中村家の食卓では、美奈が食後の後片付けをしている真っ最中だった。  
 そしてその後ろでは広樹が美奈の後ろ姿をぼーっと見ていた。美奈の格好はまだ寒い  
季節だというのに薄着で、ブラ紐が透けて見えるほどだった。  
 広樹は妄想の中で美奈を犯していた。美奈のお尻を見てバックから突いている自分を  
想像していたのだ。お尻を広樹の方に突き出す美奈。そして自分のモノで美奈の秘部を  
むちゃくちゃに掻き回す広樹。甘い声で喘ぐ美奈。感慨に雄叫びを上げる広樹……。  
 と、突然洗い物をしていた美奈が広樹の方に振り向いた。  
 
「ねえ、お兄さんが今考えてる事当ててみよっか?」  
 
 広樹はその言葉を聞いてびっくりした。  
 今考えていたのは、まさに目の前の美奈に精液を注いでいるところだったのだ。  
 美奈の方を見てみるが、彼女の表情からは何を言うのか読み取れない。  
 
(妖しい視線でも感じ取られたかな……)  
 
 内心びくつきながらも広樹は今まで考えていた事を悟られまいと顔を取り繕いながら  
美奈の次の言葉を待った。  
 美奈は広樹の方へすうっと神妙な顔を近づけた。しかし、その表情は見る見るうちに  
柔らかいものとなっていき、  
「ズバリ! 私の誕生日プレゼントのことでしょ?」  
と、屈託の無い笑顔を広樹へ向けた。  
 
(ふっ、どうやらバレてはいなかったようだ)  
 
 広樹はほっと胸をなでおろしながら「当たり〜」と答えておいた。  
「でもまだ来週のことだから、ゆっくり決めてく事にするよ」  
「そういってお兄さん去年は結局何も用意してくれなかったじゃん」  
「そうだったか?」  
 頬を膨らませてむくれている美奈を見て、広樹は苦笑いした。去年は当日になっても  
プレゼントが決まらず、結局『肩叩き券』を渡して済ませたのだった。  
「私、指輪が欲しいな〜」  
 美奈はそう言いながら左手の薬指をさすった。  
「おいおい、その指は好きな人に貰うところだろ?」  
「あはは、そうだね。でも変な虫除けにもなるし欲しいな〜」  
「考えておくよ」  
 広樹は話に切りをつけ、自分の部屋に戻ろうと席を立った。  
 
 
 その時、美奈が広樹の側まで来て、後ろから抱きついた。  
 
「ねえ、さっき本当は何を考えてたの?」  
 
 広樹はまたも驚いた。そもそも後ろから抱きしめられることなど、もう何年もされて  
なかったことだけに、膨らんだ胸の感触がリアルに伝わって、それだけで広樹の股間は  
反応してしまう。どういう事態なのかさっぱり分からず、広樹はただ勃起したまま硬直  
していた。  
「私、お兄さんの視線で分かっちゃった」  
「な、何が?」  
 耳元でくすぶる美奈の小さな声に、辛うじて問い返す広樹。  
「私、さっきのお兄さんと同じ視線をよく電車の中で感じるんだよね」  
 後ろにいる美奈の表情は分からないが、声色からは何故か愉しそうな印象を受ける。  
 広樹は黙って続きを聞く事にした。  
「で、その視線を辿っていくとね、すっごくいやらしい目つきをした人がこっちの方を  
見てるんだよね……さっきのお兄さんみたいな」  
 
(振り向いた時に顔も見られていたか)  
 もはや観念するしか無いかな、と広樹は心の中で思った。  
 
「でも、ね。兄さん」  
 美奈はそこでいったん話を切り、抱きついていた腕の力をいっそう強めた。  
 広樹は背中を通じて美奈の胸の高鳴りを感じ取っていた。  
 
「私は、良いんだよ」  
 
「えっ?」  
「お兄さんなら、私にそういう事しても良いから……私もして欲しいって思ってるから」  
 広樹の首辺りにうずめられた美奈の頬からは、熱い体温が感じられた。  
「そういう事って?」  
「だから……えっちな事」  
 美奈は言い難そうにぼそぼそと声を出した。  
 2人の心臓の鼓動が一段と増した。  
 
 
(どうしよう……どうしようか……)  
 
 まさかこのような展開になるとは全く思ってなかっただけに、広樹の頭の中は完全に  
混乱していた。  
 美奈の少しはにかんだ口ぶりには、彼女の本気さがちらりちらり見え隠れしていた。  
 つまり今、広樹が美奈をその股間にそびえ立つ毒牙にかけようとも、美奈はいっこうに  
構わないと言っているのだ。いや、むしろそれを望んでいるようですらある。  
 広樹はどうするか決めあぐねていた。  
 すると、美奈が手を解き、広樹の前側に回ってきた。顔を見ると、頬を朱色に染めて  
目を少し潤ませている。  
「美奈……でも」  
「私は嬉しかったんだよ。お兄さんにそういう対象に見られてるって分かって」  
 美奈は広樹の言葉をさえぎり、にこやかにそう言った。  
 広樹はその言葉を聞いて救われた気がした。  
 
