言う。  
ちら、と横目で女性を見る。すると、彼女はブルブル震え、怯えている。 
そんな状態で引くわけにもいくまい。  
僕は臆することなく剣を構える男を見据え、答えた。  

「関係ないことはない。僕はここを通りがかり、キミたちがここにいる。 
 それだけで”縁”とはあるものだ」  
そう、僕の師匠の言葉だ。  
―――常に縁を大切にせよ、人間の行い、それは回りまわっていつしか円を描き、自分に戻ってくる。  
”円”と”縁”は字が違えど読みは同じ。ゆえに縁は大切せねばならぬのだ―――と。  

「フン、すかしたやつだ。気にくわねぇ。おい! ・・・・やっちまいな」  
剣を突きつけた男は周りの男達に目配せし、それを受けた男達は僕を取り囲む。  
僕は目を閉じ、フゥーーと息を長く吐いた。  

「何だ何だ? 祈りの言葉でも・・・ぐげっ!」  
男が侮蔑の言葉を浴びせようとする瞬間、僕は一気に間合いを詰め、肘を男の咽喉元に命中させた。  
最後まで言葉を言うことができずに潰されたカエルのような声を発する男。  

これをきっかけに男達との乱戦が始まった。確かに、数の上では僕が不利だ。 
だが、やはり修行の成果か、彼らの攻撃が粗野すぎるのか、動きが止まっているように見え、 
向こうの攻撃は当たらず、逆に僕の拳や足は面白いように相手に命中する。  

「・・・キ、キサマ・・・・その・・女の姿を・・・よく見て・・・ごはぁっ! 
 ・・・・お、覚えてやがれ!」  
気がつくと、男達は蜘蛛の子を散らすように逃げさり、最後に残った男も  
僕が後ろ回し蹴りを見舞うと捨て台詞を残し、去っていった。 
まったく・・・悪人どものセリフは一緒だな。  

「・・・大丈夫ですか? お嬢さん」  
僕はフードの人物に声を掛けた。目深に被ったフードからその姿はよく見えないが、 
会話の中身から女性と伺える。  

「あ・・・りがと・・・ござ・・ます・・」  
ゆっくりとその人物はフードを取り、途切れ途切れな言葉で礼を言った。  
フードを取ったはずみで長い耳がぴょこんと跳ね上がっていた。 
・・・耳が長い? 彼女が噂に聞くエルフ族なのか?  

ふわふわのシルバーブロンドに澄んだブルーの瞳、さらにその肌は人よりも少し浅黒く、 
健康的な美しさを見せていた。  
少し怯えがちな表情で僕を見つめる、そのブルーの瞳を目にしたとき、 
僕は全身に電流が流れるような感覚を覚えていた。  
いったい何故・・・? 僕はまるでその目に射すくめられたように、彼女をじいっと見つめていた。  

「あ・・・あの・・・?」  
怪訝そうな、それでも何かを悟ったような表情で僕を見つめる彼女。おっと、確かにそれでは失礼だ。  
僕は侘びを言いながら彼女の手を取って助け起こそうとするが、彼女はそれを断り一人で立ち上がろうとする。  

「大丈夫です。自分で起き上がれますから・・・・・・痛っ!」  
と、顔をしかめ、足首を押さえる。どうやら足をくじいているようだ。 
僕は警戒する彼女に近寄りそっと両手で抱き上げた。  

「あ・・ちょ、ちょっと! 何を!?」  
慌てふためいた表情で僕を見つめる彼女。 
大丈夫、一人で歩けるようになるまでこうしてるだけですと答えると、  
彼女はきょとんとした表情で再び僕を見つめ返すだけだった。  
僕は何故か、その顔をまともに見ることができずに誤魔化すように早足で歩き出した。  
一方、彼女は僕の方を見つめるのを止め、再びフードをかぶりなおした。  

 

その日は、街にはまだ到着できなかったので野宿をし、彼女と色々なことを語り合った。  
名をキャスリーと名乗り、いわゆるエルフ族の出自らしいが 
肌の色のせいで生まれ育った集落を追い出され、  
今ではあてもなく旅を続けている最中なのだということだった。  
旅の最中もこの姿で奇異の目で見られ、野宿でも不安でぐっすり眠ることもできないと語る彼女に  
安心して眠るように語りかける僕。 
彼女の寝顔をゆっくりと見てみたい自分を必死にこらえながら長い夜を過ごした。  

