「脱ぐね。」
私が、ショーツに手を掛けると
「………うん。」
智基の喉が生唾を飲み込む動きを見せた。
「んしょと。」
ソファーの上に仰向けに寝ている智基の両足を跨いで立つ形になって、徐々にショーツを下に下ろしていく。
「…………。」
智基は無言で、徐々に露になっていく部分を見つめている。
「よっと。」
ショーツから左足を抜き、右足を抜いて脱ぎきったショーツを軽く投げる。
「これが、私の…。」
女の証。
「きれい…。」
正直、自分自身でさえ、グロテスクだなと思う性器を見て智基が呟く。
その、感想が決してお世辞では無い様に感じて、
「へへへ、ありがと。」
心から嬉しくなる。
「お姉ちゃん、触っても良い?」
やはり、律義に聞いてくる。
「まだ、だめ。」
本当はすぐにでも触らせてあげたいけど
「智基も脱いでからね。」
これから、私達はSEXをするのだ。
私だけが全裸では、オナニーショーくらいしか出来やしない。
「わかった。」
智基がシャツを脱ぎ始める。
筋肉質では無いが、それでも女には無い男性特有の引き締まった体が露になってくる。
二人でお風呂に入っていた頃とは違う弟に惹かれる。
「下は私が脱がしてあげるね。」
くるっと回って、智基におしりを向ける形になり腰をおろす。
「え!?うわっ!!」
いわゆる69の形になる。
「ひゃ、智基、腰浮かせて…。」
智基の息が当たるだけで感じてしまう。
「え…あ、うん。」
智基は言いつけ通りに自分が脱ぎきるまで触らない様だ。
「んしょっと。」
智基のジーンズを脱がせると、はちきれんばかりに膨らんでいるトランクスが露になる。
「へへへへへ。」
私を見て、私を感じて大きくしてくれていた事が嬉しい。
「ちょっ、お姉ちゃん何で笑うん?」
恥ずかしそうに言う。
「お姉ちゃんに欲情するなんてイケナイ子だね。」
「お姉ちゃんには言われたく無い。」
ごもっともな事を間髪入れずに返されてしまう。
「アハハ、ごもっともです。って、んっ。」
智基の鼻息が当たって、手が止まってしまう。
「ひゃんっ、ちょっと智基、鼻息荒すぎだよ。」
「だって…。」
酷な事だとは思うけど。
「二人で一緒にね。だから、もうちょっとだけね。」
智基のトランクスに手を掛けて一気に脱がす。
「トウッ!!」
そして、めいっぱい投げる。
目線を、智基の性器に移す。
…………うーん、
「おっきいね。」
「嘘でしょ。」
まあ、何と言うか、
「平均的だね!!」
「……やっぱり、大きい方が良い?」
心配そうに聞いてくる。
「ううん、智基のが良いの。」
というか、智基のしか興味が無い。
「智基、触るね。」
「僕も、触っても良い?」
「うん、智基に触ってほしい。」
お互いにお互いの性器に手を添える。
「んっ、智基のすごく硬いよ。」
「う…お姉ちゃんのはもうジュクジュク。」
それが、お互いの事を求めている様に感じてちょっと恥ずかしいけど
「アハハ」
「へへへ」
凄く幸せな気持ちになる。
「ひゃっ、ん…。」
指を入れられる。
「お姉ちゃんの中あったかい。」
「んっ、あふっ、も…もっと動かしても良いよ。」
智基が私のを見て私の中に指を入れている。
「あっ、ん…いい。ひゃっ…いいよ、智基。」
体が熱くなる。
「あっ、んふ…と、智基のも良く、したげるねっ…」
智基を感じるのに、触るのではじれったくて
口に加える。
「ひゃっ、お姉ちゃん。」
ジュポジュポ
「へへへへ、ともひー、きもひいい?」
「あっ、ん、うん。気持ち良いっ。」
へへへ、女の子みたいな声だしちゃって、嬉しいなー。
ジュポジュポ
「うっ…気持ちいいっ。」
気持ち良くなってくれるのは嬉しいけどさ、「こらー、ともひー、わたひもよくひてよー。」
「んっ、あ…ごめん。じゃあ、僕も。」
チュパチュパ
舐められる。
「やっ……、い、いひなりー。」
ジュポジュポ
「へへへへ、お姉ちゃんの声かわいい。」
