もうだめだ、年の数だけイカセる前にこっちが死んでしまう。朦朧とした頭でそう  
考えた時にあるモノが>456の視界に入ってきた。金棒である。  
(;´д`;)。oO(鬼に金棒とはこの事カー!?)  
気力を振り絞り金棒に手を伸ばす。さすがは人外の武器(えもの)、ずしりと重い。  
引きずるように移動させ、なんとか位置と角度を調節し、後ろへフェードイン!  
「はぐぅっ!?い、痛ッ!いやそんな所イヤァァアァァッッ!!」  
 
 で、  
 
こうして命からがら、ノルマを無事クリアした>456に赤鬼が「畜生、来年はこうはイカない  
からねっ。おっぼえてろよー!」と、捨て台詞を吐いて窓から逃げるように帰って行く。  
その目に光っていた物は一筋の涙か、はたまた心の汗か・・・。頑張れ赤鬼!蒔けるな赤鬼!  
来年のリベンジに向け、お家に帰って開発だ!  
 
 
 
あれから1年。  
また2月3日の夜がやってきた。  
あの時はどうにか事なきを得たけど今年も大丈夫とは限らない。  
大升一杯の豆の他にも鰯の頭を玄関や窓に吊るしたり  
桃の芳香剤を用意したりと対抗策を講じてある。  
しかもマンションの5階で窓からの侵入はほとんど不可能、  
玄関のドアも嘘か真か大家さんが「1d爆弾の直撃に耐えます」と  
太鼓判を押してくれるような代物だ。  
いくら鬼でも近づく事すら出来ないだろう。  
それこそ飛んで火に入る何とやら、という気分だった。  
彼女が来るその瞬間までは。  
 
ピンポーン  
 
「あと2時間で今日が終わる。もう少しの我慢だ」  
そう思っていた矢先に玄関のチャイムが鳴る。  
もう夜も更けてきたというのに誰だろう?  
そんな約束も無い筈なのに。  
まさか彼女とは思いもしない僕は  
「はーい」  
と言いながらドアの覗き穴を見て腰を抜かした。  
彼女が嬉しそうに、だけど不敵な笑顔で立っていたんだ。  
「ここまで準備していてくれると、鬼としてこの上ない幸せだな」  
ドア越しに彼女の声が聞こえる。  
ややハスキーなそれは聞き間違えようも無い。  
「ど、どうして効かないんだ? 鬼の苦手だって聞いたのに」  
「人間の考えそうな事だ。対処のしようが無いワケじゃないぞ」  
どこかほくそえむようなのは1年前と全く変わっていない。  
「…それは直に会ってから教えてやろう。危ないから少し離れていろよ」  
思わず後退りする。とドアの向こうから気合を込めた声が聞こえてきた。  
「ハァァァァァッッッッ!!!! たァッ!」  
 
その瞬間、我が目を疑った。  
大家さんが大見得を切ったドアが見事にへしゃげたからだ。  
金属が潰れる音を響かせて、厚さ20センチはある鉄の板が  
こちら側に向かって凸ぱってくる。  
何度も殴る音を響かせて、拳の形をした突起が幾つも浮かび、  
ドアの真中が割れてその穴から逞しい赤銅色の腕が飛び出してくる。  
そのまま力任せに穴を広げて、そこから彼女が顔を覗かせた。  
薄紫のボブカットに真紅の瞳、牙と角が頭と口元から見えるが  
それを補って余りある美しい顔立ち。  
全てが昔のままだ。  
切れ長の瞳と口元が皮肉っぽく微笑む。  
「久しぶりだな。探すのに少々手間取ったぞ」  
顔を引っ込めるとへしゃげたドアに両手をかけて蝶番ごと  
引き千切ってしまう。  
それを無造作に廊下に放り出して僕の部屋に土足のまま  
上がってきた。2メートル近い身長なので座り込んだままの  
僕は文字通り見上げる形になる。  
スーパーモデルのような見事なプロポーションに  
白黒虎柄のえっちな紐水着(のようなもの)を食い込ませ、  
手には去年とは違う形の金棒を担いでいた。  
「こ、こんな派手に壊してどうなっても知らないぞ」  
 
