「うっさいなぁ。いいだろどこだって!」
父が怒って、梢が家を出て行く。
いつものことだ。毎日、夜10時になるとどこかに出かけて夜中に帰ってくる。
僕は結局・・・今日も何も出来ずに自分の部屋から外を歩く梢を見ることしか出来なかった。
「おかえり」
「樹・・・まだ起きてたのか」
「まぁね」
時刻は夜中の2時。僕は梢が帰ってきたのを確認して廊下で待っていた。
そこにいるのは僕と同じ顔の妹。
二卵性の双子だけど顔が似てる。僕が女の子っぽいってだけ。もっとも性格は反対だけど。
「寝ろ」
「またお酒飲んできたんだ」
「悪いか?」
中3だと言うのに、勉強もせずに夜中遊びまわってお酒を飲んで。
「梢が何しようと勝手だけど、梢が何かすると僕が迷惑なんだ」
「何?」
「同じ顔して・・・この前なんて梢にやられた男たちに囲まれて・・・逃げるの大変だったんだから」
「知るかよ」
僕は梢のせいで何度も何度も危ない目にあってる。
喧嘩に巻き込まれたことも、喧嘩をうられたことも。梢には敵わないから同じ顔の僕を殴ってきたヤツもいた。
最悪なのは梢に男を取られたと言ってくる女子もいる。
みんな梢が怖いんだ。だから弱い僕に言う。僕が同じ顔で同じ声で弱いから・・・みんなそれで憂さ晴らしをしているんだ。
「弱いなら強くなればいい。いつも言ってるだろ」
「僕は喧嘩なんて嫌いだ。それに大人の世界は腕力よりも知力が大事だ」
「はん。こずるい生き方だな。けどな最低限の腕力がなけりゃ、自分の大切なヤツだって守れ無いこともあるんだよ」
一瞬梢の顔が暗くなった。
何かあったのかな?
「・・・梢?」
「うっせぇな」
「梢」
僕は横を通り抜けようとする梢の進路を塞ぐ。
「なんだ・・・そこに興味あるのか?」
「え?う、うわぁぁ。ご、ごめん」
僕の手は梢の胸に当たっていた。
そっくりな双子でも、性別の違いをはっきりとわかる場所。
「したいか?」
「え?」
梢の顔が僕に近づく。
少し動けば唇と唇がぶつかるような距離。
「どうせ彼女もいないんだろ・・・毎晩毎晩オナニーは寂しく無いか?」
「ぼ、僕は」
梢が僕を手をとって、そのまま自分の胸に。
「ふふ。揉んでいいぞ。好きなだけ」
「梢・・・ひゃぁ」
僕の手を掴んでいる方とは逆の手が股間をさする。
「大きくして・・・期待してるんだろ。けど、ここじゃまずいな。こっちだ」
僕は頭がぼーっとして、梢に逆らうことが出来ずにつれられ歩く。
梢の部屋。入るのは何年ぶりだろう。
「そこに座れ」
僕は言われるままにベッドに腰掛ける。
梢は僕のズボンを下ろしていた。
抵抗はしなかった。梢に・・・気持ちよくしてもらいたかったから。
「ふふん。ご開帳・・・げ・・・な・・・なにぃ!?」
「え?」
僕のペニスが外に出たところで梢の顔が変わる。
明らかに驚いた顔だ。
「何か変?」
「変っていうか・・・でけぇ・・・よな。これ」
「他の人の見た事ないからなんとも。梢こそ他の人の見てるんだろ?それと比べてもやっぱり大きい?」
「え?・・・あ・・・あぁ・・・そうだな・・・多分」
多分?
「梢?」
「あ。あぁ。んじゃ・・・気持ちよく・・・してやるからな」
僕と同じ顔の別な人が・・・僕のペニスを舐めている。
小さな舌はチロチロと先端で動いている。
「気持ちいいか?」
「・・・くすぐったいかな」
「そっか。えっと・・・じゃあ」
僕のペニスがゆっくりと梢の口の中に入っていく。
唇が温かくて適度に刺激して・・・すごく気持ちがよかった。
一度半分くらいまで咥えて、今度はゆっくりと口を戻して離す。
「これは・・・気持ちよさそうだな」
「うん。すごく」
「そうか」
梢の顔が少しだけ笑顔になった気がする。
「でもさ」
僕のペニスがまた口の中に入っていく。
「なんか、セルフフェラみたい」
「んぁ!!」
「いたたたた。歯を立てないで・・・だって、同じ顔だし」
鏡に映った自分の顔が自分でしてる。
ある意味究極のオナニーのような気がする。
「んっ・・・じゃあ。ほら。そこに横になれ」
僕は、言われるままベッドに横になる。
梢が僕の上に四つんばいになりお尻を僕の顔の方に向けてくる。
「これなら顔が見えないだろ」
いわゆるシックスナインっていう体勢だよね。これって。
その体勢のまま、梢はフェラを開始した。
「んっ・・・は・・・ちゅぅ・・・」
梢の唾液のせいで、生々しい音が部屋に響く。わざと音を立ててるんじゃないだろうか。
それにしても。
僕の目の前にある梢のお尻。
ジーンズの上からでもわかる。僕のとは違う綺麗な丸み。
「触っていい?」
「ん?」
僕は梢の返事を聞かずに、その形のいいお尻に手を当てる。
「んっぅ!・・・はぁ・・・ばか!」
「ごめん。でも・・・ひょっとして気持ちよかった?」
「あ、あほか。気持ち悪くて背筋に冷たいのが走っただけだ」
やっぱりジーンズの上からだろうか。
「じゃあ脱がすね」
「なに?」
僕はボタンをはずしてチャックを下ろす。少し大きめのジーンズだからすんなりと下がってきた。
「お前!何しやがる!!」
「結構可愛いパンツはいてるんだね」
「う・・・人の質問に・・・ひゃぅっ」
白い大き目のパンツの上からお尻をさする。
柔らかくってすべすべしてて。すごく触り心地がいい。
「や・・・やめ・・・やめろ」
僕は身悶えしている梢を見ながら、梢のパンツの中に手をいれる。
「ひっ!あ・・・だめだ・・・そこ・・・違う」
パンツの上からだからよくわからないけど。
多分、僕が触っているのは梢のお尻の穴。
「気持ちいい?」
「いい・・・わけ・・・ないだろ」
顔を赤くして息も絶え絶えで言われてもあまり説得力は無い。
こっちの方が好きなのかな?