 

それから数日後、僕たちは何事も無く無事に街まで辿り着いた。  

酒場兼宿屋にて泊まろうとした時、キャスリーを見るなり宿のおかみさんからは嫌そうな顔をされたが、  
キャスリーが『呪いにより今の姿にされ、呪いを解くために彼(僕のことだ)と共に旅をしている』 
と話すとおかみさんは涙ぐみながらすっかり信じ込んでしまい、後から来た御主人は  
僕の風体をまじまじと見つめながら、何かを納得したように僕たちを中に入れてくれた。  

中に入るなりキャスリーを奇異の目で見る客たち。  
だが、御主人とおかみさんが一喝すると皆、何事も無かったかのようにキャスリーから目を逸らし、 
元の話題に戻った。  

御主人は気を悪くしないでくれと言いつつ僕たちと同じテーブルに座り、 
おかみさんに食事と飲み物を持ってくるように促す。  
キャスリーは慣れていることだと、ご主人に返しつつも何故自分たちに気を遣うのか尋ねた。  
僕も思わずご主人の方を向き、疑問の表情を見せた。キャスリーの質問は僕も気になっていたことだから。  

すると間髪いれずにご主人は、僕と同郷の人間だからと答えた。  
自分の同郷の人間とその連れに悪いヤツはいないと豪快に笑うご主人。 
なるほど、そういうことですか・・・。  
僕もまた、旅の最中で同郷の人間に会えたという嬉しさでご主人に親しみを覚えていた。  

と、そこに先ほど僕が蹴散らした男たちがあやしい雰囲気の男に従われ、入ってきた。  
男たちが言うには、キャスリーは大金をはたいて購入した財産なのだから、  
代金を払うかキャスリーを返すかしない限り僕は泥棒であるという。  

キャスリーは騙されたのだから関係ないと抗議するが、 
男は契約書がある限りオマエは俺のモノだと答える。  
僕は男に代金は幾らなのか尋ねた。オマエに払える金額なハズがないだろうと嘲る男たち。  

笑い転げる男たちに重ねて聞いた。代金は幾らなのか、と。  
げらげら笑いながら金額を答えた男に向かって、僕は金の入った袋を渡した。  
男たちはもちろん、キャスリーも目を丸くしていた。 
無理もない、袋の中には男たちが言う代金分は軽く入っていたのだから。  

これで文句は無いだろうと僕は男たちに言うが、これじゃあ足りないと因縁をつける男たち。  
僕は身構えようとするが、一瞬早くご主人が動き、男の腕を捻り上げながら言った。  

「間違いなく、この契約は成立している。契約書を置いてとっとと失せろ」――と。  
ご主人の恫喝に加え、酒場にいた客からも「そうだそうだ」と声が上がり、  
男たちは契約書を僕に渡し、すごすご退散するしかなかった。  

僕は契約書を破り捨てながらキャスリーに言った。キミは自由だ、と。  
だが、気のせいかキャスリーはうつむいたまま、ただ生返事をするだけだった。  

 

夜―――僕は何だか妙に心地よい刺激と、ぴちゃっ、ぺちゃっという湿った音で目が覚めた。  
目を開けるとキャスリーが僕の下腹部を、股間のモノをいとおしそうに咥えこみ、顔を上下に動かす。  
顔を動かすだけでなく、モノの先端のくびれている部分の、 
筋の中へ分け入るように舌をチロチロと這わせているのだ。  
キャスリーが顔を上下に動かすたびに、僕のモノから腰が痺れるような、 
腰を突き出したくなるような刺激を覚えていた。  

「キャ・・キャス・・リー・・・?」  
僕は刺激をこらえながら絞るように声をあげる。そんな僕を見てモノから口を離し、 
嬉しそうにささやくキャスリー。  

「うふふっ。あなたってとっても強いけど、こちらの方はまるで弱いのね。たっのしい♪」  
ふうふうとモノに息を吹きかけながら、モノを握り締めた右手を優しく上下に動かす。  
僕はその刺激に耐えながらどうにか起き上がり、キャスリーに言った。  