単なる金属の塊となったドアの転がる音が廊下に響いた。  
マンションの住人や管理人さんが早く駆けつけてくれる事に期待する僕。  
ここまでやってくれたら警察もすぐ来てくれる、  
と思った心の中を読んだかのように。  
「心配するな。昔と違って邪魔されるとやっかいだから結界を張ってある。  
 だから誰も助けに来ないけどな」  
片手では納まらないほど豊かな胸を張り答える彼女。  
胸の先端を僅かに覆った紐ごと揺らせて誘惑するように続ける。  
「それとも何か? 人に見られながらの方がいいのか?  
 私は何人いても構わんがな」  
「そんな!」  
「じゃあ、このままでいいんだな」  
軽く答えた彼女は座り込んだままの僕の脇を通って  
奥のリビングへ入ってゆく。  
「何だこの匂いは。いくら鬼が匂いに弱いとか桃が苦手とかあっても  
 男の部屋がこうだと気色悪いぞ。前の部屋はこうじゃなかっただろ」  
鼻を鳴らす彼女に言われて僕は気がついた。  
「って、まさか前の部屋に押しかけたワケじゃ…」  
 
くるり、と振り返る彼女の衣装の股間の部分が濡れていた。  
単に紐でしかない股布が変色している。  
「壁をぶち破って入ってみたら知らない男がいたんだ。  
 でも頼んだら素直にお前の居場所を探し当ててくれたぞ」  
 もちろんその人とは面識がある筈も無い。脅されて泣きそうになりながら  
あちこちに電話したであろうその人に心の中で合掌する僕。  
「ついでだから軽いウォーミングアップしてきたところだ。  
 死なない程度だから 安心していいぞ」  
しばらくは入院を余儀なくされるのだろう。  
そんな同情の表情を浮かべる僕に、舌舐りをして近づいた彼女は  
片手で僕の脚を掴んでリビングの絨毯の上へと引き摺ってゆく。  
そうして部屋の真中で脚を放し、彼女は担いだままだった  
金棒を勢いよく下ろした。  
僕が思わ飛び上がってしまうほどの重さのそれは、  
先が重みで床にめり込んでしまっていた。  
「あ…それは…」  
改めて金棒を見た僕は衝撃で声を詰まらせた。  
去年、彼女を撃退した時のものは確かに絵に描いたような鬼の金棒だったのだ。  
野球のバットを一回り大きくした形の。  
 
だが、たった今彼女が肩から降ろしたものは。  
「去年は見事に一本とられたからな。今年はそうはいかんぞ」  
含み笑いを隠さない彼女の声は僕を絶望に追い込んだ。  
上下が逆だが明らかに男根の形をしている。  
消火栓ほどもあるサイズのそれの握りを股間に押し付けながら  
彼女は怯える僕を見下ろして明らかに楽しんでいた。  
「弱点てのはな、乗り越える為にあるんだぞ」  
股布ごと押し込むように金棒を擦り付けて、  
僅かに喘ぎ声をあげる彼女の言葉は僕にとって  
死刑宣告そのものに聞こえた。  
 慌てた僕は手近にあったものを彼女に投げつけた。  
運良くそこにあった物は、豆。  
 それを片手いっぱいに握り彼女にぶつける。  
「これでも喰らえ!」  
「うン、いイッッ!」  
 驚いた事に彼女は全身にそれを浴びて達してしまったのだ。  
 白く泡立つ粘液が派手に股間から吹き出してあたり一面を  
飛び散ったそれでドロドロにする。  
「これじゃダメだ! 他に何か…そうだ」   
 窓に駆け寄った僕は吊ってあった鰯の頭を掴んで彼女に向けて投げる。  
 豊かな乳房に弾かれて落ちるが彼女は悶えたままだ。  
 