「僕ばかりしてもらうの悪いから、僕もしてあげる」
「ダメだ!それは・・・ゃぁっっ」
首だけを動かしてパンツの上から梢のヴァギナを舐める。
「脱がすよ」
僕は梢のパンツに手をかける。
抵抗するつもりは無いようだ。
「・・・え?」
僕は驚いた。
パンツを脱がしたそこは本当に綺麗だった。
綺麗っていうのは綺麗なピンク色とかじゃなくて、毛が全く生えてなくてソコも閉じたまま。まるで子供のヴァギナだ。
「梢・・・これ」
「・・・なんだよ」
「まさか。誰かに剃られたの?マニアックな人もいるんだなぁ」
「は?ば・・・馬鹿か!そんなわけないだろ」
怒鳴られた。
「いいから。ほら・・・舐めたいんだろ・・・好きなだけ舐めろ」
どうして梢は怒ってるんだろう?
「う・・・うん。じゃあ、梢も」
僕と梢の舐め合いが始まった。
気持ちいい部分に舌や指があたると、梢の動きが止まる。
もっともそれは僕も同じだけど。
「梢の中から・・・とろとろしたのいっぱい出てるよ」
「樹だって。さっきからずっと先走り出てて。ん。いっぱい飲んでやってるんだからな」
僕はなんだかそれが梢の挑戦のように聞こえてしまい、ヴァギナにむしゃぶりついて舌で愛液をかき出す。
「うぁ・・・はぁ・・・だめ・・・音・・・立てるな」
口の中にしょっぱいような味が広がる。
飲んでも飲んでも奥からあふれてくる。
「樹・・・くぅ・・・んっ。はぁ・・・ちゅぅ・・・ちゅぅ」
梢が負けじと僕のを咥える。
全体的に舌で愛撫され、そろそろ限界が近づいてきた。
「梢」
「うん・・・いいよ。口の中に・・・樹も」
「あぁ」
僕は大きく口を開け、梢は僕のを深く咥える。
僕の口の中は勢いよく噴出した愛液で満たされ、同時に、梢の口の中は僕の出した精液で満たされた。
「んっ」
お互いに口の中の物を飲み干す。
「樹・・・まずい」
「梢のは美味しいよ」
正直それほど味は無い。
精液はまずいというのは聞いたことあるけど、愛液にはまずさは無い。好きな人のなら美味しく飲めるだろう。
好きな人?あれ?