「ど・・・どうして・・どうしてこんなコトを・・・?」  
いかにも僕が変なコトを言っている、という顔で僕を見上げるキャスリー。  
その姿勢でも僕のモノを握り締め、舌をちろちろと伸ばして刺激をあたえ続ける。  
思わず僕はキャスリーの両肩を掴み、顔を見据えて言った。  

「どうして・・どうしてこんなコトをするんだ?」  
・・・よく見ると彼女自身もシャツ一枚しか着ていないようで、 
豊かな胸の谷間が僕の目に飛び込んできた。  
僕はそれをじっと見ていたいという衝動をこらえながら、キャスリーの返事を待った。  

「私じゃ・・・私じゃダメですか・・・? 私は・・・私は・・・あなたのモノなのですよ・・・?」  
どのくらい時間が経っただろうか。目には大粒の涙を浮かべ、絞り出すような声で口を開くキャスリー。  
ダメとかそういう問題じゃないし、キミは自由なんだ、何故こういうコトをするのか教えて欲しいんだ。  
僕がそう言うと、キャスリーはうつむきながら途切れ途切れに語りだした。  

「私は・・・こうすることでしか恩返しのできない女ですから・・・・」  
言いながら顔を背けるキャスリー。僕はキャスリーの言葉の意味が分からずに沈黙していた。  
そんな僕を見てキャスリーは自嘲気味に自分の過去を語りだした―――  

 

初対面で感じたとおり、彼女は森のエルフ族だとのことだった。  
そして何故かは分からないが、極まれに彼女のように肌の色が黒いエルフが生まれることがあるらしい。  
何でも黒いエルフは昔、神々の対戦において闇を象徴したいわゆるダークエルフを連想させるため、  
忌み嫌われるものとして彼女自身、虐げられた生活だったとのことだった。  

「村の女たちには蔑まれ、疎ましがられ、男たちには嬲られ、その後、村を追い出されました。 
 災厄を招くとして。  
 そして人間の世界でも体を売るしか生きる術が無かった私は、 
 騙された挙句に高値であの男に売られたのです」  
あくまで淡々と語るキャスリー。感情を抑えなければ語ることが出来ないのだろう、 
その目にはひとすじの涙があった。  
と、今までうつむいていた顔をあげ、僕を見つめながら言った。  

「何故、何故あなたはあの時、迷わず彼らにお金を渡したのですか? それもあんなに大金を?  
 私を自分のモノにしたかったからでは無かったのですか?  
 それとも私に同情していたからなのですか?  
 だったら・・・だったら余計な・・・む・・・むぐ・・・うっ・・」  
最後まで言わせまいと、僕は思わずキャスリーのくちびるを奪った。 
心底驚いた表情で僕を見つめるキャスリー。  
よく考えれば女性とくちづけをするのはこれが初めてだったと思いつつ、 
僕はキャスリーを見つめながら言った。  

 

「僕がいつか言った円と縁の話、覚えている? 実はあれには続きがあるんだけどね・・・」  
コクリと頷くキャスリー。僕は顔を赤らめながら言葉を続けた。  

 

人間の行いが円となるのは、命のエネルギーが輪を描き、それが円となっているからだ。  
だが、その中心が無かったり、欠けてしまったりしていると、完全な円にはならない・・・。  
己の円を守るときは、その中心を何があっても守るのだ。 
その時は理性ではなく、感情で動くのが大切なときもある。  

 

「あの時は師匠の言葉の意味が分からなかった。でも、今なら師匠の言葉が分かる。  
 キミを初めて見たときにこの人だと悟った。僕の中心になってくれる人だと。  
 だからあの時、連中に金を渡すことに何のためらいも、後悔もなかったよ」  
僕が言い終えるとキャスリーはうつむき、じっとしている。その表情は暗くてよく見えない。  
どのくらい時間が経ったか、キャスリーが顔をあげ、僕の目の前に顔を寄せながら言った。  

「信じて・・・いいのですか?」  
ただひとこと。その目からは涙がこぼれ落ち、 
それでも僕の心に訴えかけるような強い意志を持っている・・・。  
僕は迷うことなく頷いた。と、そのままキャスリーは僕の頭を両腕で抱え、 
ぴったりと体を寄せながらくちづけをしてきた。  
キャスリーの豊かな胸の感触を覚え、ドキドキしながらも僕はキャスリーを抱きしめ返した。  