チュパチュパ
「んあっ、こ、こへ(声)たへー(だけ)?」
ジュポジュポ
「ん…ううんぜ、全部。」
チュパチュパ
「ひゃっ、え、えへへへ、うれひいな。」
ジュポジュポ
安らぐ。
こんな行為をしてる最中なのにな。
たぶん、姉弟だから。
赤の他人じゃ、こんな気持ちにはならないと思う。
ジュポジュポ
ピチャピチャ
「んふっ、あー、もう!!」
口から智基の性器を出す。
「つッ…、おねえひゃん?」
胸が満たされる。
「智基の事が好きで好きでたまんないなー!!ってね。」
「同じく。」
あー、もう愛しいなー。
智基のお腹の上に座り、クルッ回り智基の方を向く。
「くわえた後でアレだけどキスして良い?」
「良いよ。僕のは清潔だから。」
「同じく。」
チュパチュパ
「んっ…。」
「あふっ…。」
智基の唾液が流し込まれてくる。
コクン。
それを躊躇無く飲む。
「ともひ…。」
唇を離す。
「ん?お姉ちゃん?」
見つめる。
私だって、わかってる。
いけない行為だって。
けど、
「智基を、弟として愛してるの。」
狂おしい程に。
「僕も、お姉ちゃんを姉として愛してる。」
ありがと。
けど、私わかんないの。
「弟が元気に健やかに成長して欲しいから料理をする。
それは、家族愛?」
「うん、そうだね。」
「弟に夢を叶えて欲しいから働いてお金を稼ぐ。
これも家族愛?」
「うん。」
「じゃあ、弟に気持ち良くなってもらいたいから股を開く。
これは家族愛?」
間違ってる?
「………。」
「でもね。本当なの
女として愛してるから、抱かれたいみたいな安い想いじゃないの。」
「お姉ちゃん…。」
「私はね智基のお姉ちゃんとして、
私の作った料理を食べて、智基が喜んでくれるのが、嬉しいのと同じ様に
智基が、私で気持ち良くなってくれると嬉しいの。」
普通じゃないの?
「それが正しいのかは、わからないけど。
お姉ちゃんは僕に対して見返りを求めずに愛してくれる。」
「だって、家族じゃない。」
当たり前だよ。
「だから、いつもありがと。」
「私はね、感謝してもらいたくて智基に何かしてるんじゃないの。
ただ智基に喜んでもらいたいだけなんだよ。」
「うん。」
「智基…。」
「お姉ちゃん。」
「私と……お姉ちゃんと気持ち良くなりたい?」
「…うん。」
智基は、私とは血が繋がって無いと思ってる。
「ありがと智基。
一つになろうね。」
けど、その方が良い。
罪の意識は私だけがもってれば。
「智基、気持ち良くなろうね。」
騎乗位で智基の性器を、私の性器にあてがう。
「あっ…。」
智基が声を上げてくれる。
それが私の喜び。
ヌプププ
ゆっくりと腰を下ろしていく。
「んっ……。」
私の中の異物感が気持ち良い。
「お姉ちゃん。お姉ちゃんと…。」
「そうだよ、智基。お姉ちゃんと一つになるんだよ。」
智基の髪を撫でながら言う。
「あっ…う、うん。」
ヌププッ。
腰を下ろしきる。
「んっ……ほ、ほら智基、全部入っちゃた。」
私は今、血の繋がった弟と繋がった。
僕の性器が
お姉ちゃんの性器に
包まれている。
僕は……
「ずっと、こうなりたいって思ってた。」
けど、そんな思いは抱いちゃいけないと思ってたから。
「智基は我慢してたんだね。辛かったよね。」
繋がった状態で、
今までで一番近い距離で頭を撫でてくれる。
「けど、もう我慢しなくて良いんだよ。
うちにいる時なら、いつだって好きな時にしても良いんだからね。」
いつだってお姉ちゃんは僕を愛してくれる。
「私は、智基が気持ち良くなってくれると嬉しいの。
それに、同じ想いだから…ね、智基。」
僕は、お姉ちゃんから与えられる事しか出来ない。
それなら、それで良い。
与えられるものを全部もらってやる。
それが僕の愛し方。
それに、
「んっ、智基…動くよ…。」
血が繋がってないのなら…
「うん。お姉ちゃん。」
良いよね?