「ン、だめだぞォ。そンな物は効かないンだから」  
 さっきと違って艶っぽく反応する彼女に  
背筋に寒気が走るほどの色気を感じる。  
「なら、次はこれだ!」  
 鰯の頭の次に掴んだのは桃。  
これを思い切り投げつける。  
 次の瞬間、桃が彼女の頭に命中した。  
弾けたそれは整った美貌を汚す。  
 この時、時間が止まったかのように思えた。  
鬼とはいえ相手は女性。  
 その顔に果物をぶちまけてしまったのだ。  
 片手で桃の汁や身を拭い落とした彼女の顔は  
先ほどまで快楽に溺れていた女などではなく、  
冷たい怒りに満ちた鬼そのものだ。  
無表情なまでの彼女は軽く溜息をついて言う。  
「せっかく愉しんで相手をしてやっているのに、  
 こんな事をされるとは私も嘗められたものだな」  
 静かな声で言う彼女だが、手にしていた金棒の握りを  
文字通り握り潰してその怒りを表していた。  
 いつの間にか鉤爪の生えた指の隙間からは  
粘土のように金属が吹き出ている。  
 
その手を口元に持ってきて爪を嘗める彼女。  
 手を放された金棒は大きな音を立てて床に転がった。  
そのあまりの大きな音に僕は我に返る。  
 やっと僕は気付いたのだった。  
彼女は僕が罠を仕掛けて待ち受ける事を予期し、  
鬼の弱点を克服して今日に臨んだのだという事を。  
 全身から鬼気を発して仁王立ちする彼女は  
正しく鬼そのものだ。  
 紐のような衣装を淫らな身体に纏い、  
股間からは白く泡だった粘液を滴らせ  
鉤爪を伸ばし角を立て髪を逆立てた彼女は  
破壊と殺戮の悦びを感ずる鬼の本来の姿を  
僕に思わせた。  
 あまりの恐怖に身動きひとつできない僕に、  
彼女は静かな、それでいて絶対に反論を許さない声で  
言う。  
「去年と同じく私をお前の歳の数だけイカせたら赦してやろうと  
 思っていたが、今年は特別サービスだ」  
「…というと?」  
 勇気を振り絞って聞く僕。  
「それはだな」  
 尻餅をついた状態の僕に寄って腰を降ろした彼女は  
ここで微かに微笑んだ。  
 
「お前がお前の歳の数だけイったら赦してやる」  
 方膝を立てているので彼女の紐のような衣装が  
余計食い込んでいる。ワザとやっているのだろう、  
更に食い込んだ股布からは糸を引いて白い粘液が  
滴り落ちているのを僕に見せつける。  
 胸の先端だけを覆った紐は突起が浮き立っていて、  
彼女が性的に昂揚しているのを表していた。  
 淫靡すぎる光景から必死に目を引き剥がして  
彼女の顔を見上げると、悪戯っぽく笑っていた。  
「とりえず、喉が渇いた」  
 そう言うが早いか彼女は僕のズボンを破って  
股間を露わにして僕のモノにむしゃぶりつく。  
 ジーンズの丈夫な生地を紙のように簡単に引き裂き、  
ベルトですら千切る怪力に驚く間もなく腰の底から  
何かを強引に引き抜かれるような快感に僕は悶えた。  
 言葉通り彼女は僕の精液を貪るように飲む。  
嵐のような快感は記憶が飛ぶほどのものだった。  
 僕は何時の間にか気を失ってしまった。  
 
「目が覚めたか?」  
 優しいアルトの声に気がつく僕。  
彼女に膝枕されているのだ。  
慌てて起きようとする僕を抑えて彼女は続ける。  
「そのまま寝ていろ。あとは私にまかせればよい」  
 さっきとは一転して慈愛に溢れた表情の彼女に  
僕はどぎまぎしながら聞く。  
「僕、気絶しちゃったの?」  
 時計を見ると日付がもうすぐ変わりそうな時間だった。  
「たった5発で気を失うとは情けないぞ。  
 まぁ、喉の渇きは癒えたから私は気にしてないがな」  
 そっと僕の頭を床の絨毯の上に降ろすと、  
彼女は僕に跨るように移動する。  
「とはいえもう少しほぐしておかないと  
 お前を壊してしまうからな。  
 本番はそのあとだ」  
 僕の頭にえっちな紐水着のお尻を向けて  
馬乗りになる彼女。  
 そのまま僕のモノに頬擦りをしているのが感覚で分かる。  
このまま行為に及ぼうとしているのだ。  
 このまま為す術もなく彼女に思うままにされるのは  
あまりに口惜しい。何か反撃できるものは、と  
手探りの僕の手に何か冷たいものが触れる。  
 