「お願い・・・です。今までの、汚れた私を・・・清めて・・・・くださ・・い」  
長い長いくちづけが終わり、耳元でささやくキャスリー。僕はそうっとキャスリーを押し倒す。  
すでにモノは痛いくらいに膨れ上がり、キャスリーの下腹部に当たっている。だが、しかし。  

「えっと・・・・」  
思わずつぶやき固まる僕。それはそうだ。自慢じゃないが、生まれてこのかた女性を抱いたことがない。  
だから、これからどうしていいのか分からなかったのだ。  

「力を抜いてください・・・。まず、私のシャツを脱がしてもらってよろしいですか?」  
クスッと笑いながら僕に微笑みかけるキャスリー。 
僕は手を震わせながらキャスリーのシャツをめくりあげる。  
すると、ぷるんと震えながら健康的な小麦色の豊かな胸が僕の目に飛び込んできた。  
僕はその胸をじっと見つめていたいという衝動を必死に抑えながら、どうにかシャツを脱がし終えた。  

「触っても・・・いいのですよ」 
「い、いい、の!?」  
僕の葛藤を見透かしたようなキャスリーの言葉に僕は、裏返った声で答える。  
心臓の鼓動はキャスリーに聞こえるのではないかというくらいに大きくなっている。  

「もちろんです。こうしてもよろしいのですよ・・・」  
クスクスと、今度は笑い声をあげながら僕の頭を自分の胸まで誘導するキャスリー。  
僕は思わず目の前にある、キャスリーの胸の頂に吸い付いていた。  

「あ・・・あんっ」  
胸の頂に吸い付いた途端、キャスリーは甘い声を上げながら僕の頭を押さえつける。  
僕は夢中でキャスリーの胸にむしゃぶりつき、もう片方の胸を必死に揉みしだいていた。  

「ん・・・んっ・・・はあっ・・・あんっ」  
どのくらいそうしていたか、キャスリーの喘ぎ声を聞いてさらに興奮した僕は 
モノに血液が集中するのを感じ、それをどうにか紛らわそうと無意識のうちに腰を動かし、 
キャスリーの割れ目にモノを擦りつけていた。  

「ん・・・っ」  
胸から口を離した僕の顔を両手で押さえたまま、ゆっくりと自分の顔にひきよせ、 
くちびるを重ねるキャスリー。  
その体は何かをこらえているようにぶるぶる震えている。  
どうしたのか聞こうとしたがくちびるをふさがれているため、できなかった。  
さらにくちびるの中に、何か温かいものが入り込んでくる感触がある。  
キャスリーが自らの舌を僕の口の中に潜りこませてきたのだ。  

「うんっ・・・ん・・」  
自らの舌でもってひたすら僕の口の中を蹂躙するキャスリー。  
僕は必死にキャスリーの舌に自分の舌を絡めるので精一杯だった。  

「はあ・・・はあ・・・・はあ・・。お・・・お願い・・い・・入れ・・・て・・」  
くちびるを離したキャスリーはとろんとした目をうるませながら、弱々しく僕にささやいた。  
入れて? 僕は言っている意味が分からなくて再び固まっていた。  

「こ・・・・ここ・・に・・・、あ・・・あなたの・・・お・・おちんちんを・・・い・・入れて・・・」  
上半身を起こした僕に向かって大きく股を開き、その付け根にある割れ目を両手で押し広げるキャスリー。  
その顔は自らの秘部を僕にさらけ出すという行為に、真っ赤に染め上がっている。  
僕はキャスリーの羞恥心を感じているその顔に引き寄せられるように、 
自らのモノをキャスリーに割れ目に押し当てた。  
モノの先端がキャスリーの割れ目をノックすると同時に、ビクンと体を弓なりに震わせるキャスリー。  

僕はその姿に興奮し、ゆっくり、ゆっくりとモノをキャスリーの中に侵入させていった。  
割れ目からは透明な液体があふれていて、それが潤滑油の役目を果たすように  
にちゅっという音をたてながら、モノがどんどんキャスリーの中に潜りこんでいく。  
初めての女性の、キャスリーの中は熱く、ヒダが絡みつくように僕のモノを優しく包み込む。  