「んっ…。」
お姉ちゃんの腰が浮かされる。
それなのに、お姉ちゃんのなかが僕の性器を離したくないという風に、腰の動きと逆の動きをするから
「うっ…うわ……。」
恥ずかしながら童貞の僕には刺激が強すぎる。
「んっ、へへへ…気持ち良い?智基?んっ、あっ…」
僕が声を出すのが嬉しそうにしている。
「んっ、ふぅー、と、智基は何も考えなくて良いから、
気持ち良くなる事だけ…あっ…」
僕の声をもっと聞きたいのっ!!てな感じで
「んっ!!」
ギリギリまで腰を浮かせた瞬間、
それを一気に下ろす。
「んっ、うわっ、ちょっちお姉ちゃ………。」
……………
お姉ちゃんが腰を降ろした瞬間、
お姉ちゃんのなかは僕の性器に凄まじい快感を与えた。
お姉ちゃんのおしりが僕の腰に下りきった瞬間
パンッ。
と音が鳴った。
そして、それと同時に
ドクッ。
と聞こえた様な気がした。
「………………。」
まさか一往復で……。
それは、あまりにもカッコ悪い。
「と、智基………。」
お姉ちゃんが言葉を失っている。
これはマズイ!!!
な、何か気の利いた言葉を!!
「ぼ、僕まだイッテないよ……。」
馬鹿だ……。
僕は馬鹿だ…。
イッテないと言いながら僕の性器は白濁液を吐き出していた。
「………………。」
お姉ちゃんが何も言わずに僕を見つめている。
イヤッ!!見ないで…。
顔を背ける。
「……そ、そうだね。まだ智基の大きいままだもんね。」
僕の頬を撫でてくれる。
お姉ちゃんはどこまでも優しい。
確かに僕の性器は勃起してるけど
それは、お姉ちゃんのなかが気持ち良くてスグに回復したから。
けど、僕はお姉ちゃんの優しさを受け取る。
それが僕の愛し方だから!!
「うん、まだイッテないから続けよ。お姉ちゃん」
「うん続けよ。けど智基、次は膣に出しちゃダメだよ。」
………………
最高に恥ずかしい。
「……うん。」
「へへへへ、赤ちゃんが出来たら智基、困るでしょ?」
お姉ちゃんとの赤ちゃん……。
困るかな?
少なくとも、その子を愛せる自信はある。
というか、いつかは欲しいとさえ思う。
血が繋がってないから問題は無いし…。
「智基。」
「え?」
「続けよ。さっきのはノーカンね。」
ノーカウント。有り難い申し出。
「ありがと、お姉ちゃん。」
さっきと同じ様に、お姉ちゃんが腰を浮かす。
「んっ……。」
さっきほどではないが、やはり気持ち良い。
「あっ……。」
腰を下ろす。
パンッ
と音が鳴る。
ただの肌と肌がぶつかる音なんだけど
その音が今はひどくいやらしく聞こえる。
「んっ、んっ、んっ…。」
普段、聞かないお姉ちゃんの声。
気持ちが高ぶる。
「お姉ちゃん、お姉ちゃん、お姉ちゃん、お姉ちゃん。」
意味もなく愛しい人の名前を連呼する。
「んっ…へへへへ、と、智基わかる?
私と、智基のピッタリだよ…んっ、」
僕の性器がお姉ちゃんの性器に隙間無く包まれている。
「うっ……うん。わかるよ。くっ…。」
うまく、言葉を発声できなくて簡単な単語でしか話せない。
「んっ、んっんっ。」
お姉ちゃんが腰を上下させると。
僕の性器をお姉ちゃんのなかが摩擦する。
「あっ、あっ、う…。」
声というか音みたいな物を自分の意思を無視して自分の口が発している。
「ひゃっ、あんっ、んっんっあっ……」
お姉ちゃんも同じ様に音を発している。
それが、お姉ちゃんも僕と同じように感じていると思えて、嬉しい。
「んっんっんっ、智基?きもちいー?