それはソファの下に隠してあった最後の武器、  
本場から取り寄せた鬼殺しの一升瓶だった。  
封を切っていないそれはずしりと重い。  
引きずるように移動させ、なんとか位置と角度を調節し、  
懐かしの箇所へ押し当てる。  
「はぐぅっ!? こ、これはッ! いやそんな所またイヤァァアァァッッ!!」  
火事場の馬鹿力とはよく言ったもので、無理な体勢のまま一気に押し込む。  
「イヤァァァァァッッ……ン?」  
「よくも非道い事してくれたな! いままでのお礼だ、喰らえっ!」  
子宮を焼くであろうアルコールに一抹の同情と後悔を感じながらも  
大見得を切る僕。これで完全勝利!  
 
の筈だった。  
「………………」  
反応が無い。  
「しまった! 栓を抜くの忘れてた!!」  
ゆらり! と幽鬼のように立ち上がる彼女。  
膣に瓶を挿したままなのでその形がくっきりと  
赤銅色の肌に浮き出ている。  
「まだ抵抗する気なのか? お前は」  
気絶させられる前よりも怒りを露わにした声で  
聞く彼女。  
僕は最後の勝負に賭けた。  
「そ、そうさ。去年のものよりも大きいそれで  
 お前を追い払ってやるつもりだったんだ!」  
「こ、こんなモノで私に勝てると思ったのか!?」  
 そう叫んだ瞬間、怒りのあまり彼女の膣が収縮する。  
瓶が割れ中身が一気に子宮へと迸る。  
「うぐがぎゃぁァァァァッッッンンンンン!!!」  
 悲鳴とも喘ぎ声ともとれる声を聞きながら僕は今度こそ気を失うのだった。  
 
 
 気がつくと僕は布団に入っていた。  
「あれ? 夢、だったの?」  
 パジャマもしっかり着ている。しかし。  
「もう起きたのか。夜明けはまだだ。  
 寝てていいんだぞ」  
 添い寝をしている彼女がいた。  
薄暗いが会った時と同じえっちな格好のままのようだ。  
「さっきの、は?」  
「夢じゃないさ。見事お前は私に打ち勝った。  
 だから私はここにいる。完敗だ」  
 柔らかい、まるで鬼とは思えないような声だった。  
「でも、僕、あんなヒドい事しちゃって」  
 女の人のあそこに瓶を突っ込んで、あまつさえ  
割らせてしまったのだ。悔やんでも悔やみきれない。  
 でも驚いた事に彼女は女神のように微笑んでくれた。  
「構わんさ、あんなプレイも鬼にとってはいい刺激だよ」  
「ごめんね、ごめん…」  
 言葉にならなかった。詫びなくてはと思った。  
「泣くな。お前は人間として鬼に立ち向かったんだ。  
 その勇気に私は負けた。それだけだ」  
 
「でも」  
「鬼があんな事で怪我をすると思うか? 心配するな。  
 粉々に押し潰してから風呂を借りて綺麗に取り除いておいた。  
 人間とも普通にコトに及べる。相手も傷つかないよ」  
 優しく僕の頭を撫でる彼女。  
「だから、もう言うな。それに」  
「それに?」  
 ここで初めて彼女は躊躇するような表情を見せる。  
「私はお前に負けたばかりか、心を奪われてしまったのだ」  
 そっと目を閉じる彼女。  
その唇に顔を近づけながら、最後に負けたのは僕だ、と確信した。  
 

Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!