 美奈は黙ったままの広樹の手を取り、それを自分の胸へと導いた。広樹の手が美奈の  
左の乳房を服の上から包み込む。  
 広樹は覚悟を決めると、恐る恐る美奈の胸を揉んでみた。しかし服の上からな為か、  
中々ごわごわしていて思うように手が動かせない。  
「手、中に入れていい?」  
 広樹がそう聞くと、美奈は顔を真っ赤にしながら小さく頷いた。  
 広樹は手をTシャツの中へ進入させると、そっとブラジャーを押し上げた。  
「うっ!?」  
「あ、ごめん。痛かった?」  
 美奈への配慮が足りなかったのかと思い、広樹は焦った。  
「ううん。ちょっとびっくりしただけ」  
 美奈はそう言うと、恥ずかしいのか顔をそむけた。  
 
 広樹は人差し指で美奈の乳房の先端部分を優しく撫でるように軽くこねた。  
 すると、美奈は「あうっ」と声を出して艶めかしく悶えている。その、必死で何かを  
我慢するような表情は、広樹をさらに獣へと変貌させることとなった。  
 広樹は空いている方の手も、そっと美奈の服の中へと滑らせると、両方の乳を微妙な  
力加減で優しく愛撫し始めた。  
「あっ……ふぁっ……ふっ……」  
 美奈は目をぎゅっと瞑り、広樹の行為を全身で感じている。広樹の指が美奈の先端に  
触れる度に色っぽい溜息を吐き、また、乳首そのものも自己主張を始めてきた。  
「美奈、乳首立ってきたよ」  
「やだぁ」  
 美奈はまるで赤ん坊が嫌々をするように首を左右に振って恥ずかしがった。  
 そのあまりの可愛さに、広樹は思わずキスをした。  
 
 美奈との初めてのキス。それは始めは唇を合わすだけの可愛いものであった。  
 美奈は目をまん丸に見開いて、広樹を凝視している。  
 しかし広樹は気にせず、乳を揉みながら舌を絡めていった。  
「んふっ……んんっ……!」  
 時おり美奈の甘い吐息が2人の間から漏れ出した。ぴちゃぴちゃと唾液の混ざる音も  
聞こえてくる。  
 美奈も最初こそ驚いていたが、いまや幸せそうな顔で負けじと舌を絡め返してくる。  
 その、一心に舌を絡めてくるのが愛らしくて、広樹は手に自然と力が入った。  
「んんーっ! んふぅっ!」  
 柔らかな乳を激しく揉んでみると、美奈は苦しくなったのか、絡めていた舌を解き、  
口を離して、ぷはぁ、と息をすると、  
「ちょっと兄さん! 不意打ちは駄目だよぉ」  
と、うわずった声で懇願した。  
 その表情を見て、広樹は普段は見られない美奈の淫らな姿をもっと見たいと思った。  
 
 広樹はそっと美奈を抱きしめた。その美奈の身体は、幼い子供のように小さく華奢で  
強く抱きしめたら潰れてしまいそうなほどだった。  
 美奈は身体の力を抜き、寄りかかってきている。  
 目と目が合う。美奈が目を瞑る。そしてまたキス。  
 広樹は意を決し、抱いていた手をそっとお尻に這わせると、美奈のスカートの中へと  
忍ばせた。  
 そこには彼女のお尻を包んでいる布切れがあった。ところどころ皺になっていて綿の  
生地の感触が気持ちいい。  
 美奈はキスを止めると、「ふうっ」と深い溜息をついた。目がトロンとしている。  
 広樹は美奈のお尻の方から彼女の秘部を探っていった。  
 すると、人差し指の先の方に湿った部分を感じた。  
 広樹は迷わずその濡れた部分に、重点的に指を這わせると、  
「あっ、うぅっ、んうっ……」  
と、美奈は広樹の指がその濡れた部分を通過する度に悩ましい声を出した。  
 濡れた部分の染みがいっそう増した。  
 
 わずかに洩れ出る美奈の声を頼りに、広樹は美奈の一番敏感なところを探っていく。  
 そして、お尻の方からまわした広樹の指が濡れ場の上へと差し掛かった時、  
 
「はぁうっ!!」  
 
と、ひときわ高い声で美奈が鳴き、彼女の身体がビクンと跳ねた。  
 どうやらこの辺りが美奈の弱点のようだ。  
「お兄、さん……」  
 美奈は力が入らないのか、いっそう広樹にもたれかかってきた。目も虚ろな感じで、  
どうやら焦点も合っていない様子だ。  
 広樹はお尻の方から這わしていた手を引き抜くと、今度は前側から美奈の感じやすい  
ところに指を持っていった。こっちからの方が触りやすい為だ。  
 