私はすごく、気持ち良いよ。」
そんなの決まってる。
「あっく…す、すごい。すごく、気持ち良いよ。お姉ちゃん。」
パンパン。
お姉ちゃんは腰を上下させながら
僕の唇を撫でながら
「へへへへ。私って魔性の女だね。
智基はもう私から離れられないね。」
お姉ちゃんがいたずらな笑みをうかべる。
「こっちから、離れる気は無いよ。」
いたずらな笑みを返してやる。
「んっん、へへ、じゃあ一生、一緒…んっ……。」
「う、うんっ……一緒。お姉ちゃんと……。」
あー、良いな。この感じ。
繋がってる最中なのに
姉弟のままでいれる。
「ひゃっ、んっ、と、智基は…ほんと、シスコンなんだからっ…」
「あーあっ、 お姉ちゃんより、妹のっ…方が欲しかったなっ…。」
「あっー、ひどいーっ。」 パンパン
お姉ちゃんが腰を上下するスピードを速める。
「つっ…ん…。」
このままでは一方的に終わらされてしまう。
「へへへへ、どうだー
んっ?……気持ち良いかなっ…?お・に・い・ちゃ・ん。」
「24歳の人に言われてもね、っと!!」
お姉ちゃんの背中に腕を回して無理矢理、僕の胸に倒させる。
「ひゃっ、んっと、智基?」
近くにきたお姉ちゃんの唇にキスをする。
「ひゃっ…ともひ。」
抱いている力を強める。
お姉ちゃんの胸が、僕の胸の所でつぶれて気持ち良い。
「おねえひゃん。おねえひゃん。おねえひゃん。おねえ……。」
キスをしながら
交わりながら
体をひっつけながら
「ともひ、ともひ、と
もひ、ともひ、とも……。」
言葉でも一つになりたい
お姉ちゃんと。
「おねえひゃん…んっ…」
「ん…ともひー、わたひ、もうすぐ……。」
お姉ちゃんが腰を振る。
聞こえるのは、
キスと結合部の水気を帯た音。
肌と肌のぶつかる音。
お互いの名前。
見えるのは、
溶けた瞳。
感じるのは快感。
全てが、ひわいだった。
「くっ、おねえひゃん…んっ、僕も……。」
「いっひょ(一緒)。いっひょにだよ…ともひ…いっひょ…。」
「うっ、うん。いっひょ……。」
チュパチュパ。
ジュポジュポ。
パンパン。
「おねえひゃん、おねえひゃん、おねえ……。」
「ともひ、ともひ、とも……。」
もう、何も考えれない。
ただただ、お姉ちゃんの膣に精を放ちたかった。
「んっんっんっ。」
「あふっ、わたひ、もうっ…。」
僕も、射精感が込み上げてくる。
「おねえひゃんっ、僕もうっ……。」
「うんっ、うんっ…いいよ。いーよ。」
ドクッ!!
精がお姉ちゃんの膣に放たれる。
「くっ……。」
「んんっ―――――!!!」
………………………………………………
繋がったままの状態で理性が戻ってくる。
また、中出ししてしまった事に気付く。
「お姉ちゃん、ごめん。膣に出して…。」
お姉ちゃんが覆い被さったままで首を振る。
「ううん。さっきは、私も膣に出して欲しかったから。智基は悪くないよ。」
「そっか……。」
良かった。
「私、明日にでもピルもらいに行くね。」
ピル?
お姉ちゃんは、そんなにも……。
「お姉ちゃんは、僕との子供は欲しく無いの?」
聞けずにはいれなかった。
「違う!!」
お姉ちゃんが声をあげる。
「お姉ちゃん?」
「違うの……智基…。そうじゃなくて。」
「だったら、ピルなんて飲まなくても。」
お姉ちゃんが体に負担を掛ける必要は無いのに。
「智基…、私との子供欲しい?」
「お姉ちゃんの事好きだから。いつかは……。」
欲しいと思う。
「そう。私も智基の事、大好きだよ。」
強く抱きしめられる。
「けど、駄目だよ。智基」
酷く悲しい顔をする。「僕達、血が繋がって無いんでしょ?」
「うん。……けーど、智基はまだ大学生。」
急に笑顔に変わる。
「良い会社に就職して、お金を稼ぐ様になるまではダーメ。」
ごもっともです。
「私の、安月給じゃ、子供二人は養えません。」
「そうだね。けど、お姉ちゃんがピルなんて飲む必要は無いよ。ちゃんと避妊するし。」
僕は紳士だからね。
「智基、私は智基に気持ち良くなってもらいたいの。その為だったら、何だってしたいの。」
「お姉ちゃん……。」
僕は、お姉ちゃんの事が好きで好きでたまらない。
それを伝えたくて強く抱きしめる。
「へへへ、智基がおっぱいの感触を感じたくて強くしてる。」
それも無い事は無いけど。
「僕はお姉ちゃんのものだ!!」
普通は逆だけど
「そうだよ。だから、私から離れちゃダメだからね。」
お姉ちゃんとずっと一緒にいたい。
「お姉ちゃん、好き。」
「私も、智基の事好きだよ。」
キスをして
それを確かめあった。
今日はお姉ちゃんの誕生日。
ケーキも買ったし。
お姉ちゃんの好きな、手巻き寿司の材料も買って来た。
プレゼントも買ったし
「ハハハ、お姉ちゃん喜ぶだろうな。」
お姉ちゃんの笑顔を想像するだけで笑顔になる。
「あれ?」
鍵が空いてる。
締め忘れなんてないし。
お姉ちゃんがもう帰ってるのかな?