「あ・・イ・・イイ・・・」  
恍惚とした表情を浮かべながらつぶやくキャスリー。  
モノが完全にキャスリーの中に入ったとき、彼女は両手を伸ばして僕を抱き寄せてくちびるを奪ってきた。  

「う・・・動いて・・私を・・・私を・・感じて・・・・」  
くちびるを離し、うわ言のように僕の耳元でささやくキャスリー。  
僕はその言葉に、まるで魔法を欠けられたかのように、腰を動かし始める。 
最初はゆっくりと、段々激しく。  
その動きにともない、キャスリーの声も段々大きくなっていく。  
モノから感じる刺激と、耳から感じる刺激の波状攻撃に僕は意識もおぼろげに、 
ひたすら腰を動かし続ける。  

僕が腰を動かすたびに、二人が繋がっている部分からぐちゅっ、ずちゅっという湿った音が聞こえる。  
どのくらい腰を動かしていたか、突然、モノから感じる刺激が今までとは比べ物にならないくらい 
大きくなり、脳髄に計り知れない快感を伝えていた。  

「キャ・・・キャス・・リ・・ー、ぼ・・僕・・・! 僕・・・!!」  
僕は叫びながら、腰を振ることしか考えなれなかった。この快感が永遠に続いてくれと考えていた。 
と、  

「イ・・・イイ・・よ! イイ・・! リュ・・・リュウ! 
 私・・・も・・・、い・・一緒に・・・き・・・きてえええっ!」  
キャスリーが初めて僕の名を呼びながら、一際大きな声をあげる。 
まるでそれがスイッチだったかのように、僕の全身はビクビクと震え、 
すべての感覚が快感となってモノに集中し、キャスリーの中に熱い何かを放出していた。  

 

「はあ・・・はあ・・はあ・・・・はあ・・」  
肩で息をする二人。僕はゆっくり腰を動かし、名残惜しそうに快感の続きをむさぼろうとする。  
そんな僕にキャスリーはあやしく微笑む。  

「うふふっ。まだまだ元気だね・・・リュウ。今度は私が上になってあげる」  
繋がったまま、ゴロリと回転したかと思うと上半身を起こしながら僕を見下ろす。  
・・・いったい何を? そう思った直後、僕は全身を大きく仰け反らした。  
キャスリーが腰を上下に動かし、僕のモノに再び刺激を与え出したからだ。  

「はあっ! ああっ! あんっ! ・・・・・ん、んんっ!」  
両腕を後頭部に当て、喘ぎ声を上げたかと思うと僕の体に覆いかぶさり、 
ためらわずに僕の乳首にむしゃぶりつく。  
もちろん腰の動きもそのままだ。僕はそのくすぐったいような、 
気持ちがいいような微妙な刺激に身をよじろうとするが、  
キャスリーが僕の両腋に腕を通し、がっしりと僕を捕まえているため、それもままならない。  

「んふっ。・・・かっわいい・・・。・・・・気持ちイイ? 私も・・気持ちイイよ・・・」  
舌を伸ばし、僕の乳首をぺろぺろ舐めまわしながら微笑むキャスリー。  
僕はその微笑みに操られるように、ただガクガクと首を上下に頷くことしかできなかった。  

 
 

「ん・・・」  
朝日が差し込み、そのまぶしさで私は目が覚めた。  

「リュウ・・・。・・・・・中心になってくれる人・・・か」  
上半身を起こし、隣で眠っている男の名をつぶやく私。  
実は私も初めてリュウの優しい瞳を見たとき、熱に浮かされたようにぼうっとしていた。  
だが、所詮私は肌の黒いエルフ。人間であるリュウにそんな感情を持ったところで、 
化け物扱いされるに決まっている。  
そう思っていた。だが、リュウは私に『僕の中心になってくれる人だ』と言ってくれた。 
すごく嬉しかった。  

だが現実には私の存在が彼の人生の枷になってしまうかもしれない。  
いつか別れなくてはならなくなる日が来るだろう。  
だがそれでも――それでも今は、この一瞬は彼の言葉に甘えていたかった。  
私は彼の胸に顔をうずめ、ほんのひとときの幸せを感じていた。  

 
クロスオーバー編に続く  

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