(美奈をイカせてみたい。そして出来るなら……)  
 いまや広樹を抑制するものなど何も無かった。  
 
 広樹は美奈のショーツを膝まで一気に引き下げた。美奈の愛液がツーッと糸を引く。  
 そして、すかさずその手で美奈の潤った割れ目をなぞった。  
「きゃんっ!」と、可愛い悲鳴を上げる美奈。  
 しかし、広樹は気にせず割れ目に手を這わせ続ける。割れ目はヌルヌルしていて指が  
滑らかに動いた。  
「はぁん! やぁんっ! あんぅっ!」  
 美奈は立っているのが辛いのか、広樹の服を必死に掴んでくる。広樹の指が割れ目の  
少し上にある蕾に触れる度に、美奈の腰がビクンッと跳ねた。まるで美奈が広樹の指に  
合わせて腰を振っているかのようだ。  
 広樹はさらに空いている方の手を美奈の服の中に入れ、人差し指で硬くなった乳首を  
こねくりまわした。  
「やぁん! 激しぃっ! ぁんんっっ!!」  
 美奈は小さい身体をくねらせながら、宙を仰ぎ見て喘いだ。  
 
 この圧倒的な征服感! 顔を赤らめた美奈は、抵抗することなく広樹の思うがまま  
だ。広樹は、もう夢中になって、手ワザを行使し続けた。  
 美奈の割れ目は熱くてトロトロで、まるで火山のマグマのようだ。  
 
「ちょっ、だめぇ! なんかっ、ダメだからっ!!」  
 
 やがて美奈がそう叫ぶと、割れ目がヒクヒクと軽く痙攣した。そろそろ限界らしい。  
 しかし広樹は聞く耳をもたず、むしろラストスパートをかけていた。  
 上下の急所を思いっきり引っ張ってから、これでもかという速さで擦ったのだ。  
 
「お願い止めてとめてトメテ……あああアアァァ〜〜〜!!」  
 
 美奈は絶叫し、昇天した。  
 
 
 ガクッと力の抜けた美奈を、広樹は両腕で支えてやっていた。あられもない姿をした  
美奈は、どうやら失神してしまったらしい。  
 
(半脱ぎの今の状態が一番そそられるんだけどな……)  
 はずれかけのブラジャーや、足に絡まったショーツ、それに無防備な顔をした美奈を  
見ると、そのままいただきちゃいたい衝動に駆られるが、こうも幼い顔を見せられると  
毒気が抜かれるってもんで、広樹はもう兄の顔に戻っていた。  
 広樹も当初の目的を一応達成できたので不満は無かったし、今は性欲よりも保護欲の  
方が勝っていた。  
 
 広樹は美奈を起こさないようにお姫様抱っこの状態で寝室まで運んでやった。そして  
手近にあったタオルケットを掛けると、目が覚めたときの為に温かいレモンティーを  
用意してやることにした。  
 
 
 手に温まったレモンティーを持って美奈の部屋へ戻ってきたときには、美奈はもう  
お目覚めだった。  
「調子どう?」  
 レモンティーを渡しつつ、ご機嫌を伺う。美奈はプクーッと頬を膨らませていた。  
「どうして止めてって言ったのに止めてくれなかったの?」  
「ごめん、止まらなかったんだ。美奈のえっちな顔が可愛すぎて」  
 広樹がそう言うと、美奈の顔が見る見るうちに赤らんでいった。美奈は慌てて俯き  
つつ、別の疑問を口にした。  
「じゃあ、どうして最後まで……その、してくれなかったの?」  
 美奈は広樹の顔を見据えた。目からは今にも涙がこぼれ落ちそうだ。  
 広樹はそっと美奈を抱き寄せた。  
「だって、今回は美奈の身体に負担を掛けすぎたから。俺は美奈のことを本当に大事に  
思っているよ」  
 美奈はそっと広樹の胸に顔を埋めた。  
 
 しばらく沈黙が生まれた。静寂という言葉がぴったりの空間だった。そしてそれは少し  
もの寂しげで、哀愁漂うものだった。  
 それを壊したのは、美奈だった。とうとう彼女は一番聞きたくても恐くて聞けなかった  
質問を口にしたのだ。  
 
「ねぇ、私のことどう思ってる?」  
 
 今まさに、美奈の胸の中は心臓が張り裂けんばかりに脈打っていた。広樹は抱いていた  
手を放すと、美奈の肩に手を置いた。その目は真剣だった。  
 
「俺は美奈のことを……兄としても、男としても大事にしていきたい。今度の誕生日には、  
2人で指輪を買いに行こう」  
 
「ッ……兄さんっ!!」  
 美奈は涙が止まらなかった。2人はきつく抱きしめ合い、そして深い深いキスをした。  
 また静寂が生まれた。しかし今度のものは、世界を全て包みこむ様な、幸福感あふれる  
温かな静けさだった。  
 
(完)  
 

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