「ただいまー。」
…………
けど靴があるし。
リビングの扉を開ける
あ、いた。
「ただいま、お姉ちゃん。」
…………
無視。
機嫌が悪いのかな?
「お姉ちゃん、誕生日おめでとう。今日は手巻き寿司しようね。ケーキもあるよ。」
…………
「あ、プレゼントもあるよ。安物だけど、指輪。ほら……。」
お姉ちゃんの指につけてあげる。
「おーなかなか似合ってるよ。」
…………
無視。
すごい怒ってるな。
「もしかして、思いだしちゃった?」
だから、こんなに怒ってるのかな?
「僕がお父さんとお母さんを殺した事。お姉ちゃん、その場面見てたもんね。」
…………
「お姉ちゃん、お父さんに犯されてたでしょ?だから……。」
…………
「お母さんは、ついでに。お母さんがいなくなれば実質的にもお姉ちゃんと二人きりになれるから。」
…………
何にも言わない。
「それが原因じゃないの?」
…………
もしかして、怒ってないのかな?
「何か言いたい事があるの?」
…………
「あ、わかった。
僕達、本当の姉弟なんでしょ。」
…………
「お姉ちゃんの顔見ればわかるよ。」
…………
「ねえ、そうなんでしょ?何にか言ってよ。」
…………
「ねえ、お姉ちゃん。何か言ってよ!!」
…………………………………………………………………………………………………
妊娠………。
何で????
あの日から私達は何度も何度も体を重ねた。
けど、ピルを飲んでいる。
私達は姉弟なのだから妊娠する訳にはいかない。
ただ、初めての時…………。
流されるまま、感情のままに膣に出してもらった。
あの時の?
「だよね……。」
油断していた。
生理が来ないのはピルの効き目だと。
けど、違った。
「赤ちゃん、できちゃった。」
だから、生理が来なかったんだ。
気付くのが遅すぎた。
体調が悪かったので、病院に行ったら内科から産婦人科に回された。
そこで医師に言われて初めて気付いた。
「どうしよう………。」
血の繋がった弟の子供を妊娠してしまった。
「恐い……。」
そこにあるのは喜びではなく
恐怖だった。
「産むの?」
堕胎できる期間は、もうとうに過ぎている。
「………………………………。」
頭の中で色んな事を考える。
罪だ。
これは、私だけの罪。
智基に血が繋がってないと嘘をつき抱かせた、私の罪。
智基に罪を背負わせる訳にはいかない。
「それなら……。」
しか無いかな……。
「あ……。」
気がついたら、家の前にいた。
病院から、どう歩いてきたのか分からないのに体は自然に家に歩を
進めていたんだ。
「へへへへ。」
好き。この家が。
仕事が大変で疲れても、家に帰れば智基がいてくれた。
それだけで私は救われた。
この家で智基と暮らしてきた。
この家で智基に抱かれた。
それならやっぱり……「この家しか無いよね。」
他の場所は寂し過ぎる。
家の中に入って、息を鼻からいっぱい吸う。
「ん〜、いいにおい。」
智基と二人で暮らしてきた生活臭が心地よい。
リビングのソファーに飛び込む。
「へへへへ。」
思い出す。
智基に初めて抱かれた場所がこのソファー。
「ちょっと、せまかったよね。」
目を閉じて、その時の思い出を頭の中で巡らせる。
「…………………。」
はっ!!!!
「危ない、危ない。寝ちゃう所だった。」
何で、私はこんなにも落ち着いていられるのだろう?
智基の事を考えるだけで心が落ち着く。
それほどに
「愛してるよ、智基……。」
だからこそ……
智基を不幸に出来ない。
「ちょっと汚れちゃうけど、ごめんね。」
許してね。
丁度良い所にロープを掛けて、そのロープにある輪に首を通した。
遠くなる意識の中で考えるのは智基の事ばかり。
「ずっと一緒にいたかったな……。」
…………………………………………………………………………
トントン
「よし、出来た。」
テーブルの上に料理を並べる。
「お姉ちゃんー、食べよ。お姉ちゃんの好きな手巻きだよ。」
…………
お姉ちゃんを下ろす。
「もー、お姉ちゃん、この歳でお漏らしはマズイよ。ちゃんとトイレに行かないと。」
…………
「んしょっと。」
お姉ちゃんを席につかせ。
「それじゃあ、改めまして
お姉ちゃん、誕生日おめでとう!!」
…………
「そして、これからも一緒にいようね。」
おわり