「樹」
「ん?」
「まだ・・・童貞か?」
「え。あぁ、うん。そう・・・だけど」
梢が僕の方をに体を向ける。
いつもは同じ顔に見える梢の顔は・・・何故だが今日は・・・全くの別人に見えた。
「させてやるよ」
「梢!?」
梢が僕の上の段々と腰を下ろす。
さっきまで閉じていたスリットは、今は開いて、ペニスを受け入れることの出来るような形になっていた。
「んっ・・・くぅ」
梢の顔がゆがむ。同時にその両目からあふれる涙。
「梢?」
僕のペニスを伝って滴り落ちる血。
まさか。
「梢。処女?」
「・・・悪いか?」
「悪いかって・・・抜いてよ!そんな・・・僕はてっきり」
「何度もしてると思ったか?はは・・・まぁ・・・私・・・だもんな」
悲しい顔を僕に向ける。
口は笑っているけど。その表情は寂しさであふれていた。
「抜いて!抜いてって!ダメだよそんなの」
「もう・・・遅・・・い・・・あぁぁぁっっ」
僕の上に梢の重さが感じられる。
「奥・・・まで入ったな」
「梢。なんで」
「最初くらい・・・好きなヤツとしたかった」
梢が僕の上に体を倒す。
そして、唇を奪われた。
「んっ・・・樹・・・好きだ」
一度離れた唇は、再度僕の唇を塞ぎ、今度は舌が僕の中に入ってきた。
僕の舌も梢を求めるように動き、絡まり合い、お互いの唾液と唾液が混ざり合う音がする。
「梢」
「ごめんな・・・本当はこんなことするつもりなかった」
僕の耳元で梢がポツリと言う。
「他の男にさ・・・処女・・・あげれば・・・この想い収まるかと思ったけど・・・いざってなると怖いんだよな」
そんなことを梢は。
「結局、男探しても・・・行為までは出来なくて・・・だから・・・他に好きなヤツ出来ればって思ったけど」
「好きな男・・・出来なかったの?」
「・・・もっと樹を好きになった」
「え?」
「だから。夜中にお前を勢いだけで襲ったりしないように・・・家を留守にして」
僕は無意識のうちに梢の頭を撫でていた。
僕と同じ顔の違う人。
本当はずっと心は強いけど細くて・・・いつ折れてもおかしく無いくらいで。
「ごめんな・・・もう、こんなことしないから」
「ねぇ・・・僕らはなんで双子なんだろうね。いっそのこと一人ならこんな気持ちにならずにすんだのに」
「・・・こんな気持ち?」
梢が夜に出かけるようになってからいっつも嫌な気分だった。
さっきまでは梢の行動が僕に迷惑かかるから。そう思っていたけど・・・実は違ったようだ。
「双子ってさ。二卵性でもやっぱり通じあってるんだなって思って。僕も・・・梢が好きみたいだ」
梢が不思議そうな顔で俺を見る。
「ナルシスト?」
「それならお前だってそうだろ」
「・・・うぅ。馬鹿・・・バカバカバカバカ・・・バカ・・・それならそうと・・・早く言えよ」
「僕だって気づいたの今だもん」
梢は再度腰を上げて上から僕を見下ろす。
「僕は何があっても梢と一緒に居るよ」
「私も・・・樹と一緒に居る」
「昔みたいにお兄ちゃんって呼んで欲しいな」
梢の顔が真っ赤になる。
「ば・・・バカか!?あのなぁ」
「呼んで欲しいなぁ」
「・・・お・・・お兄ちゃん」
「梢・・・大好きだよ」
僕は下から梢を突き上げる。
急にしたせいか、梢の体から力が抜けて僕の胸の上にへたりこんだ。
「いきなり・・・するなよ」
「ごめん。じゃあ・・・するよ」
そのままの体勢で僕は梢のお尻をつかみ、そのまま前後に動かす。
これなら奥まで入らないし、ゆっくり動かせるから梢への負担も少ないはずだ。
「あ・・・あ・・・や、やぁ・・・だめ・・・おにい・・・ちゃん」
「気持ちいい?」
「うん・・・うん。きもち・・・いいよぉ」
話をしているうちに痛みが引いていたのか、次第に梢が自ら腰を動かし始める。
「梢」
「お兄ちゃん」
お互いの唇と唇が淫らに交じり合う。
「あ・・・は・・・あぁ・・・あん・・・や・・・だめ」
「僕ももう」
僕は一際大きく、梢の体を動かすと、ペニスを抜いた。
同時に梢の背は弓なりに反れ、僕のペニスから精液が飛び出た。
僕たちは裸で抱き合っている。
セックスはあの日以来していない。
けど、梢は夜に出歩くのがなくなり、眠くなると僕の部屋に来て布団の中にもぐりこんでくる。
「梢。寝ちゃった?」
「ううん」
あの日のことはお互いに何も言わないし、互いを求めない。
言わなくても心では通じ合っているのだから必要は無い。そういうところは双子って本当に不思議だと思う。
「セックスしたいのか?」
前言撤回。やっぱりそれほどでもないのかもしれない。
「違うよ。僕もさ・・・強くなるよ。梢を守れるくらいに」
「無理」
「無理とか言うな」
「無理は無理。樹は私には絶対に勝てない・・・まぁ、私も頭では勝てないけど・・・それに、そういう時が来たら私が樹を守るから」
梢が僕の腰の辺りを抱きしめ、そのまま胸に顔を押し付けてくる。
「でも」
「その代わり・・・それ以外では・・・ちゃんと守って」
「・・・うん」
少なくとも楽な未来は僕らにはないと思う。
世間だって法律だって、挙句には親ですら僕らの敵となるだろう。
腕力以外の力。その力で僕は絶対に梢を守るんだ。
「・・・お兄ちゃん・・・大好き」
「僕も大好きだ」
「ナルシスト」
「違うよ。梢は僕とは違う・・・梢は僕にとって・・・一番大切な女性だもん」
「・・・ありがとう」
顔を真っ赤にして、もう一度僕の胸に顔を押し付けてくる。
梢を抱きたい。
「セックスしようか」
「・・・やっぱ。双子だな。わかるんだ?」
梢が僕の方を見て子供っぽく笑う。
「双子じゃなくたってわかるよ・・・だってお兄ちゃんのおちんちん・・・固くなったもん」